こぼらさんの奈良県の旅行記

月ヶ瀬梅渓 梅まつり
- 1日目2019年3月14日(木)
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月ヶ瀬梅渓 梅まつり
奈良市
毎年2月から3月にかけて、月ヶ瀬周辺の梅のあるところ全てに「梅まつり」の幟が立てられます。これを見かけると、春が来たのだなと思えます。祭とはいっても、梅林内で大きなイベントが催される訳ではありません。パネルや写真の展示がされる程度です。イベントは、麓にあるロマントピア月ヶ瀬や月ヶ瀬梅の資料館などの施設で開催されます。 梅まつりの主役は、あくまでも梅渓全体に咲く梅です。散策路沿いに茶店が並び立つので、来場者は飲み食いしながら梅の花を愛でて散策するのが楽しいのです。吹く風はまだまだ冷たいですが、梅の花を照らす日射しは柔和で、歩いていると優しい気分になります。
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月ヶ瀬梅渓 梅まつり
奈良市
帆浦梅林の散策路に沿って、こんな雰囲気の良いテラス席が設けられていました。周辺の空気がひんやりしてくる午後4時過ぎに撮影したので、お客の姿はありません。でも、3月の日曜日の昼間だと、ここにびっしりお客が集まっていて賑やかです。
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月ヶ瀬梅渓 梅まつり
奈良市
写真は「ロマントピア月ヶ瀬」名物の「うめぼしうどん」と、梅まつりのチラシ。うどんを頂きながらチラシを見ていて気付いたのですが、平成31年2月17日〜3月31日という梅まつりの開催期間は、平成の最終時期でもあります。いわば平成最後の梅まつりです。 梅まつりの期間中は、月ヶ瀬梅渓の中や周辺にある茶店や食堂で、各店オリジナルの梅うどんを用意しています。これらを食べ歩く催し「うどん散歩」も楽しみの一つです。
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月ヶ瀬湖畔にある道の駅のような施設です。 去年は、ここも「うどん散歩」の参加店で、大葉に乗せられた梅干しがかぐわしい梅うどんを食べさせてくれました。今年は参加していないようで、「うどん散歩」の幟が見当たりませんでした。 食堂の隣にある農産物直売所で売っている草餅も最高で、時折これを目当てに来るのですが、売り切れでがっかりする事が多いです。それ位に人気がある草餅です。
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農産物直売所にある草餅が最高です。開店してすぐに売り切れが多いのですが、今回はラッキーなことに「あんなし草餅」が残っていました。作りたてで柔らかく、よもぎの香りが素晴らしい。焼かずに、そのまま食べるのも良い。桃色の餅は、しその紅を使っているかと思いきや、エビの粉で着色されています。どっちにせよヘルシー。
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ロマントピア月ヶ瀬に移動しました。梅まつりの期間中は駐車料金600円が必要です。ここで腹ごしらえをしてから梅見物に出かけることにしました。
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ロマントピア月ヶ瀬の食堂は、梅の花の季節だけオープンしています。ですから、ここのメニューは全て季節限定。なかでも「うめぼしうどん」(600円)と「いろりセット」(400円)がとても楽しい。 火鉢を組み込んだローテーブルから出ている、燃える木炭の香りも懐かしくていいですよ。
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「いろりセット」は草餅・こんにゃく・椎茸・ネギの組み合わせ。
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火鉢の木炭の火であぶり、味噌を付けていただきます。バーベキューと違い、火鉢と木炭の優しい火で手や体を温めながら、食べ頃になるのを待つのは実に楽しい。子供の頃を思い出します。係員さんの話では、火鉢は方々探して集めたものだとか。
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焼き上がって膨れた草餅。アツアツを頬張って、ハフハフ頂くのがおいしい。中は半突きの餅米でした。よもぎの良い香りがしました。
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去年開催された「うどん散歩」では、私たちはロマントピア月ヶ瀬の「うめぼしうどん」が一番おいしかったと思いました。今年も、これが楽しみでやってきました。 「うどん散歩」とは、月ヶ瀬の茶店たちが季節限定で色々な梅うどんを披露し合うイベントです。食べ歩き・食べ比べ用にミニサイズ版を作ってくれるといいのですが、どの店も普通サイズしか用意していません。私のように麺好き漢なら3杯くらいまで頑張れますが、家内はじめ女性にはきついかな。
