こぼらさんの三重県の旅行記

伊賀上野・城下町のおひなさん

伊賀市

今年で11回目を数える「伊賀上野 城下町のおひなさん」巡りイベント。スタンプラリーで、伊賀上野の城下町を一巡するようになっています。立派なガイドマップ付きパンフも用意されています。 スタンプを揃えて簡単なクイズに答えたら、写真の菓子「ひがながさき」がもらえました。パンフでは「ひなあられ」と表示されていましたが、らくがんのような菓子でした。

伊賀上野・城下町のおひなさん

伊賀市

「伊賀上野 城下町のおひなさん」スタンプラリーは、7ヶ所でスタンプを押してもらい、何か買い物か飲食をし、簡単なクイズに答えると、先着300名にひなあられがもらえるという内容になっています。 店内でお雛様が飾られている所が多いのは本町通りですが、スタンプを全て揃えるためには二之町通りや三之町通りそして忍町も含めて、城下町を隅から隅まで歩かなくてはなりません。

居食屋　五右衛門

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「伊賀上野 城下町のおひなさん」スタンプラリーのスタンプポイントは、伊賀上野城下町に7ヶ所設けられています。まずは、伊賀鉄道・上野市駅前にあるランドマーク「ハイトピア伊賀」2階のスタンプポイントから始めることにしました。駅前には広い有料駐車場もあるので、スタート地点に向いています。 「居食屋 五右衛門」の入口横に、おひなさん飾りと一緒に台紙とスタンプ台が置いてありました。このイベントがなければ、ここに「居食屋 五右衛門」がある事に気付きませんでした。日替わりランチの評判が良い店です。

本町筋

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伊賀上野のランドマーク「ハイトピア伊賀」の南側に、江戸時代の姿をとどめている本町通りが東西方向に走っています。かつて伊勢と大和を結んでいた大和街道でもあります。この本町通りを西の方へ歩くと、古い建物がまだまだ残っています。 写真は砂糖問屋の田中商店。現役で活躍しているようです。大きな蔵が印象的です。

本町筋通りに「旧沖森邸」という旧商家があり、「伊賀上野 城下町のおひなさん」イベントの中心となっています。スタンプポイントでもあります。

伊賀上野・城下町のおひなさん

伊賀市

旧沖森邸は城下町の商家だったので、間口は小さくても、とても奥行きがある建物です。その中に古くは江戸時代、新しいものでも昭和時代のひな壇飾りがずらりと並べられています。 「伊賀上野 城下町のおひなさん」イベントのメイン会場と言っていいでしょう。

玄関付近に飾られているお雛様が江戸時代のもののようです。風格を感じます。

旧沖森邸の奥の間では、桜の花が入った熱い「くず湯」が来場者にふるまわれていました。桜の花は、塩漬けにしてあったものだそうです。「くず湯」に桜の香りと、かすかな甘味をもたらしていました。

本町筋

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いかにも城下町の商家らしい素敵な建物です。鰹節を専門に扱っている田口商店さんです。食べる本鰹節はもちろん、さば節・ソーダ節（薬品のソーダ？スケソーダラ？）・カメ節など、色々扱っているようです。遠方からもお客を集めているようです。

ハハトコ食堂

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本町通りにある、古民家を改造した食堂です。旧沖森邸の通り斜め前です。初めて利用しましたが、かの有名な「モクモク」が経営する店でした。 入口の引き戸は、木とガラス板でできた昔ながらの姿をしているですが、自動ドアになっていて驚きました。中はレトロな雰囲気の食堂になっているだろうと想像したのですが、明るいダイニングカフェ風に仕上げてあります。ピザもあります。

ハハトコ食堂

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ハハトコ食堂は本町通りにあるため、「伊賀上野 城下町のおひなさん」イベント期間中は、入口の近くにひな壇飾りを置いています。 商品棚には、いろいろなお総菜が置いてあります。好きな分量を小鉢に盛り、目方でお勘定する仕組みです。はかりと一体になったレジマシンがあります。 550円という値段から「GoGo弁当」と名付けられた弁当も並んでいました。 行った時は午後2時前だったので、お総菜は余り残っていませんでした。

「GoGo弁当」と選んだお総菜で食事。味噌汁はサービスです。

むらい萬香園

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二之町通り沿いにある「むらい萬香園」。お茶屋さんですが、抹茶ソフトや忍者パフェなどスイーツ屋さんとしても知られています。伊賀と伊賀忍者への思いが強い店主さんと愛猫「茶々」さんは、度々テレビや雑誌で紹介されています。

