東京都新宿区にある花園神社は、徳川家康の江戸開府以前から新宿の総鎮守として信仰を集めてきた歴史ある神社です。
新宿駅から徒歩7分、新宿三丁目駅のE2出口からならすぐという都心にありながら、境内は厳かな雰囲気で、心身ともにリフレッシュできる都会のパワースポット。同じ敷地内に「芸能浅間神社」や「威徳稲荷神社」もあり、開運出世や厄除けだけではなく、芸事や縁結びなど多岐にわたるご利益で人気です。
11月の酉の日に開催される「酉の市(大酉祭(おおとりさい))」は関東三大酉の市の一つで、商売繁盛の熊手を求めて、毎年60万人もの人で賑わうそう。
都会のオアシス・花園神社の魅力をユニークなおみくじやおまもり、御朱印とともにご紹介します。
花園神社とは
新宿の発展を見守り、文化を育んできた総鎮守

花園神社の創建年代は不詳ですが、大和吉野山より神霊を分けて開山されたとされ、安土桃山時代である1590年の徳川家康の江戸入府時点で既に存在していたそうです。古くから新宿の総鎮守として大都会・新宿の発展を見守り続けています。
江戸時代初期までは現在の伊勢丹本店付近にありましたが、朝倉筑後守がその地に下屋敷を拝領されることになり、幕府より現在の社地を拝領。そこは、徳川御三家筆頭の尾張藩下屋敷の庭の一部で、たくさんの花が咲き乱れていたため、花園稲荷神社と呼ばれたのが社名の由来とされています。
ご祭神は農業の神様でお稲荷さんの倉稲魂命(うかのみたまのかみ)、勝負運・出世開運の神様 日本武尊(やまとたけるのみこと)、食べ物の神様 受持神(うけもちのかみ)の三柱です。
1811年の大火で焼失した社殿を再建するため境内に劇場を設け、見世物や演劇、踊りなどを興行して好評を博したことから芸能との縁が深く、文化を育む空間としての役割も担っています。

新宿で有数の高さの大鳥居は鉄製で、1996年に建てられたもの。参道では原則毎週日曜に「花園神社青空骨董市」が開催されています。

ビルとビルの間に続く参道は大都会・新宿ならではの景観。鳥居をくぐってすぐのところにある銅の唐獅子は、1821年に名工・村田整珉により鋳造されたもので、新宿区の有形文化財として登録されています。
見どころ1.縁結びや商売繁盛の「威徳稲荷神社」

大鳥居をくぐり、参道を歩いて右側にあるのが「威徳稲荷神社」です。いくつも連なる赤い鳥居はまるで異世界につながるような不思議な雰囲気。夫婦和合・子授け・縁結び・恋愛成就などにご利益があるとされ、特に若い女性に人気です。
見どころ2.芸術・芸能の神を祀る「芸能浅間神社」

大鳥居に向かって右側の入口から入ってすぐの場所にあるのが「芸能浅間神社」です。江戸の昔から芝居や舞踊の興行に縁が深かったため、演劇や歌曲など芸能関係の参拝が多いことで知られています。
周囲には、芸能人の名前が書かれた玉垣がたくさん掲げられているので、好きな芸能人の名前を発見できるかもしれませんよ。
見どころ3.関東三大酉の市「大酉祭」

酉の市は祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐の戦勝祈願をし、帰還の時にお礼参りをしたことにちなみ、日本武尊の命日である11月の酉の日に開催されます。
花園神社の酉の市・大酉祭は明治時代に始まり、商売繁盛の熊手を商う露店商のにぎやかな声は、師走を迎える街に欠かせない風物詩になっています。

毎年60万人もの人が訪れるという酉の市では、熊手の露店商だけではなく、靖国通り側の参道で多彩な出店も楽しめます。また、花園神社名物の火を噴く女など過激なパフォーマンスの見世物小屋を観ることもできます。
見どころ4.個性的なおみくじ

お稲荷さんにちなんで、きつねがモチーフの「きつねみくじ」。素焼きに手書きのきつねは、口に巻物をくわえているタイプと玉をくわえているタイプがあり、2つをセットで引くこともできます。
底の赤いひもを引っ張ると中からおみくじが出てきます。おみくじを出したあとは、家に飾っておきましょう。

木に紅白のだるまが描かれた「だるまみくじ」。裏側には「新宿 花園神社」と書かれています。
陰陽五行説からきた緑=木、赤=火、黄=土、白=金、紫=水の5色のひもを引っ張るとおみくじが出てきます。
「きつねみくじ」も「だるまみくじ」も手描きのため、表情はキリッとしたもの、愛嬌のあるものなどひとつひとつ違っているので、好みのものを選ぶ楽しさがあります。
花園神社の御朱印・おまもり
御朱印

通常の御朱印は「新宿総鎮守 花園神社」と堂々と墨書きされたものです。酉の市では、一の酉、二の酉…という文字が追記されるそう。
ほかに、拝殿の切り絵が入った御朱印(1000円)もあります。
おまもり

芸能浅間神社のおまもりで、芸事の成功を祈願しています。おまもりの裏に紙が入っているので、そこに名前や芸名などを書いて身につけるといいそうです。

新宿区の名物、内藤とうがらしの絵が入った仕事(志為事)守。内藤とうがらしの赤い実は上向きに実るので、為(な)す事、志す事、仕事に関する事が上向きにいくようにと祈願したおまもりです。
まとめ
賑わう繁華街にありながら、鳥居をくぐればすっと厳かな気持ちになる花園神社。境内に様々な神様が祀ってあり、多彩なご利益があるのが魅力です。
徒歩10分ほどのところに新宿御苑もあるので、今度の休日は、都会のオアシス散歩はいかがですか。
03-3209-5265
東京都新宿区新宿5-17-3
[参拝時間]【社務所】8時〜20時 【祈祷】9時30分〜11時30分、13時〜16時30分
なし
【電車】東京メトロ新宿三丁目駅より徒歩3分、JR新宿駅より徒歩7分
なし
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(画像提供:花園神社)
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※この記事は2022年9月4日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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中林 貴美子
旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。