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だるまの意味や由来とは?目の入れ方や高崎だるまなどの種類、ゆかりあるスポットなど

2021.12.10

何度倒れても起き上がるだるま。合格祈願や選挙など、必勝を期するときの縁起物ですね。

でも、目を入れるのはどちらから?どこに飾ればいいの?大願成就した後はどうすればいい?正しい知識をちゃんと押さえておきましょう!

この記事ではだるまの意味や由来から、高崎だるまなどの全国のだるま、ゆかりあるお寺などまでご紹介します。

※この記事は2021年12月2日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
記事配信:じゃらんニュース

だるまとは?

(写真提供:写真AC)
(写真提供:写真AC)

だるまとは、達磨大師(だるまだいし)の顔が描かれた、倒れてもひとりでに起き上がる人形。どんな願いでもかなえてくれる縁起物として親しまれています。

モデルになった達磨大師は、禅宗の開祖です。室町時代に禅の普及とともに広く知られるようになり、江戸時代に「起き上がりこぼし」のモチーフになりました。

願を掛けるときに片目を入れ、願いがかなったらもう片方の目を入れる…という風習が、今も広くおこなわれています。開運招福、大願成就、家内安全、商売繁盛など、どんな願いもドンと引き受けてくれる、ありがた~い存在です。

だるまの由来

(写真提供:(公財)大阪観光局)
(写真提供:(公財)大阪観光局)

だるまのモデルとなった達磨大師は、5世紀後半のインドで王子として生まれ、長い修行を経て、中国に渡ったと言われています。

壁に向かって9年間座禅をし続けたという伝説や、150歳まで生きたという言い伝えが残っていて、絵画にもよく描かれました。剣豪・宮本武蔵もたくさんの達磨大師の絵を残しています。

そんな意思の強い存在感と、ヒゲもじゃのユーモラスなキャラクターが、起き上がりこぼしにぴったりマッチしたようです。

厳しい修行をしながら、倒れても倒れても起き上がる人形。そんな姿が、さまざまな願いをかなえてくれる縁起物となり、民間信仰の中で息づいてきたのです。

だるまの丸い形は、ゆったりした法衣を頭からかぶり、顔だけを出して座禅を組む達磨大師の姿を現しています。

だるまの目はいつ・どちらから入れる?

(写真提供:写真AC)
(写真提供:写真AC)

結論から言うと、だるまにとっての左目から入れ、願いがかなったら右目に入れるのが多数派(向かって右→左)。でも、どちらからでも構いません。

以下、ややこしいのですべて「向かって」で表しますね。

よく言われるのが、 “あうんの呼吸”の「阿」「吽」にちなむというもの。お寺にある阿形(あぎょう)、吽形(うんぎょう)の仁王像は、右が阿形、左が吽形が多数派。これにならって、「右→左」という説です。

阿はものごとの始まり、吽は終わりを意味しています。だるま市などでお坊さんに阿の字を入れてもらうときも、この順番がよく見られます。

ところが…、国宝でもある東大寺南大門の仁王像は、左右逆なのです。時代によってもいろいろあり、結局のところ、阿吽は左右どちらとは決まっていないのだとか。

下に紹介する“勝ちダルマ”のお寺・勝尾寺では、「左→右」を作法としています。また、選挙のだるまは「左→右」という説も一部にあります(逆の説もあります)。

どちらにせよ、「目入れ」はだるまに魂を注入する行為。しっかり願いを込めて書き入れましょう。大事なのは順番よりも、「必ず実現するぞ」という強い決意を込めること。だるまはその決意と努力をきっと見てくれることでしょう。

ちなみに、大きく見開いた目に“魔除け”の力があるとも考えられているので、最初から両目が入っただるまもたくさんあります。

両目の入っただるまに願掛けをするのも、もちろん良いことです。江戸時代の病魔除けは両目入りが主流だったとか。

赤だけじゃない?だるまの色の意味

(写真提供:写真AC)
(写真提供:写真AC)

 
だるまは赤のイメージ。これは、達磨大師が赤い法衣を着ていたからとされています。古代インド仏教界において、赤い法衣は位の高い証しだったとか。

赤には魔除けの意味もあり、江戸時代に日本で痘そう(天然痘)が流行ったときには、赤いだるまはよく売れたそうです。

赤くないだるまもあります。宮城県の「松川だるま」は胴体の前半分が青色。豊穣の海を表しています。山梨県の「甲州だるま」は、盛んだった養蚕のマユにちなんだ白色のものがあります。

