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2022.11.26

非日常が味わえる絶景温泉!大自然に抱かれた名湯3選を紹介<全国・2022>

訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。

この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、エリアや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。

※この記事は2022年11月22日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

都会での日々を忘れさせてくれる、ちょっと辺鄙なところの絶景温泉

日々を過ごしていると、ちょっと気分が憂鬱になる出来事があったり、心が少し疲れてしまう感覚をおぼえます。時々抜け出したくなる、このめまぐるしい毎日。私も毎日自分を「お疲れさま」「よく生き抜いてる」といたわり、おいしいものや睡眠でなんとか誤魔化して過ごしています。

それでももう、いっぱいいっぱいになってしまったときは、現実逃避ができる温泉旅行に行くようにしています。

大切だと感じるのは、“日常から物理的距離をとる”こと。新幹線や飛行機に乗って、遠くの温泉地へ行くのです。目につくものも聴こえてくるものも全て変わる遠くの町は、日常からずるりと私を引き剥がしてくれる感覚があります。

今回ご紹介するのは、そんなちょっと遠くの町にある、現実逃避がかなう絶景温泉地。東京からの距離で選出させていただきました。

温泉マニアたちの憧れ、黄金崎不老ふ死温泉の景色(青森)

ひょうたん型の湯船と、ぱーんと開けた日本海。温泉雑誌やWEBの記事で、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。そう、青森県の「黄金崎不老ふ死温泉」です。

黄金崎不老ふ死温泉
いわずとしれたひょうたん風呂、黄金崎不老ふ死温泉

黄金崎不老ふ死温泉は、どこか近場の観光とあわせて、途中にサクッと寄れるような場所にはありません。青森県・津軽地方の南西部に位置しており、なだらかに続く日本海と漁港、のんびり走るJR五能線を横目に車を走らせ、ようやく辿り着くようなところにあります。青森空港から車で2時間の距離です。

なんといっても、この絶景。うわさはかねがね聞いていましたが、やっぱり迫力が違います。うわー、もう本当に来てよかった、と感じるほかありません。遠くに浮かぶ漁船を眺めながら、太陽の光できらきら反射する黄金色の温泉で体をあたためていると、なにもかもから解放された気分になります。

黄金崎不老ふ死温泉
俵型の女湯も開放感抜群

ひょうたん風呂は混浴なので、実際に私が浸かったのは女湯のほう。仕切りが高くて湯船も広く、快適に過ごせます。

塩分と鉄分たっぷりで、かなりガツーンとくる重めな泉質ですが、浴感はつるつるさらさら。絶景はもちろん、この個性的な泉質も楽しみどころです。

日帰り入浴もできますが、泊まりの場合は食事も魅力ポイント。近海で獲れた海の幸や、栗の甘露煮を入れた甘めの「つがる風茶碗蒸し」、海藻の「えご草」を使った「えご天の酢の物」など、ご当地料理もいただけます。

■黄金崎不老ふ死温泉
[住所]青森県西津軽郡深浦町大字舮作字下清滝15
「黄金崎不老ふ死温泉」の詳細はこちら

船で行く絶景温泉!式根島のワイルドな地鉈温泉へ(東京)

“離島の温泉”というだけで、心踊る方もいるはず。東京から約3時間、ジェット船に揺られてたどり着くのは式根島。天気予報でよく耳にする大島・新島のもうちょっと先に浮かぶ島です。

東京からの距離はおよそ150km。海を隔てればあっという間に現実から引き剥がされたような気分になるので、疲れた方には離島旅がとってもおすすめです。

地鉈温泉
地鉈温泉への道なりは険しい

式根島にある「地鉈温泉」は、名前の通り岩山を鉈(なた)で割ったようなロケーション。1981(昭和56)年に野口冬人氏が発表した露天風呂番付では「東の張出横綱」に格付けされたほどの名湯なのです。足を滑らせないよう、急な階段をそろりそろりと降りていくと…。

地鉈温泉
海と一体化しているワイルド露天「地鉈温泉」

70度を超えるアチアチ源泉が、海の底から湧いています。辺りは潮と鉄と硫黄のにおいが混じっていて強烈。水着でえいやと海に浸かり、海水と源泉が混じって適温になる場所をなんとか探します(これが難しい)。このアドベンチャー感溢れる体験も、非日常的ですごくおもしろい。混浴なので、パートナーや家族とわいわい挑戦してみるのがおすすめです。

地鉈温泉
目の前に漁船が並ぶ「松が下 雅湯」。ここも水着で浸かる

ここまでワイルドでなくても、式根島にはいつでも快適な湯温で浸かれる「松が下 雅湯」「憩の家」などの温泉施設もあるのでぜひ。私が訪れたときは、ダイビングを楽しむお客さんをよく見かけました。

■地鉈温泉(じなたおんせん)
[住所]東京都新島村式根島1006
「地鉈温泉」の詳細はこちら

ケーブルカーに乗って、渓谷目の前の絶景露天を楽しむ祖谷温泉(徳島)

日帰り入浴に2度訪れ、すばらしすぎてどうしても忘れられず、2023年には絶対宿泊しようと心に決めているのが徳島県の「祖谷(いや)温泉」です。

ここは四国4県の県境近く、山深い祖谷渓にある一軒宿。少し足を伸ばせば「大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)」という渓谷の景勝地もあり、これまでご紹介した2件と比べるとややアクセスしやすい場所です。

(画像提供:祖谷温泉)
祖谷温泉の正面玄関(画像提供:祖谷温泉)
祖谷温泉
祖谷温泉はV字に切れ込んだ渓谷沿いにあります

特筆すべきなのが、その泉質。源泉ドバドバかけ流し、ふんわりたまご臭、肌にアワがびっしりまとわりつく炭酸泉、一生浸かっていられそうなぬる湯で、まさに“最強”。それだけではなく、ケーブルカーで露天風呂へ向かうアトラクション要素があったり、渓谷のどーんと真横に湯船を設えているために絶景も楽しめたりと、魅力がふんだんに詰まっています。

(画像提供:祖谷温泉)
渓流にせり出す開放露天(画像提供:祖谷温泉)

徳島の山奥でこんな絶景名湯に浸かっていれば、もはや日頃の悩みなど吹っ飛んでしまうこと間違いなし。私はもはや毎週末「祖谷行きたいな~」と思い出すほど、恋い焦がれている温泉地です。

■祖谷温泉
[住所]徳島県三好市池田町松尾松本367-28
「祖谷温泉」の詳細はこちら

物理的距離が、私たちを「非日常」へいざなう

近場の温泉地はその手軽さゆえに私もよく利用するのですが、やっぱりなんとなく仕事をしてしまったり、いやなことを思い出してしまったりと、いまいちリフレッシュしきれなかったことがしばしばあります。

だからこそ、“日常からの物理的距離”が、脳みそを非日常へといざなってくれるような感覚があります。

上記で紹介したような3件はもちろん、ほかには小豆島(香川)でオリーブのおいしい食事とともに温泉を楽しんだり、小浜温泉(長崎)でばーんと海に開けた温泉に浸かったり…というのもよさそうに思います。

その物理的距離の適切さは、何百キロ離れていたらOK…などの基準はないのですが、個人的には「チェックインの15時に間に合うように車で行くのはちょっとつらい」がひとつの目安になっています。

東京から宮城まで行くのは大変だけど、福島なら行きやすい、とか。
東京から岐阜まで行くのは大変だけど、長野なら行きやすい、とか。
これはもちろんひとりひとり異なる感覚ですが、そういう目安で“現実逃避ライン”をひきながら、旅行計画を立てています。

ぜひ、日々がんばっている自分にご褒美をあげたいときは、ちょっと遠くの絶景温泉へ行ってみてくださいね。

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

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