こぼらさんの奈良県の旅行記

吉野と宇陀の桜を求めて
- 1日目2018年4月5日(木)
-
マイカーで、朝10時に中千本付近に到着しました。しかし、すでに駐車場はどこも満車。仕方なく先行車両に続いて上千本・奥千本の駐車場を目指しましたが、どこも空いていませんでした。 こうなると吉野はあきらめて、他の桜の名所に行きたかったのです。しかし、道路はループになっていて、観光客がひしめく狭くて急な下り坂を通って、上千本から中千本まで戻るしかない運命が待っていました。 この写真は、どうにか下千本まで下り、道幅が広くなった場所でやっとこさ撮影したものです。 桜シーズンの吉野へマイカーで行くなら、薄暗いうちに現地に到着し、駐車場がオープンするのを待つ位にしないと厳しいですね。
-
例年の桜シーズンなら、吉野駅隣の乗り場からロープウェイで中千本まで行き、その先(上千本・奥千本)には歩いて上るのが通例。マイカー組は駅手前の駐車場に車を駐めてロープウェイや徒歩で吉野山に上るのがベターとなっています。 残念なことに、去年4月からロープウェイが故障して運休状態が続いています。このため、代行バスが用意されていますが、マイカー組も奥まで乗り入れできるようになっており、これが現場を混乱させていました。 中千本・上千本で駐車できる台数は限られているので、駐車できなかった車の群れが、観光客でひしめく散策路を通って引き返すこととなり、人と車の大渋滞ができてしまう原因になっていました。 世界遺産なのですから、車の乗り入れを全面的に禁じるか、車の心配のない散策路を確保し、吉野山をじっくり歩いて散策できるようにしてほしいです。 でも、吉野の千本桜は最高です。
-
すんなり吉野山から離脱できれば「運が悪かったね。次はもっと早く来よう。」で済んだのです。ただでさえ、どうにか車1台が通れる程度の狭い道を、結構な坂道をあえぎながら上り下りする観光客に避けてもらいつつ(白い目で見られつつ)微速で進むのは苦痛でした。世界遺産の観光スポットを甘く見ていました。反省!
-
超混雑状態の吉野山から早々に撤収し、宇陀市の「道の駅・宇陀路大宇陀」に寄りました。昼食を取りたかったのと、吉野の代わりにどこへ行くか考えるためです。 大宇陀も観光地ですから、すんなりと入れた訳ではありません。すぐ前の駐車場は満車で、通り斜め向かいにある第2駐車場に1台分の空きを見つけ、ようやく入れました。 みやげ物売り場とレストラン、フードコートがあります。外には足湯コーナーもありました。 レストランで食べながら、午後はどこへ行くか考えたかったのですが、生憎ここも満員御礼状態。店の外には10人くらい並んで待っているお客さんがいました。仕方なく、まだ空き席が残っていたフードコートで、うどんを食べました。
-
大きなお揚げの山菜きつねうどん。お出汁の味が薄いかな。困ったのは薬味。容れ物の出し口の目が小さく、どれだけ振っても粗粒の七味がさっぱり出てこなかった。わざと、そうしているんじゃないよね?
