https://twitter.com/onsen_nagachi/status/1155303691328450562
温泉沼の住人(@onsen_nagachi)として活動しているながちと申します。先日、Twitterに投稿したある1枚の画像がめちゃくちゃにバズりました。その名も「東京から1泊2日で行けるおすすめ温泉チャート」。
このチャートは6万RT・21万いいねと多くの反響をいただき、おかげさまでフォロワーが3000人ほど増え、有志によって中国語版・英語版が作られ、AbemaTVで紹介されるなどしました。4年ほど前は、じゃらんの編集者でもありました。
本記事では、この温泉チャートの裏話や解説、活用する際のコツなどを書いていきます。
そもそも、「東京発、1泊2日」の選択肢がありすぎ問題
温泉チャートを作ったきっかけはただひとつ。「東京から1泊2日で温泉行きたいんだけど、おすすめある?」って聞かれる頻度がめちゃくちゃ高いからです。
そういう時には私もベストな解答をしたいので、
・誰と行くの?(家族、恋人、ひとり、友人etc)
・どうやって行くの?(車、バス、電車etc)
・どんな温泉が好き?(透明でさらさらした温泉、白くて濁った温泉etc)
・どんな旅行にしたい?(ご当地グルメを食べる、宿にこもってゆっくりするetc)
・予算は?(高くてもいいから遠くの温泉地で贅沢したい、なるべく安く済ませたいetc)
こういったことをヒアリングして、ようやく「じゃあここがいいかも」とおすすめが提示できます。いや、いいんですよ別に、「熱海に行けばなんでも揃ってるし間違いない」「とりあえず草津行けば温泉地来た~幸せ~って感じするよ」とか雑に返しても、だいたい満足できると思います。
でも、東京からアクセスしやすい温泉地って意外にもたくさんあるし、趣味嗜好によって選択肢が分かれることを知ってもらいたい…。そんな気持ちで作りました。
そうそう、チャートをご覧になった方の中から「飛行機を使えば定山渓(札幌に近い温泉地)も行ける」「別府(大分の温泉地)も選択肢に入りそう」などもご意見をいただきました。
当然、1泊2日で定山渓や別府にも行けますが、個人的にはあまりおすすめしません。だって1泊で帰るなんてもったいないですから!!日常から離れて温泉に浸かりたいようなヤバイ状態のときは、時間も物理的距離も取った長旅にしたほうがいいです。1泊2日ではあんまり休んだ感じがしないですよ。あくまでチャートで紹介している温泉地への旅行は、土日でサクッと行くイメージです。
チャートの結果にあった温泉地、どんなところ?
チャートの一番上に置いた選択肢は「電車・バスで行きたいかどうか」でした。もちろんほとんどの温泉地は電車・バスだけでたどり着けますが、「現地でも周りやすいか」はかなり重要。本数が少なかったり、いつも混雑したりしている路線バスを使いこなすのは一苦労です。そのため、
・四万(群馬)
・越後湯沢(新潟)
・高湯(福島)
・熱海(静岡)
・草津(群馬)
・伊香保(群馬)
・鬼怒川(栃木)
・甲府(山梨)
・湯河原(神奈川)
は、電車・バスでも行けるおすすめ温泉地として載せました。ひとつずつ、簡単に紹介していきます。
四万(群馬)
群馬県にある小さな温泉地です。派手さはありませんが、しっとり過ごすのにはおすすめ。高速バスで東京駅から1本で行けます。日帰りか宿泊か、どちらでもよいので「千と千尋の神隠し」のモデルと言われている積善館にぜひ…!
越後湯沢(新潟)
新潟というと遠いイメージがありますが、東京駅から新幹線で1時間ちょっとで着きます。地酒、海鮮、山の景観が揃ったすばらしい温泉地です。少し離れてしまいますが、おすすめは越後湯沢駅からタクシーで20分のところにある貝掛温泉。
高湯(福島)
東京駅から新幹線で1.5時間ほど。高湯温泉は福島駅からの宿の送迎で向かうことができます。「鳴り物を禁ず」と昔から言われている高湯は、山奥の本当に静かな温泉地です。白く濁った硫黄の温泉はゼッピン。吾妻屋が最高でした。
熱海(静岡)
JR東海道線でも、新幹線でも行ける熱海。東京からのアクセスがとにかく良く、現地も見どころ&おしゃれなお店がたくさん、オーシャンビューな海の温泉でぽかぽか…と、非の打ち所がない素晴らしい温泉地です。圧倒的にラブです。熱海の宿に1泊した翌日は、ぜひ日帰り専門の妙樂湯まで足を伸ばしてみて。
草津(群馬)
高速バスで東京駅・新宿駅から1本で行ける草津は、日本屈指の名湯として知られています。温泉街はいつも賑わっていて、独特なちょっと酸の感じるにおいはいつも「温泉に来たなあ~!」と思わせてくれます。「大滝乃湯」や「御座之湯」、「西の河原露天風呂」など、日帰り施設も超充実。
伊香保(群馬)
四万・草津と同じく、高速バスで東京駅・新宿駅から1本で行ける伊香保温泉。石段街と呼ばれる中心の散策スポットには、旅館・日帰り温泉施設・カフェ・お土産屋さんなど見どころがいっぱいあります。鉄の成分が豊富な茶色い温泉がガツンとくるパワー系。
鬼怒川(栃木)
浅草駅から特急電車で2時間ほどで到着する鬼怒川は、渓谷沿いに旅館がつらなる自然豊かな温泉地です。川下りやロープウェイなど、景観を楽しめるアクティビティがいろいろ。山にひらけた露天風呂に体を沈めれば、しあわせな気持ちになること間違いなし。
甲府(山梨)
新宿駅からの特急電車やバスでたどり着く甲府は、温泉銭湯がそこここに点在しているおもしろい街です。黒くてつるりとした新鮮なモール泉がとにかく最高。夜は甲府の街で地元のワインをいただいて、ビジネスホテルに泊まるもよしです。旅館がよければ、ほど近くの温泉地・石和も候補に入りそう。
湯河原(神奈川)
JR東海道線や特急電車でたどり着く湯河原は、私にとっては「東京で働くギリギリの大人たちの駆け込み寺」というイメージです。小さな温泉地ながら、旅館は充実していて、おこもりにぴったり。硫黄とはまたちょっと違う、芒硝(ぼうしょう)という成分の温泉のにおいがたまりません。
まとめ
8月のお盆休みも、9月の連休も終わり、肌寒くなってきた今日このごろ。「そろそろサクッと温泉でも…」ってときに、ぜひぜひ参考にしてみてください。
次回は車で行きたい派の温泉地解説と、「チャートに入れそこねちゃったけどここもおすすめ!」なところをご紹介します。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi