鎌倉を代表する名所「高徳院」の鎌倉大仏。仏像としては鎌倉唯一の国宝に指定されている世界的にも有名な観光スポットです。高徳院の境内一帯は国の指定史跡でもあり、大仏以外も見どころが満載。
今回はそんな高徳院(鎌倉大仏)へのアクセス・御朱印情報をはじめ、周辺の観光情報などの楽しみ方も詳しくご紹介します。
※この記事は2021年8月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
鎌倉大仏とは
鎌倉大仏の歴史と概要

高徳院(詳名: 大異山高徳院清浄泉寺)は、法然上人を開祖とする浄土宗の仏教寺院です。高徳院の本尊「鎌倉大仏」(詳名:阿弥陀如来坐像)の建立が開始されたのは、1252年頃のことと言われています。
完成当初は金箔に包まれ、堂宇(大仏殿)の中に収められていましたが、強風や大地震によって倒壊、現在のような「露坐」の姿の大仏となりました。

創建当初、堂宇は60基の礎石に支えられていたようですが、現在はそのうちの56基が残り、境内に点在。庭石や水盤に転用されているものもあります。
露坐となって荒廃が進んだ時期もありましたが、江戸中期、祐天という高僧によって復興が行われました。創建から750年以上経った今も、大仏像そのものとしては、当時のままの美しい姿を見ることができます。
本尊の大仏は昭和33年に国宝に指定、高徳院の境内一帯は「鎌倉大仏殿跡」として平成16年に国の史跡に指定されました。
鎌倉大仏は誰が作ったの?
北条得宗家の正史『吾妻鏡』によれば、浄光という僧によって建立が勧進されたとも言われています。
「鎌倉大仏」は、「慶派」(運慶とそれに連なる仏師達)の作風と宋代中国の仏師達からの影響の双方を併せ持つ、いかにも鎌倉期らしい仏像ですが、創建当時の事情には不明な部分が多く、正確な築造時期や作者、作成意図は未だ不明です。
高徳院(鎌倉大仏)へのアクセス・駐車場、料金など
アクセス:
電車で行く場合は江ノ島電鉄「長谷駅」より徒歩7分。またバスの場合、鎌倉駅東口のバス乗り場1番から江ノ島電鉄バス、もしくはバス乗り場6番から京浜急行バスに乗り、「大仏前」下車すぐです。
車の場合、横浜横須賀道朝比奈ICより県道204号線を経由し、約15分です。
駐車場:
高徳院(鎌倉大仏)には一般の方向けの駐車場は無いので、近隣のコインパーキングを利用して下さい。(障害者用駐車場1台のみ、事前予約制で利用可)
拝観料:
高徳院(鎌倉大仏)の拝観料は大人・中高校生300円、小学生150円、未就学児無料です。
拝観時間:
拝観時間は、現在10時〜16時(入場受付は15時45分まで)ですが、直営売店は15時45分まで、御朱印(貼付用のみ)の受付は15時30分までです。
[TEL]0467-22-0703
[住所]神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
[営業時間]10時〜16時(入場受付は15時45分まで) 直営売店:10時〜15時45分 御朱印(貼付用のみ):10時〜15時30分 ※混雑状況により入場制限を実施する場合あり
[料金]大人・中高校生300円、小学生150円
[アクセス]【電車】江ノ島電鉄 長谷駅より徒歩7分 【バス】鎌倉駅東口バス乗り場1番より江ノ島電鉄バス、もしくはバス乗り場6番から京浜急行バスで20分、大仏前よりすぐ 【車】横浜横須賀道朝比奈ICより15分
[駐車場]障害者用駐車場1台(事前予約制)、それ以外は近隣の一般駐車場を利用
「高徳院(鎌倉大仏)」の詳細はこちら
高徳院(鎌倉大仏)の見どころ
国内外問わず人々を魅了してきた「鎌倉大仏」の大きさと美しさもさることながら、当時の高い技術などを感じとることができるのもまた魅力の1つです。
一対の「仁王像」が出迎える「仁王門」をくぐり、鎌倉大仏像へ向かった後は、歴史的な建造物や記念樹などをゆっくり見て回るのがおすすめです。全体を見て回るのにかかる所要時間はおよそ30分程度です。
銅造阿弥陀如来坐像(鎌倉大仏像)

台座を含めた高さは13.35m、重量は121tの鎌倉大仏像。鋳造という方法で作られ、内部は空洞となっており大仏様の「胎内」と呼ばれます。現在は青銅色の姿ですが、両頬にはかつて塗金で覆われていた痕跡が認められます。

大仏像の背後に安置されているのは江戸中期に蓮台(蓮華の形に作った台座)の製作のため鋳造された蓮弁。当初全32枚の製作が予定されていましたが、完成したのはこのうち4枚で、表面には寄進者の名前が刻まれています。
※胎内を拝観できる「胎内巡り」は2021年8月現在休止中です。
藁草履

鎌倉大仏像に向かって右側の回廊内壁には大きな藁草履があります。これは、戦後間もない頃「大仏様に日本中を行脚し、万民を幸せにしていただきたい」と願う茨城県久慈郡(現常陸太田市松栄町)の子供達によって奉納されるようになったものです。
観月堂

鎌倉大仏像回廊裏手に佇む「観月堂」。15世紀中頃、漢陽(現在のソウル)の朝鮮王宮内に建築されたと言われ、やがて日本に渡り、大正13年に高徳院へ移築・寄贈されました。「観月堂」の中には、江戸後期の作品とみられる観音菩薩立像が安置されています。
「与謝野晶子」の歌碑・J・R・ジャヤワルダナ前スリランカ大統領顕彰碑

境内の緑豊かな庭園には、多くの石碑・歌碑・記念樹などが点在しています。「与謝野晶子」の歌碑もその1つ。文学の街・鎌倉は近代文学が誕生した明治期から現在まで沢山の作家や歌人・俳人達の活動の場とされてきました。
境内にある数々の著名人の歌碑からは高徳院の「鎌倉大仏」が、数多くの文人達に愛されてきたということを感じられます。

もう1つ注目したいのが、こちらの顕彰碑。ジャヤワルダナ前スリランカ大統領は、1951年のサンフランシスコ講和会議でブッダの言葉を引用されて、アジアの将来にとって完全に独立した自由な日本が必要であると、一部の国が主張する日本分割案を退けました。この歴史的事例を記念して1991年に建立されたものです。
高徳院(鎌倉大仏)の御朱印
高徳院の御朱印は、鎌倉大仏像から向かって右側の御朱印所で受け付けています。
(※現在は8時から16時30分の間で、1枚300円で貼付用朱印のみの授与)
「鎌倉大仏」は「鎌倉六阿弥陀」の1つで、高徳院は「鎌倉六阿弥陀霊場」の1番札所です。

また、境内にある「観月堂」に安置されている「聖観世音菩薩」は、「鎌倉三十三観音」の1つです。高徳院は「鎌倉三十三観音霊場」の23番札所でもあります。

高徳院では「阿弥陀如来」様と「聖観世音菩薩」様、2つの御朱印を拝受できるということですね。
高徳院の四季の楽しみ方

春は桜・ツツジ、初夏から夏にかけては栴檀や紫陽花、秋はススキや紅葉・銀杏・金木犀等、四季折々様々な植物が境内を彩っています。

自然と調和する様子を楽しめるのは露坐の「鎌倉大仏」ならではです。
高徳院(鎌倉大仏)周辺ガイド

高徳院(鎌倉大仏)周辺は「由比ヶ浜・長谷・極楽寺エリア」と呼ばれます。徒歩5分程の「長谷寺」やレトロな街並みや可愛い大仏グッズを扱うショップやおみやげ屋さんもある由比ヶ浜大通り等、散策が楽しいエリアです。

体力に自信のある人におすすめなのがハイキングコース。大仏ハイキングコースの入り口は高徳院(鎌倉大仏)から徒歩10分程の所にあります。道中には由比ヶ浜を臨めるスポットがあり、爽やかなハイキングが楽しめます。
ハイキングコース通りにずっと進むと北鎌倉駅方面へ抜けますが、ハイキングコースを少し外れて銭洗弁財天宇賀福神へ向かい鎌倉駅方面へと進むのもおすすめです。
まとめ
今回は高徳院(鎌倉大仏)についてご紹介しました。圧倒的な存在感を放つ大仏様の印象が強いかもしれませんが、境内をゆっくり見て回ると、また違った魅力を感じられます。
境内にある数々の石碑などからは歴史的価値や人々の平和を願う気持ちなどを感じとることができ、非常に味わい深いものです。ぜひお出かけの参考にしてみてくださいね。
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※新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。ご利用の際には、あらかじめ最新の情報をご確認ください。また、感染拡大の防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
晴山 ゆう子
2人の男児を子育て中のママライター。自分で作る料理はずぼら&ヘルシーに、外食はとことん楽しむ!がモットー。薬剤師でもある。最近の楽しみは小さな庭での家庭菜園。