ふらりと散歩に出れば町家が立ち並ぶ通りと出会い、世界遺産や国宝を有する有名社寺をいくつもある歴史都市・京都。さらに春は桜、夏の新緑、秋の紅葉に冬の雪景色と名所旧跡や名勝のコラボレーションも見事で、季節を変えて何度でも訪れたくなる場所です。
京都観光でまず巡っておきたいのが、清水寺や高台寺がある観光の中心地・東山エリア、そして舞妓さんと出会える祇園エリアへ。夜は京都市内一番の繁華街、四条河原町あたりで探せば、予算や人数に合わせて食事もホテルも選り取り見取りです。
精進料理や京料理に欠かせないゆばや湯豆腐のほか、和菓子のお店を見つけたらこまめにチェックを。麗しい生菓子だけでなく、おしゃれな和スイーツを発見できます。
2日目は公家たちが別荘を構えていたという嵐山エリアへ。街中とはがらりと異なる里山や、保津峡の力強く雄大な風景を前に、京都の魅力の幅広さを体感してください。
※この記事は2022年2月4日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
京都満喫!1泊2日おすすめモデルコース概要
1日目:東山エリア
JR京都駅→建仁寺→清水五条坂 ゆば泉→清水寺→八坂庚申堂(金剛寺)
2日目:嵐山エリア
渡月橋→ぎゃあてい→嵯峨野トロッコ列車
京都の1泊2日モデルコース【1日目】
建仁寺
迫力満点の天井画や屏風を有する禅寺。



1202(建仁2)年に創建された京都最古の禅寺と言われており、臨済宗建仁寺派の大本山。勅使門から入ると三門、法堂、方丈がまっすぐに並ぶ荘厳な境内が広がります。
開祖である栄西は宋へ留学中、修業のかたわら茶の研究を行い日本へ持ち帰ったといわれていることから、茶祖としても尊敬を集めています。
新たな文化財づくりにも力を入れており、年々新たな見どころが増える名刹です。
見どころの一つは趣異なる庭の数々。禅の教えを象徴的に表現した「〇△□庭(まるさんかくしかくのにわ)」、四方からの眺めを楽しむ「潮音庭(ちょうおんてい)」、枯山水の「大雄苑(だいおうえん)」は、昭和・平成と近代に作庭されたものです。
鮮やかな青の世界に引き込まれそうな襖絵「舟出」は、染織作家の鳥羽美花氏が型染の技法を用いて完成させたもの。ベトナムの水辺の風景をモチーフに、禅の精神を描き出しています。
他にも俵屋宗達の代表作「風神雷神図屏風」(レプリカ)、今にも降り立ちそうな迫力の天井画「双龍図」など、境内をめぐる中で何度も息をのむ瞬間が。
通常非公開の塔頭も周囲に多く並んでおり、それぞれの特別公開期間に合わせて訪れるのもおすすめです。
[住所]京都府京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町584
[拝観時間]10時~17時(16時30分受付終了)
[定休日]4月19・20日、6月4・5日 、その他法要の為の休止日有
[拝観料]大人600円、中高生300円、小学生200円、小学生未満は無料
[駐車場]あり(30分250円)
[アクセス]【電車】京阪祇園四条駅より徒歩5分【車】名神京都南ICより15分
清水五条坂 ゆば泉
ゆば料理専門店で京風ランチ。



清水寺や産寧坂へと続く五条坂の途中にある、ゆば料理の専門店です。
精進料理が発達した京都では、ゆばづくりも1200年代から行われてきたとされています。ゆば泉では国産大豆を使用し、昔ながらの製法で薄くとろりとしたゆばが丁寧に作られています。
訪れる人のほとんどが注文するという「京ゆば膳」は、繊細な味わいと盛り付けで目と舌を喜ばせる京料理の技を使い、同じゆばでもさまざまな味わい方を教えてくれる一膳です。
ゆば三種盛りでは定番の醤油に加えて胡麻ドレッシング、しば漬けを合わせて風味の変化を楽しんで。生ゆばを一度蒸したゆばご飯は、出汁とからんでほっこりと。くみ上げゆばも販売しているのでおみやげにもぴったりです。
高級食材でもあるゆばをお手頃価格で楽しめるとあって、お昼時には行列ができることもしばしば。時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
[住所]京都府京都市東山区五条橋東6-583-113
[営業時間]11時~15時
[定休日]不定
[料金]京ゆば膳2200円、名代くみあげゆば1188円
[駐車場]なし
[アクセス]【電車】京都市営バス五条坂バス停より徒歩5分 【車】名神京都東ICより20分
清水寺
「清水の舞台」で知られる壮大な世界遺産。

「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句でおなじみの寺院で、いくつもの重要文化財が立ち並ぶ寺院です。
778(宝亀9)年、賢心(のちに延鎮と改名)が夢のお告げを頼りに音羽の滝の近くに草庵を結び、千手観音像をお祀りしたのが始まり。
この音羽の滝は今も境内に流れ落ちており、不老長寿や無病息災のご利益があるとされています。
798(延暦17)年には鹿狩りに訪れた征夷大将軍・坂上田村麻呂が、賢心に殺生を諫められたことから寺院を建立し現在に至ります。
国宝に認定されている本堂は、崖の上にせり出し、168本の木柱で支えられる舞台造。この舞台からは京都市街を一望できる上、春は桜、秋は紅葉が眼下の錦雲渓を埋め尽くす絶景スポットです。
春と秋は夜間の幻想的なライトアップも必見です。
[住所]京都府京都市東山区清水1-294
[営業時間]6時~18時、春の夜間特別拝観は18時~、8月14日~16日は18時30分~、秋の特別夜間拝観は17時30分~、すべて21時受付終了
[定休日]なし
[拝観料]本堂:大人400円、小中学生200円、小学生未満無料、夜間特別拝観:大人400円、小中学生200円、小学生未満無料
[駐車場]なし
[アクセス]【電車】京都市営バス清水道バス停より徒歩10分【車】名神京都東ICより18分
八坂庚申堂(金剛寺)
カラフルなくくり猿に願いを託して。