-
宇陀牛・肉うどん。これも、お出汁の味が薄い。肉の味でなんとか助かっている感じです。お腹が空いていたので、お出汁も含め完食しました。
-
足湯を見つけ、この近くに日帰り温泉があることを知りました。観光案内所に行くと、200円の割引クーポンがもらえましたので、急きょ行ってみる事にしました。 この時期にマイカーで観光地へ行くのは無謀だったという反省から、せめて温泉にのんびり浸かって帰ろうと思ったのです。
-
大宇陀温泉あきののゆ
宇陀市
道の駅「宇陀路大宇陀」で割引クーポン(700円→500円)をゲットして、「大宇陀温泉あきののゆ」に向かいました。道の駅の案内表示には、すぐ近くにあるように書いてあったのですが、500m位は離れていました。
-
大宇陀温泉あきののゆ
宇陀市
広い「心の森・総合福祉公園」には「ふれあい交流ドーム」など立派なスポーツ施設や福祉施設がいくつもあり、その一つ「保健センター」の中に「あきののゆ」がありました。写真にもドーム状の建物が写っていますが、これは温水プールです。温水プールの利用料は、温泉入浴料に含まれています。水着を着用すれば利用可能です。両方利用できるなら、温泉入浴料700円(割引クーポンで500円)はお安いですね。
-
道の駅でもらったパンフを見ると、「pH9.6を誇る」「県内屈指・美人の湯」という表現が。これは、とろみがあって、ヌルヌル感が楽しめる湯なのかなと期待が高まります。
-
大宇陀温泉あきののゆ
宇陀市
大浴場の入口。この先で、男湯と女湯が分かれます。湯に浸かってみると、確かに肌がヌルヌルした感じになります。でも、とろみは余り感じませんでした。 ここで一番気に入ったのは「ぬる湯」です。体温とほぼ同じ温度で、いくらでも浸かり続けられそうです。実際、浸かったまま寝入っている人がいました。 他に露天風呂、ジェットバスや寝湯、大和当帰の薬湯もありました。当帰の薬湯は初めてでしたが、体の芯まで温まる感じがします。気に入り、帰りに売店で、当帰の「薬草風呂の素」を買いました。
-
休憩場所も広々としていて快適です。奥に進むとレストランがあります。おかげさまで人心地がつき、近場の大宇陀の観光スポットを回ってみようという気持ちになりました。
-
「大宇陀温泉あきののゆ」の近くにあります。行くと、飛鳥時代の歌人で、三十六歌仙の一人である柿本人麻呂の立派な石像が目に付きます。小倉百人一首でもお馴染みのお方ですね。 柿本人麻呂が大宇陀で詠んだ歌【東の野に 炎の立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ(ひむがしの のにかぎろいのたつみえて かへりみすれば つきかたぶきぬ】に因んで建立されたとのことです。 柿本人麻呂像の表情が、とても聡明そうでリアル。石像のモデルは、故・中山正實画伯による「阿騎野の朝」という壁画とのこと。この壁画は宇陀市中央公民館大ホールに在ります。ホールは阿騎野・人麻呂公園のすぐ隣です。。
-
秀歌【東の野に・・】が大宇陀で詠まれた時、人麻呂は軽皇子に同行していたという解説があります。軽皇子といえば、かの天武・持統天皇ご夫妻の孫で、聖武天皇のお父さんである文武天皇の事です。人麻呂は舎人として、軽皇子に仕えていたのです。
-
阿騎野・人麻呂公園は、弥生時代・飛鳥時代・中世近世の3時代にわたる遺構が発見された中ノ庄遺跡に作られています。竪穴式住居(手前)と掘立柱住居(奥)が復元されています。惜しいのは、それぞれがどの時代のものを復元したものか解説がないこと。おそらく竪穴式住居は庶民の住まいだったのでしょうが、弥生時代と中世では大きく様子が違っているはずです。
-
復元された掘立柱住居。タンポポに囲まれていて牧歌的な雰囲気でした。屋根が瓦葺きでない事を除けば、現代の和風住居のイメージに近いですね。 後ろに写っているのが、壁画「阿騎野の朝」を収蔵している宇陀市中央公民館大ホールです。
-
