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2024.07.17

空港のターンテーブルに寿司や魚が流れる!?全国各地のオブジェを調査<2024>

空港の手荷物受け取りエリアで、ターンテーブルの上を最初に流れてくる謎のオブジェを見たことはありませんか?

これは、各空港がご当地名物や観光地などをアピールするために独自で作った、作品なのです。今回は、全国各地の空港で見られるオブジェや、その知られざる秘密などをまとめて紹介!これを読めばわざわざ空港へ現物を見に行きたくなってしまうかも!?

【青森県】青森空港「大間のまぐろ」

JALの整備士が廃材を使って制作。大間漁協組合も公認のシール付き

青森空港「大間のまぐろ」

津軽海峡で水揚げされる天然の本マグロ。中でも大間町で水揚げされたものは高級品と言われており、「大間まぐろ」のブランドとして全国に流通しています。

青森空港に降り立った人にクスッと笑ってもらえるものをと、JALの整備士が作ったのがこのオブジェ。空港内で使わなくなった発泡スチロールを回収して加工、塗装し、プラスチック製のヒレを取り付け、歯にはラップの芯を使用。全長1.4m、重さ約1kgの模型を、3カ月間ひたすら紙やすりをかけ続けて成形するなど、完成まで約7カ月を費やした力作です。

青森空港「大間のまぐろ」

ブランド品を認証する「大間まぐろ」のステッカー付きもこだわりポイントです。

しばらく修復中でしたが、2024年より復活。すべてのJAL到着便で流れるわけではないだけに、出会えたらラッキーですね!

■青森空港
017-739-2007(青森空港インフォメーションセンター)
青森県青森市大谷小谷1-5
6時〜22時(旅客ターミナルビル開館時間)
なし
青森駅よりタクシーで30分
夏季1530台、冬季1266台(有料)
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「青森空港」のクチコミ・周辺情報はこちら

【富山県】富山きときと空港「富山湾鮨」

職人技が光るきときと「富山湾鮨」

富山きときと空港「富山湾鮨」

富山県内の寿司店が提供しているセットメニュー「富山湾鮨」のPRと、富山の寿司のイメージアップのために2013年に登場。

銅器や漆器などの伝統工芸に従事する高岡伝統産業青年会の協力のもと、伝統工芸の技を結集して作られました。

富山きときと空港「富山湾鮨」

一貫の大きさは長さ25cm、高さ10cmほどで、キトキト感(新鮮さ)を出すために伝統工芸士が素材にこだわり、白身の魚は透明樹脂を使用するなどリアリティも追求。

また、実際の「富山湾鮨」は、季節ごとに、冬は寒ブリ、春から夏にかけてはホタルイカや白エビなど、ネタを変えて提供しています。

「富山湾鮨」オブジェは、SNSを通じてジワジワと話題になり、今ではJR富山駅にも設置されています。

■富山きときと空港
076-495-3101
富山県富山市秋ケ島30
6時〜21時
なし
富山駅よりタクシーで15分
1642台(うち有料111台)
「富山きときと空港」の詳細はこちら

【愛知県】中部国際空港セントレア「名古屋めし」「お寿司」

思わず二度見のリアル感!スーツケースに詰まったご当地グルメ

中部国際空港セントレア「名古屋めし」「お寿司」

“食品サンプルの町”として知られている岐阜県郡上八幡に本社を構える「さんぷる工房」。中部国際空港内にも出店しており、このオブジェは同社の若手職人が制作したものです。

中部国際空港セントレア「名古屋めし」

地域の文化である「名古屋めし」と「お寿司」がモチーフで、「名古屋めし」に関しては空港内の店舗で実際に食べることができるものを集め、「お寿司」はただ並べるだけでなく、元の魚の姿も楽しめるようマグロの頭なども盛り付けられています。

中部国際空港セントレア「お寿司」

よりリアルなサンプルを作るべく、マグロの頭をはじめ、サーモンやハマチなど、実際に本物の魚を仕入れてサンプルの型を取り、制作されています。

通常店頭に並べる食品サンプルは、ショーケースの中など動かない場所に設置されますが、今回はターンテーブルの上を回るため、転倒しないような土台づくりに苦労したそうですよ。

■中部国際空港セントレア
0569-38-1195
愛知県常滑市セントレア1-1
24時間
なし
中部国際空港駅より徒歩すぐ/中部国際空港連絡道路セントレア東ICより3分
7800台(有料)
「中部国際空港セントレア」の詳細はこちら

【岡山県】岡山桃太郎空港「桃太郎」

ターンテーブルをどんぶらこ。桃から生まれた桃太郎

岡山桃太郎空港「桃太郎」

「岡山にやって来た!帰ってきた!」と感じてもらえるように、一目で桃太郎と分かるようなオブジェを制作。桃から生まれ、きびだんごを持っている姿が表現されています。

岡山桃太郎空港「桃太郎」

冬場はマフラーと手袋を付けたり、空港利用者の3500万人達成時には記念プレートを置くなど、タイムリーな装飾が施され、その愛らしい表情の桃太郎は、見る人に笑顔と癒しをもたらしてくれます。

岡山桃太郎空港「桃太郎」

空港ターミナル正面入口には、岡山県出身の彫刻家・岡本錦朋氏による桃太郎像もあり、こちらの桃太郎は対照的に凛々しく精悍な姿。眼光鋭いお供たちもインパクトがあります。

■岡山桃太郎空港
086-226-7282
岡山県岡山市北区日応寺1277
7時〜22時
なし
岡山駅よりリムジンバスで30分
2885台(無料)
「岡山桃太郎空港」の詳細はこちら

【鳥取県】米子鬼太郎空港「目玉おやじ」

スーツケースから飛び出す目玉おやじにギョッ!

