香水やアロマなど、香りへの関心が高まっていることをご存知ですか。「香りを楽しむのは好きだけど、なかなか自分にあう香りに巡り合えない」「香りの楽しみ方について、もっと知りたい」と思っている人におすすめしたいのが香りの博物館やアロマ施設です。多くの香りと巡り合える場所でお気に入りを探したり、自分だけのオリジナルを調合したりするのもいいですね。ぜひ暮らしに香りを取り入れて、豊かな時を演出してください。
【北海道】ナチュの森
アロマミストづくり体験で自分だけの香りを見つける

「ナチュの森」は、工場と庭園が一体となった“キレイ”をつくる空間です。敏感肌向け製品をつくる「ナチュラルサイエンス」と、北海道の自然をスキンケアアイテムにする「ナチュラルアイランド」の工場である「ナチュラルファクトリー北海道」、みんなでゆったりと遊べる「ナチュラルガーデン」、原料や研究のためのハーブを有機栽培する「ナチュラルファーム」、“自然と科学”をテーマにしたミュージアム「森の工舎」の4つのエリアで構成されており、香りの体験ができるのは旧校舎をリノベーションした「森の工舎」です。

「森の工舎」の「香りのラボ」には、香りのブレンド過程を学ぶ展示のほか、製品に使われている精油の香りを体験し、その原料について知れるコーナーが設けられています。
2階の小学生以上が利用できる「森の図書室」には、自然の恵みと豊かな暮らしの発見をテーマに選書された本が約3000冊、「香りの図書室」には、香りや臭い、その歴史、文化についての本が約1500冊あり、無料で閲覧可能。知的好奇心を満たしながら、ゆったりとした時間を過ごせます。

「森の工舎」では、「ハーバリウム」(1600円)「レジンアクセサリー」(850円)など様々なワークショップを予約なしで体験できます。香りに関する体験でおすすめなのは「PERFUME DESIGN(パフュームデザイン)」。天然アロマと季節限定のアロマ、計10種の中から好きな香りを調合し、世界に一つだけのアロマミストをつくれます。
「蒸留ショップ」では、フレグランスデザイナーが香りをデザインした「森の工舎」限定の「アロマキャンドル」(22g1540円、80g2200円)を販売。香りは、和ハッカとユーカリ、ラベンダーとオレンジ、モミとヒノキ、キンモクセイとカレンデュラの4種類です。自分好みの香りを自宅で楽しむのもいいですね。
北海道白老郡白老町虎杖浜393-12
10時〜17時※森の工舎10時〜16時
水・木(祝日の場合は営業)
入館無料
登別駅よりタクシーで8分(金・土・日・祝・祝前日は無料循環バス運行)/道央道登別東ICより8分
150台(無料)
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【東京都】AEAJ Green Terrace
都心の“森”でアロマの可能性を知る

「AEAJ Green Terrace」は、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が運営するアロマの魅力を五感で体感できる施設です。コンセプトは“神宮前の小さな森”。国産ヒノキを積み上げた構造が印象的な空間で、季節に合わせた様々なワークショップをはじめ、アロマラボラトリー、アロマコリドー、アロマライブラリーといったコンテンツを通じて、植物の恵みである精油が持つ力と可能性を発信しています。

「アロマコリドー」には、精油の原料植物となる香りのある植物をはじめ、花や果実のある植物など、四季折々に楽しめる植物を約1500本植栽。アロマコリドーを通り館内へ入ると、樹木の香りと木漏れ日のような優しい光の中で、都会にいながら“森”を感じられる空間になっています。

世界各国から集めた約250種類の精油の香りを試せるのが「アロマラボラトリー」です。アロマテラピー検定の対象となっている精油30種など、一部の香りはムエット(試香紙)で持ち帰れるため、家に帰ってからも楽しめますよ。
ワークショップは「『不思議の国のアリス』のハンドクリーム作り(2150円※/2025年2月の毎週木曜開催)」、「Aroma Bar~名画から広がる香りの世界~(4460円※/2025年2月の毎週金・土曜、3月の毎週土曜開催)」ほか、時期により内容やテーマ、開催曜日が変わり、事前予約が必要です。詳細はAEAJグリーンテラス特設サイトで確認し、予約しましょう。※AEAJ会員や18歳未満は金額が変わります。

館内では、多彩なAEAJオリジナルアイテムを購入できます。香り豊かなボタニカルティーもおすすめで、ローズヒップやレモングラス、マリーゴールドといった9種のハーブをブレンドし甘酸っぱく飲みやすくした「AEAJオリジナルボタニカルティー」。ボカニカルティーを飲むのに最適な2重ガラス構造のおしゃれなボトル「AEAJオリジナルボトル」(1650円)もあります。
東京都渋谷区神宮前6-34-24
13時〜18時
日・月、祝
入館料18歳以上500円※AEAJオリジナルボタニカルティー付き
原宿駅より徒歩7分/明治神宮前駅より徒歩3分/首都高渋谷出口より8分
なし
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【静岡県】磐田市香りの博物館
コンピュータ診断で好みの香りを調合できる

静岡県の豊田香りの公園に隣接する“香り”をテーマとした博物館です。世界の香水瓶や日本の香道に使う道具類など、香りに関する美術工芸品も展示されています。

コンピュータ診断で自分にあった香りを知れるのは「香りの体験コーナー」。まず13種類から好きな香りを一つを選択し、オリジナルのパソコンソフトに、好みのファッションや髪型などを入力すると、プリンターから「マイフレグランス」のレシピ(無料)が出力されます。「基本調香体験」では、レシピをもとに自分で調香した「マイフレグランス」を持ち帰れますよ。

