訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、“穴場でおすすめ”というスポットを紹介してもらいます。
毎月、穴場温泉の情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2021年6月17日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
栃木県・板室でひとり温泉旅行を満喫
「密を避けながら、ひとりで温泉ゆっくり浸かりたい」ならここ
ぬるめの源泉かけ流し+低温サウナで、じんわり湯浴み
夕食・朝食も部屋食。窓辺で木々を眺めながら、体が元気になる食事
ひとり客歓迎の大黒屋で、ヘルシーな贅沢を
栃木県・板室でひとり温泉旅行を満喫
開湯およそ1000年の歴史を持つ温泉地、栃木県・板室温泉。古くから「下野の薬湯」と呼ばれ、湯治場として親しまれてきました。那須塩原市内にあり、近場でレジャーや観光が楽しめるのも魅力です。
5月初旬、板室の温泉旅館「大黒屋」に宿泊してきました。GW真っ只中にも関わらず、ひとり予約がかなったのです。
ひとり温泉旅行の一番のハードルは、予約のしにくさにあります。平日だけひとり宿泊を受け入れているところはあるけれど、休前日・土日祝もOKなのはかなりありがたい。しかもものすごくいい宿だったので、紹介せずにはいられません。
「密を避けながら、ひとりで温泉ゆっくり浸かりたい」ならここ


大黒屋は板室温泉街中心地に位置する、広大な温泉旅館。大黒屋へ向かう橋を渡ると、手入れの行き届いた庭園が悠々と設えてありました。上品な本館の佇まいにうっとりしてしまいます。

大黒屋のキャッチコピーは“保養とアートの宿”。敷地内には美術館・陶器の展示室・サロン・ギャラリーなどが敷地内に点在しています。

なんと14時チェックインがかなう(!)ので、宿でどっぷりくつろぎたい旅行におすすめ。本館にある「松の館」2階の5室は全てひとり専用客室。南向き一面の大きな窓がすばらしかったです。
ぬるめの源泉かけ流し+低温サウナで、じんわり湯浴み



温泉はもちろん源泉かけ流し100%。私の大好きなぬるい温度で、とろみのあるつややかな温泉でした。単純アルカリ泉ではあるものの、ほんのり芒硝のにおい(だしのようなにおい)がしていて最高です。
湯船は露天風呂、石造りの大きな内湯、香り豊かな檜造りの小さな内湯の3種類。いずれも絶品の心地でしたが、一番好みだったのは檜造りの内湯でした。ぜひ、日が暮れてから浸かってみてください。ぬるくて薄暗くて、体がとろけていくようでした。
どの湯船もダバダバと温泉がかけ流されていて新鮮そのものです。

「アタラクシア」という40度前後の低温サウナもおすすめ。体を横にして床からじんわり温めていくと、30分ほどで汗ばんできます。体に負担をかけないつくりなので、通常のサウナが高温すぎて苦手な方でもくつろげます。本当に体が疲れている人にはこういうところがよさそう。
夕食・朝食も部屋食。窓辺で木々を眺めながら、体が元気になる食事

夕食・朝食いずれも部屋食なのも魅力のひとつ。健康になるための「滋味」をテーマにしていて、華美ではないけれど、しっかり明日の血肉になるようなメニューでした。お魚がふっくらしていて美味しかったなあ。
温かいものは温かく、常温のものは常温で…と、きちんと美味しく食べられるよう手間暇かけられていてありがたかったです。
普段私は、旅行のときも普段の生活と同じように夜中まで起きているのですが、大黒屋ではめずらしく日付が変わる前にベッドに入り込んでしまいました。14時チェックイン、とろけるようなぬる湯、体にうれしい夕食、静寂に包まれた館内…といったひとつひとつの“保養”への工夫が、早い眠りを誘ってくれたのだと思います。ちなみに大黒屋では、西川のムアツ布団を採用しているとのこと(さすが)。

その代わりのように、朝5時には客室一面の大きな窓から差す陽の光で目覚めました。陽の光で起きたの、いつぶりだろう。爽やかな目覚めで体も軽く、朝食前に再び露天風呂に浸かりにいくほどでした。大満足の1泊2日です。
ひとり客歓迎の大黒屋で、ヘルシーな贅沢を
そのほかにも、生花を飾る花瓶を選べたり、連泊客向けに掃除の時間が細かく案内書きされていたりと、細やかな配慮に行き届いたすてきなお宿でした。
ご対応いただいたスタッフの方が、私の著書をご存知でとっても嬉しかったです。図書室にも飾ってくださっていたので、訪れた方はよかったら読んでみてくださいね。
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“ひとり温泉”を楽しむ特集一覧
■プロフィール

永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。普段はCHOCOLATE Inc.でプロデュース業をしています。元じゃらん編集部員。
Twitterアカウント @onsen_nagachi
『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

2020年11月26日発売。訪れた温泉は約500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタク会社員」による温泉偏愛エッセイ!つぶやくと同時に6.8万RTされた「東京・大阪から1泊2日で行けるお勧め温泉チャート」付き
書籍の情報はこちら
https://www.gentosha.co.jp/book/b13386.html
※掲載の価格はすべて税込価格です。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi