こぼらさんの岐阜県の旅行記

飛騨川・飛水峡〜下呂・中山七里
- 夫婦
- 2人
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国道41号線を北上しつつ、飛騨川の景色を楽しみながら下呂温泉に向かいました。七宗町から白川町にかけては、約12kmにわたり荒々しく神秘的な峡谷が続く飛水峡をじっくり見ました。七宗町では、展望台のある道の駅や、河床で採取された約20億年前の石を展示する博物館を設けるほどに、飛水峡を大切にしています。 下呂市には、飛騨川の景観が素晴らしい旧飛騨街道・中山七里があります。旧飛騨街道は国道41号線と重なっている部分が多いので、帰りは41号線を南下しつつ中山七里の景観を楽しみ、飛騨川のエメラルドグリーン色の流れにも魅了されました。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代
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- 1日目2019年11月1日(金)
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私たちは東海環状自動車道・美濃加茂ICで降り、国道41号線で下呂温泉へ向かいました。昼食をとるために、ここに寄りました。高速道路を下りた後、料金ゲートに至る途中にあります。上下線共用の大きくて立派なSAです。 食事を終えてゲートに向かうと、途中に「美濃加茂ハイウェイオアシス」の表示があり、さらに大きそうな建物が見えました。「美濃加茂ハイウェイオアシス」と「ぎふ清流里山公園」でした。後で知りましたが、ハイウェイオアシスから里山公園には歩いて行けますので、時間に余裕があれば一通り回ってみるのも楽しいでしょう。
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美濃加茂SAの中の様子。金曜日の昼時だったからか、賑わいが少ないような気がしました。 近場に、土産物売り場やレストラン、レジャー施設を伴った「美濃加茂ハイウェイオアシス」や「ぎふ清流里山公園」があり、一般道に出なくても行けるようになっています。これらの施設と美濃加茂SAが競合してしまう要素はありそうです。 でも「美濃加茂ハイウェイオアシス」や「ぎふ清流里山公園」は、そこで1日を過ごせてしまう複合レジャー施設であるのに対し、美濃加茂SAはあくまでも高速道を走行する者が休憩に立ち寄るSAだという違いがあります。
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外にも五平餅やみたらし団子、ソフトクリームの売り場がありました。立派なサービスエリアです。
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「道の駅ロック・ガーデン ひちそう」は国道41号線沿いにあり、七宗町の南端に位置しているので飛騨の玄関口と言える場所にあります。 施設のすぐ裏側には、飛水峡と呼ばれる飛騨川の峡谷がひかえており、展望台から絶景を楽しむ事ができます。 敷地内には、近くの河床で採取された約20億年前の石を展示している博物館もあります。
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「道の駅ロック・ガーデン ひちそう」の裏には、飛水峡を眺望できる展望台が設けられています。展望台から飛水峡を見下ろすのも良いですが、展望台から階段を下りて遊歩道「ふれあいの里」を散策するのも楽しいです。飛水峡沿いの遊歩道には多数の桜が植えてあるので、開花時期にはとても優美な景色が見られそうです。
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展望台から望む飛水峡。スケールが大きい庭園を見ているような感じがします。飛騨川の流れを大きな池に見立てることができますし、両岸には回遊できる遊歩道があるので「池泉回遊式庭園」と呼べなくもないです。庭園を引き立てる築山や池の小島は、庭園サイズの石ではなく、本物の大きな岩です。だから「ロックガーデン」と名付けられたような気がします。 ちなみに「ロックガーデン」という施設名をガイドブックで見つけた時は、お恥ずかしながら歌のロックのライブに使えるステージと広場を備えた道の駅だと勘違いしていました。
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展望台から望む飛水峡(上流側)。奥に見える橋は、国道41号線の七宗橋です。この後、七宗橋を渡って下呂温泉方面に向かいました。
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展望台を下りると、飛水峡を見下ろせる遊歩道「ふれあいの里」が整備されています。遊歩道には多数の桜が植えてあり、開花シーズンには桜のピンクと飛水峡の碧色とが素晴らしいコントラストを見せることでしょう。 一部の木は「御衣黄桜(ぎょいこうざくら)」という珍しい品種になっているそうです。開花時期が遅く、例年4月下旬頃らしいです。開花直後の花びらは薄緑色ですが、次第に花弁の方から黄色くなっていき、花弁そのものは紅色になるのだそうです。見てみたいものです。
