こぼらさんの奈良県の旅行記

太陽の道 室生山上公園・芸術の森
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室生山上公園・芸術の森は、室生寺のすぐ近くの山の上に設けられています。公園全体が「太陽の道」のモニュメントであり、世界的に有名な彫刻家がデザインした風景彫刻ともなっています。 「太陽の道」とは北緯34度32分の緯度線です。道とは言っても、東西を一直線に走る道路があるわけではありません。北緯34度32分は、暦で大事な春分・秋分の日に、太陽が昇る場所と沈む場所を結んだ直線です。だから太陽の通り道だと言うのです。 不思議なことに、太陽の道に沿って箸墓古墳・大神神社・長谷寺・室生寺・曽爾高原(倶留尊山)そして伊勢斎宮や神島など、古来より重きをなす神社仏閣やパワースポットが一直線に並んでいます。参宮道であった伊勢本街道も、一部区間ではありますが、ほぼ太陽の道に沿っています。神秘さを感じる緯度線です。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代
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- 1日目2019年4月6日(土)
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もともとは棚田があった場所に造られた公園です。谷間で地滑りが起きやすい場所であったため、防止策として溜池のある公園を作るのが当初の目的でした。たまたま太陽の道(北緯34度32分の軸線)が通っていたため、太陽の道のモニュメントを含めた芸術的な公園を造ることになったようです。 鉄橋の橋桁のような構造物が立ち並んでいますが、これが太陽の道を表しています。この延長線上に室生寺や長谷寺、さらには伊勢斎宮跡があると考えると、なにか不思議さを感じます。
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北入口である施設棟の様子。入口から見ると、窓がない回廊に見えるのですが、どこからか日が射しています。木の梁や柱は日時計の目盛りのようにも見えます。
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入口から奥に進み振り返ると、ガラス窓があるではないですか。しかもガラス越しに外が見えています。係員さんの説明では、この公園内の建物やオブジェは、見る方向や角度によって見えるものが全然違うように工夫がされているとのことでした。 管理棟は湾曲した形なので、窓に大きな湾曲ガラスを用いるとレンズ効果で内部が暑くなってしまいます。こうした窓レイアウトにする事で、射し込む太陽光の角度が変わっていくのを楽しめるように工夫しているのでしょう。
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管理棟から出て、公園の中に入ったところ。わずかですが桜が咲いていました。
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管理棟は、半地下というか丘の一部としてデザインされています。自然景観を損なわないように配慮した結果です。
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「螺旋の水路」と呼ばれる風景彫刻。この公園を代表するオブジェの一つです。 左手に見える太陽の道モニュメントと平行するレイアウトです。上空から見たらナスカの地上絵のように見えるかもしれません。 奥に見える木(ドームツリー)のまわりから、手前の渦巻きになっている所まで、水が流れています。渦巻きの中心に水が溜まるはずですが、地下に仕掛けがあるようで、溜まりません。
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太陽の道は丸い池を渡っています。池の中央に「天文の塔」があります。この塔はコンクリート製ではなく、鋼材で作られています。自然さにこだわり、敢えてさび色で仕上げられています。塗装されていないようですが、触れても指に錆は付きません。不思議です。
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「天文の塔」には階段が付いていて、頂上から公園全体を見渡すことができます。頂上に切り欠きが見えています。春分の日や秋分の日の正午になると、この切り欠きの中に太陽が入るようになっています。うまくその時に居れば、階段のステップ全てが太陽光で白く照らし出されるそうです。マヤのピラミッドみたいですね。 この写真を撮影した時刻は正午すぎでしたが、春分から2週間以上が経過していたので、ステップの右側が白く照らし出されていません。
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「天文の塔」頂上から東を見ています。太陽の道は東の森から姿を現し、「天文の塔」をまたいで西の森に消えていくようなイメージになっています。
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さらに南へ進むと島が3つ浮かぶ溜池(パンフでは湖という)が見えてきます。3つの島には、手前から「ステージの島」、次に「ピラミッドの島」、一番奥に「鳥の島」という名前が付けられています。
