こぼらさんの奈良県の旅行記

月ヶ瀬梅林・うどん散歩
- 1日目2018年3月10日(土)
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月ヶ瀬の観光エリアでは最も遠い場所にある菊家家住宅から散策を始めました。 八幡橋から見ると、この古民家のある集落は近くに感じますが、標高が数十メートル高い場所にあります。月ヶ瀬は、暴れ川と呼ばれた木津川水系にありますから、水害を避けるために集落は高い場所に設けられたのでしょう。 懐かしい葛屋葺き屋根の母屋造りですね。18世紀の初め頃のものだそうです。山の斜面の狭い集落に合わせてコンパクトですが、造りは贅沢でしっかりしています。 この古民家の持ち主は、昔は旅籠「菊屋」を営んでいたので、姓が菊屋なのだそうです。
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しっかりとした古民家です。庇の造りは、昭和30年代の田舎なら方々で見かけた葛屋葺き屋根の民家とは全然違います。
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龍王の滝には、約1300年前、役の行者・小角(おずね)が見つけ、修業の場として使っていたという言い伝えがあります。小角が桃香野(ももがの)に立ち寄ると、泉気が立ち昇る渓谷を見つけ、奥に入っていくと48の滝があって、大滝に白い龍が現れたというもの。 残念なことに、去年10月の台風で大きな杉の木が滝壺の方に倒れてしまい、風情を損なっています。でも大滝だけを見ると、龍が岩の上に乗り、天に向かって頭を持ち上げた瞬間に見えます。
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龍王の滝には、樹木のトンネルのような小道を通って行きます。奥にトトロのねぐらがありそうな雰囲気です。
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樹木のトンネルを通り過ぎると滝壺に近付きますが、こんな苔むした石段を上ります。趣がありますね。
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ダム湖の月ヶ瀬湖の畔にあって、レイクビューが楽しめて食事や買い物もできる、道の駅のような施設です。傍らに「八幡橋」という吊り橋があり、対岸に歩いて渡ることができます。
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食堂付近の様子。古都・奈良のイメージに合わせて、建物は朱塗りの赤です。 私たちは、ここの「梅わかめうどん」目当てに行きました。月ヶ瀬の催し「月ヶ瀬うどん散歩」にエントリーしているからです。
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「湖畔の里つきがせ」食道内部の様子。券売機で食券を買い、食べ終わったらセルフで食器を返す方式。食券と引き替えに渡される番号札が、3番と4番しかないみたいで面白かった。
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「月ヶ瀬うどん散歩」にエントリーしている「梅わかめうどん」。たっぷりワカメと大葉の上に乗った梅干し(減塩梅だそうです)がかわいい。出汁は大葉と梅の香りがしていました。ヘルシーで好感が持てました。
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家内が選んだ日替わり定食。春を感じさせる彩りがGood!椎茸のフライは、肉厚で、とてもジューシーだったそうな。梅うどんもいいが、これにしても良かったかなと、チラと思いました。
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「湖畔の里つきがせ」の近くに八幡橋という吊り橋があります。それを歩いて渡り、対岸(京都府)に行くと月ヶ瀬湖の眺望がすばらしい場所に行くことが出来ます。 月ヶ瀬湖は、八幡橋から6キロ程下流にある高山ダムによって、名張川がせき止められてできたダム湖です。
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湖畔に沿って散策路が設けられていて、春は梅や桜の花を見て楽しむことができます。
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1階には、月ヶ瀬梅林にある梅の種類を紹介していました。2階は斉藤拙堂・富岡鉄斎など、月ヶ瀬に逗留した画人・文人の書画が展示されていました。3階に展望台があると聞いていましたが、今は利用できない様子でした。
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1階バルコニーに出ると、月ヶ瀬湖を見下ろせます。昭和59年に開催された奈良国体では、ここは漕艇競技の会場になったそうです。
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2階には斉藤拙堂・富岡鉄斎など、月ヶ瀬に逗留した画人・文人の書画が展示されていました。
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県道沿いのおみやげ屋さん「福田本店」駐車場に車を駐めて、梅林散策を始めました。 月ヶ瀬梅林の参道入口は意外に狭い。梅林の名勝指定碑を撮影しながら、駐車場の係員に参道入口はどこかと尋ねたら、怪訝そうな顔つきで「目の前!」とのお答え。 参道入口は駐車場のドン真ん前だったのです。それらしい場所まで歩くものと思い込んでいました。散策は思いがけず唐突に始まりました。この先に延べ数キロにわたる梅林の散策路が待っています。
