夜空に輝くたくさんの流れ星を見てみたい!と思ったことはありませんか?いくつもの流星を見ることが出来る「流星群」は、観測可能な日が予報されているのです。そこで今回は、2025年に観測することができそうな「流星群」を一覧で紹介!天候に左右される場合もありますが、晴天ならきっと感動の絶景を見ることができそう。事前に計画して、天体観測にぴったりな場所に出かけてみてくださいね。
(画像提供:写真AC)
「流星群」とはどんな自然現象?いつ見える?
いくつもの流星が夜空にきらめく美しい天体現象

彗星のチリなどの宇宙を漂う流星物質が、地球の大気に飛び込んで発光する天体現象を流星といいます。太陽の周りを公転するチリの中に地球が入ると、短時間に数多くの流星を見ることができ、これを「流星群」と呼んでいます。
「流星群」は毎年同じ時期に同じチリの集まりの中に入るため、見られる時期が決まっているのです。
観測するコツ
流星は同じ方向から地球に飛び込んでくるため、放射点(または輻射点)と呼ばれる1点から飛び出してくるように見えます。放射点がある星座によって「ペルセウス座流星群」や「オリオン座流星群」などの名前が付けられています。
流星の軌道は放射点の近くでは短く、離れるほど長いです。放射点の高度が高いと見えやすくなるので、高く昇る時間帯に観測するとよいでしょう。また、それぞれの「流星群」によって活発になる時期が決まっています。特に流星が多く出現する日をピーク(極大日)と呼び、その前後数日がもっとも流星群を見るチャンス。晴れた日や新月の日(月明りのない日)も観測に適しています。
流星は夜空の広範囲に出現するため、小高い丘や山頂、海岸など空が開けた場所で星空を眺めるのもポイントのひとつです。
次からは2025年に日本国内で比較的活発に見られそうな主な流星群の詳細と、観測条件の予測について紹介します。
しぶんぎ座流星群
見頃は2024年12月28日(土)~2025年1月12日(日)

毎年、1年で最初に見られるしぶんぎ座流星群は、ふたご座流星群、ペルセウス座流星群とならぶ3大流星群のひとつに数えられます。年によって出現数にムラがありますが、条件次第では1時間に40~50個ほどの流れ星が見られると予想されています。

観測のしやすさ ★★★
2025年1月3日(金)23時から1月4日(土)2時頃までが観測に最適な時間帯です。1月4日の0時頃がピークで、放射点は低いものの月あかりの影響はありません。北に向かって、空が開けた場所を探して観測するとよいでしょう。
4月こと座流星群
見頃は2025年4月14日(月)~30日(水)

放射点がこと座とヘルクレス座の境界にある4月こと座流星群は、ほぼ天頂に放射点が昇るので、真上から四方八方に飛び出すように流れて見えるのが特徴で、1時間に見られるのは数個程度の予測です。

観測のしやすさ ★★★
2025年4月14日(月)~30日(水)にかけて活動が活発になり、22日(火)22時頃がピークと予測されています。2時過ぎには下限を過ぎたばかりの月が昇りますが、影響は限定的です。ピークから月が昇るまでが観測のチャンス。天頂から降ってくるような明るい流れ星を見ることができるかもしれません。
みずがめ座η流星群
見頃は2025年4月19日(土)~5月28日(水)

みずがめ座η(エータ)流星群は、例年ゴールデンウィーク頃に楽しめる流星群です。有名なハレー彗星が母彗星(チリを放出する彗星)で、主に南半球で活発になるため日本での出現数は多くありません。速度の速い彗星が1時間に10~20個ほど見られそうです。

観測のしやすさ ★★☆
2025年4月19日(土)~5月28日(水)にかけて活発になり、5月6日(火)12時頃がピークです。2時頃まで明るい月が昇っていますが、それ以降は月明りの影響がなく観測しやすくなります。夜明け前には放射点の近くに土星や金星があるので目安にしましょう。
ペルセウス座流星群
見頃は2025年7月17日(木)~8月24日(日)

真夏の夜空に輝くペルセウス座流星群は、しぶんぎ座流星群やふたご座流星群とともに3大流星群のひとつに数えられ、母彗星は133年周期で回帰するスイフト・タットル彗星です。
2025年は月明りの影響で観測数は少な目の予測。条件は厳しめですが、スピードの速い流星が1時間に20~30個ほど観測できそうです。

観測のしやすさ ★★☆
2025年7月17日(木)~8月24日(日)にかけて活動が活発になり、8月13日(水)5時頃がピークです。夜明け後で明るい月が昇っているため、観測条件はあまり良くありません。
放射点が高くなる13日の深夜から未明頃、月に背を向けて広い範囲の空を眺めれば、流星を見つけやいでしょう。この時期には土星、海王星、木星、金星も昇るので、合わせて惑星観測も楽しめます。
10月りゅう座流星群(旧ジャコビニ流星群)
見頃は2025年10月6日(月)~10日(金)

