“日本の北”を代表する景勝地「奥入瀬渓流」。雄大な自然を体感できる人気スポットを、四季それぞれが持つ美しい風景と共に紹介します。
今回見ていくのは渓流を抜け、「十和田湖」の絶景と出会う定番の散策ルート。知ればより満喫できる!季節ごとの魅力に溢れたおすすめエリアも合わせてチェックしてみて下さいね。
奥入瀬渓流・十和田湖とは?

広大な「十和田湖(とわだこ)」を源とする「奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)」は、湖の北東部に位置する「焼山(やけやま)」から東部の「子ノ口(ねのくち)」まで約14kmにわたる清流です。森のなかに一歩足を踏み入れれば、川のせせらぎや野鳥のさえずりが響き、訪れた人に癒しを与えてくれる非日常空間。渓流沿いには車道と遊歩道が整備されているので、誰でも気軽に散策できるのも魅力のひとつです。

渓流散策の後は、青森県十和田市から秋田県小坂町にまたがるカルデラ湖「十和田湖」の絶景が待っています!周囲の長さは約46km。御倉半島と中山半島に挟まれた中湖では日本第3位の深さとなる327mの水深など、とにかく規模は広大です。
長い歴史のなかで育まれた大自然はまさに圧巻。外輪山に生い茂る木々や真っ青な空が巨大な水鏡のように湖面に映し出され、さらに壮大なロケーションを演出していることから、日本の北を代表する景勝地と称されています。
アクセス方法
ここを訪れる場合は「奥入瀬渓流」を散策し、十和田湖へと向かうのが定番ルート。まずは渓流の玄関口・焼山へ車かバスで向かいましょう。青森駅など青森市内中心部からだと車で約1時間、バスでおよそ2時間30分の道のり。渓流の入口には駐車場やトイレ、ミュージアムショップなどが入った「奥入瀬渓流館」があるので、散策前の準備や情報収集に立ち寄ってみましょう。
服装は長袖、長ズボン、多少濡れても良い靴など一般的なアウトドア用で問題ありません。持っていくと便利なのがタオルやトレッキングポール。そして水分補給に必要な飲み物も忘れずに!

子ノ口まで徒歩で向かう場合、焼山からだと5時間ほどかかるため、ほかのエリアから行くのもおすすめです。子ノ口まで徒歩約1時間50分の「雲井の滝」や徒歩約30分で行ける「銚子大滝」など6カ所あり、それぞれのスポットにバス停が設置されているのでJRバスだと楽に移動できます。体力や時間を考慮してスタート地点を決めましょう。
車で渓流沿いの車道を走りながら巡ることもできます。渓流のせせらぎを聞きながら所要40分程度と気軽に楽しめますよ。
奥入瀬渓流の四季

渓流に広がる大自然は春~夏にかけて新緑、秋になると紅葉、冬の雪景色と四季の移ろいと共に印象もガラリと変わります。季節ごとのおすすめスポットをチェックしておけば、効率良くそれぞれの絶景を見て回ることができます。
雪解けと共に森が活気付く春

まだまだ寒さの残る春先。雪解け水が渓流に流れ始め、活気づく森の様子が伺えます。4月はフキノトウなどの植物が顔を出し、5月に入ると花々が咲き始め、森に響く野鳥のさえずりが本格的な春の訪れを告げます。
焼山から車で約10分、徒歩だと1時間20分の場所にある「三乱(さみだれ)の流れ」が春のイチオシスポット。水の流れが3つに分かれた場所で、激しい水流は迫力があり「奥入瀬渓流」を代表するロケーションです。5月中旬~6月上旬頃には一帯にツツジが咲き、美しい花風景を見せてくれます。また渓流唯一の売店&休憩所がある石ヶ戸(いしけど)エリアが近いので、のんびり休憩しながら楽しめるのもいいですね。
新緑に包まれ、涼風が心地よい夏

避暑地として知られ、夏は渓流散策にベストなシーズンです。初夏には眩しいばかりの新緑に覆われた森で、心地よい涼風を感じながら快適に過ごすことができます。渓流沿いに点在する滝では飛び散る水しぶきが木漏れ日に照らされ、小さな虹を作ることも。
おすすめは「馬門岩(まかどいわ)」の上流に位置する「阿修羅の流れ」周辺。同地で最も良く知られたエリアで、カメラ片手に訪れる人も多いフォトスポットです。豪快な水しぶきや響きわたる水音、そしてカエデやブナが頭上高く生い茂る周辺の植物が、より涼しげな空間を演出してくれます。
森林が鮮やかな紅葉に染まる秋

9月に入ると朝晩に冷たい風が吹き、秋の気配が漂います。木々が赤や黄色に色づき始める10月下旬の紅葉は見逃せません。散った紅葉が路上一面を染める雨の日の散策もおすすめなんだとか。
各所に点在する滝の周辺が注目のポイントです。なかでも見応えがあるのは「雲井(くもい)の滝」や「白布(しらぬの)の滝」、「白糸(しらいと)の滝」の3カ所。カエデなどの木々が多く自生し、紅葉時は感動すら覚える美しさです。周辺には松の木も多く自生しているため、綺麗な緑と鮮やかな紅葉が織り成すコントラストが実に見事です。
一面白銀の世界へと変わる冬

