盛岡市民なら知る人ぞ知るソウルフード「福田パン」。独自製法のふわふわしっとりコッペパンに、注文してから好みの具材やフィリングを挟んでくれるカスタムオーダースタイル。戦後から地元民に愛され続けている福田パンの魅力と人気の秘密に迫ります!今回は特別に本店スタッフがイチオシするメニューも教えていただきました。
盛岡市民のソウルフード「福田パン」とは?

ふわふわコッペパンに好みの具材を選んでサンド
岩手県盛岡市では誰もが知る地元密着型のパン屋さん「福田パン」。店舗にはあらかじめパンが並んでおらず、約50種類ほどの中から好みの具材を選んで注文すると、スタッフがその場でコッペパンにサンドしてくれるというスタイルです。
こしあん・ピーナツ・ジャム・抹茶・ホイップなどの甘いスイーツ系から、タマゴ・コンビーフ・ハンバーグ・照焼きチキンなどの惣菜系まで。毎年季節限定の具材も登場するなど、組合せしだいではなんと数百種類ものオリジナルサンドメニューが楽しめます。
ふわふわ食感のコッペパンに約50種類以上の具材の組合せ

福田パンの美味しさの決め手はやっぱりコッペパン。両手からはみ出すほどのサイズ感で、表面はこんがり香ばしく焼き上げているのに、表面はフワッフワで中はしっとりと濃密。ほおばると唇まで柔らかく包み込んでくれるような食感で、さまざまな具材の個性をしっかり受け止めてくれる美味しさ。この独特な食感は生地を2度に分けて発酵させるこだわりの中種法で作られており、創業当時から変わらない門外不出のレシピなのだとか。

定番の人気メニューはあんことバターのあんバターサンド、イチゴとりんごのミックスジャムとバターのジャムバターサンド、ピーナッツクリームとバターのピーナッツバター。「あんバター派か、ピーナツバター派か」で盛り上がるのが、盛岡の学生あるあるだとか。
平日は高校生や地元客、休日は観光客で賑わう

本店のどこか懐かしい外観は「学校の校舎」をイメージしているという。店内には長いカウンターがあり、黒板をモチーフにしたメニュー表には、甘いスイーツ系と惣菜系の具材メニューがズラリ。レジで好みの具材を注文すると、スタッフがカットしたコッペパンに具材を手早く塗りこんで、ものの1分ほどでサンドの出来上がり!
甘いスイーツ系の具材を2種類注文する場合は、パンの片面ずつに塗って味を混ぜて楽しむ「ミックス」と、真ん中で味が2つに分かれるように塗る「半々」を選べます。具材を2種類にしても料金が倍になるわけではないのも嬉しい。具材を多めにしたい時は「クリーム増量(+20円)」にすると、よりリッチな味わいに仕上がります。惣菜系の具材も、基本メニューにもう1種類好みの惣菜をトッピングすることができます(+トッピング料金)。
福田パン創業の歴史に宮沢賢治あり!

創業者は現社長・福田潔さんの祖父にあたる福田留吉さん。実は留吉さんは花巻農学校時代に、あの宮沢賢治の教え子だったという。教師であった宮沢賢治の勧めで盛岡高等農林学校に進んだのち、京都のイーストメーカーに就職。終戦後に盛岡に戻ってきた留吉さんが、メーカーでの知識をもとに1948年に創業したのが福田パンでした。
「元々は学生たちのお腹をいっぱいにしてあげたいという思いで、コッペパン1個でご飯2膳と牛乳1本分のカロリーになるように計算して、コッペパンの大きさを決めたそうです」と現社長の福田さん。2022年10月にオープンしたばかりの福田パン 中ノ橋店と合わせて、現在では盛岡市内とお隣の矢巾町に直営店を4店舗展開しています。ボリュームも愛情もたっぷりのコッペパンをいただきに、お腹を空かせて盛岡へ訪ねてみてください!
福田パン本店スタッフがイチオシ!隠れ人気メニュー3選
小さな頃からの常連客が多い甘系サンド「イチゴミルク×ジャム」(174円)

ピンクと赤で見た目も華やかな甘系サンド。イチゴとりんごのミックスジャムの程よい酸味をイチゴミルクの優しい甘さが包んでくれます。甘系ではあんバターが定番ですが、子どもの頃に食べ続ける常連さんも多いそう。
秋野菜が極上スイーツパンに!秋冬のイチオシ「かぼちゃ×ホイップ」(174円)

