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2022.09.27

「地獄谷温泉」でスノーモンキーを見る!野猿公苑のアクセス&周辺観光も【長野】

長野県の山間にある地獄谷温泉を知っていますか?寒い冬にはあったか〜い温泉にニホンザルが浸かることでも有名で、実は海外の有名雑誌の表紙を飾ったこともあるほど。

サルが温泉に浸かる姿はいつ行けば見られる?周辺には何があるの?気になるポイントをまとめました!

※この記事は2022年9月21日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

地獄谷温泉ってどんなところ?

長野県山ノ内町にある温泉地。“お猿の温泉”としても有名!

(画像提供:Adobe Stock)
山に閉ざされ秘湯情緒たっぷり。左手に見えるのは温泉宿「地獄谷温泉後楽館」(画像提供:Adobe Stock)
(画像提供:PIXTA)
高さ20mまで熱泉が吹き上がる「渋の地獄谷噴泉」は国の天然記念物(画像提供:PIXTA)

地獄谷温泉があるのは長野県の北部。自然豊かな観光地、志賀高原近くの山の谷間にあります。冬の気温は-10℃まで下がり、長野県の中でも豪雪地帯として知られています。

地獄谷といえば北海道の登別を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?ゴツゴツとした険しい崖、あちこちから立ち上る温泉の湯気…。ここ長野県の地獄谷もまた、見渡す景色が地獄に例えられてその名がつきました。

土産店や飲食店、旅館が立ち並ぶような、いわゆる温泉街というわけではありません。主なスポットは「地獄谷野猿公苑」と「地獄谷温泉後楽館」の2つ。さっそく紹介していきますね!

温泉に入ることも!?野生のニホンザルを見るなら「地獄谷野猿公苑」へ

野生のニホンザルを観察しよう

(画像提供:Adobe Stock)
地獄谷野猿公苑のサル専用露天風呂。寒い季節には温かい温泉に吸い寄せられるようにサルたちが集まってきます(画像提供:Adobe Stock)
(画像提供:Photolibrary)
野生のままの姿を間近で観察できるのが魅力(画像提供:Photolibrary)
地獄谷野猿公苑
ニホンザルは集団行動が基本。日没が近づくとみんなで山へ帰ります

地獄谷でぜひ訪れたいスポットが「地獄谷野猿公苑」です。ここにいるニホンザルはすべて野生。周囲の山々をすみかとし、日中は野猿公苑へ、夜は山へと帰って行きます。

もともとニホンザルは志賀高原など近隣の山に生息していましたが、1950年代のスキー場開発などですみかを追われ、人里に降りたサルたちが害獣化。そんなニホンザルを人里に近づけぬよう、「地獄谷野猿公苑」ではもともとの生息地である山間部でサルたちを保護。観光資源としての活用と、農作物被害の防止という両側面から1964年に設立されました。

温泉に浸かるサルを見られる時期はいつ?

(画像提供:Adobe Stock)
肩までどっぷり浸かって、はぁ〜極楽…。まるで人間のようですね(画像提供:Adobe Stock)
(画像提供:Adobe Stock)
こちらの2頭もしみじみと温泉を堪能中(画像提供:Adobe Stock)

温泉に浸かるサルの姿を一目見ようと、長野五輪では多くの外国人観光客も訪れました。実はサルたち、年がら年中温泉に浸かっているわけではなく、あくまでも寒さをしのぐため。時期としては例年12月下旬から3月上旬頃が多いそう。ただ、天気の良い日は日光浴をして暖を取ることも多いので、どうしても温泉に浸かるサルが見たい場合は雪の散らつく日を狙ってみましょう。

ちなみに、世界のサル類は熱帯や亜熱帯地域に生息していることが多く、雪が積もるような寒い場所にサルがいること自体、非常に珍しいのです。地獄谷のサルが「スノーモンキー」と呼ばれて親しまれているのは、そんな理由からなんですね。

春夏秋冬それぞれに、違ったサルの姿が見られるのも魅力

地獄谷野猿公苑
ポカポカ陽気の春は出産ラッシュ。4月〜5月にかけて次々に新しい命が誕生します
地獄谷野猿公苑
足腰がしっかりしてくる夏には、子猿同士が集まって遊ぶ姿も!