普段はスイーツのサンプルが置かれているショーウィンドウには、小さくて可愛らしいお雛様人形がいっぱい並んでいました。

むらい萬香園ご自慢の「こだわり抹茶ソフト」。季節を問わず、とても美味。

むらい萬香園

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テレビや雑誌で紹介され、伊賀忍にゃんとして知られつつある「茶々」さん。訪れた時はラッキーなことに、客席の横で寝ていました。日曜だったので子供客のお相手をしてお疲れだったようです。店主さんのおはからいで忍者衣装をまとってくれました。店主さんの指示で、上手に衣装に腕を通します。

忍町

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次なるスタンプポイントは赤井家です。この辺りは忍町と呼ばれていますが、かつて武家屋敷や商家が混在していたエリアです。忍町は三之町通りのさらに南側にありますが、その地名から伊賀忍者の組屋敷があったとも言われています。忍者はその存在を知られない事が大事なので、普段は武士であったり商人の姿をしていたのかもしれません。

赤井家は、千石の禄高で藤堂高虎に召し抱えられ、以後足軽大将を歴代勤めていた家柄です。

赤井家にはひな壇飾りは置いてありませんでした。かわりに「伊賀焼きのおひなさん作陶体験・販売」をやっていました。作陶体験には小学生らしき子供たちが参加していて、かわいらしいおひなさんを作っていました。こういう雛めぐりもあるのだなと思いました。

忍町

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赤井家の北隣にある旧商家も素晴らしいですね。赤井家のように長屋門を備えていないので武家屋敷ではありません。武家屋敷と商家が隣り合わせになっていたのも伊賀上野の城下町の特徴らしいです。武家屋敷も商家も関係なく、持ち回りで忍者の拠点になっていたのかもしれません。

三之町筋

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次のスタンプポイントの「武家屋敷 入交家住宅」。三之町通りにあります。苔むした茅葺き屋根に趣を感じます。 普段は入館料200円が必要ですが、「伊賀上野 城下町のおひなさん」イベント期間中は無料で入る事ができます。中では「手づくりアートのひな人形展」をやっていて、創作的なひな人形が陳列されていました。

三之町筋

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三之町通りには、江戸時代の武家屋敷「入交家住宅」があります。三重県指定有形文化財（建造物）となっています。茅葺き屋根と瓦屋根が混在しています。 20世紀末まで私邸として使用されていたものを、市が買い取り保存修理工事を実施したのだそうです。それまでは、茅葺き屋根は鉄板で覆われていたとのこと。現在は19世紀中頃の姿に復元されているそうです。

中は創作的なひな人形や雛飾りが多数展示されていました。武家屋敷なのですが、まるで美術館です。

ガラス板を針金フレームに組み込んで作ったひな人形。

菅原神社（上野天神宮）

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次なるスタンプポイントは、意外にも上野天満宮でした。社殿の横にある社務所前に、スタンプが置かれていました。境内にはひな人形は見あたりません。 伊賀上野では有名な神社ですから、雛めぐりやスタンプラリーであっても、お参りをしなさいということなのでしょう。

旧崇廣堂

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かつての藤堂藩の藩校で、伊賀上野城内だった場所にあります。正しくは、藤堂藩の本拠地・津城にあった藩校・有造館の分校（支校）が崇廣堂です。伊賀上野城は、城としては津城以上の威容を備えていたので、崇廣堂も分校であっても立派なものでした。伊賀・大和・山城に点在した領地に住んでいた藩士の子弟を教育するための機関でした。 城下町からは少し離れていますので、私たちはスタンプラリーの最終地点にしました。 講堂に架かっている扁額「崇廣堂」は、かの米沢藩主・上杉鷹山が記したものです。

広い講堂は、コンサートや展示会・講演会に使われています。

旧崇廣堂

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藩校だった建物の中で、現在でも往時の姿形を留めていて、国の史跡に指定されている例は珍しいそうです。 写真の右側が崇廣堂、左側が「文場」です。崇廣堂を学校の体育館に例えるなら、「文場」は授業用校舎だった建物です。 「伊賀上野 城下町のおひなさん」イベントに因んだ展示は、「文場」の広間で行われていました。

伊賀の名産品である「組み紐」と「伊賀焼き」で作られた、ひな人形が中心となって展示されていました。

組み紐で作られた親王飾り。こうしたお雛様も良いですね。

雛めぐりを終え、崇廣堂から出て帰途につきます。上野市駅前駐車場まで歩いて戻るのです。崇廣堂の門前付近は、道脇の歩道が狭いので気を遣います。 写真は、殿様が藩校に来られた際にくぐられた「御成門」。明治時代に移築されてはいますが、創建当初の建物です。