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2023.01.17

【岩手】岩泉町・龍泉洞の見どころを解説!ドラゴンブルーに輝く地底湖を満喫

岩手県岩泉町にある鍾乳洞の「龍泉洞」をご紹介します!

洞内にはいくつかの地底湖があり、吸い込まれそうな深さと透明度で訪れる人を魅了しています。神秘的な青い色は“ドラゴンブルー”と呼ばれ、ここでしか見られない美しさです。

この記事では龍泉洞の見どころや歩き方、遠方からのアクセスなどをお伝えします。

龍泉洞とは

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

龍泉洞(りゅうせんどう)は、岩手県・岩泉町(いわいずみちょう)にある鍾乳洞です。国の天然記念物に指定されていて、日本三大鍾乳洞の1つにも数えられています。

アイヌ語で“霧のかかる峰”という意味の名前を持つ、宇霊羅山(うれいらさん)のふもとから龍が飛び出し、泉が湧き出て龍泉洞が誕生したという伝説が残っています。

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

龍泉洞の大きな特徴は、きれいな水が豊富に湧き出していること。湧出量は毎秒約1.5tもあり、洞内には深い地底湖がいくつもあります。

地底湖は何十mもの深さまで見通せるほど透明度が高く、白いライトで照らしても、神秘的な青い色を見せてくれます。その深い青は“ドラゴンブルー”と呼ばれています。

湧水の水温は年間を通して7~10度。カルシウムなど豊富なミネラルを含み、近くの地域では洞の外に湧き出した水を水道水にも使っています。

龍泉洞の総延長は分かっている範囲で4088mあり、実際には5km以上あるのではないかと言われています。そのうち約700mが公開されていて、全部で8つある地底湖のうち3つを見ることができます。

アクセス方法

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

龍泉洞へのアクセスは遠方から向かう場合、盛岡を起点にすると便利。JR盛岡駅からJRバスを利用して約2時間で到着します。

東京都内から盛岡へは、新幹線で約2時間。名古屋方面や関西方面から行く場合は、いったん花巻空港まで飛び、アクセスバス(リムジンバス)でJR盛岡駅まで行くといいでしょう。花巻空港からJR盛岡駅までの所要時間は約45分です。

車で行く場合は、東北道盛岡ICよりR455経由で約2時間で龍泉洞に到着です。龍泉洞には無料の駐車場が4カ所あります。

仙台方面から車で向かう場合は、盛岡を経由せず、三陸沿岸道路を走るのがおすすめ。三陸沿岸道路はほとんどが無料区間で、気仙沼→釜石→宮古と海岸沿いを北上します。岩泉龍泉洞ICで下車し、約30分で龍泉洞に到着です。

入洞するときの服装

龍泉洞内の気温は、年間を通して10~11度と安定しています。暑い時期に訪れる場合は、1枚羽織れる上着を持参しておくといいでしょう。

湿度は高いので、冬などは逆に温かく感じるかもしれませんね。

龍泉洞は今も成長している“生きた鍾乳洞”のため、天井からよくしずくが落ちてきます。足下は整備されていますが、濡れていることも多く、階段もあるため、歩きやすい靴がおすすめです。

龍泉洞の見どころ

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

ここからは、龍泉洞内の見どころと歩き方をご紹介します!

インフォメーションでチケットを購入し、入口へと向かいます。改札外との気温差を補うためのエアーカーテンが吹き付けているので、冷風をくぐって洞内へと入っていきましょう。

狭い断層の中を進む「百間廊下」

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

最初に現れるのが、洞内を奥へ奥へと続く「百間廊下(ひゃっけんろうか)」。断層に沿ってできた直線的な空間で、床の下には水が流れているところもあり、昔は船を漕いで進んだのだとか。

途中の「蝙蝠穴(こうもりあな)」には実際におびただしい数のコウモリが棲んでいて、そのコウモリたちも天然記念物の一部となっています。

鍾乳洞の数千年の歴史を伝える「亀岩」

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

まさに大きな亀の甲羅のような形をした岩です。龍泉洞は地盤が安定した強固な鍾乳洞ですが、この「亀岩」は珍しく落盤によってできた造形物です。

落盤の後に上から滴った石灰分がすでに岩の表面で成長していて、長い時の流れを思わせます。近くには岩がビーナスの像のように見える「洞穴ビーナス」などもあります。

洞内に広がる幻想的な空間「月宮殿」

(画像提供:写真AC)
(画像提供:写真AC)

百間廊下を抜けると、天井の高い大きな空間が広がります。鍾乳石が月の世界を思わせることから「月宮殿(げっきゅうでん)」と名付けられています。

月宮殿の奥までいくと「守り獅子」という岩がありますので、その位置から亀岩の方向を振り返ってみましょう。月宮殿のちょうど真ん中あたりにハート型の岩の空間が見えるはず。恋の叶うスピリチュアルスポットと言われています。

ドラゴンブルーにお目見え!「第一地底湖」

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

月宮殿を過ぎると道が二手に分かれ、左側の急な階段を降りていきます。最初に現れるのが「第一地底湖」です。

深さは35mもありますが、見学できる3つの地底湖の中では一番浅いのだとか。神秘的なドラゴンブルーをたたえています。

第一地底湖は帰り道で階段を登り、「三原峠」という洞内の高所を通ったあとにも、高いところからのぞき込むことができます。

宝石のような美しさをたたえる「第二地底湖」

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

次に現れるのが「第二地底湖」。深さは38mあり、宝石のような青い湧水を見ることができます。

第二地底湖は1962年の潜水調査によって発見されたのだとか。これらの豊富な湧水は、龍泉洞の北に広がる森林地帯から地表を通り、石灰岩質を透過して集まったものです。

青いグラデーションがどこまでも続く「第三地底湖」

(画像提供:(公財)岩手県観光協会)
(画像提供:(公財)岩手県観光協会)

公開されたコースの一番奥にあるのが「第三地底湖」。深さはなんと98mもあり、地球の深淵をのぞくようです。

第三地底湖は1967年の潜水調査によって発見されましたが、奥にもさらに、たくさんの地底湖があることが確認されています。

見学コースはこの第三地底湖が最奥。ここからは繁忙期以外は来た道を引き返すか、階段を登って洞内の高所である「三原峠」を通って帰るルートを選べます。

三原峠への途中には、名産の山葡萄ワイン「宇霊羅」の貯蔵庫があり、安定した気温を生かしてワインが熟成されています。5月・8月などの繁忙期には一方通行になり、貯蔵庫の近くにある臨時出口から洞を出る場合もあります。

はるか地底をのぞき込む「第一地底湖展望台」

(画像提供:PIXTA)
(画像提供:PIXTA)

三原峠から月宮殿へ降りていく途中にある「第一地底湖展望台」。鍾乳石群の間から、眼下に「第一地底湖」をのぞき込むことができます。

数十mの高さから見下ろす地底湖はスリル満点!5色に変化するLEDでライトアップされていて、幻想的な雰囲気です。

歩き終わって洞の外へ出たら、入口付近にある水飲み場で龍泉洞の水(無料)を飲んでホッとひと息つきましょう。龍泉洞の水はミネラルウォーターとしても販売されています。

■龍泉洞
岩手県岩泉町岩泉神成1-1
8時30分~17時 ※変動の場合あり。詳細は公式サイトを要確認
なし ※増水等で臨時閉洞の場合あり
高校生以上1100円、小中学生550円
あり(無料)
「龍泉洞」の詳細はこちら
「龍泉洞」の口コミ・周辺情報はこちら

※この記事は2022年12月28日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
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ミキティ山田  ミキティ山田

旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。

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