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こぼらさんの和歌山県の旅行記

真言宗再興の拠点だった根来寺

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和歌山県岩出市にある一乗山大伝法院根来寺。新義真言宗の総本山です。根来寺には国宝や重文の塔堂・仏像がいくつもあるため、一度は行きたいと考えていました。 根来寺は、空海以来の学僧といわれ真言宗中興の祖とされる、覚鑁(かくばん)上人が創建した寺院です。高野山金剛峯寺の座主として、当時衰退していた真言宗を再興し、空海の教義を復興しようと努めたものの、反対勢力によって追われ根来に活動拠点を移した経緯があります。このため開山・興教大師とも呼ばれ、奥の院に墓所もあります。室町時代に最盛期を迎え、現在の多宝塔や大師堂が建立されました。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代

1日目2018年11月23日(金)

根来

岩出市

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根来寺の本堂(大伝法堂)・大塔・大師堂の南側には大谷川が流れており、川に沿って「もみじ公園」が設けられています。参拝者用の駐車場は「もみじ公園」の南側にあるので、晩秋に参拝に来る者は「もみじ公園」の散策路で紅葉を楽しみ、それから参拝に向かうこととなります。

根來寺の紅葉

岩出市

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私たちが行った時期は晩秋だったので、「もみじ公園」の名にふさわしい見事な紅葉を見ることができました。この時期の根来寺は、国宝や重文の塔堂と紅葉の両方が楽しめます。 写真に写っている散策路から根来寺境内に入れれば便利なのですが、いったん高い所まで戻らないといけません。

本堂正面の参道入口。もみじ公園から上がり、受付で参拝料を納めて境内に入ったところです。不思議に感じましたが、これだけの大寺でありながら山門がありません。 根来寺の境内はとても広く、ずいぶん離れた所に大門があります。また、主立った塔堂が横並びの配置になっています。このためか、本堂の正面には門らしい建物がありません。

根來寺

岩出市

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根来寺の本堂にあたる大伝法堂。19世紀前半(1827年)の建立ですから、比較的新しい建物ですね。県指定文化財となっています。 この堂は真言宗の最も大切な修法を伝える場であり、僧侶が厳しい修行をする場所でもあるそうです。 本尊は、本体だけでも高さ3mを超える金剛界大日如来座像で、脇侍に金剛薩た(こんごうさった)坐像・尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)坐像を従えます。いずれも国の重要文化財です。

根來寺大塔

岩出市

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真言密教の教義を形の上で示したものとされます。天文16年(1547)に建立された国内最大の木造多宝塔で、国宝に指定されています。国宝でありながら塔内に入らせてもらえます。入る際は靴を脱ぎますが、拝観順路には畳が敷かれていて、足を冷えさせない配慮がされていました。 豊臣秀吉による紀州攻めの焼き討ちから免れましたが、その際に受けた銃弾の痕がはっきりと残っているそうです。残念ながら、私たちは気付きませんでした。

根來寺

岩出市

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大師堂。弘法大師・空海像が本尊として祀られています。室町時代(1391年)に建立されました。室町時代に建てられた塔堂は総じて荘厳で緻密な作りですが、ここは簡素で質実剛健な感じがします。 多宝塔と同じく、大師堂も秀吉の焼打ちから残ったもので、重要文化財に指定されています。

失礼ながら、大師堂の正面から(離れた所からズームアップで)天井を撮影させていただきました。香の煙でかすんでいますが、格天井に描かれた絵が見事でした。 大師堂は外見は簡素でも、中が豪華です。

大師堂の西側に、奥の院に向かう長い長い参道があります。参道の両脇は、歴代の座主、長老の墓所となっています。

参道の横を見ると、大師堂と多宝塔が紅葉の向こうに見えていました。それにしても、多宝塔は大きいですね。

根來寺

岩出市

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奥の院。根来寺は新義真言宗の総本山ですが、その新義真言宗の祖である開山興教大師(覚鑁上人)の廟所(墓所)です。興教大師は、1143年に49歳で入滅され、ここにお眠りになっているとのことです。塚は円墳のように大きいです。

奥の院の西側に、本坊・寺務所があります。庭園を鑑賞するには、この本坊玄関で靴を脱いで回廊を渡り歩きます。

根來寺庭園

岩出市

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庭園は国指定名勝で、江戸時代に造園されたものです。屋根付きの回廊を歩いて、庭園をいろいろな角度から鑑賞することができます。 写真は、本坊近くの回廊から庭園を望んでいます。写真左が光明殿(常光明真言殿)表書院で、右が紀州徳川家の別邸を移築した奥書院「名草御殿(なぐさごてん)」です。この辺りは書院庭園となっています。光明殿の西側には聖天池を中心にした池泉庭園があります。

表書院の近くの回廊から見た庭園。「裏山の裾に池をほり、北正面に滝頭石組を高く積み重ねて滝を三段に落している。」と解説されているのですが、どこがそうなのかわかりませんでした。