寒さや雪道のアクセスが不安という場合は、冬以外のシーズンにも注目。新緑の美しい4月〜5月頃はかわいい赤ちゃん猿の姿が、夏には母猿の元を離れて活発に遊ぶ子猿の姿も見られますよ。

唯一、秋は恋のシーズンとあってサルたちもちょっぴり不安定。すみかとしている周囲の山も実りの季節のため、野猿公苑に姿を見せる頻度にもバラつきがあるようです。公式HPのライブカメラや公式SNSでは日々のサルの出没状況を配信していますので、最新情報をチェックして出かけましょう。

ニホンザルを見る時の注意点

地獄谷野猿公苑
接近できるのは魅力ですが、サルたちに配慮を持って接したいものです(画像提供:Adobe Stock)

「地獄谷野猿公苑」はあくまでも野生動物の生息環境を保護している場所。ニホンザルのすみかにお邪魔しているという意識が大切です。

サルたちを刺激してしまうため、サルに近づきすぎたり、ジッと目を見つめたりするのはNG。食べ物を見せたり、与えたりしないようにしましょう。また、ペットを連れての入苑、ドローンや自撮り棒での撮影は禁止されています。

急な坂や段差、階段も多いため車椅子やベビーカーも入苑できないので注意しましょう。

「地獄谷野猿公苑」へのアクセス

(画像提供:Adobe Stock)
林間の道をどんどん奥へ。万が一の転倒に備えて、両手の空くリュックなどがおすすめです(画像提供:Adobe Stock)

「地獄谷野猿公苑専用駐車場」は上林(かんばやし)温泉内にあります。

駐車場に車を停め、山を歩くこと約30分で入口に到着。まずまずの距離がある上、遊歩道は舗装されておらず、天候によっては足元がかなり悪くなるため、歩きやすい靴や汚れてもいい靴を用意しましょう。特に冬は滑りにくい靴など万全の装備で向かうことをおすすめします!

■地獄谷野猿公苑
[TEL]0269-33-4379
[住所]長野県下高井郡山ノ内町大字平穏6845
[営業時間]【夏季(4月頃〜10月頃)】8時30分頃〜17時頃 【冬季(11月頃〜3月頃)】9時頃〜16時頃 ※変動あり。野生のサルのため営業時間内でも不在の場合あり
[定休日]なし
[料金]入苑料:18歳以上800円、小学生〜高校生400円
[アクセス]上信越道 信州中野ICより車で20分。上林温泉にある野猿公苑専用駐車場より徒歩30分
[駐車場]地獄谷野猿公苑専用駐車場40台(無料)※横湯川の北側約1km東に渋温泉地獄谷有料駐車場あり(4〜11月のみ開場・普通車のみ・1日500円)
「地獄谷野猿公苑」の詳細はこちら
「地獄谷野猿」のクチコミ・周辺情報はこちら

ニホンザルが間近にやってくる?「地獄谷温泉後楽館」

秘湯ムードぷんぷん!徒歩でしか行けない温泉宿

(画像提供:Adobe Stock)
大自然に囲まれたこのロケーション!江戸時代末期の創業でその歴史は150年以上(画像提供:Adobe Stock)
地獄谷温泉後楽館
サルが通りかかることも!ちなみに露天風呂は対岸から丸見えなのでご承知おきください(混浴はタオル、水着、湯あみ着の着用可)

「地獄谷野猿公苑」のすぐ近くにある一軒宿。地獄谷温泉の4本の源泉を引き、館内には男女別の内湯「延命の湯」、川沿いには混浴露天風呂と女性専用露天風呂、家族風呂を備えています。日帰り入浴も可能なので、ぜひ立ち寄ってみては?

■地獄谷温泉後楽館
[TEL]0269-33-4376
[住所]長野県下高井郡山ノ内町地獄谷温泉平穏6818
[営業時間]日帰り入浴12時~15時
[定休日]不定
[料金]入浴料中学生以上1200円、小学生600円(混浴用湯あみ着レンタル500円、バスタオルレンタル400円)
[アクセス]上信越道 信州中野ICより車で20分。上林温泉駐車場より徒歩30分
「地獄谷温泉後楽館」の詳細はこちら

合わせて行きたい!地獄谷の周辺観光スポット

ENZA CAFE【野猿公苑専用駐車場すぐ】

ENZA CAFE
気持ちのいいシーズンはぜひテラス席へ。寒い冬はホットジンジャーやホットワインも用意

「地獄谷野猿公苑」の遊歩道入口にあるカフェレストラン。店内席のほか、緑に手が届きそうな気持ちのよいオープンテラスも併設し、ランチやティータイムが楽しめます。

ENZA CAFE
「鶏白湯ラーメン」968円は不動の人気メニュー

フード類は地元・山ノ内町をはじめ、長野県内産の食材を中心に使用。ピザやアップルパイなどカジュアルなメニューを揃えています。チキンベースのスープにりんごや高原野菜を加え、手間暇かけて手作りする本格的なラーメンもおすすめですよ!

