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2024.05.24

【夏の風物詩】日本の風鈴の魅力を解説!各地の風鈴の違いも紹介

夏になると、風鈴の涼やかな音色に癒やされるという人も多いのでは?美しいガラスで作られる江戸風鈴や重厚な南部鉄器製といった職人技が光る伝統工芸品からおしゃれで現代的な風鈴まで種類も多彩。この記事では、そんな風鈴の種類や歴史から、縁結び風鈴で知られる川越氷川神社をはじめとした、各地の風鈴まつりなどをご紹介します!

日本の風鈴の歴史

(画像提供:photo AC)
(画像提供:photo AC)

中国では占いの道具として使用され、日本へ伝来

今の日本では、暑い夏に涼しげな音を楽しむ道具として定着している風鈴ですが、起源は古く中国の唐の時代まで遡ると言われています。

当時の占いであった「占風鐸(せんふうたく)」では、竹林の東西南北に、「風鐸(ふうたく)」という青銅でできた鐘のようなものを吊るし、風の向きや音の鳴り方で物事の吉凶を占ったのだそう。

この風鐸が風鈴の起源であり、仏教とともに日本に伝わったという説があります。

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

災厄を運ぶ風から守る音として「魔除け」に

風鐸が伝来した頃の日本では、強い風は流行り病や邪気などの災いを運んでくると考えられていました。風鐸は、その音が聞こえる範囲は聖域とされ、災いから守ってくれるものとして、当初はお寺の軒の四隅に吊るされていたのだそう。

平安時代には、貴族が魔除けとして軒先に吊るすようになり、「風鈴」という呼び名はこの頃から使われるようになったと言われています。

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

風流なガラス風鈴のはじまりは江戸時代から

現在よく見られるガラスの風鈴は、江戸時代中期にはじまったといわれています。オランダ経由で製法が伝わり、ガラス工芸が盛んになったことで、ガラス製の風鈴が主流になりました。

魔除けや疫病払いのために飾られてきた風鈴ですが、この頃から、暑い夏に涼しげな音を楽しむ道具として定着してきたようです。

風鈴の魅力

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

目と耳で「涼」をとる夏の風物詩

風鈴の魅力は、なんといっても弱い風で奏でられる繊細で優しい音色。そして短冊の揺れによって、目に見えない風を見ることができます。この2つの効果で暑い夏に涼をとるという意味も込めて夏の風物詩といわれています。

お土産にしたい!日本の風鈴

津軽びいどろ風鈴【青森県】

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

津軽半島の西側に広がる、七里長浜の砂から作られた「津軽びいどろ」は、青森県指定の伝統工芸品です。

昔ながらの宙吹き技法を受け継ぐガラス細工で、鮮やかな色彩が特徴。繊細で複雑な色合いはまさに長年の勘と経験が活きた職人技!繊細で静かな音色が魅力です。

南部風鈴【岩手県】

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

岩手県盛岡の伝統工芸品である南部鉄器で作られた風鈴です。良質な砂鉄を含んだ、密度の高い鋳物(いもの)から作られています。

そのため「チリン、チリン」と軽やかに鳴る江戸風鈴とは違い、南部風鈴は「リーン」と高く澄んだ音色が響き渡るのが特徴で、環境省が選定した「残したい日本の音風景百選」にも選ばれています。

江戸風鈴【東京都】

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

江戸時代からの技法を受け継いで作られている手作りのガラス風鈴。ガラスを吹いて形を作るところから絵付けまで、すべての工程が職人の手作業なので一つひとつが微妙に異なり、音も違います。

また、江戸風鈴は、鳴り口がギザギザになっています。これは、虫の音のような自然な美しい音を目指したという江戸風鈴ならではの特徴です。

小田原風鈴【神奈川県】

(画像提供:ピクスタ)
(画像提供:ピクスタ)

小田原風鈴は室町時代から続く、神奈川県・小田原の伝統工芸である小田原鋳物でできた風鈴です。

「真鍮」製と「砂張(さはり)」製の鋳物でつくられています。あまり聞き慣れない砂張(さはり)とは仏具の「おりん」などにも使われている銅と錫(すず)の合金。長く余韻が残る独特の音色が特徴です。

伊万里焼風鈴【佐賀県】

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

伊万里焼(いまりやき)は、有田(佐賀県有田町)を中心とする肥前国(現代の佐賀県および長崎県)で生産された磁器の総称。

伊万里焼の風鈴は透明感のある白磁に赤、黄、緑色を基調にした絵付けされたその落ち着いた風合いが特徴です。

家で風鈴を吊るすのにおすすめの場所

風鈴のある生活で夏を爽やかに過ごそう!

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

風鈴を飾りたくてもマンションだし風鈴の似合う縁側がないし…思っていても大丈夫です。

近年ではマンションなどで近隣に配慮した音が控えめのものや、専用スタンドを使用して置いておけるものといった、窓際や室内に飾りやすいものもたくさん出ています。

(画像提供:スナップマート)
(画像提供:スナップマート)

エアコンや扇風機の風が当たる場所に吊るせば、弱い風で控えめに鳴る風鈴が楽しめます。カーテンレールにかけるのもおすすめ!

また玄関に飾れば、扉を開けたときに通る風でやさしい風鈴の音を楽しめます。風鈴は鮮やかでおしゃれなものも多く、夏のインテリアとしてもぴったり。

生活スタイルにあった風鈴を見つけて、風情ある夏を楽しんでみてください!

※この記事は2024年5月24日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

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