close

2020.12.16

旅好きさんにおすすめする「単焦点レンズ」の3つの魅力

こんにちは。写真の撮り方やフォトスポットを紹介するWebメディア「Photoli」編集長の横尾 涼と申します!

今回のテーマはズバリ!「単焦点レンズのすすめ」です。

一眼レフカメラなどを購入した際に一緒に付いてくるレンズ(キットレンズ)を使っている方は多いはず。
そこで今回は、いつものキットレンズから一歩足を踏み出して「単焦点レンズを使ってみること」をおすすめさせてもらえたらと思っています!

背景が綺麗にボケて、軽くて、構図を作る楽しみをとことん感じられる単焦点レンズ。その魅力をたっぷりとご紹介します!

それではいきましょう!

記事配信:じゃらんニュース

単焦点レンズとは「撮れる画角がひとつ」のレンズ

まずは「単焦点レンズとはなにか?」をご紹介しますね。

単焦点レンズとは、焦点距離が「ひとつのみ」(=ズームできない)のレンズのことです。

カメラのレンズは、レンズそれぞれで画角(カメラのファインダーを覗いたときに写す範囲)が決まっています。その画角を決める要素のひとつに「焦点距離」と呼ばれるものがあり、「〇〇mm」のように数字で表現するのです。

数値が小さければ画角は広く、数値が大きければ画角は狭く、遠くの景色を切り取ることができます。

単焦点レンズ(左)とズームレンズ(右)
左:単焦点レンズ、右:ズームレンズ

写真の左のレンズのように「50mm」とひとつの数字のみが書いてある場合、それは単焦点レンズです。「18-55mm」のように、ふたつの数字が書いてある場合はズームレンズです。

カメラとセットで販売されているキットレンズも一般的にはズームレンズです。

……と、冒頭から少し難しい話を書きましたが、まとめるとこうです。

・単焦点レンズ=ひとつの画角のみが切り取れる(ズームできない)レンズ
・ズームレンズ=複数の画角が切り取れるレンズ

「あれ、単焦点レンズって不便なんじゃない?」と思った方も多いのではないでしょうか。もちろん、一側面のみで見ると万能ではないのですが、実はとても魅力溢れるレンズなのです……!

その魅力をご紹介していきますね。

単焦点レンズの3つの魅力

一見不便なようにも思える単焦点レンズをおすすめする理由。それを3つに厳選してみました、こちらです。

・とにかくよくボケる
・フットワークも軽くなる軽量さ
・構図を作る楽しみを味わえる

たっぷりの作例も交えながらひとつずつ見ていきましょう!

とにかくよくボケる

単焦点レンズ

最初にして、僕が一番推したい単焦点レンズの魅力です。背景がとにかくボケます。

普段キットレンズを使っている方は、ぜひ同じ被写体を撮り比べて体験してみてほしい。ズームレンズは、ズームできるメリットを持つ代わりにF値が大きくボケを体感しにくい特徴もあるレンズなのです。

単焦点レンズ

その点、単焦点レンズは、ズームこそできないものの背景をぼかしやすいレンズ。一眼レフらしい写真が撮れることに加えて、背景が綺麗にボケると写真の主役も一層際立ちます。

写真を見ている人の目線を、ピントの合っている部分に誘導することができる効果もあるんです。

単焦点レンズ

花がたくさんある場所で単焦点レンズを使って写真を撮ると、多くの花の中からひとつの花のみにピントが合い、奥行き感と立体感を感じさせる魅力的な一枚に。

単焦点レンズ

背景をぼかす以外にも、被写体の手前にボケを作る「前ボケ」写真も単焦点レンズの得意技。ボケを操れるようになると、写真の幅が一気に広がること間違いなしです。

軽くて小型な場合が多い

単焦点レンズの魅力の2点目、ズームレンズに比べて小型&軽量な場合が多いこと(レンズにもさまざまな種類があるので必ずしも、というわけではありません)。

単焦点レンズとズームレンズ

たとえば、先ほどの単焦点レンズとズームレンズの写真で2つのレンズを比べてみましょう。

左の単焦点レンズは、重さ約160g・長さ39.3mm。対する右のズームレンズは、重さ約200g・長さ70mmです。とてもコンパクトであることが写真からも伝わるでしょうか……?

