氷瀑とは、氷結した滝のこと。滝から落ちる水が外気に触れて氷結し創られる、自然のアートです。儚さと自然の雄大さが感じられ、冬以外には見られない光景である点が魅力。
そこで今回は、全国の氷瀑スポットを紹介します。寒さに耐えることとなりますが、なかなか見られない光景に至福のひと時が味わえますよ。
「氷瀑」とは?どうやってできる?
「氷瀑」とは「氷結した滝」のこと

氷瀑とは、滝が凍ったもののこと。読み方は「ひょうばく」で、英語では「icefall(アイスフォール)」といいます。滝から落ちる水が氷結して創られる自然芸術で、気温が氷点下になる地域でよく見られます。
似た現象として「氷柱(つらら)」がありますが、氷柱は家の軒先にできるような比較的小さな氷結のこと。氷瀑は滝が丸ごと凍ってできるため、氷柱よりも迫力があります。
「氷瀑」を見に行くときの注意点は?
「氷瀑」を見に行くときは暖かい服装や雪用の靴で。車も雪仕様に!

氷瀑を見に行くときは、これでもかというくらい厚着をして行くことをおすすめします。ダウンコートや保温性インナーは必須です。また、雪道になっていることも多いため、杖やスパイクブーツなどがあると良いでしょう。
また、車で行く場合は、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを準備しておきましょう。
ここからは、氷瀑が見られる全国のおすすめスポットを紹介します!
【北海道・上川町】層雲峡温泉 銀河・流星の滝
自然の寒さを使って人が作る氷瀑と、天然の氷瀑が両方楽しめるスポット


大雪山国立公園・黒岳の麓に位置する「層雲峡(そううんきょう)温泉」には、「銀河・流星の滝」があります。高さ120m、白糸のような穏やかな流れから“女滝”と呼ばれる「銀河の滝」と、高さ90mの力強い流れから“男滝”と呼ばれる「流星の滝」は、別名「夫婦滝」とも呼ばれます。
冬の寒さが厳しい層雲峡では、例年12月頃になると銀河の滝が氷結し、120mのダイナミックな氷瀑が見られるようになります。流星の滝は冬でも流れが強いため、近年は完全氷結する姿は見られないようです。
2023年1月28日(土)~3月12日(日)には、層雲峡温泉でこの寒さを利用して氷像を作るイベント「層雲峡温泉氷瀑まつり」が行われ、高さ約13mの氷の建造物中には迫力ある氷柱が楽しめるほか、週末を中心にアイヌ舞踊や太鼓演奏、花火の打上もおこなわれます。
01658-2-1811(層雲峡観光協会)
北海道上川郡上川町字層雲峡
24時間
なし
見学無料
旭川紋別道 上川層雲峡ICより車で30分
150台
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【青森県・十和田市】奥入瀬渓流
大迫力の氷瀑を堪能できる!じっくり楽しめるバスツアーも開催


青森県・十和田湖畔子ノ口から青森県・焼山まで約14km流れる「奥入瀬渓流」は、十和田八幡平国立公園内にあり、特別保護地区にも指定されています。冬の時期は大迫力の氷瀑や氷柱が見られ、日中は白銀の景観を、夜はライトアップの演出を楽しめます。
青森市から奥入瀬渓流を訪れるには、大きく迂回する必要があります。さらに、青森県は積雪や路面凍結が日常茶飯事。不安な場合、ツアー利用がおすすめです。
例年の冬、奥入瀬渓流の氷瀑や氷柱を鑑賞するバスツアー「奥入瀬渓流氷瀑ツアー」が開催され、今年も申し込みが始まっています。この時期にしか見られない景色をじっくり堪能できますよ。
0176-74-1233(奥入瀬渓流館)
青森県十和田市奥瀬
24時間
見学無料
【電車】JR青森駅よりJRバスで約2時間30分、石ヶ戸停留所より徒歩すぐ【車】百石道路 下田百石ICより車で約1時間
あり(子ノ口駐車場、焼山駐車場、奥入瀬渓流館駐車場)
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【山形県・酒田市】玉簾の滝
杉の大木に囲まれた幻想的な氷瀑!パワースポットとしても知られる名所


