「富士屋ホテル」は1878年にリゾートホテルとして誕生。広大な敷地に庭園や、国の登録有形文化財指定の名建築を含め、4つの宿泊棟が点在しています。特筆すべきは120あるすべての部屋の風呂に温泉を引いていること。江戸時代、箱根七湯に数えられた名湯の宮ノ下温泉を部屋で楽しめるなんて贅沢ですね。箱根の自然と名建築、名湯に癒やされるクラシカルなホテルです。
※この記事は2023年2月10日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
全室温泉風呂付き!「富士屋ホテル」は日本を代表するクラシックホテル

「富士屋ホテル」は開業140年余りの歴史を持つクラシックホテルです。
広大な敷地に「本館」「西洋館」「花御殿」「フォレスト・ウイング」の4つの宿泊棟が点在。その他に、旧御用邸にあたる「菊華荘」と「食堂棟」、「カスケード・ウイング」などの建物があります。
ロビー、レストラン、スパは廊下でつながっており、館内に居ながら行き来できます。
四季いつ訪れても感動絶景に出会える




箱根の自然に囲まれた「富士屋ホテル」は四季の眺めも格別。美しい四季とそれぞれ趣が異なる建築は、どこを切り取っても絵になります。
『「本館」や「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」の特徴的な装飾など見所もたくさんございます。ぜひご連泊いただき、ゆっくりと箱根の自然と温泉、富士屋ホテルでしか味わえない時間を過ごしていただけたら』と広報の方。
ちなみにホテルのすぐ目の前の道(国道1号線)は、お正月恒例・箱根駅伝のコースでもあります。
それぞれ趣の異なる建築で、館内や部屋がどうなっているのか、一つひとつ見ていきましょう。
「富士屋ホテル」のシンボル「本館」

富士屋ホテルで一番歴史ある建物が「本館」です。唐破風(からはふ)屋根の玄関ポーチや、その左右に設けられた八角平面の突出部など、正面から見ると美しいシンメトリーのデザインになっていることがわかります。


広報の方によると、「本館」は富士屋ホテルで現在も営業用として使われている建物の中で最も古く、建造されたのは1891年。当時、増えつつあった外国人のゲストを意識し、洋風の意匠を基調としながらも和のテイストも加え、和洋折衷のデザインを目指したのだそう。
明治、大正、昭和にかけ何度も増築や改造を重ねてきたため、ところどころ新旧混在した造りなのも、「本館」を含む富士屋ホテルの建物ならではの特徴で、1997年には国の登録有形文化財・近代化産業遺産に指定されています。

部屋は造りが異なる4タイプ、12室。「ヒストリックツイン」は白を基調としたシンプルな内装と、重厚感あるインテリアでまとめられたツインルームで、特にカップル旅行に人気のタイプだとか。

「本館」には富士屋ホテルで唯一のダブルベッドルームもあります。どのタイプの部屋にもアンティーク家具が配され、レトロな雰囲気を感じます。
明治期の洋風建築にときめく、女子旅におすすめの「西洋館」

1906年建築。富士屋ホテルの建物の中で、もっとも創建当時のままの姿で保存されているのがこちらの「西洋館」です。

天井や軒、階段の装飾、鎧戸付きの上げ下げ窓など、明治時代の洋風建築の意匠が見られます。また「本館」と同じく唐破風屋根の玄関も特徴です。


また「西洋館」は、富士屋ホテルの中でも人気が高い宿泊棟の一つで、なかでも広さ44平米の「ヒストリックデラックスハリウッドツイン」は、ハリウッドスタイルのツインベッドと、ゆったりサイズのソファが配された、とても贅沢な空間です。
『淡い桃色の壁がやわらかい雰囲気を醸し出しています。外国映画に登場しそうなかわいらしい猫足バスタブもあり、女子旅におすすめです』と広報の方。
国の登録有形文化財「花御殿」

次は1936年建築の「花御殿」です。富士屋ホテルの建築物の集大成ともいえる建物で、今や観光地・箱根のシンボル的存在の一つと言えます。千鳥破風の屋根、赤い高欄付きバルコニーなど風雅な佇まいで迎えてくれます。
「本館」「西洋館」とともに1997年に国の登録有形文化財に指定されています。


「花御殿」では40室あるすべての部屋に花の名前が付けられています。ルームキーや室内のインテリアには、それぞれ花のモチーフが散りばめられているのも特徴です。

内装やインテリア、眺望は部屋によって様々ですが、いずれも昭和初期らしい、端正ながらも華やかな空間です。
和洋折衷な雰囲気のツインルーム「ヒストリックデラックスツイン」にも花のモチーフが絨毯や小物など部屋の随所に見られ、心が和みます。

「花御殿」3階の角には最上クラスの部屋があります。格天井や、絢爛豪華な彫刻、寄せ木張りの床など和の意匠が随所に設えられています。
過去には多くのVIPも訪れたそう。結婚記念日や長寿祝いなど、お祝いごとで訪れる旅行にぴったりな特別室です。
眺望抜群の「フォレスト・ウイング」

