近年のレトロブームも相まって、「洋館」が観光スポットとして注目を集めています。明治から昭和にかけて建てられた洋館は、タイムスリップしたかのような歴史を感じる一方で、異国情緒もあふれるスポット♪
歴史ある建物を見学することはもちろん、館内の展示やカフェ、ショッピングを楽しめる施設もあります。日本全国の観光やデートにおすすめな洋館を順に紹介!ぜひチェックしてください。
【北海道】豊平館
「ウルトラマリン・ブルー」と白の外壁が鮮やかで写真映え間違いなし

「豊平館」は、開拓使直営の洋風ホテルとして明治時代に建築されました。現存する木造ホテルとしては日本最古の建物であり、国指定重要文化財としても知られています。

「豊平館」の見どころは、なんといってもその外観。白い外壁を鮮やかに縁どるのは”ウルトラマリン・ブルー”と呼ばれる群青色です。ウルトラマリン・ブルーは、ラピスラズリ(瑠璃)という宝石から作られる高貴な色と言われています。きっと写真を撮りたくなるに違いありません。

結婚式場として使われていた1階の広間や、曲線が美しいロビーの階段、優美なカーテンなど館内には見どころがいっぱい!2階には“椿”や“梅”といった室名の部屋があり、それぞれ雰囲気の異なる空間が広がります。
また、館内には喫茶コーナーもあるので、レトロな空間でひと息ついてみてはいかがですか。
北海道札幌市中央区中島公園1-20
[開館時間]9時~17時(入館は16時30分まで)
[休館日]第2月曜、12月29日~1月3日
観覧料300円(中学生以下無料)
【電車】札幌市営地下鉄 中島公園駅より徒歩5分
なし(身障者駐車場2台のみ)※近隣に民間のコインパーキングあり
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【北海道】北海道庁旧本庁舎
札幌の中心部でタイムスリップしたような気分に

1888(明治21)年にアメリカン風ネオ・バロック様式のれんが造りで建築された「北海道庁旧本庁舎」は、国の重要文化財にも指定されており、“赤れんが庁舎”の愛称で親しまれています。
※2025年3月まで、リニューアル工事のため休館中。

細かく施された内装や外観の装飾は、時間をかけてじっくり見たいポイント。1階正面ホールの三連アーチには、鉄柱上部の彫塑や階段側面に彫られた円形模様など、洋風建築の特徴的な装飾が施されています。
また、外観のレンガは約250万個使われており、国内ではめずらしい“フランス積み”という積み方をしています。北海道庁旧本庁舎に行った際は、外装内装ともに細部まで見ると面白い発見があるかもしれません。
北海道札幌市中央区北3条西6
[開館時間]休館中(2025年3月までリニューアル工事中)
[休館日]休館中(同上)
無料
【電車】JR 札幌駅より徒歩8分、地下鉄各線 さっぽろ駅より徒歩4分、地下鉄各線 大通駅より徒歩9分
なし
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【岩手県】岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館
東京駅の設計で知られる辰野金吾による、東北で唯一残る作品

「岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館」は、1911(明治44)年に盛岡銀行の本店行舎として建てられました。
設計を担当したのは、東京駅の設計者として知られる辰野金吾。2012年8月までは銀行として使われていましたが、約3年半に及ぶ保存修理工事を経て、2016(平成28)年に一般公開されました。

重要文化財としての価値があるエリアや情報の提供・展示をしているエリア、バーチャルシアターは有料ですが、それ以外のエリアは無料で見学できます。建物の中心に位置する多目的ホール(大)は吹き抜けとなっており、開放感のある空間で、現在は音楽イベントの開催やハンドメイド作品の販売会などが行われています。
岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
10時~17時(入館は16時30分まで)
火・年末年始(12月29日~1月3日)
300円
【電車】JR 盛岡駅よりバスで約10分、盛岡バスセンターより徒歩1分【車】東北自動車道 盛岡IC、盛岡南ICより25分
なし※近隣に有料駐車場あり
「岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館」の詳細はこちら
【東京都】旧岩崎邸庭園
都内とは思えない佇まいの装飾が見どころ。

「旧岩崎邸庭園」は、1896(明治29)年にジョサイア・コンドルの設計によって建てられた三菱財閥3代目 岩崎久彌氏の邸宅です。東京メトロ 湯島駅からは徒歩3分というアクセスのよさでありながら、都内の喧騒を感じさせない優雅でゆったりとした時間を過ごせます。

