長崎県・雲仙温泉は、標高約700mの山あいに広がる温泉地です。到着してまず驚くのが、あたりに漂う硫黄の香り。火山性の噴気が噴き出す雲仙地獄を歩くと、足元から大地の熱やエネルギーが伝わってくるようで、これから温泉旅が始まるという気分が高まります。
今回ご紹介するのは、そんな雲仙地獄のすぐ隣に立つ星野リゾートの温泉旅館「界 雲仙」。雲仙地獄からの温泉を活用した入浴法や、長崎ならではの「和華蘭(日本・中国・オランダ)」の文化を取り入れた空間など、ここならではの滞在が楽しめる宿です。
今回は、実際に「界 雲仙」に泊まりながら、館内で体験できる異国情緒、雲仙地獄の迫力、温泉の入り方、食事や客室での過ごし方まで、現地での様子をレポートします。
●チェックインから始まる、「界 雲仙」ならではのおもてなし
・開放感あふれる「ロビー」と「トラベルライブラリー」
・ご当地文化を感じる「和華蘭ラウンジ」
・旅の思い出になる「ショップ」
●雲仙の文化に触れる無料のアクティビティ
・温泉文化いろはと朝の体操
・「雲仙地獄パワーウォーク」で大地のエネルギーを体感
・旅の記念になるご当地楽「活版印刷体験」
●温泉と客室で過ごす癒やしの時間
・くつろぎの客室と「蒸し生姜湯」のおもてなし
・「湯小屋」から続く大浴場で名湯を満喫
●長崎らしさを味わう食事
・土地の恵みが満載の「夕食」
・一日の始まりを彩る「あさごはん」
●「界 雲仙」と一緒に巡りたい周辺スポット
・迫力満点の「大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)」
・「雲仙地獄工房」で温泉たまごとご当地サイダーを味わう
・湯の里温泉共同浴場「だんきゅう風呂」
●アクセス|長崎市内の観光とあわせて訪れたい観光地
・長崎空港・長崎駅からのアクセス
・長崎観光と組み合わせるモデルコース
チェックインから始まる、「界 雲仙」ならではのおもてなし
開放感あふれる「ロビー」と「トラベルライブラリー」


玄関をくぐると、ロビーは高い天井の開放的な空間。正面は全面ガラス張りで、池の向こうに雲仙地獄の一つ、八万地獄を望むことができます。見上げると天井から下がっているのは、「和華蘭(わからん)」の伝統柄が描かれた和紙のランプ。チェックインカウンターの周辺には湯けむりをモチーフにした装飾が施されており、雲仙地獄の力強い景色と長崎らしい異国情緒のあるしつらえが重なって、これから始まる滞在への期待が高まる空間です。

ロビーの奥には「トラベルライブラリー」。長崎の歴史や文化、自然、工芸にまつわる本やこの地に伝わる物語の本を揃え、美味しいコーヒーを飲みながら寛ぐことができます。ここにも長崎で400年を超える歴史を持つ「波佐見焼」や藍染めの「島原木綿」など、長崎の伝統工芸が装飾に使われているんですよ。
ご当地文化を感じる「和華蘭ラウンジ」


夜になると「トラベルライブラリー」は「和華蘭ラウンジ」へと様変わり。世界文化遺産の一つ「大浦天主堂」の修復過程で生まれたガラスの端材を活用した万華鏡の移ろいゆくきらめきが、幻想的な空間を演出します。ラウンジでは色とりどりのゼリーとジントニックを合わせた「ステンドグラスカクテル」も楽しめます。グラスを光にかざすと、ゼリーと気泡がきらきらと揺れ、まるでステンドグラスのかけらを眺めているようでした。
旅の思い出になる「ショップ」


ショップには、「界 雲仙」オリジナルパッケージの福砂屋のカステラ「フクサヤキューブ5個入り」(2200円)、藤田チェリー豆総本舗のそら豆菓子「黒蜜 きなこ」(450円)など、旅の記念になるお土産が揃っています。長崎特産のびわを使ったお土産もおすすめです。
雲仙の文化に触れる無料のアクティビティ
温泉文化いろはと朝の体操

「温泉文化いろは」では、界の湯守りが、雲仙温泉の歴史や温泉の泉質、正しい入浴法などを解説してくれます。この日は「トラベルライブラリー」で、地元イラストレーターの描いたタペストリーの前で解説。昔は温泉と書いて「うんぜん」と読んでいた、標高の高い雲仙は避暑地として外国人に人気だったなど、興味深い話を聞くことができました。ひとつひとつの話を聞いていると、目の前の湯けむりや硫黄の香りが、ただの温泉地の風景ではなく、長い歴史の中で育まれてきたものに感じられます。天気が良ければ、すぐ隣の雲仙地獄を歩きながら解説してくれるそうです。