山形県酒田市にある「玉簾(たますだれ)の滝」は、約1200年前に弘法大師(空海)が神のお告げにより発見・命名したと伝えられています。高さ63m・幅5mにわたり、絶壁から豪快に流れ落ちる滝の様子は壮観。周辺には杉の大木があり、パワースポットとしても知られています。季節によりさまざまな姿を見せてくれ、年間を通して多くの人が訪れるスポットです。
氷瀑の見ごろは1月下旬~2月中旬まで。現地は積雪が多く、土・日・祝は除雪を行っていますが、平日は行われないのでご注意ください。また、参道から滝までは雪が多く、積もりやすいのでかんじきやスノーシューがあると歩きやすいです。
0234-64-3111(酒田市八幡総合支所)
山形県酒田市升田字大森地内(滝)/山形県酒田市升田前田52-1(駐車場)
24時間
なし
見学無料
日本海東北道 酒田みなとICより車で30分
47台
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【茨城県・大子町】袋田の滝
高さ120mの滝は迫力満点!日本三名瀑の一つ


茨城県を代表する観光スポット「袋田の滝」は、栃木県の「華厳の滝」、和歌山県の「那智の滝」と並ぶ日本三名瀑の一つです。例年1~2月に見られる高さ120m、幅73mの巨大な滝が凍結してできる氷瀑は、まるで時間が止まったかのような神秘的な光景。凍結は日がのぼるにつれて溶けてしまうため、氷瀑を見るなら気温の低い朝方に訪れるのがおすすめですよ。
氷瀑シーズンは、例年12月下旬~2月です。年によっては完全凍結することもあります。近年では完全凍結は見られませんが、7割程度の凍結でも迫力があり、普段とは違う姿が見られます。凍結状況を随時ホームページで紹介しているので、出かける際は参考にしてみてください。
0295-72-0285
茨城県久慈郡大子町袋田
【11月】8時~17時【12月~4月】9時~17時【5月~10月】8時~18時
なし
【大人】300円【子ども(中学生以下)】150円【未就学児】無料
常磐自動車道 那珂ICより車で50分
第一駐車場 約40台、第二駐車場 約220台
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【東京都・檜原村】払沢の滝
東京都内の氷瀑は希少!日本の滝百選にも選ばれた名瀑


「日本の滝百選」に選ばれている名瀑「払沢(ほっさわ)の滝」。高さ60m、全4段からなる滝で、4段のうち遊歩道から見られるのは、落差約23.3mの最下段のみです。
暖冬の影響もあり近年はなかなか完全凍結とまではいかないものの、東京都内で氷瀑を楽しめるスポットは希少。氷瀑の裏に水が落ちる様子も、完全凍結では見られない貴重な景色です。
例年12~2月には「払沢の滝冬まつり」が行われます。「氷瀑クイズ」や「フォトコンテスト」などさまざまな催し物が開催されます。都心からは車で約1時間30分、公共交通機関で行けるのも魅力です。
042-598-1011(檜原村役場)
東京都西多摩郡檜原村本宿5545-2
日没まで
なし
見学無料
【電車】JR武蔵五日市駅より西東京バスで25分 払沢の滝入口停留所下車徒歩15分【車】首都圏中央連絡自動車道 あきる野ICより20分
28台※払沢の滝園地駐車場から徒歩約15分
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(画像提供:写真AC)
【長野県・松本市】善五郎の滝
幅8mにも及ぶダイナミックな氷瀑!滝壺まで降りて見られる


長野県・乗鞍高原にある「善五郎の滝」。落差約22m・幅約8mほどの水量豊かな滝が凍った光景はまさに圧巻です。氷瀑のシーズン真っ只中であれば、グリーンシーズンでは歩けない滝壺まで降りることができるので、氷瀑をかなり近くで見られるのも特徴です。
また、滝から8分ほど歩いた場所には「滝見台」も整備されており、滝は少し遠くなってしまいますが、背景に雄大な乗鞍岳を望めます。山岳と氷瀑のコンビネーションはここでしか見られない景色です。
駐車場から滝見台までの道のりは、冬は雪道になっています。冬用の装備や雪道も歩けるスノートレッキングシューズがあると安心です。スノートレッキングシューズは、のりくら高原観光案内所でもレンタルできます。
0263-93-2147(のりくら高原観光案内所)
長野県松本市安曇鈴蘭
24時間
なし
見学無料
長野道松本ICより車で約1時間
善五郎の滝駐車場13台、第3駐車場400台 ※善五郎の滝用駐車場より徒歩15分
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【岐阜県・高山市】平湯大滝
日本の滝百選ならではの美しい氷瀑