1600〜1650年頃の英国で開花したジャコビアン様式を基調として、ルネッサンスやサラセン風のモティーフが取り入れられています。メインとなるジャコビアン装飾は、直線的で重厚感のあるデザインが特徴。
ベランダは1階と2階で異なる風格の柱が並んでおり、それぞれの雰囲気を楽しめるのも魅力です♪

洋館と和館が併設された旧岩崎邸庭園は、和と洋の組み合わせを楽しめるのもポイント。世界の住宅史でもめずらしい建築スタイルは必見です。
そのほかにも、別棟には撞球室(どうきゅうしつ)と呼ばれるビリヤードのための部屋や、広い芝庭があり、「旧岩崎邸庭園」は敷地全体が国の重要文化財に指定されています。
東京都台東区池之端1-3-45
[開園時間]9時~17時(最終入園時間 16時30分)
[休園日]年末年始
【入館料】一般 400円、65歳以上 200円、小学生以下及び都内在住・在学の中学生 無料
【電車】東京メトロ 湯島駅より徒歩3分、東京メトロ 上野広小路より徒歩10分、都営地下鉄 上野御徒町より徒歩10分、JR 御徒町駅より徒歩15分
なし
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【東京都】迎賓館赤坂離宮
ネオ・バロック様式の宮殿建築の庭園でアフタヌーンティーを堪能しよう

「迎賓館赤坂離宮」は1909(明治42)年に建設された日本で唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物です。第2次世界大戦後、日本が国際社会へ復帰し海外から賓客が増えたことをきっかけに国の迎賓施設へと大規模改修を施し、1974(昭和49)年に現在の迎賓館の姿になりました。その後2009年に行なわれた大規模改修工事後には国宝に指定されています。
これまで多くの賓客を迎えたほか、主要国首脳会議などの国際会議の場としても使用されています。

迎賓館赤坂離宮では、予約制で1日20セット限定の迎賓館アフタヌーンティーが楽しめます。石畳広がる前庭で、優雅なひとときを過ごしてみては♪
東京都港区元赤坂2-1-1
[公開時間]10時~17時(本館最終受付16時)
水、接遇等による非公開日(公式サイト公開日程に準ずる)
【本館・庭園】一般 1500円、大学生 1000円、中高生 500円、小学生以下 無料
【和風別館・本館・庭園】一般 2000円、大学生 1500円、中高生 700円【和風別館・庭園】一般 1500円、大学生 1000円、中高生 500円【庭園】一般 300円、大学生以下 無料
【電車】JR 四ツ谷より徒歩7分、東京メトロ 四ツ谷より徒歩7分
なし
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【神奈川県】鎌倉文学館
洋風と和風が混在する建築デザインと200種のバラが見どころ

「鎌倉文学館」は、加賀百万石の藩主の系譜である前田家の別荘として使われていた洋館です。1985(昭和60年)に川端康成、大佛次郎ら鎌倉にゆかりがある文学者の文学資料を収集・保存し、展示することを目的として開館しました。西洋木造建築様式であるハーフティンバーを基調とする洋風なデザインでありながら、和風の切妻屋根が使われた他にないデザインが見どころです。

鎌倉文学館の庭園南側には、春と秋になるとバラの花が咲き誇ります。春は5月中旬から6月上旬、秋は10月中旬から11月上旬が見頃。和洋折衷の洋館と、色とりどりに咲き誇るバラは絶景です。

常設展では、300人あまりのゆかりの文学者を手紙や原稿、愛用品などから紹介しています。歴史ある建造物で、文学に触れるゆったりとした時間を過ごしてみては。
※改修工事のため、2023年3月27日(日)から休館。再開館情報については、鎌倉市ホームページ等で要確認。
神奈川県鎌倉市長谷1-5-3
[開館時間]【3月~9月】9時~17時(入館は30分前まで)【10月~2月】9時~16時30分(入館は30分前まで)
[休館日]月(祝日の場合は開館、5・6・10・11月は臨時開館あり)※展示替休館、特別整理休館、年末年始など
[観覧料]【特別展(4~12月)】一般 500円、小中学生 100・200円【収蔵品展(1~4月)】一般 300円、小中学生 100円
【電車】江ノ電 由比ヶ浜駅より徒歩7分、長谷駅より徒歩10分【バス】海岸通りより徒歩3分
なし
「鎌倉文学館」の詳細はこちら
【三重県】六華苑
鮮やかなブルーと白の外観、庭の芝生のコントラストが美しい

