代々木上原にある「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」。その美しさがインスタグラムなどのSNSで話題になっています。今回は、東京ジャーミイってそもそもどんな施設なのか、美しいモスクの見学マナーやおいしいトルコグルメなど、東京ジャーミイを訪れる前に知っておきたい情報をご紹介します。
※この記事は2021年7月9日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
日本最大のモスク「東京ジャーミイ」とは?
代々木上原駅から徒歩約5分の場所にある「東京ジャーミイ」は、一度に2000人も礼拝することができる日本で最大級の礼拝堂です。その歴史は1938年にできた東京回教礼拝堂からスタート、建物の老朽化により取り壊され、2000年に現在の建物となり、東京ジャーミイ・トルコ文化センターとして生まれ変わりました。イスラム教の宗教施設ですが、イスラム教徒でなくても見学ができます。
東京ジャーミイは鉄筋コンクリートづくりの建物で、2階の礼拝堂の天井には、数千年前から使われているドーム内空室が音響装置として取り付けられています。この装置によって礼拝を告げるアザーンやコーランの朗唱が礼拝堂内によく響きわたります。建物の内外には、カリグラフィやタイルをはじめとするトルコ・イスラームの工芸品が点在しています。
「東京ジャーミイ」の見どころ
東京ジャーミイに入るとすぐ左側にパンフレット類が、右側に受付と売店があります。見学だけしたい場合は、そのまま進んで階段を登り、礼拝堂へ。東京ジャーミイに多数あるカリグラフィの意味を知りたいなら、パンフレット(200円)を購入してから礼拝堂に入るのがおすすめです。
礼拝堂
東京ジャーミイの2階に上がると、礼拝堂になっています。入口で靴を脱いで中に入りましょう。女性はスカーフで頭髪を覆います。
礼拝堂は、イスラム教徒が礼拝をするための場所。イスラム教では毎日5回、礼拝の時間が決まっています。ミフラーブと呼ばれる壁の窪みの延長線上にある聖地メッカのカアバ神殿に向かって、アッラーに礼拝を捧げます。
現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のためソーシャルディスタンスをとっていますが、通常は皮膚の色、民族、社会的地位、年齢など違いを超えて横一列に並んで行います。
礼拝堂の屋根は大小のドームが支えあっていて、屋根を支える柱がなく、とても広い空間になっています。壁一面には色鮮やかで美しいステンドグラスや流麗なカリグラフィが、天井や壁には幾何学模様や植物文様が描かれ、トルコ・イスラームの世界を作り出していて、その美しさに時間を忘れて見入ってしまうほど。建築資材や調度品はトルコから運んできたものだそう。
その日の天候や時間帯など入り込む光の具合で、刻々と印象が変わっていくのも魅力の一つ。
らせん階段を登ったこちらのスペースは、女性専用の礼拝場所になっています。
女性専用の礼拝場所のほうが美しいドーム天井やステンドグラスも、より間近で見ることができます。
ドーム型の天井の壁面には、アッラーと預言者、4人のカリフの名前のカリグラフィが刻まれています。
他にも、カリグラフィやアラベスク模様、幾何学模様などが随所に描かれていて、どこを見てもとても美しいんです。これらのカリグラフィは、コーランや預言者の言葉からとったメッセージなのだそう。つい時間を忘れて見入ってしまいますね。
建物内だけでなく、外側も美しいので、ぜひゆっくりと見て回ってくださいね。
美しいイスラム建築
東京ジャーミイには、イスラム建築が取り入れられています。
例えば、1階入り口付近にある応接間は、一般的なトルコ民家の応接間を再現しています。中央には白亜の噴水があり、奥にある暖炉は、チューリップをあしらったトルコらしいの装飾タイルでできています。礼拝堂ではよく飲み物とナツメヤシなどがふるまわれるのですが、それらをいただきながらソファーで談笑するのがトルコスタイルなのだそう。
応接間の天井。見逃しがちな天井にも、美しい装飾が施されていますよ。
毎週土日の14時30分からは、予約なしで誰でも無料で参加できるガイドツアーも行われています。礼拝堂のアート、建築、歴史、イスラムの話などを解説してもらいながら見て回ることができるので、より詳しく知りたい方におすすめです。
河合理恵
栃木県出身のトラベルライター・フォトグラファー。Instagramアカウントは@rie_0211 。一眼レフを片手に全国を旅しながら、フォトジェニックな絶景やグルメをご紹介しています。