ちなみに甲州だるまは高い神棚に飾ったとき、目が合うように下向きに目が描かれています。

だるまの飾り方

だるまの飾り方には、特別な決まりはありません。神棚や、家の中の高いところなどに飾るとよいでしょう。

魔除けとして、玄関に向かって飾ることもよく行われています。この場合は最初から両目の入っただるまが良いかもしれませんね。

願掛けの場合は、できるだけ身近に置いておき、おりに触れて初心を思い出すのも良い方法です。

願いがかなったら、お正月に神社やお寺に持っていき、「お焚き上げ」や「だるま供養」をしてもらうとよいでしょう。

(写真提供:ググっとぐんま観光宣伝推進協議会)
(写真提供:ググっとぐんま観光宣伝推進協議会)

【以上参考文献】
中村浩訳著『新装版 開運 だるま大百科』日貿出版社、2016年

各地域のだるまの種類と特徴

高崎だるま【群馬県】

(写真提供:ググっとぐんま観光宣伝推進協議会)
(写真提供:ググっとぐんま観光宣伝推進協議会)

高崎だるまは、群馬県高崎市の旧豊岡地域を中心に作られているだるまです。全国のだるま生産の約8割を占めているのだとか。

200年以上の歴史を持ち、1955年に旧豊岡村が高崎市と合併するまでは「豊岡だるま」と呼ばれていました。現在は「高崎だるま」として商標登録もされ、約70名の職人たちが伝統の技を継承しています。

高崎だるまの特徴は、まゆ毛の形が鶴、ヒゲが亀を表現していること。「鶴は千年、亀は万年」という縁起の良さにちなんでいます。

顔の両側には「家内安全・商売繁盛・大願成就・目標達成」、お腹には「福入」などの金文字が描かれていて、縁起の良さはピカイチです。

松川だるま【宮城県】

(写真提供:宮城県観光プロモーション推進室)
(写真提供:宮城県観光プロモーション推進室)

松川だるまは、宮城県仙台市で作られているだるまです。天保年間(1830~44年)に仙台藩士・松川豊之進が創始しました。

特徴は、体の前半分が青いことと、七福神や宝船などが描かれていること。青は海を表現していて、「七福神は海を渡ってやってくる」という考えにちなんでいます。

眉毛がグッと太く、実際に毛が植え付けられることも。最初から両目が入っているのは、藩祖・伊達政宗公が独眼だったためとも言われています。

クリッとした力強い目は、どこかコミカルでかわいらしい雰囲気。頼もしく見守ってくれそうなだるまです。

姫だるま【大分県】

(写真提供:(公社)ツーリズムおおいた)
(写真提供:(公社)ツーリズムおおいた)

姫だるまとは、女性のだるまのこと。全国にありますが、西日本に比較的多く見られます。愛媛県と大分県のものがよく知られています。

大分県竹田市の姫だるまは、すっと伸びた目鼻、おちょぼ口、松竹梅を表した赤と黄色の重ね着が特徴。背中には「宝珠」と呼ばれるマークが描かれ、子孫繁栄や厄除けを願っています。

戦前までは元旦の夜、地域の若者が「おきゃがり、おきゃがり(起き上がり)」と呼びながら各家庭に投げ込む風習があり、投げ込まれた家では「福が入った」と喜んで神棚に飾ったのだとか。どこか優しげなだるまです。

だるまにゆかりのあるスポット【だるま寺】

勝尾寺【大阪府】

(写真提供:(公財)大阪観光局)

勝尾寺は大阪府箕面市にある“勝運祈願”のお寺です。かつて帝より「王に勝つ寺」勝王寺の名を下賜され、それではおそれ多いと勝尾寺と名乗るようになったのだとか。

以来、勝運のお寺として広く信仰を集め、ここにお参りすると数多くの勝ちダルマが奉納されているのを見ることができます。

授与所にて勝ちダルマを授けてもらい、背中に目標を書き込んで、念を込めて右目を書き入れましょう。

みごと大願成就したら左目を入れて、お礼のお参りを欠かさないように。本堂にお参りして報告し、「ダルマ棚」に奉納しましょう。

また、ダルマみくじやダルマのお守り、ダルマ鈴なども勝尾寺ならではです。

(写真提供:(公財)大阪観光局)
■勝尾寺
[住所]大阪府箕面市勝尾寺
[参拝時間]【平日】8時~17時【土曜】8時~17時30分【日祝】8時~18時
[入山料金]大人400円、小中学生300円、未就学児100円、2歳以下無料
[アクセス]【電車】阪急宝塚線箕面駅よりタクシー利用、約10分
[駐車場]あり(1時間まで500円、以降30分毎200円)
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(写真提供:(公財)大阪観光局)

法輪寺【京都府】

(写真提供:ピクスタ)
(写真提供:ピクスタ)

法輪寺は京都市上京区にある、別名「達磨寺」と呼ばれる臨済宗のお寺です。江戸時代の1718(享保13)年の創建で、この時代に新寺を建立するのは難しいことだったとか。

