都市北部の山あいにひっそりと佇む「貴船神社」。鴨川の源流近くに位置し、古くから水の神様として親しまれてきた由緒正しき古社です。
境内には縁結びの神様を祀る社があり、近年では良縁成就のスポットとしても有名に。珍しい「水占(みずうら)みくじ」をはじめ、境内の見どころやおすすめの参拝方法を紹介します!
貴船神社とはどんな神社?ご利益は?
古くから京都の水源を守る「水の神様」がご祭神。


貴船神社の創建は古く、年代などの詳細は不明。一説では、約1600年前に神武天皇の皇母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)が水源の地であるこの場所にひとつの祠を建てたことが起源とも伝えられています。
その後も水の守り神として、歴代朝廷から厚い信仰を集めました。日照りや長雨が訪れる度に、この場所で雨乞い・雨止みの祈願がなされていたとか。今も社殿前の石垣からは、貴船山に由来する御神水がこんこんと湧き続けています。
縁結びのパワースポットとしても有名!

貴船川の渓谷に沿って広がる境内には、本宮(ほんぐう)・奥宮(おくのみや)・結社(ゆいのやしろ)という3つの社があります。
本宮・奥宮の祭神は高龗神(たかおかみのかみ)。伊奘諾尊(いざなぎのみこと)の子であり、水の供給を司る神様です。
また結社には縁結びの神として慕われる磐長姫命(いわながひめのみこと)が祀られています。このため諸願成就や運気隆昌に加えて、よりよい縁や恋愛成就を願ってこの地を訪れる参拝者の姿も多く見られるのが特徴です。
「三社詣」でより願いが叶うかも!?

貴船神社の本宮・奥宮・結社すべてを巡ることを「三社詣(さんしゃまいり)」と呼びます。順番に決まりはありませんが、言い伝えでは本宮→奥宮→結社と訪れるとより願いが叶うのだそう。
玄関口となる貴船バス停から最も近いのが本宮。そこから北に向けて結社、奥宮と続くため、一度奥宮を参拝してから結社へと戻るかたちになります。
本宮から奥宮までは徒歩15分ほどかかるため、途中休憩を挟みながらの参拝がおすすめ!次からは、それぞれの社について紹介していきます。
まずはメインの本宮へ!
本宮は広い境内に見どころがたくさん。


朱色の春日灯籠が並ぶ石段の参道は、旅行誌やテレビなどでもおなじみの光景。まずは本殿にて、水の神様・高龗神にお参りをしましょう。
山の斜面を用いて拓かれた境内には、見どころがいっぱい。昭和期の作庭家・重森三玲氏による石庭「天津盤境(あまついわさか)」や周囲の自然を一望できる休憩所「龍船閣(りゅうせんかく)」を訪れてみてください。
下で紹介する「水占みくじ」を求められるのも、ここ本宮にある社務所です。
続いては奥宮を参拝
歴史ロマンが漂う創建の地・奥宮。

本宮からさらに歩いて10分~15分ほど。玉依姫命が貴船神社を創建したとされる神聖な場所がここ奥宮です。
本殿横にある「船形石」は、玉依姫命が源流を求めて川を遡った際に使った「黄船(きふね)」が人目に付かないように石積みで囲ったものと伝わります。
また本殿の真下には、「龍穴(りゅうけつ)」と呼ばれる大きな穴が開いているそうですが、神聖なものであるとの理由から、誰も見ることが許されていません。
最後は結社を訪れて!
別名“恋の宮”の結社で良縁を祈願

本宮と奥宮の中間にあるのが結社で、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の姉姫である磐長姫命が祀られています。平安時代に歌人・和泉式部が参拝して夫婦不仲を解消したことから、“恋の宮”の別名も。京都の中でも有名な縁結びパワースポットの1つといえるでしょう。

ここでは「結び文(ふみ)」(初穂料200円)を書くことができます。用紙に願い事を書き込み、結び処に結ぶとその願いが叶うのだとか。恋愛だけでなく、幅広い縁結びにご利益があるとされているので、ぜひチャレンジしてみましょう。
水占みくじや絵馬、お守りなどの授与品をチェック
貴船を訪れたら「水占みくじ」に挑戦を!


水の神様を祀る神社ならではのおみくじが、この「水占みくじ」(初穂料200円)です。
まずは本宮の社務所にて、何も書かれていないおみくじを手に入れ、紙を社殿近くの霊泉・水占齋庭(みずうらゆにわ)にそっと浸してみましょう。すると願望や恋愛、旅行など、おみくじの結果がふわりと文字で浮かびあがる仕組みになっています。
二次元コードを使用して、英語や韓国語など4つの言語でも内容を読むことができます。
知ってた!?実は「絵馬」の発祥地も貴船神社。


今や日本全国の神社に広まっている「絵馬」ですが、実は貴船神社が発祥の地とされています。
かつて水に関する祈祷を行う際、晴れを願う場合は白馬を、雨を願う場合は黒馬を奉納していたのだとか。時代が流れ、いつしか木の札に馬の絵を描くようになったことが、絵馬の起源と言われているのです。
本宮の境内の一角には、白馬と黒馬を象った「神馬像」が建てられています。
キュートなお守りやグッズもいっぱい!
本宮の本殿前にある社務所では、お守りやお札を授かることができるほか、オリジナルの御朱印帳やロゴ入りのバッグやハンカチといったグッズを入手することができます。



また良縁成就・結婚成就・復縁成就などに関する内容を祈願してくれる「えんむすび祈願」もこの場所で受け付けてくれます。
ご祈祷料は当日3000円。所要時間は20分ほどで、縁結びのお守りや結社で納める結び文などの授与品もありますよ。
四季折々の見どころも満載
雪景色に紅葉絶景など、いつ訪れても絵になる!




豊かな水と森に囲まれた貴船神社だけに、どの季節に訪れても異なる雰囲気を味わえるのが魅力の1つです。
冬は、山間部ならではの情緒たっぷりの雪景色。春は、芽吹き始めた木々の鮮やかなグリーン。夏は、色濃く茂る木々と市街地より約5度低いとされる冷涼な空気。秋は、暖色のグラデーションが錦絵のように広がる紅葉。広い境内をゆっくり散策しながら、四季の移ろいを五感で感じてみましょう。
また貴船神社では毎月さまざまな祭典・神事が行われているため、ホームページでスケジュールをチェックしてから訪れてみるのもおすすめです。
075-741-2016
京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
[参拝時間]本宮開門時間6時~18時(5月~11月、1月1日~3日は~20時)、授与所受付9時~17時
なし
参拝無料
【電車】叡山電鉄貴船口駅より徒歩30分または貴船行バスで4分の貴船バス停より徒歩5分【車】名神京都東ICまたは京都南ICより50分
本宮10台、奥宮15台(ともに2時間800円)
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まとめ
貴船神社境内の見どころを中心に紹介しましたが、周辺には食事処やカフェなど、おしゃれなお店も数多く点在しています。夏期には、貴船の風物詩である川床(かわどこ)で涼を感じるのも楽しみの1つ。ぜひ一度、貴船エリアを訪れてみてください。
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※この記事は2023年3月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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