坂の塔を目指して石畳の坂道を歩くと、ひっそりと朱塗りの門が佇んでいます。
正式名称を「大黒山 金剛寺 庚申堂」というこちらは、日本で最初に庚申信仰を始めたとされる、平安時代創建と伝わるお寺です。
庚申信仰とは、年6回ある庚申の日に眠らず身を慎めば長生きできるとされています。
八坂庚申堂ではこの日に無病息災を願う「こんにゃく炊き」を行うことでも知られています。
庚申信仰では猿は神の使いとされており、堂内には「見ざる・聞かざる・言わざる」の3匹の猿が青面金剛像とともに祀られています。
そして、カラフルに境内を彩っているのはくくり猿(500円)と呼ばれるお守り。こちらに願いを書き入れて奉納し、欲をひとつ我慢すれば願い事が叶うというのが八坂庚申堂の教えです。
[住所]京都府京都市東山区金園町390
[営業時間]9時~17時
[定休日]なし
[料金]拝観料:無料、くくり猿:500円
[駐車場]なし
[アクセス]【電車】京都市営バス東山安井バス停より徒歩4分【車】名神京都東ICより18分
京都の1泊2日モデルコース【2日目】
渡月橋
四季折々の風景に彩られる優美な橋。

嵐山の中心地を流れる大堰川にかかる、全長155mの橋。
屈指の紅葉の名所でもあり、京都の風景と言えばこちらを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
大堰川に平安初期に架けられたのが最初と伝わり、現在の位置に定まったのは角倉了以が架橋したときからとされています。
「渡月橋」の名は鎌倉時代に、亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る」(橋の上空を月が移動していくさまのようだ)と述べられたことから名付けられました。
ちなみに京都の十三詣りは、渡月橋の南にある「法輪寺」に参拝し、そのあと「一度も振り返らずに渡月橋を渡りきること」と教えられます。
振り返ってしまうと授けていただいた知恵を返してしまうのだそう。
晴れ着の少年少女を見かけたら、絶対に後ろから声をかけないようにしてあげてくださいね。
[住所]京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町1-5
[アクセス]【電車】嵐電嵐山駅より徒歩3分【車】京都縦貫道沓掛ICより20分
ぎゃあてい
職人仕込みの京のおばんざいを。


季節の食材や丁寧にひいたおだしを使い、それぞれの家庭で作られるお惣菜のことを、京都では「おばんざい」と言います。
嵐電嵐山駅横に店を構えるぎゃあていでは、職人さんが京都の技法を惜しみなく注ぎ込んだおばんざいを気楽に味わうことができます。
色とりどり12種類のおばんざいが並ぶぎゃあてい御膳は、旬の京野菜や近郊農家のものをふんだんに使用しており、四季に合わせてメニューが一新されます。
生麩やゆば、西京漬けなどもレパートリーに加わり、スイーツ、漬物に至るまで全て自家製。
小鉢を持ち上げると下からお品書きが顔を出す、ちょっとしたおもてなしの心も忘れません。
四季折々の京都ならではの味を、美しく盛られたお膳で堪能して下さい。
※2022年1月~3月末ごろまで改装工事のため休業中。再開予定は公式ホームページまたはInstagramにてご確認ください。
[住所]京都府京都市右京区嵯峨天竜寺造路町19-8
[営業時間]11時~14時30分
[定休日]水、不定
[料金]ぎゃあてい御膳2200円
[駐車場]なし
[アクセス]【電車】嵐電嵐山駅より徒歩すぐ【車】京都縦貫道沓掛ICより20分
嵯峨野トロッコ列車
渓谷の絶景ビューを駆けるトロッコ旅。


大堰川上流に広がる保津峡は、屈指の渓谷美を目にすることのできるエリア。
渓流沿いをガタゴトとゆったり走るトロッコ列車からは、春は桜のトンネル、夏は滴るような新緑、秋は燃えるような紅葉の山々と渓流のコントラストに目を奪われます。
5号車の「リッチ号」は、窓にガラスがないオープンなつくりで、絶景を大パノラマで感じられます。
特に名所では速度を落として走行してくれるので、心ゆくまで雄大な景色を楽しんで。
時間に余裕のある人は、嵐山までの復路を保津川下りで戻ってくるのもおすすめ。
また、車で移動する方は、嵐山よりもトロッコ亀岡駅から乗車するほうが便利です。
なお、春や秋のハイシーズンの土日祝日は満席になることも。事前にインターネット予約サイト「e5489」で予約購入しておくと、プラン通りに嵐山めぐりを楽しめますよ。
[住所]京都府京都市右京区嵯峨天竜寺車道町(トロッコ嵯峨駅)
[営業時間]8時30分または9時30分~17時20分
[定休日]不定(HP等で運行スケジュール要確認)※12月30日~2月末までは運休
[乗車料]大人片道880円、6才以上12才未満440円※全席指定、JR西日本みどりの窓口・インターネット「e5489」にて1ヵ月前から予約可、当日券はトロッコ嵯峨駅、嵐山駅、亀岡駅にて販売
[駐車場]トロッコ亀岡駅のみあり
[アクセス]【電車】トロッコ嵯峨駅へはJR嵯峨嵐山駅より徒歩1分、トロッコ亀岡駅へはJR馬堀駅より徒歩10分 【車】トロッコ亀岡駅へは京都縦貫道篠ICより10分
※掲載の価格は全て税込み価格です。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。