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2023.10.21

温泉マニアが教える「宿の料理が食べきれない問題」を解決する、大人の温泉旅行のコツ

訪れた温泉は約500湯、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。

この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、さまざまなおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、交通アクセスや泉質などの切り口で温泉旅行情報をお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。

※この記事は2023年10月16日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

温泉旅行にありがちな不安「最後まで食べきれるかな…」

温泉旅行の醍醐味は、普段めったに食べられない地産素材を使った夕食や朝食。宿で振る舞われる豪華な料理に、私たち宿泊客はいつも心が躍ります。

料理を運んでくれるスタッフから産地や調理法の説明を聞いて、「おいしー!」と舌鼓を打って、また一皿出てきて…。後半にかけて、「おいしー!」の気持ちと同時に少しずつ、こんな感情も湧いてきます。「最後まで食べきれるかな…」。

旅行の際に、料理目当てにお出かけされる方も多いはず。しかし筆者の周りに話を聞いてみると、「旅館で出される料理が食べきれなくて申し訳ない」と話す知人も。

また筆者は胃腸が弱いので、宿の料理を食べすぎてしまった翌日は体調を崩してしまうことがあります。自分の許容量を把握していつつも、もったいないという思いが勝ってしまい、無理して食べてしまうんですよね。

今回は「無理ない食事量で満足するための、大人の旅行術」を紹介。無尽蔵に食べられる年齢を過ぎた、大人の胃袋に優しい旅行のコツを書いていきます。

方法1. ファミリー向けだと避けないで。大人もゆっくり楽しめる落ち着いたビュッフェを選ぶ

ビュッフェといえば、子連れ・ファミリー向けのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。たしかに、子どもが好きなものを好きなだけ食べられるし、にぎやかにしていても周りに迷惑がかかりにくい環境だと思います。ひとり旅がメインである筆者も、しばらく意図的にビュッフェ宿を避けていました。

しかし意外にも、大人同士やひとりでも、ゆっくり楽しめるところがあるのです。

例えば作並温泉の「ゆづくしSalon 一の坊」。仙台駅から在来線で約40分と、アクセス抜群の作並温泉街に建つ、客室数86の中規模ホテルです。

ゆづくしSalon 一の坊
渓流沿いの露天風呂。春夏秋冬の景色が望める

ゆづくしSalon 一の坊は、宿泊代金にドリンクや施設使用料がすべて含まれている「オールインクルーシブ」。ロビーには紅茶や酒がいつでも飲める状態で置かれています。子ども連れの宿泊客ももちろんいますが、雰囲気も落ち着いていて、大人向けのリゾートホテルであることが伝わります。

ゆづくしSalon 一の坊
その場で「一皿ください」とお伝えすれば作ってくれて…
ゆづくしSalon 一の坊
自分だけのオリジナルセットが完成!

ビュッフェはオーダー式。目の前で寿司を握ったり、ステーキを焼いたり、天ぷらを揚げてくれたりして、できたてを食べられます。食べたいものを食べたい分だけ(しかもとても美味しい!)の、一番贅沢なやり方ですね。

私が訪れた時もカップルや友人同士、ひとり宿泊者も多く見られて、大人が静かに過ごせるビュッフェだと感じました。

ちなみに、落ち着けるビュッフェかどうかを見分けづらい人のために、コツを伝授します。

それはとてもシンプルで、“公式サイトに大人だけの写真が載っているかどうか”。料理を紹介する公式サイトのページに、家族のカットや、子どもの笑顔のカットが載っていると、「お、子連れ・ファミリー向けだな」とパッとわかります。

加えて、子連れ・ファミリー向けの宿泊プランを充実させているか、カップル・記念日・ひとり旅のプランを充実させているかでも、ある程度判断できそうです。

方法2. 素泊まりと地元のレストランで自分に合った夕朝食を選ぶ

食事は宿ではなく、近くにあるレストランで済ますのも手段のひとつです。

この方法は、城崎・熱海などのにぎやかな温泉街、町に近い別府・道後などがおすすめ。あえて素泊まりプランを選び、浮いたお金で近所のレストランへ足を運ぶのです。

城崎の温泉街
ほろ酔いで歩いた城崎の温泉街

筆者は城崎で素泊まりのプランを選び、寿司店で夕食を食べたことがあります。城崎といえば、カニ。ですが旅館でひとりカニを食べるのはやや抵抗があり、寿司店に赴きました。結果、カウンターで2~3貫カニ寿司を食べて大満足!外食は量が調整できるのでとても楽ちんです。

ほかにも、別府ではビジネスホテルに泊まって夕食は近くの定食屋でとり天定食を食べたり、道後でも夜は松山の町で飲み歩いたりという旅の経験をしてきました。どれも宿の料理とはちょっと違うワクワク感があっておすすめです。

周りに店の少ない山間の温泉地に行く場合は、車でレストランまでの道のりを事前に確認するか、道の駅やスーパーで惣菜などを買って客室で食べるのもアリです。ひとりで気軽に旅をする場合は素泊まりという選択肢も入れてみてください。

方法3. 胃にも財布にも優しい、軽めの夕食・弁当プランを選ぶ

そもそも料理をあまり食べられない人は、軽めの夕食・弁当プランを選んでみましょう。

胃が小さい人にぴったりなだけでなく、少し価格がおさえられているので、財布にも優しいのが特徴です。さまざまな宿で提供されているので、ぜひ目当てのプランをチェックしてみてくださいね。

料理を楽しむための細かいコツも伝授!

宿選びにおいては、“食事のしやすさ”も気にしたいところです。

先日泊まった純和風旅館は、畳に座って膳をいただくスタイルでした。風情ある食べ方ですが、胃袋をまっすぐに保ちづらく、浴衣なので胡座をかけないし正座も落ち着かないし、テーブル・イスより食べにくくて落ち着かないことも。

畳に座って食べるスタイルに慣れていない方は、食事処にテーブルとイスの用意がある宿を選ぶのがよさそうです。または、掘りごたつ形式のところも足を伸ばせるので安心ですね。

また、宿に到着した後もいくつかコツがあります。

まずはお腹の準備。

客室に用意されているお茶菓子と緑茶は、必ず夕食の前にいただきましょう。お腹を動かしておくことで、いきなり大量の料理を食べてもびっくりしません。

加えて、温泉に浸かっておけば血の巡りをよくし、消化しやすい胃腸に整えられます。

そして夕食の開始時間。

もし選べるのであれば、早めの時間にするのがおすすめ。遅い時間にお客さんが多い傾向なので、早めにしておくとゆっくりした雰囲気の中で自分のリズムで食べられます。

加えて、これは筆者の個人的な経験ですが、スタッフも理想的なリズムで給仕してくれる印象です。皿が空くタイミングを丁寧に見計らって、運んできてくれるよう。混んでいるときよりも気にかけてくれるので、料理が楽しみやすいように思います。

まとめ

今回は、無理ない食事量で満足するための大人の旅行術を紹介しました。すぐに実践できるものばかりなので、ぜひ気に留めていただけると嬉しいです。みなさんが胃腸もヘルシーな状態で温泉旅行を楽しめますように!

※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

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