トシローさんの新潟県の旅行記
春の佐渡島 路線バスの旅(世界文化遺産推薦記念)
- 1日目2022年4月6日(水)
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14:00-15:00
初日はとりあえず新潟まで移動、明早朝の佐渡汽船フェリー第1便(6時発)に乗船予定。万代口近くのホテルにチェックインする前に、新潟市内を観光します。
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14:00-15:00
萬代橋の架かる信濃川の両岸はやすらぎ堤と呼ばれ、広い遊歩道が両岸に整備されています。関東は既に桜が満開でしたが、新潟は開花宣言はまだ。しかし、河岸のソメイヨシノのつぼみは気温も上がり今にも開きそうでした。
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14:00-15:00
萬代橋を越えて海側へ歩いて、旧日本銀行新潟支店長役宅である砂丘館へ。砂丘館の手前に在った階段には「どっぺり坂」と大きな石碑が建っていました。かつて坂上に旧制新潟高校(現新潟大学)の寮が在った様で、坂を下りて頻繁に町へ遊びに行くと落第する(ドイツ語でフェルドッペルン)から付いたらしい。
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14:00-15:00
どっぺり坂上に建つ旧日本銀行新潟支店長役宅は砂丘館と呼ばれています。昭和初期の近代和風建築で、内部には洋室も設けられた和洋折衷の瀟洒な御屋敷です。
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15:00-16:00
寄居浜海岸沿いの松林を抜けて、新潟縣護國神社に参拝。明治元年に戊辰戦争の戦没者を祀り創建されたのが始まりで、新潟県の総鎮護として県民の厚い信仰を受けています。
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16:00-17:00
初日観光の最後は、明日の佐渡汽船フェリー乗り場の確認がてら万代島に。朱鷺メッセがランドマークですから、明早朝は地上31階建ての万代島ビルを目印にホテルから歩く予定。
- 2日目2022年4月7日(木)
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05:00-06:00
朝5時前にホテルをチェックアウト、まだバスは動いていないので歩いてフェリー乗り場の在る万代島へ向かいます。街は夜明け前の薄暗がりですので、日中とは景色が違って見える中一際高い万代島ビルを目標にして歩きました。
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05:00-06:00
ホテルから徒歩30分弱で新潟港のフェリーターミナルに到着。冬で雪道だったらしんどいなと思いましたが、春の白む夜明け前の街を歩くのは爽やかで気持ち良い。
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05:00-06:00
新潟港発両津港行の早朝第1便のフェリーとあってターミナル内は空いていましたが、既に何人かは改札前に並んでいました。チケット売り場で2等の乗船券を購入し、両津港行フェリーの改札を待ちます。
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06:00-07:00
両津港に向けて定刻通り6時にフェリー「ときわ丸」が出航。万代島の対岸には新潟市歴史博物館みなとぴあ等が建ち並び、外国の港を連想させる風景です。
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07:00-08:00
ときわ丸は2014年建造のまだ新しい船、内装も新しく5階にはスイートルームや展望ラウンジも設けられています。心地良い揺れを感じながら、正面の佐渡島が徐々に大きくなっていきます。
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08:00-09:00
新潟港を出港して2時間半、順調に航行して両津港へ入港。イメージしていた佐渡島より遥かに大きく見えましたが、日本では沖縄に次ぐ大きさの島ですから当然と言えば当然。
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08:00-09:00
下船してすぐ両津港ターミナルの佐渡観光案内所へ向かい、新潟交通バスの佐渡2Dayパスを購入。初めはトキの森公園へ向かいたいと伝えると、間もなく目的地に向かう南線のバスが出ると教えてもらいA番乗場に急行。
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08:00-09:00
佐渡島の新潟交通路線バスは14路線も有りますが、島の中心を東西に走る本線と南線以外は本数は少なめ。島内観光には路線バスの時刻表をじっくり見ながらの綿密な計画が必須です。
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08:00-09:00
南線は両津港を出ると加茂湖の南側を通ってトキの森公園へ向かいます。加茂湖は新潟県最大であり、日本の離島でも最大の湖沼です。北の大佐渡山地には未だ冠雪が見られますが、加茂湖周辺では着実に春の気配を感じます。
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09:00-10:00
両津港からバスで30分弱でトキの森公園に到着、先ずはトキふれあいプラザで朱鷺にご対面。観察用飼育ケージの中には現在1組のペアが、巣で卵を抱えていました。前日にも卵を1個産んだばかりで、雌と雄で交互に卵を温めるそうです。
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09:00-10:00
トキ資料展示館内にはトキのはく製や骨格標本等、トキの生態に関する資料が展示されています。繁殖研究の成果も上がり、現在生息数は推定500羽近くまで増えているそうです。生息地域の環境保護にも大変な努力が払われています。