また、道を挟んだ場所では「スノーモンキーリゾート インフォ&ギフトショップ」も運営。スノーモンキーのオリジナルグッズや信州の名産品、お土産品が揃うほか、「地獄谷野猿公苑」の観光客用に防寒具のレンタル(各有料)や手荷物の預かり(1日500円)も行っています。

■ENZA CAFE
[TEL]0269-38-1736 (「スノーモンキーリゾート インフォ&ギフトショップ」0269-38-1739)
[住所]長野県下高井郡山ノ内町大字平穏1421-1
[営業時間]【4月〜11月】9時30分〜17時 【12月〜3月】8時30分〜18時
[定休日]不定
[アクセス]上信越道 信州中野ICより車で20分
[駐車場]15台
「ENZA CAFE」の詳細はこちら

THE FARM HOUSE by TAMAMURAYA HONTEN【野猿公苑専用駐車場より車で1分】

THE FARM HOUSE by TAMAMURAYA HONTEN
ビールは1パイント(約500ml)700円〜、ハーフパイント(約300ml)500円〜

「地獄谷野猿公苑専用駐車場」から徒歩すぐの場所にあるバー&レストラン。1802年創業の酒造「玉村本店」が手がけています。「玉村本店」は酒蔵でありながら2004年からは『志賀高原ビール』の醸造にも着手し、ホップなどの原料作りにも力を入れています。

THE FARM HOUSE by TAMAMURAYA HONTEN
建物は渋沢栄一の孫、信雄氏が昭和13年(1938年)に東京・目黒に建てた西洋風の自宅を移築したもの

そんな『志賀高原ビール』を手軽に味わえるのがこちらのバー&レストランで、ビール12種類と日本酒1種類を揃えています。フード類はローストチキンやパスタなどしっかり食べられるメニューから、ビールのアテまで充実。自家菜園の野菜や、県内産の食材をふんだんに使用した料理が楽しめますよ!

また、カフェとしても楽しめるよう本格的なエスプレッソマシンも導入。子連れで利用しやすいファミリールームもあり心強いですね。お土産用のビールなども販売しています。

※飲酒運転は法律で固く禁じられています。試飲をする場合は公共交通機関でお出かけください。

■THE FARMHOUSE by TAMAMURA HONTEN
[TEL]0269-38-1630
[住所]長野県下高井郡山ノ内町平穏1403-2 (旧志賀山文庫)
[営業時間]12時~15時30分(LO15時)、17時~21時(LO20時)※火曜はランチのみ。営業時間の最新情報はHPを確認
[定休日]月曜(祝日の場合は翌日休)・火曜夜
[アクセス]長野電鉄 湯田中駅より長電バス乗車、「スノーモンキー」バス停より徒歩5分
[駐車場]あり
「THE FARMHOUSE by TAMAMURA HONTEN」の詳細はこちら

渋温泉外湯めぐり【野猿公苑専用駐車場より車で5分】

一番湯
9カ所それぞれに趣が異なります。写真は「一番湯」

温泉好きなら一度は訪れたい長野の名湯のひとつ、渋温泉。レトロな街並みに温泉旅館や射的場、土産店などが立ち並び、ザ・温泉街といった風情が漂います。

どこを掘っても温泉が出るといわれる渋温泉は、温泉の出口である源泉の数も豊富。さらに、温泉旅館を含むすべての温泉施設では、温泉に加水・加温・循環ろ過等を行わないため、100%かけ流し、つまり天然の温泉をそのまま堪能できるという贅沢さ!源泉によって温泉の成分が異なるため、湯の色も褐色や白濁、緑がかったものから無色透明まで、実にさまざまなのです。

渋大湯
浴室内は概ねこのような雰囲気。いかにも効きそうな濁り湯がイイかんじです(写真は「渋大湯」)

そんな渋温泉をとことん楽しめるのが、9カ所ある外湯(そとゆ)をまわる「九湯めぐり」。外湯は地元の人が毎日利用する共同浴場で、観光客の場合は渋温泉の宿泊者のみ専用の鍵を使って利用できます。

湯が熱めの場合は備え付けの水道で温度を調整できますが、他の人が利用することも考え、温度の下げすぎには注意しましょう。

9カ所の外湯のうち九番湯の「渋大湯」は宿泊者以外でも500円で利用OK。入浴券は旅館組合事務所または渋温泉駐車場で購入できますよ。

■渋温泉外湯めぐり
[TEL]0269-33-2921(渋温泉旅館組合)
[住所]長野県下高井郡山ノ内町大字平穏 渋温泉
[営業時間]外湯:6時〜22時(九番湯「渋大湯」の宿泊者以外の利用は10時〜17時)
[定休日]不定(清掃時間あり)
[料金]渋温泉宿泊者は無料(九番湯「渋大湯」は宿泊者以外でも利用可。500円)
[アクセス]上信越道信州中野ICより車で30分
[駐車場]渋温泉大駐車場(500円)
「渋温泉外湯めぐり」の詳細はこちら
「渋温泉外湯めぐり」のクチコミ・周辺情報はこちら

