こんにちは。フォトグラファーの葵(@aoii6327)です。普段は、日常のふとした瞬間や旅先での時間などをフィルムカメラで写真に残しています。
そんなわたしが今回ご紹介するのは、レトロな風合い写真が手軽に撮影できると若者を中心に再熱した「写ルンです」。その魅力とエモい写真の撮り方のコツを私が撮影してきた写真とともにお届けします。
「写ルンです」とは?
今回ご紹介する「写ルンです」は、フィルムカメラのなかでも、わたしが一番最初におすすめしたいカメラです。その理由は、なんといっても「手軽さ」。
● 本体も90gととっても軽量なので、持ち運びが楽
● 設定なし。購入して開封すればすぐに写真が撮れる
● 使い方もいたってシンプル!フィルムの巻き上げダイヤルをカチカチと回してシャッターを切るだけ
……という、誰でも簡単に気軽に撮影できるところがメリットです!
さらに、撮り終えた「写ルンです」は写真屋さんに持ち込むことで、スマートフォンにデータ化した写真を転送したり、印刷などして楽しめます(この記事で掲載している写真も、写真屋さんで写真のデータ化をお願いしてスマートフォンに取り込みました)。
なにはともあれ、とにかく気軽に撮影できるのが「写ルンです」の良いところ。百聞は一見に如かず!実際撮影した写真をご覧ください。
友達の笑顔も、綺麗な風景も、逃したくない瞬間を逃さずに“エモく”形に残すことができるんです。
なんでもない日々が“エモい”思い出に変わる

私たちが過ごす当たり障りのない日々。刻一刻と流れていくその日々は、時にはひどく早く感じることもあります。
そんな刹那的な一瞬だからこそ、その瞬間一つひとつに隠されているきらめきや、大切な人たちと過ごした思い出を残したい……わたしはそんな思いでフィルムカメラを構えています。
フィルムカメラが写し出す世界はいつも、温かくてちょっぴりレトロ。スマホやデジタル一眼レフなどとは異なる、フィルム独自の光の描写やザラッとした粒子の質感が、些細で刹那的で見失いがちだけれど大切な”エモい”瞬間として残してくれるように思います。







当たり前のように過ごしているいつ時間だとしても、まったく同じシーンは二度と訪れない、いわばドラマチックなものだと気付かされます。
そんな風にいつまで経っても思い出を色褪せさせることなく残してくれる、それも、手軽に印象的に。
旅だって“エモい”んです

平凡な日々も良いけれど、非日常を味わえるお出かけや旅のシーンにも写ルンですはおすすめです。

構図をバシっと決めて、ピントを合わせてパキっと撮りたいなら大きなカメラを持っていくのも楽しいですが、友達との時間を楽しみたい旅なら荷物は身軽なほうが良い。でも、おしゃれな写真を残したい……そんなときに写ルンですなら撮りたい瞬間を情緒的に残せるから、思い出を肩肘張ることなく“エモく”残すことができるんです。

スマホやデジタルカメラのようにバッテリーを気にすることなく写真を撮れるのも嬉しいところですね。撮りたい瞬間に、サクッと取り出して、パシャっと撮る。日常にせよ、非日常にせよ、私たちの「撮りたい」を逃さない機動力が大きな強みだと思います。
「写ルンです」で撮影するための3つのコツ
ここまで「写ルンです」の魅力をご紹介しましたが、使いこなすために覚えておくと便利な撮影のコツも合わせてお届けできたらと思います。
(1) 暗い場所で撮影するときはフラッシュを焚く

「写ルンです」の特徴のひとつに、暗い場所でも撮影が可能な点が挙げられます。
屋内、日の出前、日の入り後などあたりが暗い場所で撮影する場合は、必ずフラッシュを焚きましょう。フラッシュを焚かずに撮影してしまうと、なにも写らず一枚無駄に……ということになってしまうのでどうかご注意くださいね……!
また、明るい場所でも逆光の場合、撮りたい被写体が真っ暗という場合もあるのでそんな時もフラッシュを焚くことをお勧めします。
(2)被写体をくっきり写したいときはきちんと距離を取る
デジタルカメラのようにシャッターを半押ししてピントを合わせることができないので現像したらピンぼけ写真だったということがよくあります。
そこで注目したいのが「撮影距離範囲」です。

写ルンですは撮影距離範囲が1m〜無限遠と定められています。これは“被写体から1m以上離れるとすべてにピントが合いますよ”という意味。

つまり、被写体とカメラとの距離が1mに満たない場合はピンぼけしてしまうという意味でもあります。曖昧でぼやっとした表現の写真になってしまいます。
もちろんそんな失敗もひとつの味ですが、しっかり写したいシーンでは被写体との距離を1m以上取るようにしましょう。
(3)ファインダーとレンズの位置がずれていることを考慮する

写真のように、被写体を画角の真ん中に配置する日の丸構図。「写ルンです」で撮る場合、この日の丸構図がずれてしまうことがよくあります。

ファインダーではこの赤枠で囲った部分が見えていても……

実際はこのように少しズレて撮影されてしまうのです。

この現象、実は撮影する際に覗くファインダーの位置とレンズの位置が若干ずれているために発生します。

被写体を真ん中にきれいに配置した写真を撮りたい場合には、ファインダーを覗いて見える被写体が、中心よりもやや左下にくるように構図を定めるとうまくいくはずです◎
まとめ

とにかく気軽に撮影できるのが「写ルンです」の良いところ。
撮影した瞬間にはまだ撮れた写真がどんなものかわからないドキドキ感、手元に写真がやってきたときの高揚感はフィルムカメラだからこそ味わえるんです。
デジタルの時代にあえて鮮明に残さない“エモさ”はかけがえのない思い出となるでしょう。

葵
21世紀生まれの写真家。青や女の子をテーマにフィルムカメラで撮影した写真がTwitterを始めとするSNSで話題に。高校生時代に米原康正氏のグループ展に参加後、卒業時に個展を開催し写真集『未完成な青』を出版。MVや映画のスチール写真の他にplantica、BEN DAVISなどの企業とのタイアップを手がける。
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じゃらん編集部
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