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10:00-11:00
トキの森公園から両津港ターミナルへ戻り、再度観光案内所へ。午後からは佐渡金山へ行きたいと話すと、バスの時間を調べてくれて相川町で1時間程観光してから佐渡金山へ向かうのが効率的と勧めてくれました。
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12:00-13:00
両津港の観桜案内所でも勧めてくれた相川地区の「きらりうむ佐渡」は、佐渡金山の玄関口に在る新しいガイダンス施設。江戸時代から近代に至る佐渡金山の歴史を、時代ごとに分けて大型ビジョンで解説してくれます。
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12:00-13:00
見学の後で佐渡金山を訪れましたが、「きらりうむ佐渡」で得た情報・知識が役立ち、より佐渡金山見学を楽しむ事が出来ました。佐渡金山に行かれる方は、行く前に是非ここにに立ち寄る事をお勧めします。
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12:00-13:00
きらりうむ佐渡の女性館員さんから教わった通りに小さな濁川沿いに緩やかな坂を上ると、徒歩15分程で相川郷土博物館に到着。この周辺にも佐渡金山関連の史跡が集まっていて、「北沢浮遊選鉱場跡や佐渡奉行所を見てからバスで佐渡金山に向かって下さい。」と適切で丁寧なルート案内有難うございました。
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12:00-13:00
まるで廃墟要塞の様な北沢浮遊選鉱場跡、戦前の国策として金の採取を主目的に建てられた鉱物の選鉱場。浮遊選鉱とは当時最先端の選鉱技術だったようです。実に見応えの在る迫力を感じる歴史遺産です。
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12:00-13:00
北沢浮遊選鉱場跡の奥には、一見古代ローマのコロッセオの様な円形建物も。シックナーと呼ばれる鉱物の沈殿分離施設だそうで、直径が50mもある日本最大級の大きさだったとの事。
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12:00-13:00
北沢浮遊選鉱場跡の直ぐ坂上には佐渡奉行所跡が復元されています。江戸時代の佐渡金山は天領と呼ばれる幕府直轄領、一般的な役所的機能に加え金銀の精製も行っていたという佐渡ならではの奉行所です。
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12:00-13:00
佐渡奉行所横に建つ佐渡版画村美術館、建物は明治時代の「旧相川簡易裁判所」を利用している立派な歴史的建造物。美術館前のバス停からいよいよ佐渡金山を目指します。
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13:00-14:00
佐渡金山前に到着、史跡佐渡金山には二つの坑道見学コースが有ります。江戸時代の採掘作業を再現した宗太夫抗コースと、明治時代以降の近代鉱山遺跡である道遊抗コース。両コース共見学する人向けにお得な共通券を購入、金色のチケットを手に最初は宗太夫抗から。
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13:00-14:00
宗太夫抗は江戸時代初期に開発された手掘り坑道で、当時の採掘作業を細かく再現しています。金鉱石の採掘の手順が解り易く、手の込んだ人形や説明書きにより表現されていてアミューズメントパークに来た気分です。
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13:00-14:00
抗夫にも色々階級が分かれていた様で、待遇もまちまちだったのは当然かもしれません。抗を出る際の入念なボディーチェックが有った事は言うまでもなく、厳しい管理もされていた模様。無宿人や流刑者ばかりが働かされていたイメージですが、腕の良い職人達も多く集まっていたみたいです。
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13:00-14:00
宗太夫抗コースを出た資料館には12.5sの金塊を小さな穴から取り出せるかの金塊チャレンジコーナーが設けられていました。持った瞬間の重さで直ぐ諦めましたが、今の高騰している金相場からすると、1億円以上になるのかな。
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13:00-14:00
道遊抗は明治時代に開削された近代坑道ですが、平成元年まで採掘を行っていたとは知りませんでした。宗太夫抗とは相対的な機械化された近代坑道ですので対比もまた面白い。
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13:00-14:00
坑道を出た場所には機械工場が在り、採掘機器や工作機械等が保管されています。各々がまだ使える状態で保存されている様でした。
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13:00-14:00
道遊抗を出ると佐渡金山のシンボルである道遊の割戸が見えます。佐渡金銀山の開発初期である江戸時代に行われた、道遊脈の露天掘りにより割られた山。本当に真っ二つに割れています。
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13:00-14:00
道遊の割戸の直ぐ下まで登る事が出来ます。近くで見ると山の下部の方に大きな穴が抉られていて、しっかり堀つくした事が良く解ります。
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14:00-21:00
佐渡金山の坑道見学を終えた後、帰りのバスまで時間空いたので坂道を下り相川町の京町通りを散策。京町通りは江戸時代の佐渡金山全盛期に栄えた町、金山と佐渡奉行を結ぶメインストリートだったそうです。