歴史の宿 金具屋【野猿公苑専用駐車場より車で5分】

歴史の宿 金具屋
明かりの灯る夕暮れ以降、存在感がより際立ちます

1758年創業の歴史ある温泉旅館。渋温泉街の中でもひときわ目を引く「木造四階建 斉月楼」と「金具屋大広間」は、国の登録有形文化財にも認定された貴重な建物。思わず見上げてしまう荘厳な佇まいです。

歴史の宿 金具屋
ステンドグラスを配した「浪漫風呂」など大浴場は3カ所

魅力は建物だけにとどまりません。4本の自家源泉に加え5つの共同引湯の権利を持つため、館内では湯ざわりの異なるさまざまな温泉を楽しむことができます。宿泊者は館内5カ所の貸切風呂の利用がなんと無料。空いていれば滞在中何度でも利用できるため、館内にいながら湯めぐりができるわけですね!どの貸切風呂も小ぢんまりとしていますが、長い歴史を重ねた何とも言えない風情がたまりません。

毎日夕方からは宿泊者に向けて「金具屋文化財ツアー」も行っているので、建築や歴史に興味があればぜひ参加してみては?

■歴史の宿 金具屋
[TEL]0269-33-3131
[住所]長野県下高井郡山ノ内町平穏2022
[営業時間]【チェックイン】15時〜 【チェックアウト】〜10時
[定休日]不定
[料金]1泊2食付き1人1万8700円〜(2名1室利用時)
[アクセス]上信越道信州中野ICより車で30分
[駐車場]30台
「歴史の宿 金具屋」の詳細はこちら

竜王マウンテンリゾート SORA terrace【野猿公苑専用駐車場より車で30分】

竜王マウンテンリゾート SORA terrace
目線と同じ高さに夕日が沈みます。雲海は雨が降ったあとの朝と夕方が狙い目

山麓のゲレンデからロープウェイに乗り、標高1770mの山頂駅まで約10分の空中散歩。一度に最大166人が乗れるロープウェイが滑るように山頂駅を目指し、窓からは季節それぞれの自然美を眺めることができます。

山頂駅、そこがこの施設最大のビューポイント!駅舎に隣接したテラスからは北信五岳や北アルプス、さらに日本海や佐渡島まで見えるというから驚きです。朝と夕方は気象条件が揃えば雲海も見えるそう。

竜王マウンテンリゾート SORA terrace
雲海をイメージした名物「雲海パイ包みスープ」。寒い日には冷えた体を温めてくれます

カフェレストラン「SORA terrace cafe」では、グラデーションの美しい竜王の空や雲海をイメージしたオリジナルのドリンクが楽しめるほか、オムライスなどの食事メニューやスイーツも充実。大きなガラス張りの店内で、美しい景色を眺めながらほっこりしましょう♪

ちなみに、12月初旬〜4月初旬までは「竜王スキーパーク」として営業。「SORA terrace cafe」は冬季でも営業していますよ!

■竜王マウンテンリゾート SORA terrace
[TEL]なし※問い合わせはHPから
[住所]長野県下高井郡山ノ内町夜間瀬11700
[営業時間]9時~19時(10月中旬〜11月初旬は〜18時)
[定休日]11月上旬〜4月下旬は冬季休業
[料金]ロープウェイ往復:中学生以上2300円〜2600円
[アクセス]上信越道 信州中野ICより車で30分
[駐車場]1500台
「竜王マウンテンリゾート SORA terrace」の詳細はこちら
「竜王マウンテンリゾート SORA terrace」のクチコミ・周辺情報はこちら

まとめ

ニホンザルの野生の生態を間近で観察できる貴重なスポット「地獄谷野猿公苑」。周辺にはツウもうなる名湯や名建築、絶景スポットからおしゃれカフェまで見どころがいっぱいですね♪冬に訪れる場合は、服装や装備をしっかりと準備しましょう!

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

小林 亜紗子  小林 亜紗子

岐阜県生まれ。旅行情報誌『東海じゃらん』編集部を経てフリーに。コーヒー、温泉、音楽好き。民芸や郷土食、地域の慣習など、無名の人々に継承されてきたものに惹かれます。二人の子どもたちを各地の温泉に連れ回し中。

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