3月9日は「サンキュー」ということで感謝の日。「ありがとう」という言葉以外にも、日本各地で感謝を表す方言がたくさんあるのをご存じでしょうか?「おおきに」などは聞いたことがあるかもしれませんが、知られざる面白い表現がまだまだあります。今回は日本全国の感謝を表す方言に注目してご紹介していきます。
いくつ知ってる?日本全国の「ありがとう」一覧
- 北海道
- ありがと、ありがとう
- 青森県
- めやぐだ、ありがとうごす
- 岩手県
- ありがとうがんす、おおきに
- 宮城県
- ありがとうござりす、どうもね、おしょすい
- 秋田県
- ありがとさん、おぎに、わり
- 山形県
- ありがとさま、もっけだ
- 福島県
- ありがとない、たいへん、してもらって
- 茨城県
- どうも、あんがと
- 栃木県
- あんがとね
- 群馬県
- ありがと
- 埼玉県
- あんがと
- 千葉県
- あんがとう
- 東京都
- ありがとう
- 神奈川県
- ありがとう
- 新潟県
- ごちそうさまです、ありがとね
- 富山県
- きのどくな、ごちそうさま
- 石川県
- きのどくな、ようした、あんやと
- 福井県
- きのどくな、おおきに
- 山梨県
- ありがたいこんでごいす
- 長野県
- ありがとう、ありがとうござんす、おかたしけ
- 岐阜県
- きのどく、おおきに、うたてー
- 静岡県
- おおきに、おおきんなあ、ありがとっけねー
- 愛知県
- ありがとう、ありがとうさん、おおきに
- 三重県
- おおきんな
- 滋賀県
- おおきに、おせんどさん
- 京都府
- おおきに
- 大阪府
- おおきに
- 兵庫県
- おおきに、ありがとうおます
- 奈良県
- おおきに、ありがとう
- 和歌山県
- おおきによ
- 鳥取県
- だんだん、ようこそ
- 島根県
- だんだん、ありがとー
- 岡山県
- ありがとうござんす
- 広島県
- ありがとうあります
- 山口県
- たえがとうございます
- 徳島県
- たまるか
- 香川県
- ありがとう
- 愛媛県
- だんだん
- 高知県
- たまるか、おおきに
- 福岡県
- ありがと、おおきに
- 佐賀県
- おおきに
- 長崎県
- ありがとうござす、どーも
- 熊本県
- だんだん、ちょうじょう
- 大分県
- おおきに
- 宮崎県
- おおきん、だんだん、かたじけない
- 鹿児島県
- あいがと、ありがとうごわす
- 沖縄県
- にふぇー、かふーし、にーふぁいゆー(八重山)、たんでぃがーたんでぃ(宮古)
※各地域の代表的な方言を中心に、特徴的なものを取り上げています。すべてを網羅している訳ではなく、同じ県でも地域や世代によって方言が異なることもあります。
※掲載の方言は、現在はあまり使われていないものも含まれますのでご了承ください。
東北地方のひかえめな「ありがとう」

東北地方の「ありがとう」の方言には、すみません、ごめんなさい、申し訳ないなどの意味から転じてありがとうになっているものが多々あります。
青森で使われている「ありがとう」の中でも、ちょっと気恥ずかしい時や恐縮する気持ちを表現する時に使うのが「めやぐだ」。直訳すると「迷惑だ」ですが、「ご迷惑おかけしてすみません」というニュアンスを含んだ感謝を伝える言葉です。また、秋田県でも同じように、申し訳ないニュアンスが含まれる場合は「わり」を使います。山形県の中でも庄内地域で使われている「もっけ」「もっけだの」は、「気の毒だ」という意味から転じて「ありがとう」という意味になっています。
気の毒!?感謝から遠そうな北陸の「ありがとう」

富山や石川では「ありがとう」と伝える時、「きのどくな」と言います。始めて言われた時は「何で気の毒?同情されているの?」と驚いてしまいそうですが、「わざわざありがとう」「申し訳ないね」という、謙遜を含めた感謝の表現です。日常的に使われるそうなので、事前にそういった方言だと知っておくと安心ですね。
「おおきに」は関西だけの方言じゃなかった!

「おおきに」は言わずと知れた関西地方の「ありがとう」ですが、九州や高知、岐阜、岩手の宮古地方や秋田など東北の方まで、関西から遠く離れた地域でも使われています。
その理由としては、昔、港町として栄え関西と交流が多かった地域などで、関西の商人が使う「おおきに」が広まったからではないかと言われています。同じ「おおきに」でも、その地方の訛りが加わったり、秋田では「おぎに」、三重では「おおきんな」と派生した言葉になったりしているようです。
名古屋と奈良は「ありがとう」のアクセントが違う!?

同じ「ありがとう」でも、実はアクセントが違う地域もあります。愛知県の名古屋では、「り」ではなく「が」にアクセントがある「ありがとう」、奈良県では、「り」でなく「と」にアクセントがある「ありがとう」が使われています。
文字にして見ると同じ言葉でも、アクセントや文章にした時のイントネーションで方言らしさが発揮されるものもあり、実際に聞くと発見が多く面白いですね。
島根や鳥取の独特な表現「だんだん」

島根、鳥取、愛媛、そして熊本の一部で使われている「だんだん」。島根が舞台の連続テレビ小説で「だんだん」というタイトルのものが過去に放送されていたので、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
「だんだん」というのは、もともと「重ね重ね」「いろいろ」という意味の言葉だったそうです。「だんだん(重ね重ね)ありがとうございます」というのが、省略されて「だんだん」になったと言われています。また、熊本の「だんだん」は球磨地方で使われている古い方言で、今ではあまり使われない言葉なのだそうです。
島によっても違う沖縄の「ありがとう」

特徴的な沖縄の方言、「ありがとう」は「にふぇー」と言い、「ありがとうございます」と丁寧に言う場合は「にふぇーでーびる」となります。また、「かふーし」にもありがとうの意味があるそうです。
同じ沖縄でも、エリアや島によって全く違う表現をするのが印象的で、八重山の方言だと「にーふぁいゆー」、宮古の方言では「たんでぃがーたんでぃ」が「ありがとう」にあたる言葉になります。
まとめ
いかがでしたか?今回は「感謝の日」にちなんで、全国各地の「ありがとう」の方言をご紹介しました。地域によってイントネーションや表現にこんなに差がさるとは驚きですね。機会があれば本場の方言を聞いてみてくださいね。
鳥井 晴風
5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。