カメラはその形もさながら決して軽い電化製品ではないため、レンズと合わせるとなかなかかさばるものです。かばんに入れて歩くと、数時間でヘトヘトになってしまうことも。

旅先での思い出をとことん残したいと思ったなら、やっぱり軽くて持ち運びやすいレンズは最強である。ということで、単焦点レンズをおすすめします。

荷物が軽いと、なんだかフットワークまで軽くなる。そうすると、行く先で出会うシャッターチャンスだって逃しにくくなるような気がします。

自分で移動しながら構図を作る楽しみがある

メリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人それぞれですが、単焦点レンズはひとつの画角でしか写真を撮ることができません。

もっと被写体を大きく写したいと思ったなら自分自身が被写体に近づかなければなりませんし、もっと広い景色を収めたいと思ったなら自分自身が一歩二歩と遠ざからなければならないんです。

「ズームレンズだったら、ズームレンズをくるっとひねれば一発で画角が変わるのに……」と嘆きたくなってしまうところですが、僕はこの特徴がむしろ好きです。

なぜなら、さまざまな心動く旅先の風景と出会ったときに、自分の足で「これが最高だ」と思える構図を作る楽しみは、単焦点レンズを使っていてこそ味わえるからです。

単焦点レンズ

ズームレンズを使っていたらリングをくるりと回して調節してしまうであろう花畑での一枚も、どうにか凛と咲く一輪を撮るためにググッと近寄って撮影します。

バランスを崩して前に転びそうになりながらも撮ったこの一枚は、僕の思い出に当時の映像を再現するかのように強く印象に残っています。

ただし、前述した通り、ひとつの画角しか撮ることができないので旅に連れていくときには注意が必要です。

背景のボケが大きく軽量な単焦点レンズか、それとも広い範囲も狭い範囲もさまざまな画角を欲張れるズームレンズか。

両方のメリットとデメリットを考えた上で旅に連れていくレンズを決めてくださいね。ちなみに僕は迷わず両方持っていってしまいます(笑)。

単焦点を持ってお出かけしよう!

いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでくれた方はきっと単焦点レンズを欲しくなっているはず……!

単焦点レンズを使い始めてから、写真の楽しさが倍増した気がします。

掛川花鳥園

撮影場所は静岡県の「掛川花鳥園」。単焦点レンズを購入して撮ったはじめましての一枚です。

背景のボケの美しさゆえ、この写真の撮影以降、僕は単焦点レンズの魅力にどっぷりと浸かりました。

夏の日の一枚

こちらはとある夏の日の一枚。背景に点光源があるとボケが玉のように写り、綺麗ですよね。

花火にピントを合わせずに手前にあるスマートフォンにピントを合わせています。これも単焦点レンズだからこそ撮れた思い出の写真です。

単焦点レンズ

なにげない街角のスナップでも力を発揮してくれる単焦点レンズ。心強い旅のおともです。

僕の旅の思い出も、いつも単焦点レンズが綺麗に切り取ってくれていました。写真の楽しさを教えてくれたのは単焦点レンズだった。そんなような気がします。

だからこそ、みなさんにもぜひ同じように単焦点レンズを使うことで知れる写真の楽しさをお伝えできたらと思いこの記事をお届けしています。

単焦点レンズを手元に迎えることで、きっと写真ライフが充実するはずです。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!

横尾涼  横尾涼

写真の楽しみ方や撮影のコツを紹介するメディアPhotoliの編集長です。自身もフォトグラファーとして活動し、風景写真や人物写真を撮影しています。写真と旅とおいしいご飯が好きです。[Photoli]https://photoli.jp/

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード