良質な湯にほっこりと癒やされたら、お楽しみの夕食へ。おいしい料理はもちろんのこと、お酒も存分に楽しみたいもの。そして食後はいつでもゴロリとできるのが、温泉宿の特権です。
そこで、今回は日本酒とワインを堪能できる宿を厳選してご紹介します。いざ、美酒と美食の温泉宿へ!
郷土会席×信州地酒:旅館すぎもと【長野県・松本市/美ヶ原温泉】
フレンチ×新潟銘酒:醸す森【新潟県・十日町市/松之山温泉】
茶料理×山梨ワイン:笛吹川温泉 坐忘【山梨県・甲州市/笛吹川温泉】
蟹会席×日本酒BAR:界 玉造【島根県・松江市/玉造温泉】
イタリアン×ワインペアリング:箱根本箱【神奈川県・箱根町/強羅温泉】
【長野県・松本市/美ヶ原温泉】郷土会席×信州地酒:旅館すぎもと
酒好きのツボを押さえた郷土自慢の会席コースを希少な原酒とともに。








城下町・松本の中心部から車でわずか十数分。木造3階建ての風情ある建物が目を引くこの宿は、木のぬくもり溢れる館内の居心地よさに加え、信州が誇る美酒と美食でゲストを魅了する宿だ。
夕食は、束間野会席と呼ぶ創作料理。季節ごとに10品前後で献立を組み、コース仕立てで運ばれてくる。「会席といえば聞こえはいいけれど、日本料理店みたいなものじゃない。うちで出すのは郷土の酒肴をコースにしたようなもの。なにせ自分が飲んべえなもので」と館主の花岡貞夫さんは笑う。
例えば、岩魚は定番の塩焼きではなく、頭から尾までまるごとたたいてなめろうに。信州特産の馬刺しも、まずは醤油ではなく辛味噌をつけて味わうのがすぎもと流。思わずお酒に手が伸びる、独自のアレンジが随所に光る。
酒は、宿がある中信エリアの3蔵の日本酒を常備。「ラベルもない瓶に蔵で直詰めした原酒を届けてくれる。地元で信頼関係があるから手に入る貴重な酒です」。
食後は、館内にあるバー「ひびき」へ。マニア垂涎のサウンドシステムから流れるジャズがBGM。おいしい時間の余韻に浸る、大人のひとときを楽しみたい。
信州地酒

3蔵の酒をを3種類ずつ飲み比べる日本酒9点セットが人気。その多くは蔵直送の無濾過生原酒という希少なラインナップ。
美ヶ原温泉
奈良時代に束間温湯と呼ばれた歴史ある湯。江戸時代は松本城主の保養地に。弱アルカリ性単純温泉で肌当たりはやわらか。
0263-32-3379
長野県松本市里山辺451-7
1泊2食付き1万6500円~
【電車】JR松本駅よりタクシーで15分【車】長野道松本ICより20分
20台
「旅館すぎもと」の詳細はこちら
【新潟県・十日町市/松之山温泉】フレンチ×新潟銘酒:醸す森
食材もお酒も。オール新潟の組み合わせで郷土の魅力を発信。








2018年の開業以来、誰もが気軽に立ち寄れるバー&ホステルとして営業してきた「醸す森」。酒好きが集う泊まれるレストランというコンセプトはそのままに、2022年リニューアルを実施。客室の一部をグレードアップし、ホステルからホテルへと肩書を変えた。それに伴い、料理も見直すことに。
名付けた「醸す森キュイジーヌ」のベースにあるのは、郷土へのリスペクトだ。洋の技法を駆使して調理するのは、地元新潟の旬食材。そこに雪深い十日町で培われきた発酵食品や保存食という伝統を巧みに取り入れる。お酒も新たに新潟ペアリングコースを設定。地酒を中心に県産ワインも交えながら、ひと皿ごとにベストな酒を組み合わせる。
2023年には敷地内で酒蔵もオープンする予定。まだ進化が止まらないこの宿から、しばらく目が離せそうもない。
新潟銘酒

新潟は国内最多の酒蔵数を誇る日本酒天国。ワイナリーは約10カ所あり、ぶどうの個性を生かしたワインで注目される生産者も。
松之山温泉
宿の源泉は松之山温泉の「じょうもんの湯」。温泉街の源泉「鷹の湯」とは異なる単純硫黄泉で、肌なじみのよさが特徴的。
025-596-2200
新潟県十日町市松之山黒倉1879-4
1泊2食付き1万4500円~
【電車】北越急行まつだい駅よりタクシーで15分【車】関越道塩沢石打ICより50分
16台
※2022年12月23日まで臨時休業(ネット予約は可)
「醸す森」の詳細はこちら
【山梨県・甲州市/笛吹川温泉】茶料理×山梨ワイン:笛吹川温泉 坐忘
正統派懐石料理を地元のワインで味わう山梨スタイルを堪能。








