温泉は好きだけど、「秘湯」はちょっとハードルが高いと感じている人も多いのでは。そこで“秘湯のプロ”である温泉ライター西村理恵さんが、特に冬場の注意点も含めて心得を伝授!
秘湯ならではの状況をあらかじめ知って「不自由な非日常」を味わえる温泉の旅を120%楽しみましょう。
【車の場合】心得その1:宿へのアクセス
到着は早めを心がけるべし
冬期は日暮れが早い。秘湯エリアは日が暮れると真っ暗になってしまうため、日没前到着は必至。
また、秘湯へ至る山中は携帯電話が通じない場所もある。道中で何かあった場合、冬期はスタッフの人数が少なくなる施設もあるため、連絡がついたとしても、必ず駆けつけてもらえるという保証はないので注意。
余裕を持って、チェックイン開始時間の到着を目標にするぐらいがベスト。
タイヤなどの雪対策も忘れずに
車の場合はほとんどの場所でスタッドレスタイヤが必要(またはチェーンを持参)。
性能はできれば四輪駆動車を勧めるエリアが多い(場合によっては前輪駆動車)。道や雪の状況などにもよるため、事前に宿に確認を。また、スノーブラシや雪かきスコップを用意しておく方が無難。
レンタカーを借りる場合は…
レンタカーも、場合によっては四輪駆動車(または前輪駆動車)を借りる必要があるので必ず確認を。会社や都道府県によってはスタッドレスタイヤ車両に追加料金が必要なことも。
自分の車で宿まで行けないこともある
途中で宿からの送迎車に乗り換えたり、最後はある程度の距離を歩いていく必要がある場合もある。宿の送迎車に乗り換える際は、事前に必ず確認し、予約をしておくこと。
道路状況は事前に把握
グリーンシーズンには通行できた道が冬期は閉鎖になっていることもある。その場合は予定外に時間がかかることもあるため、必ず確認をしておく。
※雪道の運転に慣れていない場合は、自分で運転することは避け(レンタカーも含む)、公共交通機関や地元のタクシーを利用することをおすすめする。
【公共交通機関の場合】心得その2:宿へのアクセス
バスの本数は少なめ
路線バスは1日の便数が少ない。乗り継ぐ場合は特に注意が必要。宿の送迎車が1日1便のみということも。駅や路線バスから宿の送迎車を利用する際も必ず事前に確認し予約を。
ゆとりを持った乗り継ぎを
バスは路面状況で所要時間が変わることがある。バスから他の乗り物(新幹線等)へ乗り継ぐ場合は、時間に余裕を持った予約を。
足元対策をしっかり
雪エリアではスノーブーツ、溝のある靴、場合によってはスパイクの付いた靴が基本。階段の上り下りや、宿の入口まで坂道になっていることもあるので注意が必要だ。
心得その3:携帯電話の電波状況
電波が全く入らないことも
宿では、携帯電話の電波が入りにくかったり、全く繋がらないこともある。
Wi-Fiに対応していない、繋がる場合もフロントなど一部の場所のみに限られるということも。
心得その4:現地での支払方法
現金払いのみの宿もある
クレジットカードや電子マネー不可など、キャッシュレスに対応していない場合がある。電子マネーが使える場合も、売店やカフェのみということもある。
心得その5:入浴方法、浴室の備品等
混浴風呂の入り方
タオル巻き・湯あみ着着用可や、逆に使用不可、男女ともに着衣入浴など施設により異なる。女性専用時間帯を設けている場合も。
浴室に湯船のみでシャワーやカランがないこともある
浴室内に湯船のみということも。シャンプー、リンス、ボディシャンプーなどは大抵揃っているが、細かいアメニティまで揃っているかは施設ごとに異なる。また、自然環境を守るためシャンプーや石けん類の利用ができない浴室もある。
ドライヤーがある場合も、脱衣所のみということがある。どうしても必要な場合は持参するのがおすすめだが、電気容量などにより使用できないことも(ドライヤー設置が脱衣所のみの宿は容量の問題がある可能性が高い)。
近くにコンビニはない
店も民家も近くにない場合がほとんどなので、必要なものは事前に準備をしておくこと。
心得その6:設備
エレベーターがない場合も
地形に沿って造られていることが多く、館内にエレベーターがなく階段のみということがある。
また、古い木造建築の場合、防音が十分でないことも多い。廊下や隣室との間が壁ではなく、襖で仕切られていることもある。
客室に冷蔵庫、テレビがないことも。
トイレと洗面所
トイレ、洗面所が共用の宿も。部屋から離れていることもある。洗面所はお湯が出ないところも。
暖房設備
暖房設備が最新でない場合もあり、喉の乾燥や寒さへの対応(のど飴やネックウォーマー持参など)を考慮すること。また、暖房費が別途必要な場合がある。
セルフサービスのケース
食事は一斉にスタートという宿も。追加メニューやお酒の種類など、臨機応変な対応ができにくいことも。
お茶やごはんなどをよそうのがセルフ対応だったり、部屋までの案内・荷物持ちなどを行わない、自分で布団を敷く場合もあり。
教えてくれのは、温泉ライター 西村理恵さん

(公財)中央温泉研究所理事
日本温泉地域学会常任理事
入湯温泉地数は国内外で1500湯以上。雑誌、テレビ、ラジオなどで温泉紹介を続けて30年。「飲んで成分を、入ってpHを確かめる」を信条に温泉行脚の旅を続ける。研究テーマは「温泉地の役割」。編著に『ねこ温泉』(マガジンボックス社)。
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※この記事は2022年11月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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