現在のかき氷ブームを牽引してきた超人気店「ひみつ堂」。特製蜜から天然氷の削り方まで、とことんてづくりにこだわった究極のかき氷がここにはあります。
東京・谷中にオープンしてから約11年。常に進化し続けてきたお店のこだわりと、絶品かき氷の秘密について、オーナーの森西浩二さんに伺ってきました。
※この記事は2021年7月4日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
人気かき氷店「ひみつ堂」とは? 1台の屋台からスタートして人気店に!?

日暮里駅から徒歩4分。谷中銀座へと続くあの有名な階段「ゆうやけだんだん」を降り、左に曲がってすぐ。スイーツ部門ですっかり1ジャンルを築いた、かき氷ブームを牽引してきた専門店「ひみつ堂」があります。
今でこそ、人気かき氷店として名を馳せている「ひみつ堂」ですが、屋台でかき氷を提供するところからのスタートだったそう。

当時のことを、オーナーの森西浩二さんはこう振り返ります。
「色々な仕事を転々としながら、大福屋さんを始めようと考えていたところ、夏はあまり売れないなと。料理が好きなので友人によく振る舞っていたんですが、バーベキューのときに自家製シロップのかき氷を出したら、それがとても好評で。ある時、花火大会の屋台に出店しないかと誘われて、出てみたら大行列ができた。それから屋台のかき氷屋としてイベントに出店するようになったんです」
評判が評判を呼び、行列の末にイベントパレードが中止になってしまったことも。腰を据えてかき氷を提供すべく、現在の谷根千エリアに実店舗をオープンしたのが、約11年前、2011年のことでした。
待ち時間はある?整理券はいつ配布される?

お店は10時頃~19時(※17時閉店時あり。公式Twitterにて要確認)の通年営業ですが、夏の間は、朝8時頃からオープン。
これまでの繁忙期には、2時間~最大で6時間ほどの待ち時間になることもあったとか。
今では「待ち時間を有効に活用してほしい、待ち時間をできるだけ短くしたい」という思いから、整理券が配られています。※電話やネットなどでの予約はありません
1時間以上の待ちが一日中でるとお店が判断した場合のみ、整理券が配られます。整理券には15分刻みの時間が書いてあり、その時間にお店に戻ると、戻った順で席に案内されます。ただし、整理券を持っていても、10分~1時間ほどの待ち時間が出る可能性があるのでご注意を。
また、繁忙期である夏には熱中症などの心配もあるので必ず水分を持参してくださいね。
氷や蜜へのこだわり
手作りへのこだわりがおいしさに直結

試行錯誤を重ね、これまでに約300種類以上のかき氷メニューを開発、提供してきた「ひみつ堂」。オープン当初から変わらないのは、“本物”にこだわるという点。氷、蜜、削り方……。そのすべてに手間を惜しまず、最高級のものを、という信念が貫かれています。
たとえば、氷。オープン当初から日光・三ツ星氷室の天然氷を使っていますが、森西さんは、毎年、冬になると現場に立ち会い、採氷から手がけているそうです。

蜜は、フルーツ本来の美味しさをとことん味わえるよう、加水やカサマシは一切なし。契約農家から仕入れる果物に砂糖だけを加え、完全無添加でどこまでもフレッシュな味わいに仕上げています。

そして、最大のこだわりといえば、氷の削り方です。電動かき氷機が一般的ななか、昔ながらの手動式かき氷機で、一杯一杯、丁寧に削っていくのが「ひみつ堂」流です。
電動の場合は、機械が高性能なため誰が削っても均一で完成度の高いかき氷が作りやすいという特徴があります。いっぽう、手動式の場合は、削り手に熟練の技が求められます。
そのため「ひみつ堂」では、より繊細さが求められる仕上げの部分を削るのは、スタッフのなかでも限られた人だけ。
「体力的に絶対に無理だよ」と周りから忠告を受けながらも、開店当時から手動にこだわってきたそうです。その理由について、森西さんはこう語ります。