「六華苑」は、1913(大正2)年に桑名の実業家、二代諸戸清六の新居として建てられました。鹿鳴館を設計したことで知られるイギリス人建築家のジョサイア・コンドルが設計し、1997(平成9)年に洋館および和館は国の重要文化財に指定されました。
鮮やかなブルーと白のコントラストが美しい外観。芝生の緑も美しく、建物前の“池泉回遊式”日本庭園は2001(平成13)年に国の名勝に指定されています。

六華苑は和洋折衷の造りが見どころ。明治期の洋風建築に和館を併設する例は多いものの、これほど大規模な和館を、 壁一枚隔てるのみで接続させた設計は珍しいものです。洋館に和風の襖や押入れがあったり、客間と食堂の間は引き戸になっていたりと、館内随所で和と洋の融合を楽しめます♪
館内にはカフェスペースもあり、お抹茶セット(400円)や六華苑オリジナルコーヒー(400円)を飲んでほっと一息つくのもおすすめです♪
三重県桑名市大字桑名663-5
9時~17時(入苑は16時まで)
月(祝日の場合、翌平日)、年末年始
大人(高校生以上)460円 、中学生 150円、子ども(小学生以下)無料
【電車】JR 桑名駅より徒歩20分【車】東名阪道 長島ICまたは桑名ICより約15分、伊勢湾岸道 湾岸桑名ICより約15分
あり・無料【第1駐車場】普通車45台【第2駐車場】普通車34台
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【滋賀県】黒壁一號館 黒壁ガラス館
明治時代に建てられた木造洋館でショッピング♪

「黒壁一號館 黒壁ガラス館」は、1900(明治33)年に銀行として建てられた木造洋館。1989年に現在の黒壁ガラス館として生まれ変わりました。
北国街道沿いに続く古い街並みの一角は「黒壁スクエア」と呼ばれ、歴史を感じながら散策できるスポットになっています。黒壁ガラス館をはじめ、22館からなるガラス工房や体験教室、レストランやカフェを巡って、ガラスの街・長浜の歴史を体感してみてください。

館内は当時の趣が残るレトロな空間で、欧州の伝統的な製品やモダンなインテリア、おしゃれな食器、季節の小物やアクセサリーなど、日々の暮らしを美しく彩る製品がそろっています♪レトロな空間でお気に入りを見つけてみるのもいいですね。
滋賀県長浜市元浜町12-38
[開館時間]10時~17時(※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から等の状況により変更の場合あり)
[休館日]なし(年末休みの場合あり)
入館無料
【電車】JR 長浜駅より徒歩5分
なし※近隣に市営駐車場やコインパーキングあり
「黒壁一號館 黒壁ガラス館」の詳細はこちら
【京都府】長楽館
京都の迎賓館とも呼ばれた洋館で非日常を味わおう

「長楽館」は、1909(明治42)年に明治時代の実業家である村井吉兵衛によって、迎賓館として建てられました。「長楽館」という名称は伊藤博文が宿泊した折に命名されており、これまで国内外の賓客が多数滞在しています。東山の一角という、四季の移り変わりを実感できるエリアに立地しているため、隣接する円山公園の桜や紅葉を見渡せる贅沢な洋館です。

「長楽館」は、多くの芸術様式が盛り込まれているのが特徴の洋館。1階客間「迎賓の間」はロココ様式を基調とし、暖炉まわりや壁、天井に植物文様のレリーフが飾られています。
1986年には、明治後期の住宅建築の代表例として評価を受け、建物のみならず家具調度品も含めて京都市指定有形文化財に登録されました。

現在は、宿泊、デザートカフェ、フレンチレストラン、ウェディングとして利用できます。デザートカフェではアフタヌーンティーも楽しめ、“鳳凰の間”や“貴婦人の間”などで優美なひとときを過ごせます。
京都府京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604
【デザートカフェ長楽館】11時~18時30分(LO18時)【長楽館ブティック】11時~18時【フレンチレストラン ル シェーヌ】11時30分~15時30分(最終入店時間14時)、17時30分~22時(最終入店時間19時30分)
不定
無料(カフェ、レストラン利用の間のみ使用可)
【電車】阪急 京都河原町駅より徒歩15分、京阪 祇園四条駅より徒歩10分【車】名神高速道路 京都南ICより30分
約10台
「長楽館」の詳細はこちら
【愛媛県】萬翠荘
大正浪漫を今に伝えるフランス様式の洋館

