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2020.10.23

華道とは?初心者向けの基礎知識をご紹介!主な道具や生け方の基本、代表的な流派など

華道(生け花)とは、四季折々の樹々や草花などの花材を、花器に美しく生ける芸術です。
憧れはありつつも、難しくて敷居が高いというイメージを持っている人も多いのでは?

そこで今回は、華道家・宮本 理城さん監修のもと、超・初心者向けの基礎知識を解説。華道の主な道具や生け方の基本に加え、代表的な流派や、体験教室の選び方もご紹介します!

※この記事は2020年9月30日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

華道とは?

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

花を生けることで、その美しさや命の尊さを表現する日本の伝統芸能・華道。

フラワーアレンジメントが花で空間を埋めるように作られるのに対し、華道(生け花とも呼びます)は、花材がない部分(空間)にも美しさを見出し、線の美しさを表現することに重きを置いています。
伝統花に「立花」「生花」、現代花に「盛花」や「投入れ」「自由花」などのスタイルがあります。

そんな華道の成立は約550年前、室町時代とされています。
江戸時代の華道は男性のたしなみとされていましたが、次第に女性の教養の一環として挙げられるようになり、昭和には花嫁修行として一般的となりました。

そして現代では、TVなどメディアで取り上げられることも増え、老若男女多くの人々に親しまれるようになりました。

主な華道の道具

華道に必須となる、3つの道具を紹介します。
よく見かけるものの、意外と正式名称を知らないという人も多いのではないでしょうか。

花鋏(はなばさみ)

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

花材を切りそろえる際に使用します。
わらび手、つる手の2種類があります。

花留め(はなどめ)

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

剣山(けんざん)や七宝(しっぽう)などがあり、花材を留めるのに使います。
花器・花材等により大きさや形を使い分けます。

花器(かき)

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

お皿のような広口の浅い「水盤」や脚付きの「コンポート」、筒状の「投入れ花器」「壺」など様々な素材・形・種類の花器があります。

基本的な生け方

では、写真とともに基本的な生け方を紹介していきましょう。
華道では、「主材」→「配材」→「あしらい」→「根締め(ねじめ)」という順に生けるのが一般的です。

STEP1:主材(線を作る素材)の生け方

最初に、3本の枝をベースとして、生け花の「骨格」となる美しいラインを作ります。

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

STEP2:配材(メインのお花)の生け方

次に、「配材」と呼ばれるメインのお花を生けます。2本を基本としたお花を挿し、華やかさを出します。

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

STEP3:あしらいの生け方

「配材」の次に生ける「あしらい」には、お花とお花の間を埋めたり、配材と異なる色味を加えることで、鮮やかにしたりする役割があります。

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

STEP4:根締めの生け方

最後は「根締め」。足元の前後に緑を足すことで生け花全体を引き締めると共に、剣山などの花留めを隠す役割があります。葉をカールさせたりして、面をうまく見せるように工夫します。

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

代表的な流派

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

華道には、いくつかの「流派」があります。ここでは簡単に、それぞれの特徴を紹介します。
自分に合った流派を見つけることで、より華道が身近になるはず。

池坊(いけのぼう)

室町時代後期に確立された流派です。「立花(りっか)」「生花(しょうか)」「自由花(じゆうか)」の3つのスタイルがあります。

草月流(そうげつりゅう)

「個性」を尊重した自由な表現を求めたことから始まっていて、「型」にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出すスタイルの生け花です。

小原流(おはらりゅう)

「盛花(もりばな)」という面的な広がりを強調したいけばなを創始し、近代いけばなの道を開いた流派。
現代空間にふさわしいいけばなを生み出しているのが特徴です。

古流東洋会 水墨花点前(こりゅうとうようかい すいぼくかてまえ)

古流の伝統である「生花(せいか)」の他、「水墨花点前(すいぼくかてまえ)」と呼ばれる和歌の朗詠と組み合わせたデモンストレーションスタイルの生け花が特徴です。

体験教室の選び方

(画像提供:宮本理城さん)
(画像提供:宮本理城さん)

華道体験ができる教室も多くありますので、実際に自分の目で見て、体験してみるのもおすすめです。
基本から丁寧に教えてくれるので、初心者でも気軽に参加できます。

体験教室はどう選ぶのが良いか、この記事を監修した華道家の宮本 理城さんに聞いてみました。

「流派や先生によってスタイルに違いがあるので、自分の好みに合った生け花のスタイルを見つけることを優先し、『好き』かどうかを大事に選ぶことがポイントになると思います。一度、各流派の作品をご覧になることをお勧めします。また、お稽古として定期的に通う場合は、通いやすさも大事なポイントになってくると思います」

【監修】
宮本 理城(みやもと りじょう)/華道家 古流東洋会 水墨花点前 副家元
2歳より古流東洋会の創流者(祖母)、二世家元(母)より華道の手ほどきをうける。
チュニジア・サウジアラビア・ロシア等での生け花デモンストレーションなど、海外での活動多数。全日本いけばなコンクール審査員特別賞受賞など。いけばな芸術協会正会員等。
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トリクルマガジン編集部  トリクルマガジン編集部

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