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遊歩道「ふれあいの里」から望む飛水峡(上流側)。峡谷に架かる七宗橋を遠くから眺めると、車たちが宙を浮いて行き来しているように見えます。 「ロックガーデンひちそう」付近の飛水峡は、展望台の上から見るよりも、遊歩道に下り歩いて上流側に近付いた方が、荒々しく切り立つ岩壁の様子が詳細に見えると思います。
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不思議な形をした建物です。真上から見ると楕円型をしているようで、駐車場からだと銀色の蚕のマユのように見え、玄関付近からだとカプセル錠剤のように見えます。UFOを意識したデザインにしてあるそうです。 入口には「2020年は日本最古の石発見50周年」という横断幕が掲げられていました。 日本最古の石とは、この博物館の近くの飛水峡河床で採取された石のこと。約20億年前に形成された片麻岩を含んでいることが判明してから50年が経過したとアピールしているのです。他に、海外で採取されたもっと古い石や、隕石も展示されています。入館料は大人300円です。
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「七宗町で発見された20億年前の石」と表示された石。これがメイン展示物の一つです。でも、この石まるごとが20億年前のものではないようです。この石は、飛水峡の河床で採取された上麻生礫岩という堆積岩で、約1億6,000億年前にできたものらしい。礫岩なので小さな砂礫が凝結していますが、その一部が20億年前の片麻岩だということ。 写真真ん中の少し上に赤い点が写っています。実は矢印なんですが、矢印の先が指す2〜3cm程度の石片が20億年前の片麻岩です。 ところで片麻岩も、もともとは堆積岩で地中深くの高圧で変成されたもの。地表で堆積した砂礫が地中深くに沈んで片麻岩となり、それが再び地表に出て風化・浸食を受けて砂礫に戻り、川の流れに運ばれて再度堆積岩となり、水に洗われて河床に顔を出したところを採取されたという訳です。 この石が20億年もの間、こうした輪廻転生を繰り返し、いま私たちの前に居てくれると考えると何とも感慨深いものがあります。
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写真左に見えているのが「七宗町で発見された20億年前の石」。近くに、海外のものですが約40億年前の地球最古の石も展示されています。やはり気の遠くなるような時を越えて輪廻転生を繰り返してきた石片です。好きな人にはたまらない展示でしょう。 私は高校で地学を教わりましたので、こうした展示の価値や意義をわずかながらも理解できます。でも、多くの場合「ふ〜ん。」で終わりそうな気がします。こうした難しいテーマを郷土の誇りとし、展示に挑んでみえる七宗町の皆さんには頭が下がる思いがします。
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甌穴と書いて「おうけつ」と読みます。岩盤の所々に丼鉢状に凹んだ部分があり、その中に丸っこい石が入っているように見えます。まるで丼鉢の中に卵が入っているようです。国指定の天然記念物です。 川の激流によって岩がえぐられ擂り鉢状に凹んだ所に石が入り込み、川の流れで石が回転しながら擂り鉢を更に深く削ってできたものです。七宗町を流れる飛騨川の河床や岩壁には、こうした甌穴が800〜1,000ヶ所も見られると言われています。
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国道41号線沿いにある「天然記念物・飛水峡甌穴群」の案内碑。この近くに、2台程は駐められるスペースがあります。 路肩に設けられた歩道は狭いうえ、樹木が生い茂っていて河床や岩壁を容易には見下ろせないのが残念です。案内碑の近くに車を駐めて付近を見渡すしか、甌穴を見る手段はなさそうです。
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国道41号線沿いにある「天然記念物・飛水峡甌穴群」の案内碑の近くに車を駐めて、碑の後ろの絶壁から身を乗り出して見下ろすと、どうにか1つ甌穴が見えました。凹部の直径は4〜5mほどでしょうか、深さは7〜8mほどありそうです。中には水が溜まっていて、底に角が取れた大小の石がいくつか沈んでいました。 自然に出来たものとはいえ、不思議な形をしています。
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「天然記念物・飛水峡甌穴群」の案内碑より、上流側の飛水峡を望んでいます。勇壮な眺めです。 甌穴(ポットホール)は川面付近の低い場所だけではなく、案外高い所にもあります。直径数メートルの穴が岩の所々に開いているのが見えるでしょうか。 甌穴(ポットホール)は川面付近にできますので、高い場所にある甌穴は、川面が今よりも高い場所にあった時代にできたということです。それが何千万年前のことなのか、何百万年前のことなのかはわかりませんが。