冬の到来と共に森の木々や散策路に雪が降り積もり、一帯を白銀の世界に変えます。散策中は綺麗な雪景色が楽しめるほか、一番の見どころは氷瀑に出会えること。最も寒い1月は例年、平均気温が−2℃になることもあるため、防寒や雪の対策をしっかりとしておきましょう。毎冬恒例のライトアップイベント「十和田湖 冬物語」もチェックしてみてください(期間や詳細は公式HPを要確認※【公式】青森県観光情報サイト 「Amazing AOMORI」)。
様々な滝で見られる氷瀑は美しく迫力満点!氷瀑狙いで訪れる際は、多くの滝が点在する「雲井の滝」や「銚子大滝(ちょうしおおたき)」周辺を巡ってみるのもいいですよ。渓流の中間地点にある「馬門岩(まかどいわ)」の巨大な氷柱(つらら)は冬の名所として人気です。冬季はライトアップされ、うっとりするような幻想的な景色に変わります。
「十和田湖」の大自然を圧巻の大パノラマで楽しもう


「奥入瀬渓流」で散策を楽しんだ後は、「十和田湖」の絶景を満喫しましょう。圧巻の大パノラマで雄大な自然を一望でき、湖を囲む外輪山に自生する木々が季節ごとに表情を変える様子は感動もの。
標高583mに位置する「瞰湖台(かんこだい)」や湖がハート型に見える「紫明亭(しめいてい)展望台」など展望台は6カ所に設置されています。バス停はないため、訪れる際は車を利用しましょう。
【記事出典・参考】
「十和田湖国立公園協会」
「【公式】青森県観光情報サイト Amazing AOMORI」
十和田プリンスホテル
四季の移ろいを感じられる落ち着いた雰囲気のホテル


十和田湖の西湖畔に建ち、美しいレイクビューが自慢のホテルです。全室にシモンズ社製のツインベッドが置かれているので、旅の疲れも吹き飛びます!そして客室から眺められる美しい湖や季節の移ろいを感じさせる木々にも、ほっと心が落ち着きます。
敷地内にある「十和田湖 西湖畔温泉」の露天風呂でも、この素晴らしい景観が見られます!湯は弱アルカリ性で、疲労回復や関節のこわばりといった症状の改善に効果が期待できるそうです。

夕食は「十和田湖フレンチ」が堪能できます。十和田湖で育つ赤鮭で“幻の魚”と呼ばれるヒメマスの料理をはじめ、こだわり抜いた地元食材を中心に作る絶品料理がズラリ。また、晴れた朝には庭園を利用したレストラン「サンライズモーニングガーデン」がオープン。湖に輝く朝日を浴びながら、特製の和洋定食をいただく優雅なひと時を過ごせます。(朝食営業は7時~9時、1人2500円ほか)
奥入瀬 森のホテル
自然にどっぷり浸かる極上体験を!森で“食旅”を楽しむホテル


奥入瀬渓流の玄関口・焼山エリアにある「奥入瀬 森のホテル」では“食旅”をコンセプトにし、新しい旅のスタイルを提案。豊かな森に囲まれ、大自然を満喫することができます。昼間には周辺の散策などで最上の癒しを感じ、夕食時は地元の自然の恵みを堪能する“お箸で食べるコース”「奥入瀬キュイジーヌ」でのおもてなしが待っています!カフェラウンジもあり、店内の工房で作る特製スイーツを片手にティータイムを楽しむのもおすすめです。

散策の疲れを癒すため、温泉も見逃せません!八甲田山麓に湧く「猿倉温泉」の源泉で湯浴みでき、筋肉痛や冷え性などに効果的と言われています。さらりと肌触りの良い湯は、内湯の大浴場と絶景の露天風呂で満喫でき、サウナルームもあります。宿泊者の大浴場の利用時間は5時~翌1時、サウナは11時~23時。
奥入瀬渓流温泉 灯と楓
森の小さな宿で地元料理や上質な湯を満喫

焼山エリアにある「奥入瀬渓流温泉 灯と楓」は、奥入瀬渓流の入口までは徒歩約10分。全8室の小さな宿ながら手作り感満載の建物からは暖かな雰囲気が漂い、ホスピタリティ溢れるスタッフのお出迎えに心が休まります。客室は和室と洋室シングルの2種類から選べます。夕食は館内の食事処「焼鳥バル 薪nina(ニナ)」で提供されます。青森シャモロックをはじめとする県産鶏の焼き鳥がメインのコース料理を堪能しましょう。


上質な湯をかけ流す、大浴場も見逃せません。内湯の大浴場では、天井に使用した青森ひばが強い香りを放ち、緊張を和らげリラクゼーション効果が抜群なんだとか!青森・八戸の青い石や十和田石と地元の自然石を配した露天風呂の浴槽でも、存分にリフレッシュできますよ♪
050-3085-8605
青森県十和田市法量焼山64-108
チェックイン15時~19時、アウト8時~10時
東北道東北ICより42分
6台
「奥入瀬渓流温泉 灯と楓」の詳細はこちら
まとめ
今回は東北随一の絶景名所「十和田湖」と「奥入瀬渓流」を紹介しました。これから始まる夏は美しい新緑の季節。涼を求めて、雄大な自然を体感しに行くのもおすすめです。
ルートや見どころをチェックして、今度の休みに癒しの散策へお出かけしてみてはいかがですか?
※この記事は2022年7月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
※掲載の価格はすべて税込の価格です
\宿・ホテル検索はこちら/
GAKU(J.9)
株式会社J.9(ジェイ.キュー)所属のライター。福岡・東京を拠点に観光情報誌、情報WEBサイトで日本各地のグルメ、イベント情報などを日々発信しています。Twitterで食べたい!行きたい!情報を随時更新中。 @GakuKael(https://twitter.com/GakuKael)、株式会社J.9( http://j9-fukuoka.com/about/)