米子鬼太郎空港「目玉おやじ」

米子鬼太郎空港のある境港市は、漫画家・水木しげる氏の出身地。そこで2010年、彼の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公「鬼太郎」にちなんで『米子鬼太郎空港』と命名されました。

名称にふさわしく、空港内には鬼太郎にまつわる様々な装飾が施されています。その一つがターンテーブル上の「目玉おやじ」です。

米子鬼太郎空港「目玉おやじ」

空港に着いて最初に目にする妖怪「目玉おやじ」から“鬼太郎ワールド”が始まります。その他、妖怪が乗り込むくじら飛行船のオブジェや、鬼太郎親子の居間を再現したフォトスタジオがあり、写真撮影が楽しめます。

また2023年には展望デッキの床面に縦6m、横12mの巨大な鳥取の風景画が登場。一反もめんや目玉おやじなどの絵柄があしらわれたフォトスポットも誕生しました。

鬼太郎ファンならずとも、全スポットで撮影したくなるはず。

■米子鬼太郎空港
0859-45-6121(米子空港ビル株式会社)
鳥取県境港市佐斐神町1634
6時〜22時
なし
米子空港駅より徒歩5分
無料
「米子鬼太郎空港」の詳細はこちら

【香川県】高松空港「うどん」ほか

オブジェを見るとうどんが食べたくなる

高松空港「うどん」

「うどん県かがわ」をアピールするために、ベルトコンベア付近に「うどん鉢」とともに、地元企業の協力のもと、「段ボール製のメニューのれん」を設置。うどん屋風にして、歓迎ムードを盛り上げています。

うどんのオブジェを見てうどんが食べたくなり、空港内のうどん屋に走る人もいるとか。

高松空港

さらに、“うどんだけじゃない”ことを知ってもらおうと、国内最大の生産地であり、香川県の県花でもある小豆島のオリーブをPRしています。

多くのオリーブ関連商品の中から、香川県特産の庵治石(あじいし)で作られた「オリーブ牛」と、「オリーブハマチ」を制作、展示。さらにターミナルビルの外にオリーブの木も植栽されています。

■高松空港
087-814-3355(高松空港インフォメーションセンター)
香川県高松市香南町岡1312-7
5時45分〜22時
なし
高松駅よりタクシーで30分
1393台(1時間まで無料、以降の料金は公式HP参照)
「高松空港」の詳細はこちら

【高知県】高知龍馬空港「巨大!土佐久礼かつおのタタキ」ほか

両テーブルに巨大かつおが回る!

高知龍馬空港「巨大!土佐久礼かつおのタタキ」

2023年4月に、かつおの一本釣りの町・高知県中土佐町が、実寸大「タタキ皿鉢」「トロ箱入りかつお」オブジェを制作。ターンテーブルに設置したところ、利用客に大好評!

第二弾として体積比で実寸の約50倍サイズの「巨大!土佐久礼かつおのタタキ」オブジェが作られました。2024年4月より2レーン両方に回っています。

高知龍馬空港

タタキオブジェを監修したのは、高知県民がわざわざかつおを食べに行くという中土佐町・久礼の商店街「久礼大正町市場」にある老舗の「田中鮮魚店」。

切りたてのタタキのシズル感や、内側の白いゼリー状まで表現したねぎ、高知県産にんにくの繊維の質感にもこだわった力作で、写真に収めたくなります。

■高知龍馬空港
088-863-2907
高知県南国市久枝乙58
6時〜22時
なし
高知駅よりタクシーで33分
1028台(30分まで無料。以降の料金は公式HPを参照)
「高知龍馬空港」の詳細はこちら

【大分県】大分空港「回転寿司」

ベルトコンベアで運ばれる回転寿司!?

大分空港「回転寿司」

大都市圏からの利用客に対して、強くインパクトのある大分県の観光PRができないかと、旧大分県観光協会に加盟する観光・交通関係業者のメンバーの雑談からオブジェの制作がスタート。

2007年に、ベルトコンベアを回転寿司のベルトに見立てて模型の寿司を流し、「海鮮王国おおいた」をPRする「回転寿司」がお披露目されました。

大分空港「回転寿司」

模型は重すぎるとベルトコンベアのモーターに負荷がかかりすぎ、軽すぎるとトンネルのカーテンに引っかかるため、大きさや重量の調整に難航したそう。最終的には皿の直径70cm、高さ30cm、重さ25kg(普通のお寿司の約500個分)のオブジェが完成。

2024年6月現在、大分県「姫島の車海老」と「まぐろと姫島の車海老のセット」の2種類が回転しています。出てきた瞬間「わぁ〜!」と子どもたちが声を上げるなど、注目度は抜群です!

■大分空港
0978-67-1174
大分県国東市安岐町下原13
6時〜22時
なし
別府駅よりタクシーで40分
770台(有料)
「大分空港」の詳細はこちら

まとめ

制作の裏側を知ると、ますます実物を見たくなりますよね。各地の空港を訪れた際には、いろいろな箇所に注目すると新たな発見があって面白いかもしれませんね。

※この記事は2024年7月8日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

真下智子  真下智子

温泉好き、旅好きの二児の母。夫の仕事の関係で、青森から鹿児島、シンガポールと、様々な土地で生活する。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、温泉観光実践士の資格をもつ。無類のあんこ好きで、一日一餡を公言している。

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