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ロマントピア月ヶ瀬のうめぼしうどんは、梅干しの他に、肉厚のある椎茸、茹で菜、餅、カマボコが盛られ、さらにその上に削り節がたっぷりかぶせてあるのが特徴。食べていて幸せな気分になりますよ。
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私たちはロマントピア月ヶ瀬に駐車して、北口から梅林公園に入りました。写真は、北口から南側を見たところです。公園そのものは奈良市が設けていますので、整然と整備されていて歩きやすいです。梅のテーマパークという感じです。 公立の梅林公園に隣接して、私営の梅農園(天神梅林・帆浦梅林)や真福寺境内があります。こちらは急な坂道が多くて歩くのが少しばかり大変ですが、見所や絶景が多いです。
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月ヶ瀬地区に広がっている梅林は、月ヶ瀬梅渓とも月ヶ瀬梅林とも言われます。広い意味では、公営の月ヶ瀬梅林公園と、私営の梅農園を合わせて月ヶ瀬梅林と呼ぶようです。特に月ヶ瀬湖を見下ろす絶景が得られる帆浦梅林や一目八景の梅林は、月ヶ瀬梅渓とも呼ばれます。 こうした案内図を見ると、月ヶ瀬梅林はそんなに広くないのがわかります。でも、実際に歩いてみると、起伏のある曲がりくねった道を行き来しますので、とても広く感じます。
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公営の月ヶ瀬梅林公園の中は、こうした平坦な道になっていて歩きやすいです。梅の木の間隔も広いです。
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天神梅林を高台から見たところ。私営の梅農園なので、梅の木の間隔が狭く密集しています。
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天神梅林の中の散策路。梅の実を収穫するための農園ですから、梅の種類を揃えて植えてあります。散策路としては足元が不安定ですが、梅の花のトンネルをくぐるように歩けます。こちらにも別の味があります。
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天神梅林の紅梅を接写。バラの花と比べればサイズこそ小さいものの、梅はバラの仲間だということがわかりますね。
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美晴荘は、旅館と料亭、そして茶店小屋で構成されています。写真は旅館の玄関で、通りをはさんで向かい側に料亭と茶店小屋があります。旅館としての美晴荘は、付近では一番目を惹く建物です。2階客室からは、月ヶ瀬梅林と月ヶ瀬湖を見下ろす最高の眺望が得られそうです。
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美晴荘の茶店小屋は、月ヶ瀬梅林と月ヶ瀬湖を見下ろす断崖絶壁の上に建っています。鉄骨櫓の上に店舗が乗っています。店内は屋内展望台になっています。 月ヶ瀬の茶店が季節限定の梅うどんを披露し合う「うどん散歩」の幟が立っていました。ここの梅うどんを試してみることにしました。
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美晴荘の茶店小屋(小屋というには広くて立派ですが)の様子。月ヶ瀬湖を展望できるガラス窓が少々汚れていて残念でした。でも仕方ありません。建物は絶壁の上に建っていますから、そうそうは拭き掃除ができないですよね。
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美晴荘の梅うどん。麺が細めで、梅干し・削り節・山菜・ネギがバランス良く乗っているのが美晴荘版梅うどんの特徴。月ヶ瀬の老舗ならではの色使いになっています。 出汁は、鰹節の隠し味が利いていますが、どちらかというと薄味。
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美晴荘のおでん。テーブル席に腰掛け、箸で食べましたが、屋外テラスで絶景を見ながら串刺しのおでんを頬張るのも良いかなと思う。
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天神梅林の名前の由来になった尾山天神神社。加賀前田家とのつながりがありました。
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尾山天神神社
大阪夏の陣が終わった直後、攻め手に加わっていた前田利常公が加賀に帰る途中に、月ヶ瀬に立ち寄りました。前田家の二千日安泰を祈願したようですが、その二千日後に満願したということで建立された碑が、神社の前に今も残っています。 前田利常は、父親の利家は豊臣家を護持する五大老筆頭でしたが、自身は将軍徳川秀忠の娘を嫁にしており、前田家存続のために大変な苦労を強いられたお方です。祈願も、恒久的な安泰ではなく二千日に限っています。数年後はどうなるかわからないという状況だったのでしょう。