1960年建築の「フォレスト・ウイング」はホテルの敷地内でも高台にあり、箱根の自然や部屋によっては箱根登山鉄道も望めます。
建物2階には宿泊者専用ラウンジ、最上階にはスパやリラクゼーションコーナーがあります。

「プレミアスイート」は、富士屋ホテル唯一の半露天付き部屋です。滞在中は、箱根の外輪山と対峙しながらプライベートな湯浴みが楽しめます。

「ツインフォレストサイド」(20室)と、「ハリウッドツインフォレストサイド」(4室)のなかには、箱根登山鉄道が見えるお部屋もありますよ。
食事は伝統と格式ある3種類のレストランで

「富士屋ホテル」には3つのレストランがあります。
その一つが食事棟1階にある「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」で、1930年より90年以上親しまれてきたホテルを象徴するレストランです。
天井高が6mあり開放感があります。日本アルプスに生息する高山植物が描かれた折り上げの格天井や、欄干や柱に施された彫刻も見応えがあります。

こちらでは、創業当時からのレシピを受け継ぐ洗練されたフレンチがディナーやランチで楽しめます。朝はフルサービスのブレックファーストです。

「レストラン・カスケード」は大正期建築の旧宴会場「カスケードルーム」の内装をそのまま移築したレストランです。

ビーフカレーや蟹クリームコロッケといった、代々受け継がれてきたレシピに基づく往年のメニューはもちろん、地元食材を取り入れた新スタイルのコースまで楽しめます。
旬の日本料理が堪能できる純日本建築の「旧御用邸 菊華荘」と、「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」にはドレスコードがあるので、スマートカジュアルな服装を心がけましょう。
復刻された「ラウンジ」でホテルメイドのスイーツを

本館1階には、1977年の改築時に姿を消した「オーシャンビューパーラー」をイメージし、復刻されたラウンジがあり、「富士屋ホテル」伝統のスイーツや、軽食が楽しめます。

おすすめは、富士屋ホテルで代々受け継がれてきた『アップルパイ』です。スパイスとともにじっくり煮詰めたリンゴがたっぷりで、著名人のファンも多いそう。ホテル併設のショップ「ベーカリー&スイーツ ピコット」でも購入できます。

アフタヌーンティーにもときめきます。3段スタンドにサンドイッチ、スコーン、季節のスイーツの他、富士屋ホテルの往年のスイーツが凝縮。
紅茶はスタッフがテイスティングを重ね厳選した茶葉8種から選べます。ティーカップは1912年~1940年頃に造られたホテルオリジナルで、ホテルのロゴと、ヤジロベーと呼ばれるオールドノリタケの裏印入り。アンティーク好きにはたまりませんね。
「残念ながら今回は日帰り旅行」という人にも朗報。1日3室限定で、このアフタヌーンティーと、温泉付きの部屋での8時間ステイが叶う日帰りプランもあります。
[営業時間]9時30分~17時30分(LO17時)
スパ、ライブラリーなど宿泊者専用施設も充実

2020年のグランドオープン時に新設されたのが宿泊者専用のスパ(屋内風呂)です。「フォレスト・ウイング」最上階の6階にあり、部屋の風呂同様、名湯・宮ノ下温泉(循環ろ過)を湛えています。男女それぞれサウナも併設しています。
[利用時間]14時~24時、5時~11時

「フォレスト・ウイング」2階の宿泊者専用ラウンジには「ホテルライブラリー」もあり、日本文化や箱根の歴史や風土に触れられる書籍をはじめ、和洋書が揃います。
[利用時間]5時~24時

「花御殿」の地下1階にあるミュージアムでは、富士屋ホテルが歩んできた140年余りの歴史に触れられます。展示品のなかには2020年の改築時に見つかったという書簡や、建築計画や図面などの貴重な史料もありますよ。
[見学時間]7時~21時

同じく「花御殿」地下1階には宿泊者専用の屋内温泉プールもあります。タイル張りの内観からはノスタルジックな雰囲気も感じます。
プールは通年利用OK。水着の貸出はありませんが、ホテルのショップで販売しています。その他、夏季限定で屋外プールもオープン。こちらも宿泊者専用で、無料で利用できます。
[利用時間]7時~21時
「富士屋ホテル」へのアクセス
箱根湯本駅からはタクシーで15分。バスを利用する場合は「ホテル前」まで15分。下車後、徒歩2分です。
[電車の場合]
東京(新宿)から電車で約2時間。小田原駅からは約50分。大阪(新大阪)からは約3時間50分。
箱根登山鉄道宮ノ下駅から徒歩7分ほど。宮ノ下駅からは送迎サービスがあるので、到着後ホテルに連絡すると迎えにきてくれるそうです。
[車の場合]
マイカーで来館の場合、駐車場は112台分あります。観光地ですが駐車場が無料で利用できるのはうれしいですね。
また「富士屋ホテル」から車で「彫刻の森美術館」へは約6分、「箱根ガラスの森美術館」「ポーラ美術館」』へは約10分。芦ノ湖や箱根神社も約20分圏内にあり、箱根の観光スポットへも好アクセスです。
[TEL]0460-82-2211
[住所]神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
[アクセス]【電車】箱根登山鉄道 宮ノ下駅より徒歩7分 【車】東名厚木ICより50分、または御殿場ICより35分
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