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2026.11.02

【プロが解説】秋に乗りたい「黒部峡谷トロッコ電車」!紅葉やスイーツを楽しめる観光列車の情報も<2026>

秋の観光列車といえば、紅葉やグルメなど魅力が満載。そこで今回は、観光列車好きの鉄道ライターが「秋におすすめの観光列車」を紹介します。まず注目してほしいのは、体験レポートで紹介する黒部峡谷鉄道。こちらは紅葉シーズンを控えた2026年10月に待ち望まれた全線運行を再開しました!ほか、紅葉絶景や秋からスタートする新グルメ・スイーツが楽しめる列車の情報もあるので、ぜひ秋のお出かけの参考にしてください。

記事を書いた鉄道マニアを紹介♪

鉄道ライターの梶本愛貴
長野県出身。おもに旅や鉄道に関する記事を書いています。 旅はぼーっとするのが好き、列車は乗るのが好き、温泉は万座や草津など強めの湯が好きです。悩みは旅行でも取材でも、気が抜けている帰路にあっさりと乗り換えを間違えることです。旅や列車の面白さをお伝えしていきます。

この秋乗車したいおすすめの列車は?

約2年10カ月ぶりの「全線開通」!黒部峡谷トロッコ電車

黒部峡谷トロッコ電車
約2年10カ月ぶりに終点の欅平駅まで開通!(画像提供:黒部峡谷鉄道)

この秋、鉄道ライターとして注目したいのは、2026年10月1日より全線開通した「黒部峡谷トロッコ電車」。

2024年の能登半島地震の影響で、2026年9月まで路線全体の5分の3ほどにあたる猫又駅までの折り返し運転となっていましたが、約2年10カ月ぶりに全線開通。宇奈月~終点・欅平までの20.1km、標高差約375mで運行再開しました。

例年紅葉の見頃は10月下旬~11月中旬頃。今回は特に人気が高い紅葉シーズンを迎える黒部峡谷鉄道のトロッコ電車の魅力をご紹介します。

その前に……黒部峡谷トロッコ電車を解説!

体験レポートの前に、「黒部峡谷トロッコ電車」がどんな列車か説明をさせてください!

まず、黒部峡谷は長野県・岐阜県・富山県・新潟県の4県にまたがる飛騨山脈を中心とした中部山岳国立公園に位置。長さ約86km、標高差約3000mを流れ下る黒部川が長い年月をかけて造り上げたダイナミックなV字峡谷で、その深さから日本三大峡谷のひとつに数えられています。

そしてこの深く険しいV字峡の連なりを縫うように続くのが黒部峡谷鉄道です。その歴史は1923年に軌道敷設工事着工、黒部川の豊富な水量を活かした水力発電の構想とともにスタートしました。もとは資材運搬用の軌道でしたがその風景の美しさから1953年に一般向けの運行を開始。現在は“黒部峡谷トロッコ電車”の愛称で親しまれています。

乗車体験スタート!「黒部峡谷トロッコ電車」のリアルな情報をお届け

出発までの時間でわくわくと期待が膨らむ

黒部峡谷トロッコ電車
9月の長雨の宇奈月駅

秋の長雨が続く9月の黒部峡谷鉄道。前日は、宇奈月駅のすぐ近くにある宿に宿泊しました。宇奈月温泉の駅周辺はこぢんまりとした温泉街になっており、夕方遅めの時間から散策しても楽しめます。当日は、始発列車に乗るため宇奈月駅を7時30分過ぎに訪れたところ、悪天を感じさせない賑わいです。朝早い時間にもかかわらず、団体客や個人客が列を作って改札が開くのを待っています。

黒部峡谷トロッコ電車
駅前広場のトロッコ電車模型。雨でいっそう色鮮やか

黒部峡谷鉄道は繁忙期も当日乗車券を販売しているため、それを目当てにする乗客もいる様子。また、1編成が客車13両と長く、1日に数往復しているため、当日でもチャンスあり。予約がいっぱいの日は当日券を狙うのがおすすめです!