「電動と手回しで何が違うかというと、均一かどうか。手回しの機械だと、完全に均一にはならないから、舌への伝わり方が単調ではなく、あらゆる角度からアプローチしてくれるんです。見た目は同じでも、複雑工程にすることによって、深い味わいになる。ある料理家さんには、キャベツで言えば職人さんが切った繊細な千切りキャベツだね、と言っていただきました」。

「ひみつ堂」の“本物”への探究は止まりません。2020年から宮古島に拠点をつくり、マンゴーをはじめとするフルーツ農園を稼働。いずれは自家栽培のマンゴーを使った蜜を造る予定だそうです。

また、今夏から、宮古島の海水をくみ取って完全天日塩を自家製する計画も。精製塩とは異なり、ミネラル分豊富な天日塩は、甘味、苦味、酸味など複雑な味わいを堪能できるのが魅力です。そんな天日塩を、パンプキンキャラメルなど、主に秋冬のかき氷メニューにすこしだけ振りかけていただくと、感動の味わいに。
手間ひま掛けて自家製にこだわることで、その感動はさらに確かなものになるはず、と森西さんは信じているのだそうです。
人気メニューをご紹介!
グランドメニューから旬なかき氷まで約30種類を用意

累計約300種類にも上るというメニューですが、平均して約30種類が当日のメニューに記載されています。旬のものを中心に、大体、二十四節気ごとに内容が変化。公式ツイッターでも、その日のメニューを紹介しています。
今回は定番のなかから、特に人気の3点をご紹介しましょう。
「ひみつのいちご みるく」(1300円)

静岡県と秋田県の旬摘完熟いちごのみを使用し、いちごとお砂糖のみでつくった特製蜜がたっぷり。
いちごそのものを食べているようなフレッシュな味わいです。
「生メロン三昧」(1900円)

マスクメロン、アンデスメロンなど全国各地から旬のメロンをお取り寄せ。高級メロンを惜しみなく使った蜜は、感動のおいしさです。ご主人いわく「伊達政宗カット」の生メロンが、贅沢にもかき氷の上に鎮座しています。
「抹茶ティラミス」(1500円)

洋風な味わいで人気のマスカルポーネ系のかき氷メニューのなかでも、一番人気。
ティラミスの濃厚な甘さと抹茶のほろ苦さが、口の中で絶妙にマリアージュします。旬食材を使ったマスカルポーネの進化系かき氷も、季節ごとに登場しているので要チェックです。
まとめ
繁忙期の夏場は整理券での入店が基本ですが、散策が楽しい谷根千エリアなら、待ち時間も苦ではありません。なお、キャンセルなどでタイミング良く空席ができた場合には、運が良ければふらりと入れることもあるそう。とくに17時以降は、キャンセル待ちに狙い目の時間帯だそうです。
手作りにこだわった最高級のかき氷。この夏、ぜひ一度、味わいに行ってみてはいかがでしょうか。
[TEL]03-3824-4132
[住所]東京都台東区谷中3-11-18
[営業時間]10時頃~19時頃(17時閉店時あり。公式Twitterでご確認を)※夏、繁忙期は8時頃~
「ひみつ堂」の詳細はこちら
(お店の感染予防対策)
※お客様には手指の消毒&マスクをお願いします。
※従業員はマスク、手袋を着用しています。
※テーブルは使用毎に消毒しています。
※パテーションを設置しています。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
曽田 夕紀子
編集ライター&カメラマン。2015年に浅草から東京の奥座敷、奥多摩町の山間へプチ移住。築150年の古民家で、夫・娘・猫3匹とともにカントリーライフを満喫中。旅、アウトドア、暮らし、グルメ、農業、サステナブルを主なテーマに、取材&撮影で全国各地へ。スキューバダイビング歴20年。http://www.miguel-web.info