2021.06.29

＜2021＞秩父の有名かき氷店「阿左美冷蔵」を紹介！待ち時間やおすすめメニューも【埼玉】

東京からもアクセス良好な人気観光地、埼玉県・長瀞町。ここに創業約130年という、老舗のかき氷専門店「阿左美冷蔵」があります。

古民家と蔵をセンス良く改修したお洒落な空間で提供するのは、繊細で上品な口当たりに仕上げた天然氷のかき氷。一服の涼を求めて、繁忙期には待ち時間がじつに3時間を超える日も。

人気の理由を探るべく初夏の長瀞町へ。そこに待ち受けていたのは、絶品のかき氷と、敷地自体がひとつの観光地ともいうべきエンタメ性あふれる癒やしの空間でした。

氷や蜜へのこだわりはもちろんのこと、それを味わう空間にまで気を配る「阿左美冷蔵」。人気・おいしさの秘密を、6代目当主 阿左美幸成さんへのインタビューを交えお伝えいたします。

※この記事は2021年6月24日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信：じゃらんニュース

全国でもわずか6軒！天然氷の蔵元が営む専門店

風に揺らめく“氷”の旗。それを横目にして、緑あふれるアプローチを通ってすぐ。古民家風の瀟洒な建物と、開放感あふれる庭園が、目の前に広がります。

さらにその奥には、ジャズ喫茶風の和モダンな本館へと続くという、心おどる造り。このお店こそ、明治23年創業の「阿左美冷蔵」です。

「阿左美冷蔵」は、130年以上の歴史を持つ氷専門店。全国でも現在わずか6軒だけという、貴重な天然氷の蔵元です。

秩父の山奥でできた天然氷ならではのおいしさ

製氷が行われるのは、12月～2月にかけての真冬。秩父の山深くに巨大な氷池を構え、そこに清冽な伏流水を引きいれて、自然のままに凍らせていきます。

天然氷ならではのおいしさについて、6代目当主、阿左美幸成さんはこう語ってくれました。

「秩父は、石灰質の土地。ここの水は、pH7.8～7.9程度でやわらかく、旨味もあっておいしいのが特徴です。天然氷は放射冷却でゆっくり時間をかけて凍るため、ひとつひとつの結晶が大きくなりつなぎ目がない。削ってみるとわかりますが、切粉が鰹節のようにつながってふわっと盛り付けることとができるんです。」

氷の状態をシビアに見極めるのも、専門店ならではのこだわり。氷を削る2～3時間前には氷蔵から氷を出し、絶妙な温度になるようにスタンバイするのだそう。その理由は？

「やわらかく溶ける寸前の氷は粘りがあり、しなやか。ふんわりと削ることができるので、シロップとの馴染みも良く、舌触りも滑らかで口の中ですっと溶けていきます。逆に低温状態の氷を使うと、仕上がりも固く、シロップを掛けた途端に崩れてしまいます。召し上がるときの状態も、まったく変わってきますよ。」

計算し尽くされた“ベストコンディション”で提供されるかき氷。その見栄えの良さから思わず写真撮影に熱が入ってしまいそうですが、天然氷のベストな味わいを堪能したいのなら、提供直後から食べ始めるのをおすすめします。

おすすめ・人気の「絶品かき氷」メニュー

一番人気！天然氷本来の味を楽しめる、和三盆の秘伝みつ

常時10～15種類ほどあるかき氷メニューのなかでも、一番の人気は｢蔵元秘伝みつ｣（1200円）。和三盆をじっくり煮詰めて作った秘伝のみつは上品な味わいで、天然氷のピュアなおいしさを引きたててくれます。

｢昔の人は、かき氷をお砂糖で食べていたので、昔ながらの食べ方に近いですね。氷本来のおいしさを楽しめるので、色々なメニューを食べられたうえで『秘伝みつ』に戻られるリピーターの方も多いです。｣と、阿左美さん。

別添えの黒蜜にくわえ、あずき粒あん、抹茶あん、白あんからお好みで1つを選べる餡が付いているので、少しずつ味の変化を楽しみながら味わいたい逸品です。3種すべての餡が付いた｢蔵元秘伝みつ 極みスペシャル｣（1500円）も大人気です。

原料までこだわった果汁シロップ

自家製シロップは、地元のものをはじめ、ひとつひとつ厳選した食材を用いて、丁寧に作られています。

温州みかんをふんだんに使った｢あさみの氷みつ みかんシロップ添え｣（1200円）は、夏の暑さを吹き飛ばしてくれそうな爽やかなメニュー。自然な甘さが引き立つ上品な味わいに仕上げています。ほかにも、いちご、白桃、ぶどう、メロンなども果汁シロップの定番です。

旬のお楽しみ、変わり種の日替わりメニューも

注目は、日替わりのかき氷メニューです。たとえば、そば粉と胡桃で仕立てた和菓子のような味わいの｢胡桃こがし蕎麦のかき氷｣、地産の大吟醸酒｢秩父錦｣の酒粕から作った甘酒で仕立てた｢秩父錦大吟醸甘酒のかき氷｣などなど。日替わりメニューでは四季折々の旬食材を扱うため、内容は常に変化します。

撮影の日、提供されていたのは、｢桜のかき氷｣。香り高い桜の葉のシロップと、特製あんがついた上品な味わい。個性豊かな日替わりを楽しみに訪れるリピーターも多いそうです。

アートギャラリーや売店も。敷地内はまるでひとつの観光地

｢かき氷を食べるだけでなく、この場所そのものを楽しんでいただける場づくりをしていきたい。染め物など、体験イベントも今後、計画中なんです｣と話す阿左美さん。

その言葉どおり、「阿左美冷蔵」の空間には心に栄養を与えてくれる遊びや仕掛けが満載。氷蔵を改修した本館は、まるでジャズ喫茶のような趣。個性的な雑貨やアート作品が店内のそこかしこにセンス良く配置されていて、上質な音楽とともに居心地のいい空間を紡ぎ出しています。冬場には、ここでライブイベントを行うこともあるとか。

また、敷地内の別棟にはアートギャラリーを開設。地元出身の日本画家から作品を譲り受け、常設展を行っているほか、季節の企画展なども開催。

こうしたセンスあふれる取り組みは、版画作家でもあったという先代が、いまも中心になって精力的に行っているそうです。さらに、ギャラリーの隣には蔵を改装したレトロな売店もあり、センスのいいオリジナルグッズの販売も行っています。

待ち時間は？スムーズに入れる時間帯は？

通年営業の「阿左美冷蔵」では、季節問わずかき氷を楽しめますが、なんといってもこれからの時期は、一年で一番の繁忙期。予約は受け付けておらず、ピーク時で3時間待ちになることもあるそう。

阿左美さんいわく、｢比較的、スムーズに入りやすい平日の午前中がおすすめです。｣とのこと。敷地内のユニークな場づくりは、待ち時間もできるだけ楽しんでいただきたいという店主の心遣いがあらわれたもの。水分補給を忘れずに、待ち時間もゆったりとした心持ちで楽しみましょう。

ちなみに、こちらの金崎本店のほか、寶登山神社の参道には宝登山道店も。モダンなカフェ空間でこだわりのかき氷メニューを楽しめるので、こちらも要チェックです。

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