星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」は、日本各地の温泉地に30施設の宿の展開をめざしており、現代のゲストが心底心地よいと感じる「至福の体験」として「30の温泉宿、30の温泉文化」を掲げています。
毎朝開催している「朝の体操」はその一環で、「界 雲仙」の場合は、「雲仙地獄の鬼体操」。第1部は呼吸法やストレッチ、第2部は鬼の目覚めからウォーキング、祭りまでをユニークな体操にしています。全身を無理なく気持ちよく動かせるので、体をシャキッと目覚めさせるのに最適です。
「雲仙地獄パワーウォーク」で大地のエネルギーを体感

雲仙地獄を通常より速いペースのパワーウォーキングで巡りながら約90分、ストレッチやエクササイズを行う「雲仙地獄パワーウォーク(要予約/雨天中止)」もおすすめです。朝の雲仙は山の空気でひんやりとしているのに、地獄に近づくと白い噴気が立ちのぼり、足元からじんわりと熱気が伝わってきます。冷たい空気と地獄の熱気が同時に感じられるのは、この地ならでは。体を動かすうちに少しずつ目が覚めていき、歩いた後の朝食もより美味しく感じられそうです。
旅の記念になるご当地楽「活版印刷体験」



活版印刷はじまりの地とされる長崎。無料で体験できるご当地楽「活版印刷〜凹凸の魅力〜」(当日予約制)では、戦国時代に「天正遣欧使節」が長崎に持ち帰ったことから始まる日本の活版印刷の歴史を学び、文字を組み、昭和40年代まで使われていた機械でハガキを印刷するまでを体験。体験では、好きな文字を選んで組み合わせられるのも楽しいポイント。旅先で感じたことや、雲仙での思い出を短い言葉にして刷れば、自分だけの旅の記念になります。印刷機のレバーを押すときは意外と力が必要で、紙に文字が写るまで少しドキドキ。そっと紙をめくり、凹凸のある印刷面が現れた瞬間は、思わず誰かに見せたくなるうれしさがありました。
温泉と客室で過ごす癒やしの時間
くつろぎの客室と「蒸し生姜湯」のおもてなし


客室はすべて「和華蘭の間」。扉を開けると、やわらかく灯る和紙のランプや波佐見焼の器がさりげなく置かれた、落ち着きのある空間が広がります。室内で目を引くのが、赤・黄・青を使った色鮮やかなステンドグラス風のパーテーション。鮮やかな色彩は華やかな中国文化を、光を受けてきらめくガラスの表情は蘭=オランダ文化を思わせます。和の静かな空間に重なる華と蘭の要素は、まるで部屋にいながら長崎の歴史を旅しているようです。


「客室付き露天風呂」は、露天風呂とともに、湯上がりに濡れたまま寛ぐことができる湯上がりチェアを備えた「湯上がりスペース」がある客室です。「露天風呂付き客室」ではなく「客室付き露天風呂」としたのは、滞在を通して雲仙温泉の湯浴みをたっぷり堪能して欲しいからだそう。
夜は、客室に用意されている「蒸し生姜湯」でひと息。黒酢や黒糖が入ったまろやかな味わいで、湯上がりの体にじんわり染みます。温泉でゆるんだ体を、雲のような寝心地を目指したベッド「ふわもくスリープ」に預ける時間まで含めて、客室での湯浴み体験として楽しめます。
「湯小屋」から続く大浴場で名湯を満喫



別棟の湯小屋はすぐ隣が雲仙地獄。湯小屋へ続く道でも、立ちこめる噴気や硫黄の香りに癒やされます。内湯で印象的なのは、窓に施されたステンドグラス。朝日が差し込む時間帯には、赤や青、黄色の光が湯船に映り込み、湯面がやわらかく色づきます。温泉に浸かりながら光の移ろいを眺められるのは、朝風呂ならではの楽しみです。
露天風呂は野趣あふれる岩風呂で、雲仙地獄の湯けむりを眺めながらゆったり入浴でき、夜には満天の星の下でじんわりと温まれるでしょう。
大きな窓が開放的な湯上がり処には、びわ酢と橙ほうじ茶の湯上がりドリンクが用意されているので、ひと休みするのにおすすめです。
長崎らしさを味わう食事
土地の恵みが満載の「夕食」



食事をいただくのは、パーテーションなどで「和華蘭」を表現したプライベート感のある半個室の食事処です。夕食は「あご出汁しゃぶしゃぶ会席」。先付の「鬼やらい 湯せんぺい 豚角煮のリエット」は、鬼のイラストをのせた湯せんぺいを木槌で叩くと、中から長崎の卓袱料理に欠かせない豚角煮のリエット仕立てが現れます。遊び心のある演出で、割れた瞬間は「おおーっ」と盛り上がる一品です。「木ノ子の紅葉和え」「焼き目栗と牛蒡の松風」など季節感を大切にした料理を卓袱料理のように盛り付けた八寸、お造りなどが、食べ進むごとにタイミング良く運ばれてきます。