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七宗町から白川町に入ってすぐの飛水峡の様子。いま車でやってきた国道41号を見ています。国道41号線は、とげとげしい岩場の上に盛り土して作られた事のがわかります。 飛水峡の特徴的地形として「穿入蛇行(せんにゅうだこう)」という言葉が使われます。蛇行状に屈曲する谷の中を流れる河川の様子を指しています。その通りですね。 この峡谷からは、荒々しいと言うか、神々しいと表現すべきか、人を容易に近づけない意志のようなものを感じます。
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少し紅葉も始まっていた白川町の飛水峡。川はゆっくりと流れ、川面は鏡のように鎮まっていました。普段は美しい光景ですが、ひとたび大水となると驚くほど水かさが増すようです。 岩場の上に、ほぼ水平に樹木の生え際ラインがあるのがわかるでしょうか?ラインのあたりまで水かさが届く時があるらしいです。国道41号線の路面の高さに近いです。 写真の右側は、川の流れで運ばれてきた土砂が積もって出来た丘になっています。私は路肩の堤を下り、丘の上に立って川面を見下ろすように撮影したのですが、立っていた場所まで川の水が来ていた痕跡がありました。それが対岸のラインとほぼ同じ高さなのです。 ススキなど背の高い草が生えていましたが、全て下流の方に倒れて枯れていました。今年も台風で、ラインの近くまで川の水が上がってきていたようです。 暴れ川の飛騨川らしさを感じ取れます。
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「美濃白川ピアチェーレ」は国道41号線沿いの道の駅で、あと数キロも走れば下呂市境となる、白川町の北の方に位置しています。 「ピアチェーレ」とはイタリア語で、初対面の人同士が交わす挨拶の言葉だそうです。日本語だと「初めまして」になりますか。 国道41号線の東側にありますが、日帰り温泉・カフェレストラン・地元農産品売り場を備えているので建物は大きく、敷地も広い。敷地は国道41号線をはさんだ対岸にも及び、幅のある歩道橋で行き来できるようになっています。
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美濃白川ピアチェーレでは、地元・白川町の特産品を販売しています。特に白川茶に力を入れているようです。イメージキャラクターを用意し、「茶筒に茶葉を詰め放題」コーナーを設けるなど、客寄せに懸命です。
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「道の駅・美濃白川ピアチェーレ」の特徴は、「美濃白川・道の駅温泉」という日帰りの天然温泉施設があることです。今どき550円で入浴できる温泉施設は少なく、思わずひとっ風呂浸かる事にしました。 施設は2012年オープンで新しく、小さいですが露天風呂も備わっていました。アルカリ性単純温泉の無色透明サラサラ系の湯で、浸かりやすかった。かすかに硫黄臭がしましたが、個人的には好みの湯でした。
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「道の駅・美濃白川ピアチェーレ」の第2駐車場(国道の対岸側)には、複合施設の「よいいち41美濃白川」が設けられています。2018年4月にオープンしました。国道41号線沿いにあるので「よいいち=良い市場=良い位置」と名付けられています。 「よいいち41美濃白川」の店舗の一つとして、白川町で採れた野菜や特産品を扱う「白川野菜村チャオ」があります。
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白川町を走る国道41号線からの眺めは、「日本風景街道」として登録されているだけあって、素晴らしいものがあります。でも国道は峡谷に沿っているので路肩が狭く、ちょっと路肩に車を駐めて景色を楽しむというのが難しい。車窓から景色を眺めていると、あっという間に絶景ポイントを通過してしまいます。 このため「道の駅・美濃白川ピアチェーレ」または「よいいち41美濃白川」の駐車場に駐めて歩き回るのをお勧めします。「よいいち41美濃白川」の裏側には飛騨川が流れており、川沿いに散策路が設けられていますので、それを見て回るのが楽しそうです。
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今回の宿泊には、湯快リゾートの宿を8ヶ所、リピート含めて10回以上宿泊利用した自称・湯快リゾートファンとして臨みました。 どこを利用しても失敗がなく、コスパも良いという安心感があるからです。 下呂彩朝楽・別館を去年利用して素晴らしい露天風呂に満足できたことと、別館の屋上から飛騨川をはさんで見る本館の姿が立派だったので、今回は本館を選びました。 下呂彩朝楽・本館には、露天風呂を備えた客室がある一方で、大浴場には露天風呂がないという仕組みを知らず、一般客室を選んでしまい不本意な思いをしました。ここに宿泊して露天風呂を楽しみたいなら、少し追い金を払って露天風呂付きの客室にしなくてはならない事を学びました。
