あなたが「絶景」と聞いて、真っ先に思い浮かべる景色はどんなところですか?旅が好きなら、心に残る絶景を一つや二つ持っているかもしれません。そしてその景色は、いつも誰かに語りたくなるものです。
この連載では、じゃらんニュース編集部が旅好きな人に「これまで見てきた絶景の中でも特に印象に残っている場所」をインタビュー。有名な観光地から地元の人しか知らないような場所まで、その景色に立ったときの感動や記憶をお伝えします。
絶景をきれいに写真に収めるためのちょっとしたコツも合わせて紹介するので、素敵な写真に挑戦してみたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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【今回の旅先】北海道 積丹半島の「海絶景」
お話を聞いたのは・・・おろぐちともこさん(会社員・マンガ家)
毎年国内外を旅行し、旅エッセイをコミケで販売する旅行オタク。エジプトやサウジアラビアなど中東をメインに海外各国へ足を運んでいたが、コロナ禍をきっかけに日本国内の島にも目を向けるようになったそう。
Xアカウント:@lolo_oro
行先は…北海道積丹郡積丹町神岬町シマツナイ(神威岬/カムイミサキ)
北海道西部の日本海に向かって突き出た半島です。札幌駅からは車で1時間42分、小樽駅からは車で1時間15分ほどで到着します。
【なぜそこへ?】網走旅行のついでに、ウニを求めて積丹へ
3年に1回のペースで長距離ドライブ旅をしているというおろぐちさん。北海道の東側を中心に10日間かけて一人旅した際、当初の目的地ではなかった積丹半島で、思いがけず絶景と出会うことになりました。

「当初の北海道旅行の目的は、網走刑務所や知床半島の大自然。行きは網走に近い東側の女満別空港からスタートしたのですが、帰りは新千歳空港から帰る予定だったので、旅の後半は札幌にホテルを取っていたんです。札幌で何をしようかな?って思って現地でいろいろ調べていたら、小樽の近くの積丹半島で旬のウニが食べられることを知りまして…」
ウニはおろぐちさんの大好物、旅行した7月は積丹で旬のウニが味わえるグッドタイミングだったそうです。

「積丹のウニの解禁時期は6〜8月の期間のみ。しかも漁獲量が少ないエゾバフンウニが食べられると知り、『せっかくその時期に旅をするなら』と急きょ積丹半島へのドライブを旅程に組み込みました」
しかし、一筋縄ではいかないのがウニの旅。実は朝獲れのおいしいウニをいただくには、早朝からお店に並ばないといけないのだそう。
「狙っていた積丹のお店は9時開店。札幌から現地まで一般道で2時間半程度なので朝3時前にホテルを出発し、5時半には現地へ到着しました。でもその時点でもう行列ができていて衝撃!早くから並ぶ人の中には、ウニのために積丹の宿に泊まる人もいるんだとか。北海道は緯度が高いからか日が昇るのも早く、並んでいる頃にはだいぶ外も明るくなっていたように思います」

6時前に並んだにもかかわらず、順番はなんと30番目以降。それでも9時の開店から2巡目で念願のうに丼を口にしました。
「語彙を失いましたね…。本当においしいときって『うま…』しか出ない。エゾバフンウニは濃いオレンジ色で、クリーミーで濃厚な、海を濃縮した旨味のようなものが背中をぞわっと駆け抜ける感じです。予算の都合でエゾバフンウニと(おそらく)ムラサキウニのハーフ丼にしたのですが、高くてもエゾバフンウニだけにすればよかったと後悔するくらい衝撃的なおいしさでした」
積丹のウニの記事はこちら
【いざ、絶景へ】濃厚オレンジのウニ絶景に並ぶ北の海の青さに衝撃
早朝から並んで豪華すぎる朝食を終えたあと、観光のついでに立ち寄ったのが「神威岬(かむいみさき)」。日本海へ突き出した岬の先端まで歩いて行ける観光スポットです。
「『近いしまだ昼前だし、ここまで来たからついでに行くか』くらいの気持ちだったんです。もともとの計画には入っていなくて、その場のノリ。とりあえず、積丹の中心部から神威岬まで車で移動を始めたのですが、北海道を運転している人たちって飛ばす人が多いんですよ!道がまっすぐだからか、下道でも十分早い(笑)。ちょっと怖い気持ちもありましたが、海沿いの景色がきれいで運転自体は楽しかったです」