2階の企画展示室では、香水瓶や現代作家の香炉といった様々な美術工芸品コレクションの展示や季節ごとの企画展(別料金)を開催。
ミュージアムショップには、パリ在住の調香師・新間美也氏が磐田市内の天然記念物「熊野(ゆや)の⾧藤」をイメージして調香したオリジナル香水「藤かほり」(15mL2970円)など、香りにまつわるグッズが販売されているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
静岡県磐田市立野2019-15
9時30分〜17時30分(最終入館17時)
月(祝日の場合は翌日)
入館料18歳以上310円、学生(高校生以上)200円、小・中学生100円※企画展の内容により料金変更あり
豊田駅より徒歩5分/東名高速浜松ICまたは磐田ICより20分、東名高速遠州豊田スマートICより15分、新東名高速新磐田スマートICより20分、磐田バイパス森岡ICより5分
第1駐車場14台(無料)、第2駐車場35台(無料)
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【京都府】松栄堂 薫習館
日本の香り文化を知る、学ぶ、楽しむ

創業300年を超えるお香の製造・販売専門店「松栄堂」が運営する、香りとの出会いの場となるように設けられた香りの小さなミュージアム「松栄堂 薫習館」。館内に入ると、1階にはいろいろな香りに触れられる展示スペース「Koh-labo 香りのさんぽ」があります。

「Koh-labo 香りのさんぽ」には、お香の製造工程を再現したミニチュアや、シリコンボトルで様々な香りを楽しめるコーナーなど、8つの展示が用意されています。中でも天井から吊り下がる3つの白い箱「かおりBOX」。各BOXが異なる香りで満たされており、 頭から大胆に入ることでそれぞれの香りに包まれますよ。

熱帯多雨林の画像で彩られた壁面の前に設置されているのは、お香の原材料が入った「香りの柱」です。白いラッパに鼻を近づけて手元のポンプを押すと、原材料それぞれの香りを体験できるので、好みの香りを探してみるのもいいですね。

お土産におすすめなのが「薫(くん)ガチャ」です。「匂い袋」と「スティックタイプのお香」の2機で、匂い袋の香りは3種類、スティックタイプは6種類。どんな香りや柄が出るかは、ガチャを回してのお楽しみです。
隣接する「松栄堂 京都本店」では、白檀のすっきりとして甘みある香りが特徴の「芳輪 白川」(スティック20本880円)や、様々なタイプの匂い袋を購入できます。
京都府京都市中京区烏丸通二条上ル東側
10時〜17時(京都本店は9時〜18時)
不定
入館無料
丸太町駅より徒歩3分/名神高速京都南ICより30分
4台(無料)
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【大分県】大分香りの博物館
香りの歴史や効能、調香まで多角的に学べる

大分県・別府温泉近くの“香り”をテーマにした博物館です。1階は膨大な量の香水コレクションを一堂に展示する「香りのプロダクトギャラリー」、2階は香りのサイエンスやアロマテラピーなど医学薬学の研究、古代エジプトからアールヌーボー・アールデコ時代の香りの歴史について紹介する「香りのヒストリーギャラリー」を展開。3階は「調香体験工房」を含む体験コーナーです。

紀元前の香油瓶や中世の水蒸気蒸留器、アールヌーヴォー・デコ時代の香水瓶、世界中の有名な香水、香炉が展示されているのが「香りのプロダクトギャラリー」。香りを楽しみつつ歴史的に貴重な資料を鑑賞できるようになっています。

「調香体験」は、16種類の香りの中から好きな香りを数種選び、インストラクターの指導のもと、自分で調合して世界に一つだけのオリジナル香水が作れるのが魅力です。所要時間は約50分。ボトルとラベルも好きなものを選べるのが嬉しいですね。
「匂い袋づくり体験」(2500円/要予約)では、白檀や丁子など8種類の天然香料を混ぜ合わせ、匂い袋と文香(ふみこう)が完成します。和の香りに心癒されつつ、約40分でオリジナル匂い袋の完成です。

館内のハーブガーデンにはアルカリ性単純温泉の「足湯」があり、香りのよいハーブに囲まれ、癒やしの時が過ごせるでしょう。
1階にはミュージアムショップとイタリアンカフェも併設。ミュージアムショップでは、大分県特産カボスの精油を配合した、みずみずしく爽やかな香りの「ハッピーウインド オードトワレ」(30mL3410円)や、大分県産カボスオイルと別府鉄輪温泉の「美美温泉水」を配合した日焼け止め「大分香りのUVジェル」(200g2420円)など、博物館オリジナル商品が購入できます。
大分県別府市北石垣48-1
10時〜18時(最終入館17時30分)
第3木、12月31日~1月3日※変更の場合あり。公式HPで要確認
入館料18歳以上700円、高校生・大学生500円、小・中学生300円
別府大学駅より徒歩10分/東日本道別府ICより7分
26台(無料)
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まとめ
古代から人々のそばにあり、様々な場面で活用されてきた香り。その起源や種類、役割を知れば、毎日の暮らしがより豊かになりそうですね。今度の休日は、好みの香りを探しに出かけませんか。
※この記事は2025年2月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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中林 貴美子
旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。