メインの「台の物」は、上品な旨みのあご出汁でいただく豚とフグのしゃぶしゃぶ。途中で柚子の香りと砂糖の甘さがアクセントになる「ゆべし」を加えて味変も可能です。〆にのど越しのいい長崎の「五島うどん」を入れれば、出汁の旨みを最後までしっかり堪能できるのが嬉しいですね。デザートも長崎県島原市に伝わる伝統的な白玉スイーツと特産のびわを組み合わせた「枇杷のかんざらし」。先付からデザートまで長崎の美味が満喫できます。
一日の始まりを彩る「あさごはん」

「界 雲仙」では、朝食も地域色の感じられる「あさごはん」が食べられます。島原納豆味噌、豚の角煮、サバみりん干しの焼き魚、長崎みかんジュースなど彩り豊かなおかずのメインは長崎県島原地方の郷土料理「具雑煮」です。あご出汁に餅、かまぼこ、穴子などたっぷりの具が入った「具雑煮」は食べ応え満点。一日の活力が養えますよ。
「界 雲仙」と一緒に巡りたい周辺スポット
迫力満点の「大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)」

「界 雲仙」のすぐ隣に広がる「雲仙地獄」。宿から遊歩道を使った散策で、一周約30分の地獄めぐりが楽しめます。その中で最も噴気が活発で、高さ30〜40mにもなる白い噴気が見られるのが「大叫喚地獄」です。噴出する熱水は約100度。見学用ステージが設置されているので、ダイナミックな風景と噴気の写真撮影に最適です。
「雲仙地獄工房」で温泉たまごとご当地サイダーを味わう


雲仙地獄めぐりの途中にある「雲仙地獄工房」では、雲仙地獄の噴気で蒸した「温泉たまご」が味わえます。「1個食べたら、1年長生き。2個食べたら2年長生き。3個食べたら死ぬまで長生き」と伝わるたまごは、固ゆでと半熟の間くらいの絶妙な蒸し具合で、ほんのり硫黄の香り。持ち帰り用のパッケージ入りもあります。
雲仙が外国人の避暑地として栄えていた頃、当時湧き出していた炭酸水と砂糖を混ぜ合わせたレモネードが親しまれていました。その味を復刻させたのが「雲仙レモネード」です。
雲仙地獄めぐりの途中には無料の「足湯広場」もあるので、休憩しながらたまごとサイダーを味わうのもいいですね。
湯の里温泉共同浴場「だんきゅう風呂」

雲仙の温泉街散策でぜひ立ち寄りたいのが「湯の里温泉共同浴場 だんきゅう風呂」です。「だんきゅう」とはらっきょうのことで、かつてはらっきょう漬けの樽を湯船にしていたことからその名前で呼ばれているそう。今は樽の湯船ではありませんが、浴槽はその名残を感じさせる楕円形で深さのある造り。地元の方の利用も多く、脱衣所や湯船であいさつを交わしながら和やかな時を過ごすことができました。宿の湯とはまた違う、雲仙温泉の日常に触れられる場所です。
アクセス|長崎市内の観光とあわせて訪れたい観光地
長崎空港・長崎駅からのアクセス
長崎空港やJR諫早駅より「界 雲仙」に直接向かうなら、有料送迎バスの利用が便利です。
(長崎空港発は1時間40分1800円、JR諫早駅発は約50分1000円)
車利用の場合/長崎空港より約1時間30分、JR長崎駅より1時間、長崎道諫早ICより1時間
電車利用の場合/博多駅~諫早駅は特急リレーかもめ 武雄温泉経由で約1時間30分、長崎駅~諫早駅は西九州新幹線で約10分、在来線で約30分
高速バス利用の場合/福岡~諫早は約2時間30分
長崎観光と組み合わせるモデルコース
| start |
JR長崎駅 車で7分 |
|---|---|
| SPOT.01 |
グラバー園
![]() グラバー園は、江戸時代に開港都市となった長崎の旧・外国人居留地。旧グラバー住宅など3棟の国指定重要文化財と長崎市内に点在していた貴重な伝統的建造物が移築復元しています。 徒歩2分 |
| SPOT.02 |
徒歩大浦天主堂
![]() 外国人居留地に住む信徒のために建てられた中世ヨーロッパ建築を代表するゴシック調の教会。聖堂内を飾るステンドグラスの中には、約100年前のものも残っています。2018年にユネスコの世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつです。 車で18分 |
| SPOT.03 |
稲佐山山頂展望台
![]() 標高333mの稲佐山山頂にある展望台で、360度のパノラマで長崎市街を見渡すことができます。天気の良い日なら、雲仙、天草、五島列島までも見渡せるビュースポット。夜景の名所としても知られています。 車で約1時間10分 |
| 界 雲仙 |
※この記事は2026年9月20日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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