神威岬の駐車場に車を停め、そこから遊歩道「チャレンカの小道」へ。
「海沿いに続く約770mの道があるのですが、両脇が笹に囲まれていてアップダウンも激しかったです。日頃からピラティスをやって地味に鍛えていたのが、まさかここで活きるとは思いませんでした」
「歩き始めてすぐ視界が開け、左右どちらを見ても海が見えるんです。そのまま20分ほど歩いた岬の先端には、断崖の上から300度以上を見渡せる、圧倒的な開放感が待っていました。風の強さや、波の音、断崖の先端に立ったときの浮遊感——写真では伝わらない感覚が何層にも重なっていた印象です」

「私にとって南国の海ってカラッと明るいエメラルドグリーンのイメージなんですが、積丹はもっと沈んだ深い青がベースになっている気がしました。岸に近いところはエメラルドグリーンとかターコイズブルーみたいなんですけど、少し先に行くと急にコバルトブルー、群青色に変わるんです。それが途切れずに水平線までずっと続いていて、最後は空の水色とぶつかる。積丹ブルーって一色じゃないんですよね。透明度は高いのに、色自体はどっしりしている。同じ『青い海』でも、全然違う印象でした」

「フレームの中にいろんな青が全部入ってくるのも、撮影していて面白かったです。浅いところと深いところで、全然違う青が同時に見えるのも神秘的で、神聖な地として大事にされてきた理由の一つなんじゃないかなって思います」
【絶景写真を撮るための工夫】きれいな写真を狙うなら時間帯も意識
おろぐちさんが実践した、積丹ブルーをより美しく撮るためのポイントは以下の通り。
1. 半島などの海写真は太陽が真上に来る正午前後を狙って
「朝や夕方は太陽の角度が低いので、地形によっては影が海面に落ちちゃうんです。せっかくきれいな青い海でも、影が入ると色がわかりづらくなります。例えば正午くらいに行くと太陽が高い位置にあるので影が出にくくて、真っ青な海がそのまま写ってくれますよ」
2. 高台からの構図で奥行きを出す
神威岬のように高台から海を見下ろせる場所では、奥行き感を意識した撮影が◎。
「高いところから下を覗き込むような角度で撮ると、奥行きが出やすいと思います。さらに遠くに人が小さく見えていると、その人との対比で自然の雄大さが伝わりやすくなりますよね。『こんなに小さく見えるくらい、この景色は大きいんだ』っていうのが写真だけで分かるんです」

3. 広角レンズで開放感、望遠レンズで「青だけ」を切り抜く
「広角レンズを使うと景色全体を大きく取り込めるので、開放的な一枚になります。スマホの広角モードでも同じような効果が出せるので、一眼レフがなくても試しやすいと思います。
また望遠レンズで海のブルーがきれいな部分をズームで狙うと、フレームの中に青しか入らないカットが撮れます。海の青を切り抜いたみたいな写真になるので、これはこれで好きな撮り方です」
4. 三脚と服の色で、景色に「溶け込む」
「もし余裕があれば三脚があると、一人旅でも記念撮影ができるのでおすすめです。三脚を置いて『この角度なら自分を入れてこんな構図で撮れるな』って決めてから撮ることも多いですね」
「人物が入る場合は、岩に腰かけるなど、風景の一部になるような姿勢を意識しています。海とその先の岩のごつごつした感じも一緒に入れると、景色の質感まで伝わる気がします。ちなみに私は島を旅するときは青い服を着ることが多いです。青い海にも馴染むので、景色に溶け込んだ写真が撮れますよ」

絶景を味わう旅に出かけてみませんか?
自然の力に圧倒される絶景は、まだあなたが知らないだけで、きっとどこかにある。「ついでに見ておこう」と立ち寄ったスポットが、大事な思い出になることもあるはずです。この連載をきっかけに、あなたも次の絶景探しに出かけてみませんか?
(写真提供:おろぐちともこ)
※この記事は2026年9月1日時点での情報です。
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