close

2021.08.18

日本各地のおいしい「秋野菜」まとめ。おいしい食べ方もご紹介!

8月31日はその数字の語呂合わせで「野菜の日」というのご存知ですか?夏が終わりこれから秋になっていくと美味しい秋野菜がたくさん旬を迎えます。日本各地の美味しい秋野菜、どんなものがあるのか、産地は?美味しい食べ方は?今回は野菜ソムリエプロであり、管理栄養士でもある北川みゆきさんに、様々な秋野菜の栄養や美味しさ、美味しい食べ方についてお伺いし、紹介していきます。

記事配信:じゃらんニュース

食物繊維たっぷり「ごぼう」主な産地は青森県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/10月~12月 ※新ごぼうは6~7月
おもな産地/青森県、茨城県、北海道など
ご当地・ブランド野菜/堀川ごぼう(京都府)、連島ごぼう(岡山県)、美東ごぼう(山口県)など

不溶性食物繊維が100g当たり3.4g、水溶性食物繊維は2.3gと、2つの食物繊維がバランスよく豊富に含まれています。歯応えがあるため咀嚼回数が増え、過食防止や頭の血流促進にもつながる体にも嬉しい野菜です。

おすすめの食べ方は、ピーラーでうすくリボン状に削り、しゃぶしゃぶなどの鍋物や味噌汁に入れると、素材の味をしっかい味わうことができるそう。また、土壌診断機で土のミネラル状態を整えて栽培した「十和田おいらせミネラル野菜」のごぼうなど、アクが少なく生でもおいしく食べられるごぼうもあるので、ぜひ色々な種類を試してみてください。

甘くてほくほく「さつまいも」主な産地は鹿児島県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/10月~1月
おもな産地/鹿児島県、茨城県、千葉県など
ご当地・ブランド野菜/五郎金時(石川県)、鳴門金時(徳島県)、安納芋(鹿児島県)など

さつまいもにはカリウムやビタミンC、食物繊維が豊富に含まれています。ビタミンCは加熱で壊れやすいのですが、さつまいものビタミンCはでんぷん質に包まれているので、加熱をしても壊れにくいという嬉しい特徴があります。

レンジなどで急激に加熱するより、ゆっくり加熱をした方が糖化し甘みが増します。そのため、蒸すかオーブンでゆっくりと加熱をすると糖化が進んでおいしくなります。煮る場合は皮つきのまま、少し大きめに切ると煮崩れしないのでおすすめです。鹿児島種子島産の「安納芋」はオレンジ色の果肉でねっとり濃厚、甘味が強くまるでスイーツのようです。

いろんな食感が楽しめる「れんこん」主な産地は茨城県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/9月~3月
おもな産地/茨城県、徳島県、愛知県など
ご当地・ブランド野菜/大口れんこん(新潟県)、加賀レンコン(石川県)、門真レンコン(大阪府)

れんこんは調理法によって、シャキシャキ、ほくほく、ねっとりといろいろな食感が楽しめる野菜です。食物繊維とビタミンCの他、オクラや山芋などのネバネバ成分である「ムチン」が豊富です。ムチンは粘膜を保護し、肝機能や免疫力向上、疲労回復に効果がある成分なので、れんこんは夏バテした体にも嬉しい野菜です。

長く加熱すると柔らかく、薄切り後にさっと加熱するとシャキシャキの状態で楽しめるので、煮物、炒め物、酢の物、天ぷらなど、それぞれの調理法でいろいろな食感を楽しみましょう。すりおろしてひき肉に混ぜると独特のもっちりとした食感となりとても美味しいので試してみてください。

カロテンが豊富な「かぼちゃ」主な産地は北海道

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/10月~12月
おもな産地/北海道、鹿児島県、茨城県など
ご当地・ブランド野菜/味皇かぼちゃ(北海道)、打木赤皮栗かぼちゃ(石川県)、鹿ケ谷カボチャ(京都府)、黒皮かぼちゃ(宮崎県)など