日本の滝百選にも名を連ねる、高さ64m、幅6mの「平湯大滝」。夏は深緑、秋には赤と⻩色と緑の美しいコントラストと四季折々に美しい景色を見られます。
12月下旬になると、豪快に流れ落ちる滝水が厳冬の訪れとともに巨大な氷瀑へと姿を変えていきます。⻘白く輝く壮大な氷瀑と雪のコントラストに、大自然の美しさを実感することができますよ。
2023年2月15日(水)~25日(土)の期間には、荘厳な姿を⻘や緑の光でライトアップする「平湯大滝結氷まつり」を開催予定。ライトアップは19~21時に行われ、期間中は毎日花火も打ち上げ予定です。真っ暗な夜空に打ちあがる花火と光に照らされた氷瀑が、冬の夜を幻想的に彩ります。
0578-89-3030(平湯温泉観光案内所)
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯
日没まで
なし
無料
中部縦貫道 高山ICより車で50分、長野道 松本ICより車で1時間
100台 ※降雪期閉鎖、冬期は平湯温泉スキー場駐車場(平湯大滝まで徒歩20分)を利用
「平湯大滝結氷まつり」の詳細はこちら
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【愛知県・豊田市】湧水広場の氷瀑
私有地に創られた絶景の氷瀑スポット!


地主である松井さん一家が、私有地を利用してつくり上げた氷瀑。気温が下がる12月頃から櫓(やぐら)を組み、霧状に水をかけて創作するそう。1月上旬~2月下旬にはライトアップが行われ、七色に照らされじわじわと浮かび上がる氷瀑は絶景。毎日水をかけており、日々形が変わっていくのも見どころです。
氷瀑というと、山奥の滝を目指して冬山装備で向かう…というイメージを持つ人もいますが、湧水広場の氷瀑は車を近くに停められます。歩くのは数分なので気軽に見学できますよ。
例年1月~2月の18時~21時頃にライトアップが行われます。暗闇の中にライトアップされた氷瀑が浮かび上がるさまは、昼間の荘厳さとは異なる景色でなんとも幻想的。毎年2月の第1土曜日には、道の駅エリアで雪と氷のイベント「雪み街道いなぶ~魅・美・見・味~」も開催され、冬季ならではの景色を満喫できます。
0565-83-3200(いなぶ観光協会観光案内所)
愛知県豊田市稲武町横川渡4
24時間
なし
見学無料
東海環状線豊田勘八IC、中央道恵那IC、飯田山本ICより車で1時間
約60台
「湧水広場の氷瀑」の詳細はこちら
【熊本県・阿蘇市】古閑の滝
九州でも氷瀑が見られる!氷が割れて落ちる音は春の風物詩


「古閑の滝(こがのたき)」は、落差約80mの男滝と、約100mの女滝の2つに分かれる夫婦滝。例年1~2月頃には、阿蘇谷から吹く冷風により、迫力ある氷瀑ができあがります。
水しぶきまでもが凍ってできる、まるで氷の羽のような形の氷瀑は自然が創る芸術作品です。繊細で美しい情景に心を奪われてしまうほどです。春先には氷が割れて落ちる音が響き渡り、“阿蘇に春を告げる音”としても知られています。2023年1月7日(土)~2023年2月25日(土)の毎週土曜の夜には、ライトアップが行われます。双眼鏡で見てみると、羽や傘の形になった氷がはっきりと見え、氷柱とは異なる珍しい氷瀑を味わえるでしょう。
駐車場から滝までは約600m野山道を歩くため、歩きやすい靴や服装でおくのがおすすめです。
0967-22-3174(阿蘇市役所まちづくり課)
熊本県阿蘇市一の宮町坂梨
18時~20時※ライトアップ1月~2月の土のみ
なし
見学無料
九州道 熊本ICより車で1時間20分
あり(300円)
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まとめ
儚さと荘厳さを一度に感じられる氷瀑。冬の寒い時期にしか見られない絶景、一度は見に行ってみてはいかがでしょうか。
※天候状況などにより見頃や内容が変わる場合がありますので、事前に各所へお問い合わせください。
※掲載している写真は、イメージや過去の様子となります。
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※この記事は2022年12月13日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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※掲載の価格は全て税込価格です。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。