平均時速16kmとゆっくり進む黒部峡谷トロッコ電車は、窓なしの普通客車、窓付きリラックス客車があり、予約時・購入時にどちらか選べます。オレンジ色の電気機関車2台に引かれる客車は、小ぶりで愛らしく、アトラクションのようでテンションが上がります。

ここで線路幅に注目してみてください。黒部峡谷鉄道の路線は急勾配や急カーブが多い峡谷沿いに敷設されるため、日本では珍しい線路幅762mmのナローゲージです。新幹線の線路幅の約半分くらいを思い浮かべてもらうとわかりやすいかもしれません。車両の小ささ、可愛らしさはこんなところから生まれています。

黒部峡谷トロッコ電車
ホーム向かいに入線した列車の電気機関車
黒部峡谷トロッコ電車
普通客車のベンチは1列4名定員。この日は雨のためか、かなり空きがあり。奥はリラックス客車

普通客車は、屋根はあるものの車両左右の壁がなく、車内と車外を隔てるのは鎖のみです。開放感あふれる峡谷の風景はもちろん、峡谷を吹き抜ける風、カーブで車輪とレールが軋む音、トンネルの空気が直に味わえるとあって臨場感たっぷり!

雨合羽などの雨具を用意する必要がありますが、峡谷のダイナミックさを味わうなら、雨天でも乗車する価値大です。一方で、雨や寒さを避けたい人、背もたれ付きの席でゆったりと旅したい人は1回の乗車ごとにプラス600円で乗車できるリラックス客車がおすすめです。リラックス車両も小さく可愛らしく、乗らずとも一見の価値ありです。

ここに注目!
ちなみに……宇奈月から欅平へ向かう往路の列車は進行方向の右側が黒部川側、復路の列車は進行方向左側が川側です。乗車する車両は決まっているものの席は自由席なので、景色のよい席を狙うなら改札前に並んでおくのがおすすめです。

いよいよ出発!すぐに絶景スポットがお出迎え

駅員さんたちの「いってらっしゃ~い!」の声に見送られて宇奈月駅を出発します。

黒部峡谷トロッコ電車
「山彦橋」から見上げる「新山彦橋」
黒部峡谷トロッコ電車
晴れた紅葉の日はこの美しさ!「新山彦橋」(画像提供:黒部峡谷鉄道)

乗車してすぐ、沿線の橋のなかで最も長い「新山彦橋(しんやまびこばし)」を通過します。長さ約166m、高さ約40mの真っ赤な鉄橋は、視界いっぱいに峡谷の風景が広がる最初の絶景ポイントです。列車の走行音が山彦となって温泉街に聞こえることからこの名称になったそう。進行方向左側には、歩行者専用の赤い「山彦橋」が架かり、しばしお互いに手を振り合います。

黒部峡谷トロッコ電車
この日のうなづき湖と赤い湖面橋
黒部峡谷トロッコ電車
晴れた日の湖面はエメラルドグリーン!(画像提供:黒部峡谷鉄道)

続いて見えるのは、うなづき湖とこちらも赤い湖面橋。晴れた日はエメラルドグリーンの輝きで知られる湖水は、本日は雨のせいで灰色がかった重いグリーンに染まっています。それでも長雨のなかにあって緑がしっかりと感じられることには驚きました。紅葉時期の山肌とのコントラストは見ものです。

黒部峡谷トロッコ電車
長雨に負けず、緑濃い湖面
黒部峡谷トロッコ電車
ヨーロッパの古城をイメージして造られた新柳河原発電所

雨の日は、山肌から雲が湧き出し、しっとりと濡れた山の樹木や石垣が色の濃さを増していて、晴れた日とは異なる趣があります。湖のほとりに立つ新柳河原発電所も、雨に濡れた情景のなかではヨーロッパの古城そのものです。

黒部峡谷トロッコ電車
緑の濃さが雨で際立つ

急峻な峡谷を走っているため、トンネルの数は全線で41とかなり多く、ひとつひとつのトンネルの長さは短いので、見どころと見どころの間にトンネルがあるのもこの路線の特徴です。車両のすぐ近くに迫る壁、側面の開口部からのぞく風景の鮮やかさはトンネルならではの光景です。

鉄道ライターのこぼれ話
余談ですが、黒部峡谷鉄道は発電施設の保守や管理のために専用列車を運行しており、観光客は乗降不可の駅がいくつもあります。新柳河原発電所の最寄り駅である柳橋駅もそのひとつ。乗車中は、時刻表にはない、関係者のみが乗車している列車と何度かすれ違います。人はもちろん、この小さなトロッコ電車でダム建設に必要な重機も運ぶのだそう。大きな重機はそのままでは載せられないため、いったん解体して、現地でもとに戻すこともあるのだそう。びっくりですね!

