2024.04.17

【4月23日はマヌルネコの日】マヌルネコの生態や会える動物園を紹介！

YouTubeで420万回も再生され、癖になると話題のミュージックビデオ「マヌルネコのうた」でその存在が話題になったマヌルネコ。2019年には、マヌルネコ保全同盟（PICA）により、マヌルネコの保全や置かれた環境について興味と知識を広めるという目的で4月23日が「国際マヌルネコの日」に制定されました。

今回は、絶滅が心配される希少なマヌルネコの生態や魅力を那須動物王国に教えていただきました。また、マヌルネコがいる動物園と、個性豊かなマヌルネコたちもあわせて紹介します。

記事配信：じゃらんニュース

マヌルネコとは

マヌルネコは中央アジア周辺の、乾燥した樹木のない高地の岩場や平坦な草原に生息しており、ネコ科の動物の中ではもっとも古い種で、“最古の猫”と言われています。夏は酷暑、冬は氷点下という過酷な環境で生きられますが、生息環境は雑菌が少ないため感染症に弱く、飼育下での繁殖は非常に難しいことから、将来絶滅の危険性が高い野生希少動物とされています。

マヌルネコは、野生下ではナキウサギやネズミ類といった小型哺乳類や鳥類などを捕食する肉食の動物です。身体的な特徴としては、岩場に隠れて獲物を狙ったり身を隠したりするため、目が水平についています。また、岩場の陰から獲物をのぞき見するときなどに耳が目立たないように、小さめの丸い形の耳が、一般的なイエネコより低い位置に離れてついています。寒さにも適応できる深い毛も特徴のひとつです。

マヌルネコの魅力

マヌルネコの魅力は何といってもこの独特の見た目。ネコの仲間の多くは瞳孔が縦に収縮しますが、マヌルネコは丸いまま収縮するのでいつでも丸い目という、他にはない特徴があります。ヒョウやトラを思わせるワイルドな模様があるかと思えば、タヌキのような丸い耳があり、かわいらしさの中にも野性味があるマヌルネコならではの顔つきです。

ふっくらして大きく見えますが、体長は約50～60cm、体重は約3～5kgと、体のサイズは一般的なイエネコとあまり変わりません。岩場に身を隠して狩りを行うため足は短く、もふもふの毛と相まってずんぐりとした印象です。ネコ特有のしなやかな身のこなしではなく、カクカクとした独特の動きをします。また、太くて大きい尻尾をビビビと小刻みに動かすしぐさも、ファンにはたまらない魅力です。

話題の「マヌルネコのうた」を聞いてさらに魅力を知ろう

那須どうぶつ王国では、マヌルネコの独特な動きといった魅力を知ってもらおうと「マヌルネコのうたOfficial MV」を2021年4月15日にYouTubeで配信しました。

マヌルネコの持つ個性を引き出した新しい映像作品は、「シュールでクセになる！」と話題を呼び、Twitterでのリツイートはリリースから5日で1万を超え、現在YouTubeでは420万回以上再生されている超人気コンテンツ。マヌルネコを多くの人が知るきっかけとなりました。

マヌルネコに会える動物園

那須どうぶつ王国

「マヌルネコのうた」のミュージックビデオにも登場する2頭のマヌルネコ、ボルとポリーに会える那須どうぶつ王国。2021年には天井高のある新展示場もオープンし、樹木で休む様子やマヌルネコの特徴であるカクカクした動きを間近で観察できるようになりました。

ひときわカッコイイオーラにあふれているオスのボルは、紳士的でいつもクール。木の上で休む姿もどこか凛々しいマヌルネコです。ポリーは気まぐれの気分屋。好奇心旺盛なメスで、ボルに対してはツンデレな一面もあるのだとか。オスのレフはつぶらな瞳をしたマイペースのおっとりさん。かわいい3頭のビビビと動くしっぽを生で見に行きたくなりますね。