有名な桜の木があると聞いて行ってみました。予想以上に素晴らしい桜でした。初めて見たのに、見覚えがあるような感じがしました。調べてみると、大河ドラマ「葵 徳川三代」のオープニングに登場していた桜でした。確か夜桜の風景だったと思います。 又兵衛とは誰の事なのか気になりましたが、大阪の陣で豊臣方武将として活躍した後藤又兵衛のことでした。後藤又兵衛は大阪で戦死しておらず、当地に落ち延び、豊臣家再興の機会うかがっていたものの叶わず、この地で死去したという伝説があります。又兵衛桜の場所は、後藤又兵衛の屋敷跡だとされるので、このように呼ばれているのです。 樹齢は300年に達するとも言われますが、後藤又兵衛が活躍した時代には届きません。伝説はさておき、幹周約3m・高さ約13mの威風堂々として気品ある桜です。
-
又兵衛桜の背後に桃園があり、その鮮やかなピンクが又兵衛桜を引き立てています。又兵衛桜の周囲は、公園というよりは庭園のように整備されていて、色とりどりの花々を見て回れるようになっています。
-
別名を「本郷の瀧桜」というだけあって、横から見ると石垣から勢いよく流れ落ちる奔流のように見えます。
-
又兵衛桜まつり
宇陀市
又兵衛桜は、アクセス道路からは川を挟んで、対岸にあります。橋を渡ると又兵衛桜のすぐ近くに行けるようになっています。桜の花が見頃となる4月上旬から中旬にかけては、「又兵衛さくらまつり」が開催され、橋を渡る際に協力金100円を支払う仕組みとなっています。これだけ見事な花園を維持管理するには、大変な労力と費用を必要としているでしょうから、協力金は当然の事だと思います。 橋を渡ると、又兵衛桜と桃園の周りを見て回れます。特設の売店や広場もあり、甘酒を飲みながら花見もできます。広場で憩う人たちが楽しそうです。
-
「又兵衛さくらまつり」の横断幕を掲げて、地元の方々がテントを張って特設の売店を出していました。お花見用の飲食物を販売していました。観光案内コーナーもあり、宇陀市内の桜の名所をPRしてみえました。
-
花は又兵衛桜だけではありません。付近一帯が花園として整備され、良く手入れがされています。色とりどりの花々が訪問客を楽しませてくれます。
-
森野吉野葛本舗という葛専門店の製造工場の一角に、直営の店舗があります。イートインで葛切りや葛餅・わらび餅が食べられます。葛の本場・奈良ではの風味が楽しめます。 本店には駐車場がないそうなので、車で行くならここです。
-
葛餅。冷たい水に浸かった姿が、氷のように美しい。きな粉にまぶすと汚してしまうようで、もったいないくらいです。さすが本場、とても美味しい。 とても柔らかで、箸でつまんで、きな粉の上に乗せるのに苦労します。
-
わらび餅。水に浸かっいると、こんにゃくのようにも見えます。葛餅と甲乙つけがたく美味しいです。食べる前は、深煎きな粉が余るかなと思いましたが、余りの美味しさに餅にびっしり付けて食べ、全く余りませんでした。
-
店舗の様子。イートインコーナーの隣は売店で、葛切り・葛粉・葛餅・葛羊羹などが販売されていました。
-
葛の館の駐車場入口にあった案内パネル。400年、19代にわたり葛を作っているそうです。葛の館は旧伊勢街道沿いにありますが、南に1キロ程離れた所に、ここのオーナーの先祖が作った森野旧薬草園があるそうです。次に来る時は、是非そこにも行きたいですね。
吉野と宇陀の桜を求めて
1日目の旅ルート
こぼらさんの他の旅行記
-
2020/6/21(日) 〜 2020/6/22(月)
- 夫婦
- 2人
2泊3日の鳥取めぐり旅の後半です。2泊目は、コロナ感染予防体制を整えたうえで営業再開した湯快リゾート...
3077 22 2 -
2020/6/21(日)
- 夫婦
- 2人
2泊3日の鳥取旅行の2日目です。まずは白兎海岸(鳥取市)に寄って神話「因幡の白うさぎ」の舞台である美...
3078 24 2 -
2020/6/20(土)
- 夫婦
- 2人
2泊3日で鳥取めぐりの旅をしました。初日は、砂丘=「すなば」とコーヒー店「スタバ」とをもじったネー...
2802 25 4 -
2020/5/12(火)
- 夫婦
- 2人
ゴールデンウィークが過ぎると、コロナ拡大防止のための移動自粛が少しは和らいで、条件付きながら観光...
3165 28 2
みんなのコメント(0件)
投稿する
投稿に際しては、必ず観光ガイドご利用規約をご確認ください。
閉じる皆様がより快適にご利用いただくための「投稿上のルール」や、
投稿内容の利用に関して記載しております。
さらに表示する