山間に流れる滝は雨天に際立つ見どころ

黒部峡谷トロッコ電車
対岸に見える滝が雨で水量を増している

湖の対岸にある日帰り温泉施設「とちの湯」、サル専用の吊り橋、赤い頭巾をかぶった仏石といった見どころの合間に、高さのある滝がいくつも見られます。雨天時は水量が増すため、滝がよりくっきりと見えます。

黒部峡谷トロッコ電車
ダム建設後も対岸に渡れるように造られたサル専用の吊り橋。運がよければサルがわたっている姿を見ることができるかも
黒部峡谷トロッコ電車
沿線の見どころはアナウンスや線路脇の看板でわかりやすく案内してくれる
黒部峡谷トロッコ電車
自然の岩石が仏の姿に似ている「仏石」は、赤い頭巾が目印。小さいので見逃さずに!
黒部峡谷トロッコ電車
進むにつれてますます勢いを増す自然

雨天ならではの光景と緑の深さが相まって見どころといえます。

森石駅を抜けると中部山岳国立公園へ

黒部峡谷トロッコ電車
黒部川とその支流の合流地点を通過

通過駅である森石駅を抜けると、列車は中部山岳国立公園内に入ります。長野県、岐阜県、富山県、新潟県にまたがる飛騨山脈(北アルプス)を中心とした日本を代表する山岳国立公園です。列車はどんどん山深く険しい道を走っていきます。沿線では特別天然記念物に指定されているニホンカモシカに加え、ニホンザル、タヌキなどが生息しているそう。もしかしたら野生動物に出会えるかもしれませんね。野生動物が線路を横切ることもあるため、運転手さんは気が抜けないそうです。

黒薙温泉旅館
帰路に立ち寄るのもおすすめ。黒薙駅から徒歩約20分の「黒薙温泉旅館」
後曳橋
黒薙駅ホームから望む後曳橋(あとびきばし)(画像提供:黒部峡谷鉄道)

黒薙駅にある黒薙温泉は、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車でしかたどり着けない秘湯のひとつ。やや階段の多い山道を約20分、約600m歩いた先に黒薙温泉旅館の一軒宿があります(今シーズンの営業は2026年11月24日(火)午前中まで)。河原から湧き出る山のいで湯は、湯量が多く、麓の宇奈月温泉の湯をすべてまかなえるほど。源泉から約7kmに渡って直径25cmのパイプが敷かれ、100度近いお湯が1分間に2000Lも宇奈月温泉へ送られています。

黒薙駅を通過して“黒部八千八谷”と称される谷の深さを実感

黒部峡谷トロッコ電車
後曳橋を通過中、進行方向左側に見える水路橋。V字峡谷が深く、底が見えない

黒薙駅を出てすぐに、沿線で河原からの高さが一番高い後曳橋(あとびきばし)を通過します。黒部川の支流の黒薙川をわたるこちらは、V字谷の多さから“黒部八千八谷(くろべはっせんやたん)”と称される黒部峡谷にあって、沿線で最も深く険しい谷にあたります。進行方向左側、水路橋がある方向を見ると、より峡谷の深さと荒々しさが伝わってきます。

黒部峡谷トロッコ電車
線路脇に続いている「冬期歩道」

線路左側に続いている空気穴が開いたコンクリートの壁は、トンネルとなっている冬期歩道です。黒部峡谷鉄道は積雪がある12月~4月中旬まで運休します。その間、ダムや発電所で働く人たちは、およそ3mにもなる積雪や雪崩を避けるため、こちらを歩いて通勤します。途中、狭い部分やかがんで進まなければならない部分があるため、始発の宇奈月駅から終点の欅平駅までの約20kmは、休まず歩いても約6時間かかるのだそう!

黒部峡谷トロッコ電車
車内から望む出し平ダム
黒部峡谷トロッコ電車
出し平ダムの紅葉風景はこんな感じ!(画像提供:黒部峡谷鉄道)
黒部峡谷トロッコ電車
ダム湖に流れ込んだ流木は引き上げてトロッコ電車で宇奈月へ運ばれる

1985(昭和60)年に完成した高さ76.7m、幅136mの出し平ダム。最寄りの出平駅も通過駅です。黒部川は急流で流れ込む土砂や流木の量が多いため、日本で初めて土砂を流すためのゲートが備えられたそう。出し平ダムから放流した水を利用して発電する出し平発電所も併設されています。

出し平ダムのあとは、背比べする“出し六峰”やそそり立つ大岩壁が!

黒部峡谷トロッコ電車
霧に包まれた「出し六峰」
黒部峡谷トロッコ電車
カメラに収まりきらない「ねずみ返しの岩壁」

峰々が背比べするようにそそり立っているのが“出し六峰(だしろっぽう)”と呼ばれる連山です。この日は雨が降っているので、一層水墨画のような風景が際立っています。出し六峰を過ぎ、猫又駅に近づくと見られるのは「ねずみ返しの岩壁」。猫に追われたネズミも、切り立ちすぎて登れずに引き返したという伝承から名付けられたすごい迫力の岩壁です。

高さは200mもあり、カメラのフレームからはみ出しています。

黒部峡谷トロッコ電車
この日の折り返し地点となった猫又駅。2026年10月から通過駅に

2026年9月時点で終点となっている猫又駅に到着。こちらで乗車レポは終わりますが、続いて猫又駅~欅平駅の見どころを見ていきましょう。

猫又駅~欅平駅の見どころをチェック!

日本で唯一“猫”がつく鉄道駅とされるこの駅は、折り返し運転の期間中は下車できましたが、2026年10月の全線開通から作業員専用の駅に戻ります。
そこで、猫又駅~欅平駅の見どころについてもご紹介します。

見どころ1.紅葉が美しい「錦繍関(きんしゅうかん)」

黒部峡谷トロッコ電車
錦繍関(画像提供:黒部峡谷鉄道)

紅葉時期が特に美しいとされる錦繍関。列車から見られるのは、トンネルとトンネルの間のわずかな時間のみですが、左右どちらの窓からでも見られます。

見どころ2.黒部川の河原で自分だけの足湯

鐘釣駅から歩いて約20分、河原まで降りると温泉が湧き出てくる場所があり、石で囲って自分だけの露天風呂(足湯)を作ることができます。鐘釣駅を出発すると、対岸にそびえる百貫山も見ることができます。

見どころ3.水面と峡谷の自然が調和する「小屋平ダム」

黒部峡谷トロッコ電車
紅葉に染まる「小屋平ダム」(画像提供:黒部峡谷鉄道)

続いて現れるのは、1936(昭和11)年に完成した高さ51m、幅120mの「小屋平ダム」。ここで溜められた水は、通過してきた黒部川第2発電所に送られます。

見どころ4.圧巻の景色が広がる「欅平駅屋上展望台」

欅平駅屋上展望台
欅平駅の屋上にある展望台(画像提供:黒部峡谷鉄道)

終点の欅平駅にある「欅平駅屋上展望台」。眼下には黒部峡谷の眺望が開けています。全線運行の再開後も、欅平周辺は復旧工事が続いているため、周辺エリアのほとんどはまだ散策できませんが、欅平駅の2階にあるレストラン「レストイン欅」、欅平駅から徒歩1分の「欅平ビジターセンター」に立ち寄ることができます。

全線運行と合わせて、2026年10月2日(金)からはツアー限定で、欅平駅から黒部ダムまで至る「黒部宇奈月キャニオンルート」が公開されています。

観光列車の情報

[運行区間・所要時間]黒部峡谷鉄道宇奈月駅~欅平駅(約1時間20分)
[運行日]~2026年12月6日(日)までの毎日運行 ※~2026年11月30日(月)は欅平まで、2026年12月1日(火)~12月6日(日)は笹平まで ※例年12月~4月中旬は冬期運休。2027年4月以降の運転日は公式HPを確認
[本数]2026年10月1日(木)~11月23日(月)は1日10~11往復、2026年11月24日(火)~11月30日(月)は1日9往復、2026年12月1日(火)~12月6日(日)は1日4往復
[料金]【普通客車(オープン型)】宇奈月駅~欅平駅 片道2480円(6歳~12歳未満1240円)、往復4960円(6歳~12歳未満2480円)※リラックス車両(窓付き)は別途乗車1回に付き600円
[チケット購入方法]公式HPか電話にて事前予約受付(黒部峡谷鉄道お客さまセンター0765-62-1011)。当日券は乗車駅で販売
[食事]なし
■黒部峡谷鉄道「黒部峡谷トロッコ電車」
黒部峡谷鉄道「黒部峡谷トロッコ電車」の詳細はこちら

【静岡県・川根本町~静岡市】大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)

まるで湖上に浮かんでいるような駅で紅葉と湖水の鮮やかさを体感

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
展望所から、奥大井湖上駅と湖を一望!

大井川鐵道井川線は、南アルプスの大自然とエメラルドグリーンの湖面を、小さな赤いトロッコ列車に乗ってゆったりと眺められる絶景路線。大井川本線終点の千頭駅から、さらに山間部の大井川上流へと分け入り、井川駅まで25.5kmの山あいの道のりを約1時間50分かけて走ります。

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
紅葉に映えるトロッコ列車

井川線の紅葉は例年11月中に見頃を迎えます。見渡す限り続く山々に囲まれた青みがかったダム湖、湖上に浮かぶようにある奥大井湖上駅、川底から約70.8mの高さを誇る「関の沢橋梁」の風景は圧巻です。

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
アプトいちしろ駅~長島ダム駅間のアプト式鉄道区間

途中、アプトいちしろ駅~長島ダム駅間では、90パーミルと普通鉄道日本一の急勾配を走る日本唯一のアプト式鉄道の区間が体験できます。90パーミルとは1000m進む間に90mを登るということ。アプトいちしろ駅で専用のアプト式電気機関車を連結し、線路中央で歯形の「ラックレール」を噛み合わせながら急な坂を登る様子は、山岳鉄道ならではの迫力です。

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
奥大井湖の水上を走り抜けるトロッコ列車

大井川鐵道井川線の絶景で知られている奥大井湖上駅は、ダム湖に突き出た半島の上にあります。奥大井レインボーブリッジと呼ばれる2本の鉄橋に挟まれ、まるで湖の上に浮かんでいるよう!「COOL JAPAN AWARD 2019」を受賞した絶景駅です。駅からレインボーブリッジの歩道を渡って徒歩約20分の展望所から、奥大井湖上駅と湖を一望するパノラマが見渡せます。

大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
関の沢橋梁の紅葉風景

接岨峡温泉駅の周辺では、カエデやモミジ、サクラが色づき、紅葉と山里の風景がゆっくりと楽しめます。尾盛駅~閑蔵駅間で渡る「関の沢橋梁」は、川底から約70.8mの高さを誇り、空中散歩気分が味わえる見どころ。V字峡谷のはるか下に渓流を見下ろすと思わず身震いしてしまう高さです。現役の鉄道橋としては川床からの高さ日本一を誇ります。

大井川鐵道井川線は2026年7月より、本格的な観光鉄道として運用が始まり、1乗車3500円の一律料金になりました。出かける前に公式HPで旅程に合う乗車プランをチェックし、往復分購入しておくと安心です。

観光列車の情報

[運行区間・所要時間]千頭駅~井川駅(約1時間50分)
[運行日]毎日運行する期間あり。運行日の詳細は公式HPを確認
[本数]千頭駅~井川駅間は1日2往復、千頭駅~接岨峡温泉駅間は1日3往復
[料金]【片道乗車プラン】千頭駅~井川駅まで片道1回の乗車で3500円、6歳~12歳未満1750円※ほか往復プランなどの旅行商品は公式HPを確認
[チケット購入方法]公式HPにて購入※列車定員ありのため要事前予約
[食事]乗車するプランによる
■大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)
「大井川鐵道井川線」の詳細はこちら

(画像提供:大井川鐵道)

【東京都・千代田区~静岡県・下田市】JR東日本「サフィール踊り子号」

伊豆をイメージした繊細な味わいのスイーツとともに旅する

JR東日本「サフィール踊り子号」
伊豆の海をイメージした「サフィール踊り子号」

サフィール踊り子号は、東京駅(一部列車は新宿駅)~伊豆急下田駅を結ぶ、JR東日本の観光特急。列車名の「サフィール」はフランス語でサファイアを意味し、青く輝く伊豆の海と空をイメージしています。ラグジュアリーで優雅な旅をテーマにしている同列車は、外装からして、高級感たっぷりです。4号車のカフェテリアに滞在できるのは予約時間内(20分間)のみですが、個人的には旅の体験としてぜひ利用してほしいところ。乗車時間が数倍楽しくなります。グリーン個室利用の場合は、注文したメニューを運んできてくれるので、時間を気にせず過ごしたいときや家族連れにもおすすめです。

JR東日本「サフィール踊り子号」
1号車のプレミアムグリーン席。堂々たる風格

足を踏み入れると、贅沢感あふれる座席と内装に息をのみます。8両編成の車両ですべての座席がグリーン席以上。1号車はバックシェル付きでプライベート感がある全20席のプレミアムグリーン席です。2~3号車にはプライベート感のあるソファタイプのグリーン個室、4号車にはカフェテリアを備えています。

JR東日本「サフィール踊り子号」
カウンターとテーブル席がある4号車のカフェテリア。事前予約でぜひ利用したい
JR東日本「サフィール踊り子号」
「シェフの御馳走 ハンバーグ」3200円

カフェテリアでは2026年10月1日(木)より、湯河原のフレンチレストラン「エルルカン・ビス」伊東淳一シェフ監修のもとでメニューを一新。自家製豚肉のコンフィを煮込んだトマトソースで絡めた「伊豆の記憶 ナポリタン」(1600円)、黒毛和牛100%をシェフ独自のスタイルで贅沢に仕立てた「シェフの御馳走 ハンバーグ」(3200円)など3種類の食事メニューが味わえます。

さらに伊豆急下田駅14時18分発のサフィール踊り子2号、東京駅平日12時30分発サフィール踊り子3号では、カフェタイムも楽しめる3種類のスイーツメニューが用意されています。こちらも見逃せません。

JR東日本「サフィール踊り子号」
「陽だまりのきらめき クリームソーダ」(1400円)
JR東日本「サフィール踊り子号」
「山の便り タタンクラフティ」ソフトドリンクセット(1800円)、スパークリングワインセット(2550円)
JR東日本「サフィール踊り子号」
「石畳の風景 和栗とチョコレートのケーキ」。ソフトドリンクセット(1850円)、スパークリングワインセット(2600円)

柑橘ゼリーにシュワシュワと真っ白な泡が弾む「陽だまりのきらめき クリームソーダ」、産地から届いたりんごを使った「山の便り タタンクラフティ」、台湾カステラでサンドした「石畳の風景 和栗とチョコレートのケーキ」は、それぞれ伊豆の風景や実りの季節を思わせる素材や味わい。フレンチの華やかさと日本料理の繊細さを融合した料理を提供するシェフの一皿が、移り変わる車窓風景とともに味わえます。

4号車カフェテリアは利用20分間の完全入れ替え制。サフィール踊り子の指定席券を購入後、「サフィールPay」からの事前予約が必要です。

観光列車の情報

[運行区間・所要時間]JR東京駅~伊豆急下田駅(約3時間)、土・休日のみJR新宿駅~伊豆急下田駅(約3時間6分)
[運行日]毎日
[本数]1日1~2往復(日により増便あり)
[料金]【グリーン席】大人1万540円、小学生7120円 【プレミアムグリーン席】大人1万2940円、小学生9520円【グリーン個室】1室1名あたり大人1万540円、小学生7120円(4名個室・4名利用時)※いずれもJR東京駅~伊豆急下田駅、きっぷ利用で通常期の場合
[チケット購入方法]全国のみどりの窓口、指定席券売機、えきねっとより予約受付※詳細は公式HP参照※グリーン個室はえきねっとでの取り扱いはなし
[食事]カフェテリアでの食事あり(「サフィールPay」で事前予約が必要) ※スイーツメニューはサフィール踊り子2号・3号限定
■JR東日本「サフィール踊り子号」
JR東日本「サフィール踊り子号」の詳細はこちら

(画像提供:JR東日本)

【青森県・八戸市~岩手県・久慈市】JR東日本「TOHOKU EMOTION」

列車内で太平洋を眺めるアフタヌーンティー

JR東日本「TOHOKU EMOTION」
種差海岸を走る「TOHOKU EMOTION」

青森県と岩手県の三陸海岸沿いを走る、車窓からの太平洋の景色が魅力のローカル線・八戸線。この八戸線を走る「TOHOKU EMOTION」は、3両編成のレストラン列車です。人気シェフ監修による東北の食材を使ったオリジナルメニューが提供され、「食のサーカス」という言葉をヒントに、年2回シェフが変わり、メニュー内容もシーズンごとに変更されます。

何度訪れても楽しめるため、乗客にリピーターが多いのが特徴。往路、復路ともにソフトドリンクのほか、ビールやワイン、八戸の地酒などアルコール類が好きなだけ楽しめます。海景色は、太平洋を間近に見ることができる有家駅付近もきれいです。

JR東日本「TOHOKU EMOTION」
3号車のオープンダイニング車両から海を一望!

往路は年に4回変わる本格的なコースで、東北各地の食材で構成された料理が2号車のライブキッチンから一品ずつ運ばれてきます。2026年10月~2027年3月は、一皿一皿に“土地の物語”を映し出すことで知られる料理人「クリマ ディ トスカーナ」のオーナーシェフ・佐藤真一氏が監修します。

JR東日本「TOHOKU EMOTION」
2026年10月~12月の往路コースメニュー。左は前菜の盛り合わせ・アンティパストミスト、右はセコンドピアット(メイン)※メニュー画像はイメージです

復路の「デザート&アフタヌーンティー」は、2026年10月より、ホテルメトロポリタン盛岡のシェフパティシエ熊谷崇氏が監修する新メニューがスタート。3種のプチフールを載せた一人一皿のアソートプレートから始まり、チーズケーキやフィナンシェショコラなどのさまざまなケーキ、季節のフルーツジュレ、オードブルがブッフェ形式で自由に味わえます。

JR東日本「TOHOKU EMOTION」
2026年10月~2027年3月の復路スイーツメニュー。左上は3種のプチフールを載せたアソートプレート、右上はチーズケーキ、左下はフィナンシェショコラ、右下は季節のフルーツジュレ ※メニュー画像はイメージです
JR東日本「TOHOKU EMOTION」
復路の「デザート&アフタヌーンティー」のブッフェは2号車で実施。好きなものが味わえる

コーヒーや紅茶、ハーブティーなど、ドリンクも充実しているので、海を眺めながら贅沢なティータイムを過ごせます。

往路・復路とも利用できますが、旅行行程に合わせて往路のみ、復路のみを選ぶこともできます。

観光列車の情報

[運行区間・所要時間]JR八戸駅~久慈駅(往路約2時間、復路約1時間40分)
[運行日]金・土・日・祝を中心に1日1往復※詳細は公式HP参照
[本数]1日1往復
[料金]オープンダイニング車両利用の場合の料金【往路】大人1万2200円、小学生(6歳~12歳以下)1万1200円【復路】大人7300円、小学生(6歳~12歳以下)6300円※1号車コンパートメント個室車両利用は別途片道3600円/室
[チケット購入方法]JR東日本「のってたのしい列車予約サイト」にて予約販売
[食事]あり
■JR東日本「TOHOKU EMOTION」
JR東日本「TOHOKU EMOTION」の詳細はこちら

(画像提供:JR東日本)

まとめ

秋は紅葉が見頃となるのはもちろん、気温が低くなるにつれてくっきりとした海景色が楽しめるようになります。秋冬に向けて多くの観光列車がメニューを切り替える時期にも当たるため、いち早く季節の香りをまとったスイーツに出会えるのもうれしいところ。あっという間に過ぎてしまう秋を、列車に乗って楽しんでみませんか。

※この記事は2026年10月21日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

じゃらん編集部

こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。

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