濃厚なかぼちゃ風味を感じるフィリングに、あっさり軽く甘さ控えめのホイップをたっぷり合わせて。よりかぼちゃならではの風味を楽しみたい方は、オプションでかぼちゃを厚塗り注文(+20円)するのもおすすめです。
具材の意外な組合せで美味しさ倍増「スイートポテト×コーヒー」(178円)

ねっとりミルキーなお芋の美味しさを堪能できるスイートポテトに合わせるのは、なんとコーヒーフィリング。一緒に食べると焼き芋味に大変身。本店スタッフさんたちが特に秋冬おすすめしたい組合せのひとつです。
盛岡市内の店舗紹介!2022年10月には新店舗もオープン
市民に愛されるパン屋さんを目指してきたため、盛岡市内には直営店が3店舗、お隣の矢巾町に1店舗、そして盛岡駅構内の系列店が1店舗のみ。スーパーマーケットでの販売商品はあるものの、出来立てをいただけるのは盛岡だけなのです。
2022年10月には新たな観光拠点としてリニューアルした盛岡バスセンターの1階に「福田パン 中ノ橋店」がオープン。
福田パン 長田町本店

JR盛岡駅から徒歩15分ほど。学校の校舎を彷彿させる白い建物で、正面の丸い時計が目印。注文してから具材をサンドしてくれる、その手さばきをみているのも楽しい。現在はテイクアウトのみの販売。
019-622-5896
岩手県盛岡市長田町12-11
7時〜17時
お盆、年末年始
東北道盛岡南ICより10分
11台
福田パン みたけ店

盛岡市内北部にの店舗で、いわて銀河鉄道線厨川駅から徒歩10分ほど。隣接する商業施設には広い駐車場があるため、アクセスが便利。現在はテイクアウトのみの販売。
019-658-8809
岩手県盛岡市みたけ2-9-60アクロスプラザ内
8時〜17時
木、お盆、年末年始
東北道盛岡ICより25分
アクロスプラザ駐車場利用
福田パン 矢巾店

JR盛岡駅より国道4号を南下した工場団地内にあり、福田パンのパン工場に隣接する直営店。広い駐車場スペースがあるため、混雑する本店を避ける車で訪れる常連さんも多い。テイクアウトのみの販売。
019-697-8400
岩手県紫波郡矢巾町大字広宮沢11地割502-1
7時〜17時
日、お盆、年末年始
東北道盛岡南ICより5分
15台
福田パン 中ノ橋店

2022年10月にリニューアルした新盛岡バスセンター。盛岡の新たな賑わい拠点の1階マルシェスペースにオープン。店舗にイートインコーナーはありませんが、施設内フードホールの座席に座ってゆっくりいただけます。
019-656-0105
岩手県盛岡市中ノ橋通1-9-22
7時〜18時
火、お盆、年末年始
東北道盛岡南ICより15分
周辺コインパーキング利用
iwate tetoteto(イワテテトテト)

JR盛岡駅2階の北口改札付近にあり、電車利用でもアクセス良好。岩手の手土産や美味しいものをセレクトしたショップ「iwate tetoteto」内で、系列店として営業しています。出張の帰りなどに新幹線の中で食べるため購入するお客さんも多いそう。
019-606-4832
岩手県盛岡市盛岡駅前通1-48
7時15分〜20時
なし
JR盛岡駅構内
JR盛岡駅駐車場利用
まとめ
取材時には平日にもかかわらず、顔馴染みの常連客や観光客で行列ができていた福田パン。「3世代にわたってファンなんです」という常連客の姿もあり、戦後から現在まで多くの盛岡市民に愛され続けてきたソウルフードであることを実感しました。もし店頭で注文に迷った時は、スタッフにおすすめのメニューを聞いてみてください。きっと季節のおすすめメニューなどを教えてくれるはずです。
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※この記事は2022年10月31日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
※掲載の価格は全て税込価格です
EDIT&DESIGN FIGARO/松浦 孝行
元じゃらん東北版編集部で現在はフリーランスのメディア編集者。東北各地の有名観光地と温泉地はコンプリート。