甲府盆地の北東部、甲州の鎌倉ともいわれる塩山エリア。清らかな川がせせらぐほとりに、「笛吹川温泉 坐忘」はある。夕食は宿で茶料理と呼ぶ、本格派の懐石料理。食事は一汁三菜に始まり、八寸、湯斗、そして茶室で点てたばかりのお薄へ。地産地消を基本とし、季節の地元食材をふんだんに盛り込んでいく。
合わせるお酒は日本酒かと思いきや、宿のおすすめは山梨ワイン。協力関係にあるまるき葡萄酒のワインからセレクト、その日の献立に寄り添う3~4種類のペアリングも用意する。地元のぶどうで造られたワインと、同じ土壌の食材を使う料理が合わないはずはない。
ちょっと意外に思える組み合わせも、ここではごく自然なこと。その世界に身を委ねれば、新たな感動に出合えるはずだ。
山梨ワイン

国内トップのワイン産地である山梨県。現存する日本最古のワイナリーとされるのが、まるき葡萄酒だ。伝統を受け継ぐ味を、この宿で楽しめる。
笛吹川温泉
1989年に命名された新しい温泉。ほんのりと硫黄が香る湯は無色透明。高アルカリ性でとろみがあり、美肌効果が期待できると好評。
0553-32-0015
山梨県甲州市塩山三日市場2512
1泊2食付き3万8500円~
【電車】JR塩山駅より無料送迎車で10分(要予約)【車】中央道勝沼ICより20分
30台
「笛吹川温泉 坐忘」の詳細はこちら
【島根県・松江市/玉造温泉】蟹会席×日本酒BAR:界 玉造
旬の蟹を味わい日本酒発祥の地で美酒に酔う愉悦。




出雲ひのみさき温泉での「界 出雲」開業にあわせてリニューアル、名称も新たに再出発した「界 玉造」。客室は全室露天風呂付きのまま、地域の文化を反映したご当地部屋に一新された。
冬の食事の楽しみは、何といっても日本海のズワイガニ。3月上旬までの限定で、タグ付き活松葉蟹を使用した特別会席を味わえる。そしてこの宿が酒好きを魅了するのは、日本酒BARがあること。
実は日本酒発祥の地とされるのが、ここ島根県。今も酒質のよさには定評があり、バーでは県内ほぼすべての蔵の地酒を取り揃える。夕食前にアぺリティフとして楽しむのもよし、食後にじっくり飲み比べるのもよし。旅先で未知の美酒に出合う喜びは、たまらないもの。
なお、食事中はペアリングコースをおすすめしたい。スタッフが試食と試飲を重ねて選んだ島根の酒が、蟹料理の魅力をさらに引き出してくれる。
日本酒BAR

島根の地酒を48種類ラインナップ。スタッフが好みの味を探す手助けをしてくれる。利用は18時~22時の予約制。希望すれば客室へのお届けも可能。
玉造温泉
奈良時代に開湯、出雲国風土記に美肌の湯と記された歴史ある温泉地。潤い成分を多く含んだ泉質で、浸かれる化粧水との声も。
050-3134-8092(界予約センター)
島根県松江市玉造町玉造1237
1泊2食付き3万8500円~
【電車】JR玉造温泉駅よりタクシーで5分【車】山陰道松江玉造ICより10分
24台
「界 玉造」の詳細はこちら
【神奈川県・箱根町/強羅温泉】イタリアン×ワインペアリング:箱根本箱
自然派ワインがしっくり寄り添う素材重視のイタリアン。







館内随所に本棚を配し、本と人との出合いをテーマにしたブックオーベルジュとして注目を集める「箱根本箱」。そこは本に囲まれた時間を過ごしたい人だけでなく、舌の肥えた大人も集う場所だ。
フードディレクターを務めるのは、国内外の名店で腕を磨いた佐々木祐治さん。夕食のテーマはローカルガストロノミー。箱根へと連なる東海道がそのフィールドで、生産者のもとへ足を運び、食材との対話を重ねながら、イタリアンをベースにした素材重視のコースに仕立てていく。
好評なのが、ワインペアリング。合わせるお酒を選ぶのも、佐々木さんだ。「料理と酒が互いを引き立て合う関係が理想。自分好みのワインは、自ずと自分の料理にマッチするもの」とセレクトの秘訣を話す。
絶妙なマリアージュを堪能したあとは、気の向くまま本棚の前へ。ほろりと酔った目が捉える、思いがけぬ本との出合いを楽しみたい。
ワインペアリング

国内外の自然派ワインからセレクト。コースは4種類か6種類。ローカルな酒も楽しんでもらうため、地元の日本酒を1つ入れるのがユニーク。
強羅温泉
政財界や文人の集う別荘地として発達、高級宿も多い。泉質は3種類に分類され、源泉数は46カ所にも及ぶ。
0460-83-8025
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-491
1泊2食付き2万1656円~
【電車】箱根登山鉄道ケーブルカー中強羅駅より徒歩4分【車】東名厚木ICより1時間
13台
「箱根本箱」の詳細はこちら
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※この記事は2022年11月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※特に併記していない限り、記載の宿泊料金は平日大人2名1室利用時の1名料金(消費税・サービス料込み)です。別途、入湯税・宿泊税がかかる場合があります。
※料理などは季節や天候によって変更になる場合があります。
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じゃらん編集部
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