訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、エリアや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2023年3月22日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
旅行客が増えるこの時期は、あえて北海道&東北を選ぶのがツウ
暖かくなってくる3月~4月は、卒業旅行&春休みもあいまって、旅行客が増えるシーズンです。寒くてなかなか外出する気が起きない冬の季節を過ぎると、たしかに旅行へ出かけたくなっちゃいますよね。
しかし旅行客が増えるということは、旅先が混雑している可能性もあるということ。私(筆者)はとにかく、混雑を避けたいタイプの旅行者です。GWや年末年始はなるべく家にこもり、時期をずらして旅行するのが大好き。なぜならひとり旅が多いため、賑やかなのは苦手だから…。常に、いつの時期であれば落ち着いて旅行ができるかを考えながら計画を立てています。
混雑の黄色信号が灯る3月~4月、どこへ行くべきか。私が行き着いた答えは、「逆張り」です。春を感じたくなる時期だからこそ、あえて雪がまだ残る北へ向かえばいいのです。そう、この時期におすすめなのは、あえて“冬がまだ残っているエリア”へ足を運ぶこと。例えばわかりやすく、北海道や東北がいいと思います。
実際、数年前の3月に道北へ出かけたときは、雪がまだまだ残っていながらも少し日差しを感じられて、ゆっくり落ち着いて旅行ができて…と、とてもすばらしい体験がかないました。
とはいえ心配なのは、やっぱり雪の影響によるアクセス難。今回は、早春の時期におすすめしたい、“行きやすさ”がポイントの北海道&東北の温泉地をご紹介していきます。
新千歳空港から約40分。レイクビューの美しい支笏湖温泉(北海道)
札幌から車で約70分、新千歳空港からであれば約40分でたどり着く、アクセスしやすい支笏湖(しこつこ)温泉。湖沿いに旅館が佇む、静かで落ち着いた温泉地です。夏はダイビングやカヌーなどが楽しめるエリアでもあります。
冬は湖面を優雅に眺めながら、あたたかい宿で一息つくのが大人な過ごし方。もちろんアクティブな方は、湖面のアイスウォークにチャレンジしてもいいかもしれません。


私が以前、支笏湖近辺で訪れたのは、足元から源泉が湧く、新鮮そのものの温泉に浸かれる「丸駒温泉旅館」。支笏湖温泉の旅館群からは少し離れた秘湯の宿です。自慢の足元湧出の露天風呂は、秋冬は少し寒いですが、内風呂は源泉が異なり、塩分&鉄分たっぷりでよく温まります。(源泉100%)
海よりも穏やかで、川よりも静かな支笏湖の波の音はもう、癒やし効果が絶大。2022年5月にサウナ設備のリニューアルや貸切サウナ付き温泉の新設が行われたので、早春の旅にぜひ訪れてみては。
「丸駒温泉旅館」の詳細はこちら
あこがれの絶景海露天!黄金崎不老ふ死温泉は冬場がアクセス◎(青森)
温泉好きであれば誰しもが一度は目にしたことがある、黄金色に輝くひょうたん風呂。青森県西部の海沿いに堂々と建つ「黄金崎不老ふ死温泉」は、この時期もおすすめな温泉です。

東北あるあるですが、雪の降る時期だけターミナル駅から直通バスが出ていることがあります。黄金崎不老ふ死温泉も同様、12月~3月末まではJR新青森駅から無料送迎バスが用意されているので、かなりアクセスしやすくなっています。ただし、休前日・土日は運行されていないようなのでご注意ください。
あの濃い黄金色の温泉は、塩分たっぷりなパワフル泉質。日本海に面していてとても寒いのですが、湯は最高に温まれます。
「黄金崎不老ふ死温泉」の詳細はこちら
仙台から在来線で40分。気軽な温泉旅にぴったりな作並温泉(宮城)
仙台駅からJR仙山線に乗り、40分でたどり着く作並温泉。仙山線は仙台と山形を結ぶ在来線で、地元の方も多く利用されており、のどかな雰囲気をまとっています。

作並温泉は古くから“仙台の奥座敷”と言われており、そのアクセスの良さもあって、とにかくサクッと気軽に温泉へ行きたいときの旅先にぴったり。私自身、東京から1泊2日のカジュアルな旅で作並を選んだことがあり、とても快適に楽しめた記憶があります。
作並にある旅館群の露天風呂からは、渓流が見えて開放的。雪が少し残る景色も、早春の芽吹きを感じる景色も、心をほっと癒やしてくれるはずです。
冬景色の温泉街を堪能。湯治場の雰囲気が残る肘折温泉(山形)
東京駅から山形新幹線で新庄駅へ。さらにそこから村営バスに1時間ほど揺られてたどり着くのが肘折温泉です。東京発で考えると少し足を伸ばしたところにありますが、新幹線+村営バスとシンプルな旅程なのがありがたいです。
肘折は豪雪地帯でもあり、3月の終わりに「おおくら雪ものがたり」という雪イベントが開催されています。

肘折温泉の見どころといえば、温泉ファンの心をくすぐる昔ながらの温泉街。肘を折った僧侶が湯に浸かり、たちまち傷が癒えた逸話から「肘折」の名がつきました。湯治場として親しまれており、心身を癒やしにやってくる温泉ファンに愛されている地です。温泉は、やわらかな塩味と鉄味が感じられて、なめらかな浴感が特徴的。ちなみに肘折温泉の名物である朝市は、冬期は開催されないのでご注意ください。
季節を先取りしないことが、混雑回避の鍵
旅行好きの方は、季節の移ろいにとても敏感だと思います。春になったからお花見に出かけようとか、暖かくなってきたからドライブしようとか。そして夏はレジャー、秋は行楽、冬は美食に雪景色と、季節を先取りしたくなるような性格を持っているのではないでしょうか。
だからこそ、その時期らしい旅程を選ぶと、混雑に巻き込まれがち。少しでも落ち着いた旅行をしたい方は、あえて旬を外してみるのがおすすめです。みなさんも一度は、シーズンオフである冬の沖縄がすいているのは聞いたことはあるはず。その原理を生かして、早春に北の大地へ訪れてみてはいかがでしょう。
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※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi