こぼらさんの京都府の旅行記

宇治散策(2)(宇治・宇治上神社周辺)
- 1日目2018年2月3日(土)
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開運不動尊正覚院
宇治橋東詰から、さわらびの道を宇治神社・宇治上神社に向かって歩いていたら、開運不動尊正覚院という小さなお寺がありました。節分会をしていて、黄色い法衣に身を包んだお坊さんが、通りかかる観光客に声をかけて参拝を促してみえました。高野山から来られていたとのこと。
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こうやくん。高野山(和歌山)のイメージキャラクターなのだそうです。かわいいですね。高野山真言宗の開運不動尊正覚院の節分会の集客?のために、高野山より遣わされてきていたのです。 思わぬ所でお会いできました。なんか得した気分。効果は抜群で、私たちも含めて通りかかった観光客は、こうやくんの魅力に引き寄せられ、次々と開運不動尊正覚院にお参りに向かったとさ。次の旅行には高野山に行ってみたくなりましたとさ。
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客が自身で淹れたお茶の味を楽しめる。日本茶のインストラクターがお茶の淹れ方を説明してくれます。 先日、宇治の南に位置し「茶源郷」を標榜する和束町に行ってきましたが、そこにも客がお茶を自身で淹れて楽しむ「和束茶カフェ」という所がありました。ここにはインストラクターはいなくて、説明書を見てトライするしかなかったのです。 「匠の館」の道場で、今一度トライしました。茶器の出来が違うのでしょうか。インストラクターさんの教え方が上手なのでしょうか。自分ながら美味しいお茶を淹れることができました。気をよくして煎茶を買って帰りましたが、自宅の安物の茶器では、やっぱり上手く淹れられませんでした。
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さわらびの道から見た朝霧橋。曇っていましたが、これだけの風情があります。晴天だったら、どれだけ素晴らしい景色になることでしょう。ここのすぐ近くに宇治神社と宇治上神社があります。
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よくあるコンクリート製の大きな鳥居とは違い、さすがは宇治神社です。集成材ではなく一本檜で作られています。その証拠に大きな亀裂が入っています。一本檜が長年風雨に晒されれば、こういう亀裂が入るものです。贅沢な亀裂ですね。
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意外に小さいというのが正直な感想。でも、こちらは拝殿というよりは本殿の神域を囲む塀の門と呼んだ方が正しそうです。この門と本殿の前にはテントが貼られていて、ご祈祷の場になっていました。ただし、ご祈祷を受ける方々は、この門で出入りはせず、脇にある出入口を用います。
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鎌倉時代後期の造営とされ、国の重要文化財に指定されています。三間社流造で、檜皮葺なのがよくわかります。
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「世界文化遺産宇治上神社」の標石が、でんと構える宇治上神社の社頭。世界文化遺産に指定されるにあたり、参道や境内には相当な補強・修復工事がなされたように感じました。 参道はカラーアスファルトと石畳で舗装され、マンホールもあります。名高い神社の参道としては、ありがたみが薄れてしまうようにも感じます。でも、電柱や電線など無粋なライフライン関連のパイプやケーブルを来場者に見せるわけにはいきませんよね。
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境内の入口。門の奥には拝殿が見えています。 立派な拝殿がある宇治上神社では、境内入口の門としてたたずんでいます。先に訪れた宇治神社では、門が拝殿の役目も担っている造りとなっていました。
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拝殿は、鎌倉時代前期の造営とされる国宝です。切妻造の檜皮葺ですね。庇の左右端の形状・造りが印象的です。もし屋根を真上から見たら長方形ではなく、四隅を斜めに切り取った八角形なのだろうと錯覚してしまいます。でも長方形なのです。建立時、この拝殿を設計した人は、こうした視覚効果を狙っていたと思います。興味深いです。 専門的には「切妻屋根と庇屋根の接続部で軒先の線が折れ曲がっており、こうした形を縋破風(すがるはふ)と称する。」と表現するのだそうです。
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本殿は平安時代後期の造営で、現存する神社建築の中で最古といわれています。流造、檜皮葺きの大きな建物の中に、一間社流造の内殿3棟が並んでいるそうです。格子から目をこらして覗き込めば、その様子が確認できたのかもしれませんが、畏れ多くて拝むのが精一杯でした。手前に拝殿があり、そこで大勢の参拝者がご祈祷を受けており、その方々に背を向けて本殿を覗き込む無粋な奴がいると思われたくなかったのも本音です。 内殿には、左殿(向かって右)に菟道稚郎子命、中殿に応神天皇、右殿(向かって左)に仁徳天皇が祀られているそうです。
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宇治上神社の参拝を終えて拝殿前に戻ったら、境内の隅に小さな建物を見つけました。有名な宇治七名水の一つ「桐原水」の泉でした。他の名水でよくあるように、パイプから水が流れ出ているようなものではなく、湧水を貯える小さな池になっていました。備えられた柄杓ですくい取って頂くのです。
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宇治神社の近くに福寿園・宇治茶工房の看板を見つけ、抹茶スイーツを楽しみに寄りました。最初目にしたのは屋根が苔むした庵で、「朝日窯元」「河濱清器」という表示が出ていました。福寿園は茶器も手がけているのですね。宇治茶道場「匠の館」でも、茶器の大事さを痛感したところです。
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これが福寿園・宇治茶工房です。庵の向かいにあります。宇治川の対岸に福寿園・宇治喫茶館があり、こちらは工房ということで、お茶の製造や茶器にまつわる色彩が強い展示内容になっています。
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1階入口付近は茶店と呼ばれ、茶器「朝日焼」とお茶製品の販売コーナーになっています。高価な茶器が並んでいました。
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1階の奥には宇治茶の栽培・収穫から製造までをパネルで説明している博物館があります。古い製造機器は普段目にしたことはなかったので、興味津々。
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福寿園 宇治茶工房 福寿茶寮
宇治市
福寿園・宇治茶工房の2階には、お茶やお茶を用いたスイーツや料理を楽しめる、「福寿茶寮」と呼ばれるコーナーがあります。
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福寿園 宇治茶工房 福寿茶寮
宇治市
朝日焼の皿に乗せていただきました。お品書きには「お茶を使った出来たての自家製もちと二種のきな粉をトッピング。風味を活かして炊き上げた丹波産大納言小豆にからめてお召し上がり下さい。」と書いてありました。 店員さんの説明によれば、もちは微妙に風味が違う3種類で、2種類のきな粉と合わせて6種類の味が楽しめました。茶葉の佃煮もおいしかった。
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福寿園 宇治茶工房 福寿茶寮
宇治市
これも朝日焼の皿に乗せていただきました。お品書きには「じっくりと炊き上げた大粒の丹波産大納言小豆に自家製もちをあわせ、香り高い抹茶をかけました。」と書いてありました。 写真だと濃い抹茶にしか見えないのが残念です。でも体も勝手に抹茶としてみなしてしまい、抹茶をいただくように器を口に持っていってしまいました。このメニューも茶葉の佃煮がぴったり合っていました。
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「福寿茶寮」の入口前には茶室がしつらえてありました。「華松庵」と呼ばれているようです。見るだけではなく、お茶会で使うこともできるそうです。(要予約)
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宇治川右岸の散策を終え、朝霧橋を渡って左岸の方へ戻りました。ただし、朝霧橋は中州にある宇治公園までしか架かっていません。朝霧橋を使って宇治川を渡る時は、必ず宇治公園を通ることとなります。 宇治公園は3つのパートに分かれています。中州北側の橘島。中州南側の塔ノ島。そして平等院南門近くの「よりみち公園」です。写真の右手前には橘島が、右奥に塔ノ島が写っています。
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朝霧橋から、先ほどまでいた福寿園・宇治茶工房が見えます。前に宇治川、背後に朝日山をひかえた風光明媚な場所にあったのだと、あらためて実感。
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橘島にあった時計は午後4時10分を指していました。気付かないうちに、散策で4時間以上も歩き回っていたのです。そういえば腕時計を1回も見ていなかった。楽しくて夢中になっていたのです。
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宇治公園の塔ノ島には、立派な十三重塔が立っています。石塔としては国内最大で、高さが15mもあるそうです。 1286年に叡尊という高僧が、朝廷の命を受けて宇治橋を修復したそうですが、その成就と永世護持を祈願して石塔を建立したと伝わります。塔ノ島それ自体も、叡尊が祈祷道場として築いたものだそうです。もの凄いバイタリティを備えた僧侶だったのですね。 石塔はその後、洪水や地震でたびたび倒壊し、現在のものは明治時代末期に掘り出され修復されたものだそうです。
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石塔の基部には、叡尊による宇治橋再建と中ノ島築造、そして石塔建立のいきさつが刻まれています。 橋の再建を進めつつ、そのころ宇治川一帯でおこなわれていた網代漁を禁止するとともに、築いた塔ノ島に網代の木具や漁具を埋め、その上にこの石塔を建立して、魚霊の供養と宇治橋の永世護持を祈ったというものです。 網代漁を禁じるくらいですから、当時の漁船や漁具が宇治橋を脅かしていたのでしょうか。でも、網代漁を生業としていた人々の反発を買った事でしょうね。
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宇治川一帯は護岸工事をしていて、その間は遊覧船は運休となっています。工事の様子を見ると、まだまだ何ヶ月もかかりそうな感じでした。再開されたら、夏場に利用すると楽しそうです。
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料金もリーズナブル。近いうちに乗ってみたいですね。10名以上の団体に限られますが、30分〜90分もの間、船で食事をしながら景色を楽しむ手段もあるのですね。 時刻は4時半を過ぎていました。ひとまず宇治散策を終えて、宿に向かいました。
宇治散策(2)(宇治・宇治上神社周辺)
1日目の旅ルート
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