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14:00-15:00
京町通りの海側の端に鐘楼が在ります。江戸時代から明治の初期まで相川の町に時を告げていた鐘で、時鐘楼として保存管理されています。
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15:00-16:00
佐渡金銀山関連史跡を堪能した後は、相川から七浦海岸線のバスで岩場の続く海岸を走り今夜の宿を取った七浦海岸の民宿敷島荘へ向かいます。
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16:00-23:00
民宿とは思えない立派な旅館の様な敷島荘、お風呂も広くてゆったり。大きな窓2面からは、目の前に日本海のオーシャンビューが拡がります。好みの温めの湯にじっくりと浸かり、今日一日の船〜バス旅の疲れを癒しました。
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16:00-23:00
夕食も豪華、お造りに加え寿司も蟹もイカも海老も天ぷらも。海鮮中心のメニューですが、飽きさせない種類の豊富さと適度な量で満腹・満足。
- 3日目2022年4月8日(金)
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10:00-11:00
佐渡2日目は七浦海岸から佐和田バスセンター、更に小木線に乗り換えて小木港を目指します。乗換待ち時間が1時間程有ったので、歩いて佐和田の海岸まで。佐和田海水浴場は真野湾の中に在る貴重な砂浜。岩場ばかりの佐渡島のイメージでしたが、夏場は多くの海水浴客で賑わいそうな景色も良い穏やかで美しい浜でした。
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12:00-13:00
佐和田バスセンターから小木線で終点の小木バス停まではほぼ1時間。バス停の横が南佐渡観光案内所ですので、早速小木の観光情報を集めに入ります。
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12:00-13:00
小木港直ぐの資料館の中に展示されている幸丸は、佐渡〜新潟間の佐渡海峡を往復していた最後の和船。昭和中期まで現役で、日曜雑貨や木炭・薪等を運んでいたそうです。
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12:00-13:00
幸丸展示館の直ぐ横には小木図書館が在って、館内には日本アマチュア秀作美術館が併設されていました。無料という事なので観覧させていただきました。
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12:00-13:00
広くはない美術館ですが、絵画や書に彫刻とアマチュアとは思えない出来栄えの作品ばかりです。また、故森繁久彌さんが名誉館長をしていたそうで、自らの洒落た書も展示されていました。
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12:00-13:00
佐渡の小木港の観光名物と言えばたらい舟ですが、コロナ禍のせいか観光客も少なく女性船頭さんも手持無沙汰の様でした。
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12:00-13:00
小木港の岸壁に丸屋根の小さなカワイイ建物が建っていたので、何かなと中を覗いてみました。小木験潮場という説明板には潮位を自動観測する験潮儀が設置されていて、茨城県つくば市の国土地理院にデータ転送していると記されていました。
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13:00-14:00
木崎神社は小木港に突き出た城山の北に鎮座する立派な神社で、由緒は佐渡金山が栄えた江戸時代に佐渡奉行が金の輸送の安全を祈って建立した神社だそうです。
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13:00-14:00
小木の南に突き出た岬の小高い丘が城山公園、その周囲の海岸線に遊歩道が整備されています。人工的な小木港とは異なり岩礁が続く佐渡の海岸景観が楽しめます。
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15:00-16:00
この日新潟県の桜の開花宣言があったようですが、佐渡の桜の開花はもう少し掛かりそう。それでも、新保八幡宮の参道の桜のつぼみは、ピンク色がだいぶ濃くなっていました。
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16:00-17:00
両津港に戻るとフェリーの出航時間まで僅か、急ぎチケットを買って乗船。帰りの船ははおけさ丸、来島時のときわ丸に比べるとやや古い船ですが充分大きい。出航のドラの音が響くと、何とはなしに寂寥感を感じました。
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17:00-18:00
おけさ丸は夕方16時過ぎに両津港を出港し新潟港へ、船は真東に向かって進みますので太陽は佐渡島の中心に落ちてきます。海面に映る光の帯と共に見入りました。
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17:00-18:00
フェリーの船尾デッキの椅子に座って沈む夕日を眺めながら、佐渡の旅を回想しました。ユネスコ世界文化遺産登録への推薦が決まった佐渡金山含め、貴重な歴史遺産が末永く遺る事を祈るばかりです。佐渡島の人達はみんな親切で優しい、佐渡島の素晴らしさをSNS等を利用してもっともっと発信して欲しいと思いました。
春の佐渡島 路線バスの旅(世界文化遺産推薦記念)
1日目の旅ルート
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