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参道に入ってすぐの様子です。みやげ物店さんの昭和っぽいレトロな雰囲気がいいですね。 ここを過ぎると、かなり急な坂道になります。杖が欲しいくらい。道脇にベビーカーが放置されていました。何事か起きたんだろうかと通りゆく人たちが心配そうにしていましたが、誰かが「坂が急なので赤ちゃんを抱っこして梅林を見に行ったのだろう」と推察。なるほど、納得。
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月ヶ瀬梅林の中で、最も高い場所に鎮座している尾勝山真福寺(高野山真言宗)。 急な坂道を、そのまま上り、真福寺境内を目指しました。鎌倉時代の中頃、境内に植えられた梅がルーツになって広がり、今の月ヶ瀬梅林に発展したというから驚きます。 治承2年(1117)の創立との事ですが、弘法大師が活躍した時代から200年近く下った時代ですね。本堂は江戸時代中期に再建されたものだそうです。
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真言宗のお寺らしく、来訪者を楽しませる工夫が見受けられます。一番の見ものは梅林の眺望ですが、「姫若の梅」と言われる古木の伝承も外せませんね。 1331年、後醍醐天皇が笠置山に難を逃れた際、女官の一部が月ヶ瀬方面へ逃げました。その一人姫若が園生の森(月ヶ瀬)で倒れていたところを村人に助けられ、真福寺に近い所に住まわせてもらい養生できました。姫若は村人に感謝し、真福寺に梅の木を植え、その熟れた梅を用いて口紅を作る技術を村人に教えたという伝承です。その姫若の梅は真福寺本堂前に今も残っています。
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これも真言宗のお寺らしいのですが、頭を撫でさせてもらえる「お掃除小僧」の石像もあります。小僧さんは「心の中に沈んだ苦しみ悩みを取り除いてほしい人」に撫でてもらいたいようです。自身の脳天気な性格に悩み苦しむ?私も撫でさせていただきました。 程よい大きさと丸みで、絶妙な撫で心地でした。ありがたや。ずっと撫で続けていたかったのですが、後がつかえていたので止めました。
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せっかく真福寺のある高い場所に上ったのですが、梅林散策は始まったばかり。いったん散策路に下りて天神梅林に向かいます。下から見上げる真福寺本堂もいいですね。
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月ヶ瀬の梅については、梅園や梅林と呼ばれたりする一方、梅渓とも言われています。なぜ梅渓と呼ばれるのかわかりました。 峡谷北側の山腹一帯に複数の梅園や梅林が密集している広いエリアを指していて、月ヶ瀬湖も含めたエリア全体を梅渓と呼んでいるようです。
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急峻な崖や尾根に沿って散策路は奥の方に続いています。途中、このような所になぜ?と思うような所に茶店や旅館があり、車も駐まっています。観光用の散策路だけではなく、地元の方々のための生活道路があるのでしょうね。
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「梅の木のトンネル」と呼ばれる場所。梅の花が満開になったら見応えありそうですが、小道は花で薄暗くなるでしょう。陽の光を受けて明るい小道も良いものです。
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とても郷愁を感じてしまう風景です。
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ロマントピア月ヶ瀬は、農林漁業体験実習館・多目的広場・伝統工芸伝承教室などを備えた公共施設です。月ヶ瀬梅林の北端にあります。広い駐車場を備えていて、車で来ることもできます。 私たちは「月ヶ瀬うどん散歩」に参戦している食堂だと考え、月ヶ瀬梅林散策の行きのゴールとして、到着したら2杯目の月ヶ瀬うどんを食べる事にしていました。公共の施設とは思いませんでした。
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ロマントピア月ヶ瀬が「月ヶ瀬うどん散歩」のために用意した「梅うどん」。 天かすやかつお節が乗っていて美味しそうですが、お題の梅干しが見あたらない。
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「梅うどん」を、お箸で探ってみると、かつお節の下から立派な梅干しと餅が出てきました。しいたけも。月ヶ瀬産の「隠れた」実力者たちが入っています。美味しかったぁ! うどんを味わいながら知ったのですが、ここでは春には梅まつり、夏は梅の実採り・茶摘み体験・キャンプ、秋は収穫祭が行われているそうです。梅の花の春だけでなく、他の季節に来ても楽しめるということです。
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帰りはコースを変えて、真福寺には戻らず、帆浦梅林を通りました。こちらの方が茶店が多いですね。月ヶ瀬湖の眺望も抜群です。いきなり帆浦梅林あたりに来て、眺望を楽しみ茶店で食べて帰るお客さんも多いようです。
月ヶ瀬梅林・うどん散歩
1日目の旅ルート
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