10月りゅう座流星群は、以前は母彗星のジャコビニ・ツィナー彗星にちなんでジャコビニ流星群と呼ばれていましたが、2009年に現在の名称に変わりました。
およそ13年周期で活動が活発になる傾向にありますが、2025年の大出現は予測されておらず、1時間に数個程度のゆっくりとした流星が観測できるでしょう。

観測のしやすさ ★☆☆
2025年10月6日(月)~10日(金)に活動が活発になり、10月9日(木)4時頃がピークです。満月を過ぎた明るい月の影響で、観測条件はあまり良くありません。放射点が高い8日(水)の夜から9日の深夜にかけ、月を背にして広い範囲の夜空を眺めるのがおすすめです。
オリオン座流星群
見頃は2025年10月2日(木)~11月7日(金)

オリオン座流星群は、みずがめ座η流星群と同様にハレー彗星を母彗星とする流星群です。明るくて速度も速く、流星痕が見られるのが特徴です。
2025年は天気が良ければ1時間に15~20個ぐらいの流星が観測できそう。冬の大三角形や木星、土星なども見られるので、ぜひ一緒に観測してみてください。

観測のしやすさ ★★★
ピークの予測は2025年10月21日(火)21時頃。この時間帯は、放射点の位置は低いですが月明りの影響がなく観測条件は良好です。また、ピークの前後1~2日は流星の出現数がほとんど変わらないので、20日夜から21日の明け方、また22日夜から23日明け方も観測のチャンスです。
おうし座流星群
見頃は2025年9月20日(土)~11月20日(木)※南流星群、10月20日(月)~12月10日(水)※北流星群


おうし座流星群は、同じおうし座の中に活動時期が異なる南北の放射点を持つ流星群です。南流星群は9月中旬~11月下旬に、北流星群は10月下旬~12月上旬に活発になります。
それぞれピークはありますが、他の流星群と異なり大きな観測数の変動はなく、長い期間にわたって1時間に数個ほどの流星を見ることができます。


観測のしやすさ ★☆☆(南群)/★★☆(北群)
南流星群のピークは11月5日(水)~6日(木)頃。満月(スーパームーン)が放射点の近くを移動するため、観測条件はあまり良くありません。
北流星群のピークは11月12日(水)~13日(木)頃。12日23時頃には下弦の月が昇りますが、影響は限定的。12日21時~月が昇るまでの間、または13日0時~深夜が観測のチャンス。1時間に数個程度の流れ星が観測できそうです。
しし座流星群
見頃は2025年11月6日(木)~30日(日)

しし座流星群は、普段は1時間に数個~数十個ほどの彗星が見られる流星群ですが、年により1時間に数千個を超える流星雨(流星嵐)が見られることでも有名です。
古くから大出現の記録が残っており、日本でも2001年の大出現が話題になりました。2025年は1時間に15~20個程度の観測数が予測されています。

観測条件★★★
ピークは11月18日(火)の3時頃。放射点の位置も高く、新月前の細い月が昇りますが月明りの影響もないため観測条件としてはベストです。明るく速い流れ星が放射点を中心に飛び出すように流れて見えます。小規模な流星雨が見られる可能性もあるので、ぜひ観測にチャレンジしてください。
ふたご座流星群
見頃は2025年12月4日(木)~17日(水)

ふたご座流星群は、しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群とならぶ3大流星群のひとつです。天頂から降ってくるように星が流れるのが特徴で、2025年は条件次第で1時間に30~40個の流星が四方八方に降り注ぐ様子が観測できるかもしれません。

観測のしやすさ ★★☆
ピークは2025年12月14日(日)の17時頃。放射点はまだ低いですが、月明りの影響がなく観測には適した条件です。ピークは過ぎていますが放射点が高く昇る14日22時~15日2時頃が最大のチャンスです。月が昇ったあとは、月を背に空全体を広く見渡して観測しましょう。
こぐま座流星群
見頃は2025年12月17日(水)~26日(金)

12月下旬ごろに活発になるこぐま座流星群は、一年を締めくくる流星群のひとつです。放射点が北極星の近くにあるため一晩中見ることができます。比較的観測しやすいですが出現数は多くありません。条件がよければ、ゆっくり進む流れ星が1時間に5~10個程度観測できるでしょう。

観測のしやすさ ★★★
2025年12月23日(火)1時頃がピークです。新月過ぎの細い月が昇りますが、18時頃には沈んでしまうので月明りの影響はありません。北の空に放射点が一晩中昇っていますが、放射点が高くなる深夜が最も観測のチャンス。街灯りのない開けた場所で、空全体を広く眺めるように観測してみてください。
まとめ
1年を通じて見ることができる流星群がこんなにもあるのですね。観測条件によってはかなり多くの流星が夜空に輝く流星群もあるので、ぜひトライしてみて。寒い季節は防寒対策も忘れずにおでかけください。
※いずれの流星群もピークの時期は前後する場合があります。
※流星の出現数は、観測条件により増減します。
※この記事は2024年12月10日時点での情報です。掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
ミョウガヤ ノブヒサ
全国各地で豊富な取材経験をもつ旅ライター&広告ディレクター。現在は三重県尾鷲市で地域おこし協力隊と二足のわらじで奮闘中。趣味は合気道(三段)と日本酒(唎酒師)。