保存性が高く、年間通してスーパーなどで気軽に手に入るかぼちゃ。一般的に出回っているのは「西洋カボチャ」という種類です。ビタミンC、鉄、カロテンが豊富で、特にワタの部分には実の5倍ものカロテンが含まれています。また、日本各地で伝統野菜として育てられている「日本かぼちゃ」は、肉質がきめ細かく、煮崩れしにくいです。高級料理にもよく使われています。

カロテンは油と一緒に取ると吸収がよくなるため、天ぷらやフライにするのもおすすめです。また、ラタトゥユなどの煮込み料理にかぼちゃを入れると、全体的にかぼちゃの甘みで味がまろやかになり、煮て柔らかく溶け出したところが全体に一体感を出してくれ美味しく仕上がります。

クセのない万能野菜「ちんげんさい」主な産地は茨城県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/3月~5月、10月~11月
おもな産地/茨城県、静岡県、群馬県など
ご当地・ブランド野菜/サラダちんげん菜(茨城県)、チンゲン菜ばな(茨城県)

ちんげんさいは年間通して各地から出荷されており、旬を感じにくい野菜ですが、主に春と秋が旬の野菜です。晩秋あたりが最も味が良くなると言われるので秋にもたくさんいただきましょう。ビタミンC、カロテンが豊富なほか、カルシウム、カリウム、鉄など積極的に取り入れたい栄養素が含まれています。

くせがないので、和え物、炒め物、クリーム煮など、和洋中どんな調理法でも活躍してくれます。シャキシャキと食感がいいので、大きめに切って、さっと加熱して食べるのがおすすめです。

サラダに煮物に使用機会の多い「にんじん」主な産地は北海道

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/9月~12月
おもな産地/北海道、千葉県、徳島県など
ご当地・ブランド野菜/御前人参(福島県)、雪下にんじん(新潟県)、金時にんじん(京都府)など

にんじんは、体内のビタミンAが足りていない時にビタミンAに変換されて使われ、抗酸化ビタミンとしても有名な「カロテン」含有量が野菜の中でもトップクラス。ビタミンとミネラルがバランスよく含まれ、食物繊維も豊富な野菜です。

油と一緒に調理をするとカロテンの吸収がよくなるので、炒め物などにも向いています。サラダや煮物はもちろん、人参ポタージュ、きんぴらなど、色鮮やかで主役を張れる野菜として購入機会も多いのではないでしょうか。京都の伝統野菜「金時人参」は、オレンジではなくリコピンが豊富なため紅色をしています。肉質は柔らかく、煮崩れしにくく、紅白なますや筑前煮などお正月料理にも重宝されています。

秋の風物詩「まつたけ」主な産地は長野県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/9月~10月
おもな産地/長野県、岩手県、愛媛県など
ご当地・ブランド野菜/丹波松茸(京都府)、岩泉まつたけ(岩手県)など

一般的にスーパーなどに流通しているしいたけや舞茸などのきのこは栽培されたものですが、まつたけは人工栽培が難しく、天然もののみなので大変高価なきのこです。秋にしか出回らないからこそ、秋の風物詩として楽しんでほしい食材でもあります。

食物繊維が豊富でビタミンDも含まれるマツタケですが、何といってもその独特な香りが魅力。鮮度が落ちるとすぐに香りがなくなるので、保存する場合は、丸ごとラップに包んで冷凍し、料理するときは半解凍にして使うのがおすすめです。まつたけご飯、お吸い物、土瓶蒸し、網焼きなど、香りと素材そのものを活かす調理法で楽しみましょう。

じつは種類豊富な「さといも」主な産地は千葉県

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/9月~10月(石川早生)、10月~12月(土垂)、11月~1月(えびいも、八つ頭、セレベス) ※種類により旬の時期は異なります
おもな産地/千葉県、埼玉県、新潟県など
ご当地・ブランド野菜/悪戸いも(山形県)、坂井芋(長野県)、上庄さといも(福井県)など

さといもと一言に言ってもその種類は実に豊富です。地下茎が肥大化したもので、株の中央に親芋がり、その周りにできるたくさんの子芋を「さといも」というのが一般的。代表的なものに、子芋種の「土垂」、「石川早生」、親子兼用種の「八つ頭」、「えびいも」などがあります。

独特のぬめりはガラクタンという炭水化物とタンパク質からできており、様々な健康効果で期待されています。食物繊維やカリウムが豊富で、カリウムはむくみ予防、高血圧予防が期待できるので積極的に摂取したい栄養素です。ほくほくした煮物や、ねっとりとした食感を楽しむ汁物、素材の味を感じられるさといもご飯などもおすすめです。さといもを煮る時はふきこぼれやすいので注意しましょう。

生でも食べられる芋「ながいも」主な産地は北海道

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/11月~2月(秋掘り)、4月~5月(春堀り)
おもな産地/北海道、青森県、長野県など
ご当地・ブランド野菜/十勝川西長いも(北海道)、やませながいも(青森県)、砂丘ながいも(鳥取県)など

ながいもは、ヤマノイモ科ヤマノイモ族に分類される芋で、いちょう芋、やまといも、自然薯なども同じ部類になります。さといもと同じくカリウムが豊富なほか、でんぷんを分解する消化酵素のアミラーゼやジアスターゼが含まれるので、イモ類でありながら生で食べることができます。

生でシャキシャキと食感よく、サラダやあえ物にするのもいいですし、5~6mm幅にカットして両面に塩コショウをし、バターで焼いてシャキホクの食感を楽しむのもおすすめです。すりおろして海苔で巻いて揚げる磯部揚げもながいもならではの食べ方なので是非試してみてください。

お芋の子ども「むかご」主な産地は北海道

(写真提供:PIXTA)
(写真提供:PIXTA)

旬の時期/10月~11月
おもな産地/北海道、青森県、長野県など
ご当地・ブランド野菜/特になし

むかごは、ながいもや、やまのいも、自然薯のツル(葉の付け根)にできる直径8~15mm程の肉芽、つまり芋の「子供」で、1本のツルから100個以上とれます。今ではあまりメジャーな食材ではなく、スーパーなどでもあまり見かけませんが、昔から親しまれてきた食材で、農産物直売所などでしばしば購入できます。小さくても味はヤマノイモ。カリウム、食物繊維が豊富な秋の野菜です。

塩ゆで、バター炒め、煮物、素揚げ、むかごご飯など、色んな方法でおいしく食べることができます。手に入れることができたら、小さな体にぎゅっと詰め込まれたそのうまみをぜひ味わってください。

秋野菜について教えてもらった野菜のプロ

合同会社Holistic Style代表 北川みゆき

今回秋野菜について教えていただいたのは野菜ソムリエプロであり、管理栄養士でもある北川みゆきさんです。全国での講演・講義、セミナーをはじめ、ラジオパーソナリティなどもされていて、野菜・栄養・健康などについて複合的に研究され、2020年には「人類救済栄養学」という最新の予防栄養医学の本を執筆されています。

合同会社Holistic Style代表 北川みゆき
野菜ソムリエプロ、管理栄養士、ホリスティック栄養コンサルタント。全国での講演・講義、セミナー、執筆、監修、メディア出演、ラジオパーソナリティ、ウェルネスセッションを中心に活躍している。
著書「人類救済栄養学」
Holistic Styleホームページ:https://www.holistic-style

まとめ

秋野菜の美味しい食べ方や栄養、産地、ブランド野菜やご当地野菜情報をご紹介しました。おでかけ先の直売所や道の駅などで秋野菜を探してみてはいかがでしょうか?ぜひ美味しい秋野菜を色んな食べ方で楽しんでみてくださいね。

鳥井 晴風  鳥井 晴風

5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード