“おちょぼさん”の愛称で親しまれている千代保稲荷(ちよほいなり)神社は、岐阜県の南、海津市にあります。昔から商売繁盛や家内安全などのご利益があるといわれ、年間100万人以上の参拝者が訪れています。
その参道には120ほどの店が並び、串かつや草餅、川魚料理など“おちょぼさんグルメ”が楽しめます。今回はそんな千代保稲荷神社の魅力と、周辺のおすすめグルメスポットを紹介します。
(TOP画像提供:(一社)岐阜県観光連盟)
千代保稲荷神社とは?

千代保稲荷神社の御祭神は大祖大神(おおみおやのおおかみ)、稲荷大神(いなりおおかみ)、祖神(みおやのかみ)で、家内安全や商売繁盛などにご利益があるといわれています。

拝殿、霊殿、古堂、精霊殿があるので順番にお参りしましょう。参拝の作法は二拝二拍手一拝です。参拝者のなかには商売繁盛や金運アップなどのご利益を授かりたいとの思いから、霊殿の御簾に自分の名刺を挿してお参りしていく人も多いようです。
なお、千代保稲荷神社ではお守りやお札の授与、御朱印帳の記帳などは行っていません。

毎月1日・15日・22日は「月次祭(つきなみさい)」で、この3日間は拝殿正面の扉が開かれ、より神様の近くでお参りできます。また毎月末日の夜から翌1日の「月越し参り」には、前月の御礼ととともに翌月のお願いをしに多くの参拝者が訪れます。
「千代保稲荷神社」参道の食べ歩きスポット

「食べ歩き」はしても「歩き食べ」はNG!
まずは店を紹介する前に、ひとつだけ守ってほしいことがあります。「千代保稲荷神社参道」は大勢の参拝者が訪れるため、なかには歩きながらものを食べる「歩き食べ」をする人がいます。これはほかの参拝者や店への迷惑行為となってしまうので、絶対にやめましょう。
「食べ歩き」とは、色々な店に行って、さまざまなグルメを楽しむことです。マナーを守って、イートインスペースなどで食べるようにしてください。
【千代保稲荷神社より徒歩1分】串かつ 玉家

“おちょぼさんグルメ”といえば串かつ。参道には串かつ店が何軒もありますが、なかでも行列が絶えないのが東口大鳥居の近くに構える「串かつ 玉家」です。

ラードで揚げた串かつや、濃厚な味噌で煮込んだどて煮が絶品でイートイン、テイクアウトともに同じ値段で提供しています。
ほとんどの人が店先で揚げたてを食べていきますが、時間があれば輪島塗と金ピカでゴージャスな店内で食べていきましょう。ただし土・日・祝日は満席の場合が多いのでご注意ください。

金ピカなのは店内だけではありません!金色の衣装に身を包んだ社長に会えたらラッキー。“おちょぼさん参拝”とダブルで金運のご利益を授かれそうですね。
岐阜県海津市平田町三郷1997
9時~16時30分(イートインLO16時、持ち帰りの場合は16時30分)※月末と年末は24時頃まで(変動あり)
不定
「串かつ 玉家」の詳細はこちら
「串かつ 玉家」のクチコミ・周辺情報はこちら
【千代保稲荷神社より徒歩3分】大福屋総本家

“おちょぼさん”みやげといえば地元、海津名物の草餅も外せません。今回おすすめするのは参道にある「大福屋総本家」。
昔ながらの製法で作る草餅は、天然よもぎの爽やかな風味と、あんこの甘みが合わさり美味です。よもぎは毎年春、店主自ら地元の輪中堤で摘み取ってきたなかから、葉のやわらかいものだけを厳選し使用。作り置きはせず、つきたての餅によもぎを練り込み、北海道・十勝産の小豆で作る自家製あんをくるんでいます。

店は南口大鳥居側の参道の真ん中辺りにあります。看板菓子のお千代保くさ餅は売切れ次第終了なので土・日・祝日は早めに訪れましょう。
店主によると、その日食べきれなかった草餅は冷凍保存し、自然解凍後にフライパンで少し焼くとおいしく味わえるそうです。
【千代保稲荷神社より徒歩すぐ】芋にいちゃんの店

千代保稲荷神社のすぐ東側にある大学いもの店。こちらの大学いもは食べると外側はカリカリ、それでいて中身のさつま芋はしっとり。まるでりんご飴のような食感が楽しめます。聞けば、揚げたてのさつま芋にとうもろこし由来の水飴を絡め、スポットクーラーで一気に飴を冷やすことで、店独特のこのカリカリ感が生まれるそう。
大学いもは8、9個入った小パック150g入り、中パック250g入り550円、大パック380g入り800円、特大パック490g入り1000円の4サイズあり、いずれも予約不可で、賞味期限は当日中です。

リピーターのなかには「大学いも目当てでおちょぼさんに来た!」という人もいるほど。
店先では店主やスタッフの見事な芋さばきにも、ぜひ注目してみてください!鉄板の上で大学いもを仕上げるカラカラカラッという音にも食欲をそそられますよ。
【千代保稲荷神社より徒歩3分】餃子工房 いろどり

参道にある餃子専門店では、神様のお使いといわれているキツネの像がある “おちょぼさん”らしい変わり餃子が味わえます。その名も稲荷餃子といって、油揚げを餃子の皮に見立てた同店のオリジナルです。
焼き目がこんがり、そしてふっくらとした油揚げの皮のなかには国産の豚肉と鶏肉の合挽肉、キャベツ、ニラなどで作った自家製あんが入っています。

看板メニューの稲荷餃子を含め餃子は8種類。その他、シュウマイや小籠包もありますよ。
イートイン、テイクアウトいずれも対応していて、持ち帰り用として冷凍餃子も購入できます。
岐阜県海津市平田町三郷1198
【月~木】11時~15時(LO15時)【土・日・祝】11時~17時(LO17時)※月末と年末年始は深夜12時頃まで営業(閉店時間は不定)
金
「餃子工房 いろどり」の詳細はこちら
【千代保稲荷神社より徒歩2分】ごまの蔵 お千代保稲荷店

岐阜と滋賀で3店舗展開するごまの専門店。店内には豊かな香りで料理の味を引き立てるごま油をはじめ、練りごま、すりごま、パンに合うペーストの黒ごまキャラメルなどこだわりの商品がずらり。どれも炒めものや和えものなどの他、刺身にも合うと評判です。

自社製のごまを取り入れたスイーツも種類が豊富で、なかでもおすすめは胡麻ジェラ 極。ロングセラーのアイス・胡麻ジェラに、別添えの黒ごまのペーストと煎り黒ごまをトッピングして楽しむ三層仕立ての濃厚黒ごまアイスです。保冷剤や保冷バッグの用意がないのでイートインがおすすめです。
その他、豆腐の団子を3種類の味わい方で楽しむおだんご倶楽部(1本150円)や、栗スイーツ店「栗りん」とコラボした黒ごま千本(1箱3900円)などいろいろあり、目移りします。

落花生を黒糖と黒ごま入りのきな粉で包んだやわらかい豆菓子・うまくいくなど、お千代保稲荷店限定品もあるのでチェックしてみてください。
岐阜県海津市平田町三郷1191-1
10時~17時※天候により変更の場合あり
金
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【千代保稲荷神社より徒歩1分】いなりや

千代保稲荷神社参道で4代続くうなぎ料理の老舗が手がける川うなり(鰻成り)プリン。創業100周年を機に誕生した、うなぎのタレを使ったスイーツやコラボ商品「川うなり」シリーズの一つで、地元、海津市にある養鶏場から仕入れる新鮮卵を使い、卵黄のみで作る「イエロー」と、卵白のみで作る「ホワイト」の2種類あります。
いずれもなめらかタイプのプリンで、最初はそのまま味わい、次にカラメルソースではなく、「いなりや」秘伝のうなぎのタレを2~3滴かけて食べるのがおすすめです。
「川うなり」シリーズにはプリンの他にも、角切りにしたうなぎの蒲焼と玉ネギ、海苔などをパイ生地で包んだうなぎ三角パイや、千代保稲荷神社の南鳥居前にあるベーカリーとのコラボパンなど、商品が豊富なのでチェックしてみてください。

看板メニューのうなぎ料理も丼、うな重、定食、メガ・大・中・小の4サイズから選べる名物のひつまぶしなど充実しています。
岐阜県海津市平田町三郷1835
11時~15時(イートインLO15時)※早めに閉店する場合や、15時以降テイクアウトのみ営業する場合あり
不定※公式サイトのカレンダーを確認
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千代保稲荷神社や参道へのアクセス・駐車場
千代保稲荷神社には参拝者用の無料駐車場が2カ所あります。神社により近いのは東口大鳥居駐車場で50台ほど、もう一つは南口大鳥居駐車場で20台ほど停められます。他に神社や参道周辺には有料駐車場もあるので、場所ごとに係員の指示に従って停めましょう。
神社及び参道周辺は月末を除き、平日はほぼ混雑しませんが、土・日・祝は10時頃から昼前にかけ駐車待ちの列が見られ、14時頃までは満車の状態が続くこともあります。混雑を避けたい人は午前中、早めの時間の参拝がおすすめです。
「千代保稲荷神社」参道の食べ歩きマップ
まとめ
多くの参拝者が訪れる“おちょぼさん”。近年はゴミのポイ捨てや喫煙などマナー違反が増えているそうで、海津市の職員や地元の有志の皆さんが清掃活動やマナー向上の呼びかけを行っています。参拝も、参拝後の食べ歩きもマナーを守りましょう。
※この記事は2024年12月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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児島あさこ
編集者・ライター。旅先での楽しみは日頃おせわになっている人へのおみやげ選び。道の駅、美術館、セレクトショップ、うつわ屋さん…など贈る人の好みに合わせて物色している時間が幸せです。好きな町は金沢。