第十代の後藤伊山和尚が第2次大戦後、国土の復興を祈願し、達磨大師の「七転八起・忍苦・不倒」の教えのシンボルとして「起き上がり達磨堂」を建立しました。以来、達磨寺として親しまれ、信仰を集めています。

達磨堂には全国から約8000体ものダルマが奉納されています。天井を見上げると大きな「だるま大禅画」も。節分祭には多くの人で賑わうお寺です。

■法輪寺
[住所]京都市上京区西大路通御前西入ル行衛町457
[参拝時間]9時~16時30分(閉門時間17時、冬期は16時30分)
[拝観料金]大人300円、中学・高校生200円、小学生100円(達磨堂参拝は無料)
[アクセス]【電車】JR山陰本線(嵯峨野線)円町駅より徒歩7分
[駐車場]あり(無料)※台数に限りがあるため、できるだけ周辺有料駐車場を利用
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だるまが購入できるイベント【だるま市】

高崎だるま市【群馬県】

(写真提供:(一社)高崎観光協会)
(写真提供:(一社)高崎観光協会)

200年以上の歴史を持つ群馬県の高崎だるま。新年に古いだるまを奉納し、新しいだるまを買い求める習わしのため、お正月には多くのだるまが売り買いされてきました。

現在では、JR高崎駅西口駅前通りで1月1日~2日の2日間、全国で最も早いだるま市のひとつとして、大規模に行われています。

伝統的な高崎だるまはもちろんのこと、干支だるまやカラーだるまなど、かわいいだるまも勢ぞろい。威勢の良いかけ声が響きます。

「開運たかさき食堂」として高崎グルメを堪能できたり、ステージイベントなども予定。だるま市会場周辺の南小学校では、「高崎だるまのドライブスルー販売」も行います。

メイン会場に設置の高さ2.8mの「特大だるま」も見どころです!

■高崎だるま市
[住所]群馬県高崎市八島町 JR高崎駅西口駅前通り、高崎市立南小学校(ドライブスルー販売)
[開催日]例年1月1日、2日 ※2022年は1月1日(土・祝)、2日(日)10時~16時。詳細は公式サイトをご参照ください
[アクセス]【電車】JR高崎線高崎駅西口よりすぐ
「高崎だるま市」の詳細はこちら

深大寺だるま市【東京都】

(写真提供:ピクスタ)
(写真提供:ピクスタ)

東京都調布市にある深大寺。厄除けのお寺として信仰を集める、天台宗のお寺です。

深大寺の最大の行事が、毎年3月3日・4日に行われる「厄除元三大師大祭(やくよけがんざんだいしたいさい)」。この大祭とともに「深大寺だるま市」が催されます。

大祭は、元三大師(良源大師)の厄除けの霊験を求め、多くの人が参詣します。そして買い求めるのが霊験にあやかる縁起だるま。数百のお店が並び、威勢のよいかけ声が響きます。

買っただるまは、特設の「だるま目入れ所」にて、お坊さんに「阿」の字を入れてもらえます!また、大祭両日の14時から行われる「お練り行列」はきらびやかで圧巻です。

■深大寺だるま市
[住所]東京都調布市深大寺元町5-15-1
[開催日]例年3月3日、4日
[アクセス]【電車】京王線調布駅よりバス深大寺行きで「深大寺」下車徒歩1分、または吉祥寺行きで「深大寺小学校前」下車徒歩5分。JR吉祥寺駅よりバス深大寺行きで「深大寺」下車徒歩3分、または調布駅中央口行きで「深大寺入口」下車徒歩8分など
「深大寺だるま市」の詳細はこちら

毘沙門天大祭だるま市【静岡県】

(写真提供:ピクスタ)
(写真提供:ピクスタ)

静岡県富士市にある毘沙門天妙法寺は、1000年以上も前から山伏たちが海抜ゼロメートルから富士山へ登るため、田子の浦海岸で「水垢離(みずごり)」を行ってきた道場が発祥のお寺です。

ここでは旧正月の7~9日に、毘沙門天王が下ってきて人々の願いを聞いて下さるとされ、「毘沙門天大祭」が行われます。同時に開かれるだるま市は、とても大規模なもの。

出店するお店は延長1kmを超え、買い求める人で賑わいます。当日は古ダルマ・古札の「お焚き上げ」や、だるま開眼祈祷なども行われます。

■毘沙門天大祭だるま市
[住所]静岡県富士市今井2-7-1
[開催日]例年旧暦1月7日~9日、2022年は2月7日(月)~9日(水)
※詳細はホームページをご確認ください)
[アクセス]【電車】JR東海道本線吉原駅より徒歩10分、JR東海道新幹線新富士駅よりタクシー利用で約15分
「毘沙門天大祭だるま市」の詳細はこちら

【参考文献】
中村浩訳『新装版 開運 だるま大百科』日貿出版社、2016年

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ミキティ山田  ミキティ山田

旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。

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