根來寺庭園

岩出市

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表書院の袂の回廊から見た庭園と名草御殿。池に鶴島と亀島が配置された池泉式蓬莱庭園とのことですが、池泉式はともかく、蓬莱庭園とはどういう形なのか私にはわかりません。一説には、小堀遠州の作だといわれます。

名草御殿の外回廊から見た光明殿表書院。表書院は、火灯型や丸形の障子窓が設けられていて、とてもお洒落な造りになっています。

根來寺庭園

岩出市

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さらに回廊を進むと、光明殿の中を経由して西側に出ます。回廊は行者堂を横切り、聖天堂の真横まで続きます。聖天堂の南側には聖天池が広がっています。これが、もう一つの根来寺庭園です。 池の中央に島があって弁戝天が祀られています。この池は天正年間(16世紀後半)の「一乗山根来寺絵図」に画かれているので、根来寺開創時からあった園地であると見られています。実際に、聖天堂には「日本最古級の池泉式庭園」という立て札がありました。聖天堂から見ると、それほどには見栄えがしないと思いましたが、後で反対側から見ると全然様子が違って見えました。

根來寺庭園

岩出市

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庭園の南側から池・島・聖天堂・行者堂を見ると、素晴らしい風景でした。聖天堂から眺めた池と島の風景と見比べて下さい。全く違った印象です。別の庭園を見ているような気がします。

根來寺

岩出市

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常光明真言殿、通称は光明殿。1804年に、紀州徳川家第8代・重倫公の御母堂の発願により建立されたそうです。 興教大師(覚鑁上人)像を安置しているとのことですが、扉が閉まっていて拝見はできませんでした。 像の写真は、根来寺の近くに「ねごろ歴史資料館」があり、そこでパネル展示されています。

右より光明殿・行者堂・聖天堂、手前に聖天池と中島とからなる池泉式庭園。光明殿の東側にある書院式庭園とは全く違った趣です。

八角形の不動堂。手前の手水場の方に関心が行ってしまいました。今どき珍しい手動式ポンプがあったんです。傍に立っておられる仏像も、お優しい顔立ちをされていましたもので・・。

根來寺の紅葉

岩出市

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不動堂付近の紅葉は決して多くはないのですが、堂に寄り添うように佇む姿がさりげなく鮮やかでした。根来寺の紅葉は全般的に、ピンポイント的に塔堂を引き立てる役割を果たしていると思います。

根来

岩出市

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根来寺一山の総門である大門。大寺の門にふさわしい大きさですが、主立った塔堂がある境内から数百メートル離れた場所にあるのが惜しいです。本来なら、この門をくぐってから参拝を始めるべきなのでしょうが、皆さん、この門の脇を素通りして駐車場に向かってしまいます。私たちも、参拝を終えて最後に立ち寄りました。

門の真下から見上げました。とても大きく、2階部分には釈迦如来像や十六羅漢像が安置されているくらいです。

岩出市民俗資料館

岩出市

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根来寺の参拝者用駐車場の隣にありますし、入館無料なので、根来寺参拝の折に立ち寄られるといいでしょう。場所が場所だけに、根来寺の歴史や史料だけの展示と思いきや、そうでもありません。かつての紀の川水運で繁栄してきた岩出市についての展示も多いです。

とても明るくて綺麗な館内。向かって右側に根来寺関連の、左側に岩出市全体の歴史についての展示がされています。

むか新岩出店

岩出市

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根来寺から、さほど遠くはない場所にあります。境内がとても広い根来寺参拝で歩き疲れたので、甘いものが欲しくなり立ち寄りました。事前に、イートインがある評判の良い和菓子店と聞いていたこともあります。特に、こがしバターケーキが有名のようです。 「むか新」とは変わった名前だなと思いましたが、「むかし」と「新しい」の合成語だそうです。「昔からいつも新しい」がモットーらしいです。

むか新岩出店

岩出市

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店内は明るくて、とても綺麗です。歴史や伝統を重んじる和菓子店のイメージを払拭しようとしているのでしょう。むか新さんの若手パティシエさんやクルーの皆さんの笑顔写真がパネルとして掲示されていました。今どきの洋菓子工房みたいです。 陳列台に並ぶ菓子の中から欲しいものをカゴに入れてお勘定し、イートインで頂くと告げると、店員さんがトレイに載せて席まで持ってきてくれて、お茶も出して下さいました。店員さんの応対が素晴らしいですね。 美味しかったので、みやげ用の菓子も買いました。店を出る時に、店員さんが駐車場まで見送ってくれたのには、恐縮してしまいました。

むか新岩出店

岩出市

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評判の良い「こがしバターケーキ」。近畿地区ではテレビCMが放映されているようです。マドレーヌをサクッとさせたような風味・舌ざわりです。 他に「紅玉りんごケーキ」「オレンジチョコサブレ」もイートインで頂きました。どれも美味しかったですよ。

真言宗再興の拠点だった根来寺

1日目の旅ルート

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