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2021.08.24

【日本酒の基礎知識】吟醸酒、本醸造酒、純米酒の違いとは?種類や製法にまつわる用語解説も

全国各地にいろんな日本酒・地酒がありますが、その味は幅広く種類も多種多様でどこまでも奥深いため、味の見極めが難しいのも事実。

「大吟醸」と「吟醸」の違いって?「純米酒」と「純米吟醸」は何が違うの?「ひやおろし」ってなに?どうやったら好みのお酒に出会える?

今回は日本酒用語はもちろん、銘柄ラベルに書かれている意味、お酒の種類や製法、楽しみ方など、基礎知識を酒のプロに聞きました!

※この記事は2021年5月25日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

ラベルからわかる日本酒の情報。

日本酒はラベルの表示内容から、ある程度は味を予測することができる。特に精米歩合や造りによって風味や味などに傾向があるので、用語の意味を予習しておこう。

ラベル

(1)製法
火入れの有無、濾過の有無、仕込み方など、お酒の製法がわかる言葉。そこから味の特徴が予測できる。

(2)特定名称
酒米の精米歩合などで分類される名称のこと。基準を満たす場合に記載され、味の傾向を読むことができる。

(3)出荷時期
季節限定で販売されるお酒については、その出荷時期を示す言葉をラベル表示することもできる(任意)。

(4)製造時期
容器に詰めた日の年・月を明記。醸造時期や出荷時期が異なる場合は、任意で併記する場合もある。

(5)原材料名
使用した原材料を使用料の多い順に記載。特定名称を表示する場合は、近い場所に精米歩合を表示する。

(6)原料米の品種名
原料としている米の品種を50%以上使用している場合は、表示してよい(任意)。

(7)アルコール度数
15~16度くらいのものが多く、ワインよりやや高め。清酒は22度未満という規定がある。

(8)酵母、酸度、アミノ酸度など
表示する義務はないが、蔵元によっては味の目安として表示。酸度は好みが分かれる。

日本酒にまつわる用語を紹介

よく耳にするけれど、どんな意味があるのか、その違いがよくわからない日本酒にまつわることばたち。ラベルに表示されることもあるので、意味をチェックして、日本酒選びの参考にしよう!

各蔵元のこだわりが生きる「製法」がわかることば。

米を発酵させた原酒を濾過するのか、火入れするのかなど、各蔵元がこだわる「製法」を表すことばたち。それぞれに大まかな味の特徴がある。

各蔵元のこだわりが生きる「製法」がわかることば

無濾過(むろか)

醪(もろみ)を搾ったあと、通常は滓(おり)や雑菌などを取り除くために濾過を行うが、その工程をしていないお酒のこと。個性豊かな濃厚な味のお酒となる。

原酒(げんしゅ)

醪を搾ったあと、いっさい加水をせず瓶詰めされたお酒のこと。そのためアルコール度数が高いものが多いので、氷を入れて飲んだ方が飲みやすい。

生酒(なまざけ)

加熱殺菌をいっさい行っていないお酒のこと。フレッシュな風味とみずみずしい味わいが特徴。お酒が生きているため、長期保存すると美味しくなくなることも。

生酒は要冷蔵保存なので、旅の最後に買い保冷包装してもらおう。旅のはじめに買うなら、クール便で着日指定に。

山廃(やまはい)

微生物から生成した乳酸で酵母を増やす生酛(きもと)仕込みの酒母(しゅぼ)造りで、山卸しという作業を廃止したもの。略して山廃と呼ばれる。強くしっかりした味で燗向き。

にごり酒(にごりざけ)

醪を搾るときに、目の粗いもので濾し、細かい米の粒を残した白濁したお酒。あえて加熱殺菌をせず、生きた酵母を残し、発酵が続く微発泡のお酒が多い。

生詰酒(なまづめしゅ)

腐敗を防ぐために、貯蔵タンクに貯蔵する際と瓶詰め時の2回加熱殺菌を行うのが通例。そのうち前者の1回だけ加熱したお酒のこと。フレッシュさが魅力。

旅する季節に合わせてチェック。「出荷時期」がわかることば。

毎年、収穫の秋からはじまる酒造り。そこから、季節ごとに出荷されるお酒につけられることばがある。その季節ならではの味を楽しみたい。

「出荷時期」がわかることば

夏酒(なつざけ)

火入れしたものも含む、5~8月に出荷されるお酒。暑い季節にさっぱりと飲めるよう、通常より酸度を高くしたりアルコール度を低くして、清涼感を感じる味に。

寒おろし(かんおろし)

生詰めの「ひやおろし」をさらに熟成させて、11月下旬から12月頃に出荷されるお酒。じっくり熟成したお酒は、まろやかさと旨みが増し、お燗にぴったり。

しぼりたて

11~3月ごろに出荷される。文字通り「しぼりたて」のみずみずしい味わいが特徴。こくや深みは少ないものの、フルーティで爽やかなすっきりとした飲み口。

ひやおろし

新酒を1度だけ火入れし、酒蔵で「ひや」のまま貯蔵し、9月ごろに「卸し」た生詰酒のこと。ほどよく熟成が進み、まろやかな旨みのある味わいに。

搾りのタイミングでも味に変化が。「搾る手法・工程」がわかることば。

発酵を終えた醪を搾って、お酒と酒粕に分ける「上槽」。その工程における、手法やタイミングによっても味が変わるので覚えておきたい。

「搾る手法・工程」がわかることば

あらばしり

圧をかけず、醪の重さだけで自然に出てくる最初のお酒。薄く濁り、少し炭酸ガスが残ってほどよい酸味がある華やかな味に。少量しか取れず希少価値が高い。

中取り(なかどり)

「あらばしり」が出終わったあとに出てくるお酒のこと。「中汲み」「中垂れ」ということも。雑味が少なく、香りと味わいのバランスがよい味わいとなる。

責め(せめ)

最後に圧力を加えて搾り出した酒のこと。最後まで搾り取るため、「あらばしり」や「中取り」より濃厚な味わいに。最後の工程で比較的リーズナブルに購入可能。

吟醸酒、本醸造酒、純米酒とは?精米歩合で決まる分類で味の傾向がある。

原料の米の格付けや、麹米の使用割合などの基準を超えた日本酒を「特定名称酒」という。特定名称酒は、原料の米の精米歩合や醸造アルコール添加の有無により、下の8種類に分類される。それぞれに味の傾向があるので頭に入れておきたい。

<味わいについて>
よりよく磨いたお米(精米度合いが高い)を、低温で長時間発酵。華やかなすっきりとした味に。精米度合いが低いほど米本来の旨みや甘みが残り、どっしりとした深いこくが感じられる。

吟醸酒、本醸造酒=米+米麹+醸造アルコール

米と米麹、水に加えて醸造アルコールを添加したもの。醸造アルコールとはデンプンや糖質を発酵させ蒸留したアルコール。白米の重量の10%以下と使用が制限される。

吟醸酒、本醸造酒

純米酒=米+米麹+水

米と米麹、水のみで造られたもの。精米歩合とは玄米に対する割合で、精米歩合60%は玄米の表面を40%削り取ること。精米歩合が低いほど削り取る部分が多くなる。

純米酒

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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