「萬翠荘」は、愛媛県松山市の市街地にあるフランス・ルネッサンス様式の洋館です。設計者である木子七郎のこだわりは、西洋建築の特徴である左右対称なデザインと、日本の左右非対称の美意識を融合させた個性的な外観。

市内中心部にありながら、緑に囲まれた立地にあり、庭園では草木が四季折々の表情で楽しませてくれます。また、5月頃には裏の水路に蛍が舞い、見学に訪れる県民や観光客で賑わいます。

展示やコンサートなどのイベントも頻繁に行われています。また、館内に設けられた撮影スポットの部屋もぜひ訪れたいポイント。異国情緒溢れる「萬翠荘」で、思い出の1枚を撮ってみては。
愛媛県松山市一番町3-3-7
9時~17時50分
月(祝日の場合は開館)
大人 300円、小人 100円
【電車】JR 松山駅より市内電車乗り換え14分【車】松山自動車 道松山ICより約30分
約20台※無料
「国重要文化財 萬翠荘」の詳細はこちら
【福岡県】旧大阪商船
門司港レトロ内の八角形の塔屋が目印

「門司港レトロ」は、九州の入口である福岡県北九州市の門司港にあります。門司港は、近代の日本を支えた港町。明治から昭和初期にかけて建てられた建造物が並び、現在は観光地になっています。
おすすめの洋館は、門司港レトロ内にある「旧大阪商船」。1917(大正6)年に建てられた大阪商船門司支店を修復したものです。
オレンジ色のタイルと白い石が調和した、洋風の外観と八角形の塔屋が目印。1階部分は「わたせせいぞうギャラリー」、2階は貸しホールとなっています。

旧大阪商船が大阪商船門司支店として機能していた当時、1階は大陸航路の旅客待合室、2階はオフィスとして使われていました。施設内は、外国への旅立ちに胸を躍らせる人々で賑わっていたそう。
周辺にはカフェや日本料理、洋食などの飲食店が充実し、1日中楽しめるスポットになっています。門司港レトロ名物の焼きカレー(800円~)もぜひ味わってください♪
福岡県北九州市門司区港町7-18
9時~17時
なし(わたせせいぞうギャラリーは年2日休み)
無料(わたせせいぞうギャラリーのみ有料 大人150円、小・中学生70円)
【電車】JR 門司港駅より徒歩3分
なし
「旧大阪商船」の詳細はこちら
【長崎県】グラバー園
日本最古の洋風建築と全9棟の洋風建築が一度に感じられる

横浜、函館とともに古くから国際貿易港として栄えた長崎。海外から多くの貿易商人がやってきたことをきっかけに長崎外国人居留地が誕生し、日本風の屋根瓦に覆われた洋風建築が立ち並ぶようになりました。それが「グラバー園」です。

「グラバー園」の主要施設である“旧グラバー住宅”は現存する日本最古の洋風建築。世界遺産にも登録されています。歴史的建造物の他に、明治時代の水道共用栓やフリーメイソン・ロッジの門など、居留地時代から残る石票も見どころです。
長崎居留地時代から現存する洋風住宅が3棟あり、当時の面影を感じられます。また、長崎市内から移築復元した洋館が6棟あり、全部で9棟の洋風建築を楽しめます。

2021年12月には約半世紀ぶりの耐震保存工事が終了し、建物内観も一新されました。古写真を元に、貿易商でありグラバー商を設立したトーマス・ブレーク・グラバーとその家族が生活していた頃の雰囲気が再現されており、当時にタイムスリップしたような気分を味わえます。
長崎県長崎市南山手町8-1
8時~18時(最終受付は閉園20分前)
なし
大人 620円、高校生 310円、小中学生 180円
【電車】長崎電鉄 大浦天主堂より徒歩7分【車】長崎自動車道 長崎ICより7分
なし
「グラバー園」の詳細はこちら
まとめ
日本全国に分布する数々の洋館は、歴史や異国情緒を感じられるおすすめのお出かけスポットです。当時の様子が再現された館内を見学したり、展示や軽食を楽しんだりと、施設によってさまざまな過ごし方ができるのも魅力♪思わずカメラを向けたくなるような美しい建造物を訪れてみてはいかがでしょうか。
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※この記事は2022年8月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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