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2024.04.11

【2024】日本にいるラッコは3頭だけ!?かわいい生態や会える水族館をご紹介

お腹の上で貝を割る姿がかわいらしいラッコ。存在は知っているけど「そういえば実物を見たことがない」という人も少なくないのでは?実はラッコは絶滅危惧種に指定されており、日本でも見られる水族館が減ってきているからです。今回は、かわいい生態や、ラッコと出会える貴重な水族館を紹介します。

記事配信:じゃらんニュース

ラッコとは?名前の由来やかわいすぎる生態も

ラッコってどんないきもの?名前の由来は?

(画像提供:マリンワールド海の中道)
(画像提供:マリンワールド海の中道)

ラッコは「食肉目・イタチ科・カワウソ亜科・ラッコ属」。つまり、イタチやカワウソの仲間です。顔のつくりや小さな耳、細長い胴体など、確かに見た目がイタチやカワウソと少し似ています。ラッコの英語名「Sea otter」も“海のカワウソ”という意味なのだとか。

また「ラッコ」という名前は、アイヌ語の「rakko」、もしくは中国語が由来という説があるそうです。

生息地・体の大きさ・寿命・エサなどは?

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

ラッコの生息地は、北アメリカ西海岸から北海道の北東に位置する千島列島南部にかけての沿岸海域。一般的に、体長はオスが120~140cm、メスが100~130cm、体重はオスが22~45kg、メスが15~35kgほどといわれています。

平均寿命は15年前後。飼育下では20歳前後まで長生きするケースが多いそうです。

ラッコは肉食で、野生ではウニや貝類、タコ、カニ、ナマコ、ヒトデなど動きの遅い魚介類を食べています。水族館では、イカ、エビ、貝などを与えられているのだそう。

賢くてかわいいラッコの特徴は?

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

ラッコの特徴や習性について、飼育をしている水族館のスタッフに伺いました。

「やっぱり最大の特徴は、手先が器用なことですね。ラッコは海獣類で道具を使えるいきものです。貝を石で割るのはラッコの習性で、貝と一緒に脇の下のたるみに石を入れておいて、食事の時に取り出して使います。」(鳥羽水族館/ラッコ担当さん)

「エサを食べる時に、必ず体をくるっと一回転させるんです。これは、胸元の毛が餌汁や食べかすなどで汚れてしまわないようにするためなんですよ。」(マリンワールド海の中道/秋吉さん)

貝を石で割る姿は特徴的ですよね。ラッコの器用さ、賢さに気づかされるお話でした。

(画像提供:鳥羽水族館)
(画像提供:鳥羽水族館)

ラッコの生態についてもさらに詳しく聞いてみました。

「エサをとって食べる時はもちろん、出産、子育てなど生活のほとんどを海上で行うのは、ラッコの生態における大きな特徴です。」(鳥羽水族館/ラッコ担当さん)

海上で生活するという生態から、ラッコの体や行動には、海で生きていくための進化や知恵が表れているのだそうです。

「ラッコの体の特徴としては、二重構造になっている毛皮が挙げられます。このおかげで、皮膚に直接冷たい海水が触れないようになっています。」(マリンワールド海の中道/秋吉さん)

分厚い毛皮に覆われているからこそ、寒い北の海で生息できるのですね。また、手を顔に当てている姿を見ることがありますが、これは毛皮のない手先だけが冷たくなるので、温めているのだそう。ぜひ、ラッコを見に行った時には注目してみてください。

日本にいるラッコは3頭だけ!?ラッコが減った理由は?

(画像提供:写真AC)

(画像提供:写真AC)

国内でのラッコの飼育数は、かつて120頭以上にものぼっていましたが、現在は「鳥羽水族館」の2頭と「マリンワールド海の中道」の1頭、合計3頭のみです。なぜこんなに少なくなってしまったのか、その理由を尋ねてみました。

「水族館内での繁殖が進んで世代交代をするにつれ、子育てを経験した個体が少なくなったことが原因の一つとして考えられています。」(マリンワールド海の中道/秋吉さん)

「現在、国内で飼育しているラッコ達の老齢化も進んでいて、水族館同士の繁殖も難しいですね。また各国が法律で保護しており、捕獲や輸入も閉ざされた状況です。」(鳥羽水族館/ラッコ担当さん)

水族館内での繁殖や子育てがうまくいかなくなってしまったこと、そして野生のラッコを守るための法律による制限もあって、飼育数が減ってしまったことが原因のようです。水族館のラッコが少なくなってしまうのは寂しいですが、自然環境や野生のいきものについて改めて考えてみるきっかけにもしたいですね。

ラッコに会える水族館はどこ?

ここからは、今回ラッコについてお話を聞いた「鳥羽水族館」「マリンワールド海の中道」を紹介します。ラッコに出会える水族館は日本ではこの2つだけなので、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。

鳥羽水族館【三重県】

(画像提供:鳥羽水族館)
メスのキラ

約1200種類のいきものを飼育している「鳥羽水族館」は、飼育種類数がトップクラスの水族館。メスのキラとメイ、2頭のラッコと出会えます。近年は、SNSでの動画も話題です。

メイは2004年生まれ、キラは2008年生まれ。2頭のかわいらしい仕草や表情に注目してみてください!キラは、お客さんに手を振って挨拶するのが特技なのだそう。

(画像提供:鳥羽水族館)
メイ(右)とキラ(左)のツーショットも見られるかも?

1日3回の「ラッコのお食事タイム」も必見!メイは、ガラス面に張り付けたイカをジャンプしてとる“イカミミジャンプ”が特技。運が良ければ、メイの華麗なジャンプ姿が見られるかもしれません。イカミミジャンプは、9時40分と16時20分の回で実施されています。

展示場には深さの異なるプールがあり、ラッコがいつでも行き来できるようになっています。1日を通してラッコの姿を見られ、水中に潜る様子や陸場で眠る様子など、様々な姿を観察できますよ。

(画像提供:鳥羽水族館)
メスのジュゴン、セレナ

また、鳥羽水族館は人魚伝説のモデルともいわれるジュゴンを飼育しています。希少なラッコとジュゴンを一度に見られるのも魅力です。

水族館内は、生息環境に合わせて12のゾーンに分かれており、順路がないのが特徴。時間や興味に合わせて、自由に見学することができます。

■鳥羽水族館
[住所]三重県鳥羽市鳥羽3-3-6
[営業時間]9時30分~17時(最終入館は閉館1時間前)※時期により異なる
[定休日]なし
[料金]入館料【高校生以上】2800円【小・中学生】1600円【3歳~未就学児】800円
[アクセス]鳥羽駅より徒歩10分/伊勢道伊勢ICより15分
[駐車場]あり(有料)
「鳥羽水族館」の詳細はこちら

(画像提供:鳥羽水族館)

マリンワールド海の中道【福岡県】

マリンワールド海の中道
オスのリロ

九州の海をテーマに350種3万点のいきものを展示する「マリンワールド海の中道」。ラッコは、オスのリロ1頭が暮らしており、2階の「ラッコプール」で見られます。

マリンワールド海の中道
カラーコーンを抱くリロ

リロは2007年生まれで、横に広い顔と黒く大きな鼻が特徴です。眠る時はよく大好きなカラーコーンを抱いて眠っているそう。

平日の昼に開催される「ラッコの食事タイム」は、リロがガラス面の近くにやって来るので、絶好のシャッターチャンスです。

マリンワールド海の中道
水深7mの外洋大水槽

館内は、黒潮が流れる九州南部の海を再現した外洋大水槽をはじめ、東シナ海、太平洋、日本海、瀬戸内海の4つの海や、奄美のサンゴ礁を再現した水槽など、バラエティ豊かな展示が並びます。

また、博多湾を背景としたショープールでのイルカ・アシカショー、ダイナミックなイワシタイフーンが見られる外洋大水槽ショー、アザラシのエサやりなど、多彩なショープログラムも充実。

近接の「海の中道海浜公園」や、陸続きになっている「志賀島」などと組み合わせて、1日たっぷり遊べますよ。

■マリンワールド海の中道
[住所]福岡県福岡市東区大字西戸崎18-28
[営業時間]9時30分~17時30分※季節により変動あり
[定休日]2月の第1月曜・火曜
[料金]入館料【高校生以上】2500円【小・中学生】1200円【3歳~未就学児】700円
[アクセス]海ノ中道駅より徒歩5分/福岡都市高速アイランドシティ出口より15分
[駐車場]あり(有料)
「マリンワールド海の中道」の詳細はこちら

(画像提供:マリンワールド海の中道)

まとめ

水族館の人気者・ラッコの生態や魅力から、会いに行ける水族館まで紹介しました。

器用に手を使ったり、物を抱えたりする姿は実際に見てみたいですよね。とってもかわいくて希少なラッコに、ぜひ一度会いに行ってみてください!

※この記事は2024年4月5日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載の価格は全て税込価格です。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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