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「ステージの島」と「ピラミッドの島」とは橋で結ばれていて、歩いていくことができます。このピラミッドも、「天文の塔」同様に鋼材でできています。鉄さび色をしていますが、錆びている訳でもないです。塗装に頼らない特殊な加工がしてあるようでした。
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南側から湖を振り返ったところ。小鳥のさえずりが聞こえてくるだけで、とても静かです。不思議というか、芸術的な光景です。 この湖は、ここが地滑りが起きやすい場所だったので、防止用の集水池として計画されたものでした。わかりやすく言えば溜池なのです。すぐ近くに室生寺があり、太陽の道が横切るロケーションだったので、芸術家:ダニ・カラヴァンにデザインを依頼し「公共事業とアートの融合」に挑んだのです。試みは成功したのではないでしょうか。
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公園の南端(南入口:ビジターセンター)に向かう坂道から湖を振り返ったところ。左手前に桜並木がありますが、標高が高いためか4月6日時点では開花していませんでした。咲き揃えば、この場所がベストフォトスポットになることでしょう。
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ビジターセンター(南入口)内のオブジェ。この公園の主役が、地滑り対策の溜池と水路である事を示すように、石積みの展示です。でも太陽の道のモニュメントでもあるので、日時計のように太陽の角度によって姿を変える展示物になっています。
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帰りは、湖の西側にある遊歩道を歩きました。この辺りは、もともと谷間の棚田や集落があった場所なので、里道も残されています。施設棟の係員さんの話では、もともとあった里道に木のチップを敷き詰め、苔が生えやすくしてあるそうです。確かに歩くと足元がふわふわした感触でした。保水にも効果があることでしょう。
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第1湖と第2湖の間には、「バイパス水路」と呼ばれる、城壁と堀のような水路が設けられています。ビジターセンターにあった石積みオブジェは、ここに因んでいたことがわかります。郷愁を感じる風景です。 これのデザインにも、公園全体を設計したダニ・カラヴァンが関わっていて、一般的な水路にありがちな無機質な風景にしてしまう事を許さなかったようです。
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遊歩道から、水路・石垣・棚田、そして太陽の道・天文の塔を見下ろしています。風景デザインには、インカの集落遺跡のイメージも織り込まれているようです。
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バイパス水路沿いの散策路を歩き、太陽の道モニュメントや天文の塔がある第2湖まで戻ってきました。太陽の道モニュメントの西端から東を見ています。 左に「螺旋の水路」や「螺旋の竹林」が見えています。さらに奥に「桜の丘」があります。開花直前でしたが、花を付けていませんでした。
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西側から見た「螺旋の水路」。反対方向から見た姿とは全然違う印象を受けます。水の流れの源が山であり森林である事を主張しているのでしょう。
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「螺旋の竹林」の様子。渦巻き状の通路を下りて、地下に下りる事ができます。この公園の看板の一つである「螺旋の水路」は平面的なデザインなので、渦巻きの中心で地下に吸い込まれていく水を表現できません。それで「螺旋の竹林」を追加して、立体的に地表と地下を表現しているのでしょう。地下通路には湧き水が流れていて、水琴窟のような音が響いていました。
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桜を見に来たのですが、室生山上公園・芸術の森と同じく少し早かったようです。 無料で使える大きく立派な遊具がいくつもある事が公園のウリだったのですが、経年劣化が進んできているようです。昨年来た時よりも、利用できる遊具が少なくなっていて残念です。早いもので開園から25年が経過したそうで、仕方ないことです。
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紅白のモクレンは鮮やかに咲き揃っていました。
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不思木の森公園のすぐ隣に、室生ダムを周回する道路が通っています。道路沿いに桜の木が多数植えられていて、7分咲きになっていました。そのあたりで一番大きな桜の木は開花直前で、全く花が咲いていなかったのが残念でした。
太陽の道 室生山上公園・芸術の森
1日目の旅ルート
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