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さすがは有名な温泉地にある宿です。同じ湯快リゾートの宿であっても、下呂彩朝楽・本館は宿泊者の人数が多いせいか、朝夕のバイキング料理が充実していたと思います。 湯快リゾートの宿なら、どこへ泊まってもほぼ同じ内容のバイキングが出てくるはずなのですが、ここは食材の鮮度や質が違うのか、とても味も良かった。用意される料理のボリュームも多いようで、切れた料理の補充が速かったし、熱々の状態で食べる事ができました。 宿の規模と宿泊者の人数は、食事に大きな影響がありそうです。
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3階の客室は、眺望ゼロ(窓からはブロック擁壁しか見えません)でしたが、2階の大浴場やレストランに近いのは便利でした。
- 2日目2019年11月2日(土)
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下呂彩朝楽・本館は低い山の中腹にあるため、下呂温泉街の眺望はいいです。 写真は、食堂から望む下呂温泉街。写真中央より少し左側に見える建物が下呂彩朝楽・別館。写真右側に見える橋は下呂大橋。 今回は同じ下呂市内であっても、中山七里や飛騨金山の景色を楽しむ行程でしたので、温泉街は眺めるだけにとどめチェックアウトしました。
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下呂温泉街から国道41号線を南下し、これから中山七里に差しかかる所にある不動橋の上から見た飛騨川。 少し紅葉が始まっていて、碧色に澄んだ川の流れがとても美しかった。
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写真は不動橋付近の旧飛騨街道から見た飛騨川です。景観が美しい中山七里は、このあたりから始まります。 中山七里とは、飛騨川に沿っていた旧飛騨街道のうち、下呂市三原から同市金山町までの全長約28km(七里)の峡谷区間を指します。 豊臣政権時代に飛騨国守であった金森氏が、それまでの飛騨街道が険しい山中を通るルートになっていてとても不便だったため、飛騨川沿いの崖を開削し谷に橋を架けて整備したバイパス路が中山七里なのです。さぞかし難工事だったことでしょう。
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中山七里の中心付近の様子です。とにかく川が美しい。碧色の飛騨川に、淡く色づき始めた紅葉が映し出され、川面に虹がかかっているように見えます。 中山七里とは、下呂市三原から下呂市金山町までの飛騨川と街道を指し、渓谷美や四季の景観に富む景勝地です。私は恥ずかしながら、中山七里を地名として知っていましたが、景勝地の名前だとは知りませんでした。
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澄んで美しい飛騨川が見られる中山七里。見どころとして、屏風岩・羅漢岩・孝子ヶ池・牙岩があるとは聞き及びますが、どこのどういう岩や淵(池)がそのように呼ばれているのか記述や資料が見つかりません。見所マップが欲しいと思いました。 このため、この写真はどういう名前の絶景ポイントなのかもわからないまま撮影したものです。 国道41号線を走りながら、これは美しいと感じる景色を見つけても、すぐに車を駐められる場所がないのも辛い。なるべく近くの安全そうな場所を見つけ、そこに車を駐めて歩いて戻っていました。
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飛騨川の下流方向を見ています。色づき始めた木々が美しい。11月下旬頃が紅葉のピークになりそうですね。 この写真、実はとても狭い路肩に立ってガードレールにもたれかかるようにして撮影しています。すぐ後ろを車がうなりを立てて走り去っていきます。道路脇に展望所が設けてられている所もあるのですが、10月の台風で被害を受けたらしく、工事車両が占拠していて近づけませんでした。
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ひとつ峠を越えて、金山町が近付いてきたあたりの景色。飛騨川の流れが急な渓流になっていたり、ゆったりとした淵になっている所もありますが、とにかく水が澄んで綺麗なのです。
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思わず見入ってしまうほどに鮮やかなエメラルドグリーンの水です。いかに飛騨川の水の透明度が高いかを示しています。岸の砂利が白いのも美しさを助けているようです。 こうした鮮やかな水と白い砂を見ていると、南紀白浜の白良浜か、瀬戸内の入り江に来ているようです。
飛騨川・飛水峡〜下呂・中山七里
1日目の旅ルート
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