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これが前田利常公が祈願した尾山天神神社です。もっとも、利常公が来訪した時代は、神社は真福寺境内にあったようです。 加賀前田家の金沢城の近くに尾山神社という立派な神社がありますが、この尾山天神神社を分神したものだそうです。こっちが御本家なのですね。 でも、加賀の前田利常がどうして月ヶ瀬の天神社を訪れたのか不思議です。前田家はもともとの姓が菅原であり、特に利常公は菅原姓にこだわっていたようです。天神社であるからには祭神は菅原道真公なので、菅原姓つながりで、ここに祈願のために訪れたのでしょうか。
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尾山天神神社の横にある展望所からは、月ヶ瀬湖が見渡せます。西日に照らされた月ヶ瀬湖面を背景にした、展望所の白梅です。
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月ヶ瀬梅林の梅は全て、この真福寺境内に植えられた梅の木をルーツとしていると言われます。後醍醐天皇による笠置山籠城戦(元弘の乱)が失敗し、笠置から木津川に沿って避難してきた姫君が持っていた梅の実を育て広めたものと言われます。 真福寺に来るのは、いつも昼過ぎになります。あれこれ見て回ると、この時分になってしまうのです。困るのは、境内を撮影するのに逆光になってしまう事です。境内には枝垂れ梅が多いので、これを鮮やかに撮影したいなら、真っ先にここへ来るのがお薦めです。
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真福寺本堂を背景にした白梅。
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帆浦梅林からは、名張川が高山ダムによって堰き止められてできた月ヶ瀬湖が見下ろせます。梅林ではなく梅渓と呼ばれる理由がわかります。緑の湖面を背景に、咲き揃う白梅。いい感じです。
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帆浦梅林に来て、月ヶ瀬湖が見えてくると、いつもしばし足を止めて景色に見入ってしまいます。人工湖だとはわかっているのですが、自然な感じの渓谷美です。 手前の梅が満開なら言うことなしだったのでしょうが、桜と違って梅はこの位の咲き具合が自然で似合っているような気もします。
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「名勝・月ヶ瀬梅林」石柱の傍にある土産物屋さん「小谷商店」。明治時代中期より「月瀬漬」を扱っているとのこと。月瀬漬は、種を取った梅の果肉を、しその葉で一つ一つ包み巻きして砂糖漬けにしたものです。 小谷商店は創業110年弱だそうで、建物にはとても風情があります。
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小谷商店近くの小さな庭園に咲く枝垂れ梅が、とてもきれいでした。他の来場者も「ここの梅が一番いい。」と言っていました。 実はこの場所、公衆トイレや喫煙スペースの横なんです。家族連れから撮影役を頼まれましたので、トイレの横だとはわからないように構図して撮影してあげました。 小谷商店前から梅林に向かう道の左手、少し奥まった場所にあります。
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一通り見終えてロマントピア月ヶ瀬に戻る途中で、3色の梅が咲いている場所を見つけました。黄色い梅は蝋梅(ろうばい)と呼ばれる品種です。
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蝋梅の花を接写。梅や桜はバラ科の植物だとは聞いていましたが、蝋梅の花びらを見ると納得できます。
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月ヶ瀬温泉の隣にある、月ヶ瀬福祉センター玄関前に佇む枝垂れ梅。温泉利用客も利用できる広い駐車場の隅にぽつんと立っていますが、これがなかなか印象に残る風情でした。
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せっかく月ヶ瀬まで来たのですから、月ヶ瀬温泉でひとっ風呂浴びない手はありません。家内も、半日歩き続けて腰が痛くなったので温泉で癒したいと言っていました。温泉で体を温めた後、風呂上がりに温泉内の食事処「梅こころ」で、うどんをもう一杯。今日の食べ歩きのラストとなりました。 期間限定メニュー「ヤマトポークと水菜の梅うどん」。「梅こころ」のレギュラーメニューである「梅うどん」とは違い、出汁が薄味になっていました。ヤマトポークの味を引き立てるためでしょう。
月ヶ瀬梅渓 梅まつり
1日目の旅ルート
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