旭川市旭山動物園

旭川市旭山動物園のマヌルネコ舎では、グルーシャというオスのマヌルネコを飼育しています。高い位置に設置した木の上を歩く姿や、擬岩に溶け込む姿など、特徴的な姿を引き出せるようなレイアウトとなっていて、マヌルネコの独特な動きを観察できます。

グルーシャは、野生のあるべきマヌルネコらしい、慎重で臆病な性格で、飼育員にもなかなか近づこうとはしません。日本の中では最北で飼育しているので、寒さに耐えるため他の園のマヌルネコよりも毛がモコモコしており、体もむっちりしているそうです。

埼玉県こども動物自然公園

動物を間近に感じられる展示が多い埼玉県こども動物自然公園には、マヌルネコ専用の獣舎があります。ログハウスのような佇まいの素敵な獣舎で3頭のマヌルネコが暮らしています。

好奇心旺盛な性格のロータスは、きりっとした顔のイケメンマヌルネコ。メスのオリーヴァはどちらかというと慎重な性格で、シェルターの中にいることも多いようです。2021年には新しく、マヌルネコがすむ乾燥した岩場をイメージした放飼場「マヌルロック」がオープン。高齢のタビーはバックヤードで穏やかに暮らしています。

2020年には開園40周年を迎え、オーストラリアから“世界一しあわせな動物”と言われる「クオッカ」もやってきました。現在クオッカを見ることができるのは、日本では埼玉県こども動物自然公園のみです。マヌルネコと合わせて会いに行ってみてはいかがでしょうか。

名古屋市東山動植物園

動物園、植物園、遊園地、東山スカイタワーなど一日では観て回れないほど施設が充実している東山動植物園では、3頭のマヌルネコに出会えます。

ハニーは、やや細身で小柄。騒がしいのは苦手で、段ボールなどの箱に入るのが好きなのだそうです。ジャンプしたり格子に駆け上ったりと、好奇心旺盛で活発に動くことが多いのはエル。声を出すこともしばしばで、“おしゃべり”といわれることもあります。2023年に来園したミーニャは目の周りが白く、クリクリした目が特徴的な顔立ちです。人に対して警戒心が強く、開園時間中は人の気配がすると屋内の寝室からほとんど出てきませんが、時々見せるやんちゃな一面に、飼育員がビックリすることもあるそうですよ。

2023年、動物園にオープンした新エリア「アジアの熱帯雨林エリア」や2024年春にリニューアルオープンした植物園の花畑にも注目してみてください。

神戸どうぶつ王国

野生を意識した展示が特徴で、色とりどりの花々が咲く緑豊かな神戸どうぶつ王国。マヌルネコが観察できるアジアの森エリアは、動物たちが野生で生活する環境を再現した造形で、マヌルネコ本来の行動を限りなく引き出せるよう工夫を凝らしてあります。

オスのナルは活発で好奇心旺盛。オレンジ色の目が特徴的だったのでモンゴル語で太陽を意味するナルと名付けられました。メスのアズは慎重派ながら好奇心旺盛、スタッフにちょっかいをかけることもあるお茶目さんで、時々ガラス越しにパンチを繰り出すのだとか。

神戸市立王子動物園

神戸市立王子動物園のマヌルネコは、ネコ科動物が集まるエリアで展示されています。オスのイーリスは埼玉県のこども動物自然公園で生まれ、2018年に王子動物園へやってきました。顔にはくっきりとした斑点模様と白いラインが入ったイケメンマヌルネコです。

いつもキョロキョロと周りを警戒し、近隣のネコ科動物や見物客にも注意を怠りません。野性的なマヌルネコらしい動きをしています。まるで忍者のように、岩や梁の上に潜んでいるので、いないのかな？と見間違う事も。そんな隠れ上手なところにも注目してみてくださいね。

まとめ

野性的だけどキュートな見た目、そして独特な動きと魅力たっぷりのマヌルネコ。今回、「世界マヌルネコの日」をきっかけに興味がわいたら、ぜひ会いに行ってくださいね。

※この記事は2024年4月11日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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