はじめまして。
写真の撮り方やフォトスポットを紹介するWebメディア「Photoli」編集長の横尾 涼と申します!
写真を撮りながら旅をしたり、旅をしながら写真を撮ったりして暮らしています。
さて、みなさんは旅先で写真を撮りますか?
僕は旅先で写真を撮るのがとても好きです。旅先から帰ってきて写真を見返すだけで楽しかった思い出が蘇ってくるからです。
そこで今回は、その思い出をもっと素敵に切り取る方法をお届けできたらと思います。写真のコツのキホンのキともいえる「構図」のお話です。
構図といっても難しい知識は必要ありません。意識を変えるだけで、写真がいつもより一歩上達する3つの構図をご紹介します。
外出自粛などで窮屈な日々を過ごしていると思いますが、おうち時間を充実できるようエア旅撮影を楽しんでくださいね。
それではいきましょう!
(1)ベーシックな「三分割構図」で切り取ってみる

最初に覚えていただきたいのは「三分割構図」です。
画面を縦横それぞれ三分割した直線上に被写体を置く構図で、実践がとても簡単。あっという間にすっきりと整った写真が撮れます。
三分割がわかりやすくなるよう写真に線を引いてみましょう。

横線に注目すると、下の線が木の幹のあたり、上の線が枝葉の先のあたりにあることがわかります。縦線に注目すると、木は右の三分割線上にあります。

縦写真でも同様。水平線を境に青空を上から2/3のスペースに、海と陸を下から1/3のスペースに配置しました。このとき、水平を意識して撮るとより整った写真になります。
最初のうちは「だいたい」でもOK。出会った景色を三分割上に置いてみる意識を持つだけで、きっと写真は随分と変わるはずです。旅先でぜひお試しください。
(2)余白をうまく活かして「日の丸構図」

撮影に慣れてきたらぜひ試していただきたいのが「日の丸構図」です!
名前の通り、国旗のように真ん中に被写体をどんと置くのみのシンプルな構図です。
被写体がひとつで、かつ、強く印象づけたいときに使うのがおすすめ。

とても簡単な構図ですが、簡単ゆえに奥深いです。つまり、上手に撮るのは少し難しい構図といえます。
そこで、実践のときのワンポイント。“余白”を意識してみましょう。
方法は、いつもの撮影位置に立って、そこから一歩下がること。額縁のように余白を置くことで、被写体がグッと印象的に写ります。

たとえばこれ、なんでもない消火栓の写真です。赤で目立つ色の被写体を真ん中に置いて、背景には桜と春らしさを感じさせる自然を置きました。
余白をたっぷり取って背景をたくさん入れることで、中心にある消火栓に自然と視線が誘導されます。

同じシーンで余白を少なめに取るとこんな感じに。なんだか窮屈な感じがしませんか?
視線が集まるどころか、むしろ圧迫感すらあります。このように、見せたいものを意識しながら距離感を調整するのが、日の丸構図で魅力的に写真を撮るためのポイントです。

ここまでご紹介した「三分割構図」「日の丸構図」は被写体の置き方に注目した構図ですが、最後は少し視点を変えた構図をご紹介します!
(3)絶景をよく訪れる方におすすめ「放射構図」

風景を切り取るときに大活躍する「放射構図」です。
写真を見る人の視線が手前から奥に向かうよう、手前に広がりを&奥に収束する点を作ります。

この写真では、目線が手すりに沿いつつ階段を降りた先の海へと向かうよう構図を意識して撮りました。手すり→階段→海と目線が動くよう流れを整理して撮影しています。

放射構図は、広がりがある景色を切り取る際に効果を発揮します。
春に撮れる風景を構図で遊ぼう
最後に、これまで僕が撮影した春の写真をご紹介しつつ、構図をさらっとおさらいしながらお別れしたいと思います!

5月ごろに見頃を迎える藤の花。紫が綺麗です。真ん中に主役を置く日の丸構図で撮影しました。
日の丸構図と放射構図の合わせ技です。手前の藤の花まで写すことで広がりを表現しました!
>全国の藤の花スポットはこちらから

藤の花と並んで春を彩るもう一つ主役、ネモフィラ。どこまでも続く青い絨毯が見ものです。

ネモフィラの中には、アクセントとして三分割構図で配置したポピーの花を、縦線と横線の交差した地点に置くことで、写真に安定感が生まれています。

構図はまだまだ、たくさん、たっくさんあります。もし興味が湧いたらぜひ他の構図についても調べてみてくださいね。心に残る良い写真が撮れますように。
次回はカフェで撮影するコツを解説します。それではまた!
>カフェ写真の「上手な撮り方2ステップ」はこちらから
横尾涼
写真の楽しみ方や撮影のコツを紹介するメディアPhotoliの編集長です。自身もフォトグラファーとして活動し、風景写真や人物写真を撮影しています。写真と旅とおいしいご飯が好きです。[Photoli]https://photoli.jp/