初詣では日本有数の参拝客数を誇る千葉県・成田山新勝寺。JR成田駅と京成線京成成田駅から成田山新勝寺まで約800m続く参道は歴史ある建物が並び、今でも江戸情緒を色濃く残しています。
その中で、ひときわ目を引くのが鰻店。参道を歩けば、香ばしい香りに食欲が刺激されます。
古くから鰻をはじめとした川魚料理が食べられてきた成田エリア。江戸時代に成田詣が盛んになると、門前では参拝客をもてなすため提供した鰻料理が長旅の疲れを癒やすと評判に。今も参道周辺に多くの鰻料理店が軒を連ねています。
そこで今回は参道とその周辺にある美味しい鰻屋さんをピックアップしました!お参りとともに鰻グルメも楽しんでくださいね。
【総門より徒歩15秒】成田山門前 旅館 若松本店
創業200年。老舗旅館ならではの熟練の技が光る
江戸時代後期の1768(明和5)年創業の老舗旅館です。ランチのみの利用もOKで、創業当時から名物としている鰻料理を味わうことができます。
鰻料理は、さばき、蒸し、焼きまでを一貫して熟練の板前が担当し、いつでもふっくらつややかな焼きたて鰻が味わえます。長年継ぎ足してきた秘伝のタレは少し甘めで、若女将の実家で作る成田産コシヒカリのご飯とも相性抜群です。
鰻一尾が味わえる肝吸い付きの「うな重」のほか、お手頃価格でオリジナルの「特製にんにくみそ」と肝吸いがついた「うな丼定食」も人気です。
多くの参拝客で賑わう成田山新勝寺総門の目の前ながら、店内は落ち着いた雰囲気。畳にテーブルを配した純和風建築の中でゆったり食事が楽しめるのも魅力です。
0476-22-1136
千葉県成田市本町355
11時~LO13時30分
不定
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩15分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
20台
「成田山門前 旅館 若松本店」の詳細はこちら
【総門から徒歩1分】駿河屋
下総醤油と九重味醂のタレが鰻の旨さを際立たせる
店先で鰻をさばく様子が見られる鰻専門店です。さばきたての鰻を白焼きにして蒸し、タレをつけて焼くので新鮮で焼きたてが味わえます。
鰻は各地からその時期にあう厳選された鰻を使用。生産量が少なく全国でも厳選の店だけで味わえる幻の鰻「共水(きょうすい)うなぎ」を使用するメニューもあります。長年継ぎ足しで使う醤油は千葉県の下総醤油、みりんは伝統の製法を守り続ける三重県・三河味醂の白九重味醂を使っています。甘すぎず、あと味がいいタレは、脂ののった鰻の旨みを引き立てます。
焼きに使うのは備長炭。煙が出ず、雑味がつかない上に火力が強い備長炭は、表面はカラリと芳ばしく、中はふっくらジューシーに焼き上がります。
創業は江戸時代の寛永年間。旅籠からスタートし、現在は鰻専門店として参道でも行列の店として知られています。お祝いや記念日などに大切な人とゆったり過ごすのもおすすめです。
0476-22-1133
千葉県成田市仲町359
【平日】11時~17時(LO16時)【土日祝】10時〜17時(LO16時)※平日、土日祝ともに予約不可
木(変更の場合あり)
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩10分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「駿河屋」の詳細はこちら
「駿河屋」のクチコミ・周辺情報はこちら
【総門から徒歩3分】うなぎ・天ぷら 近江屋
長年継ぎ足しのタレが絶品。鰻以外のメニューも豊富
創業300年で、現在は11代目のご主人が営む老舗日本料理店。カジュアルな雰囲気でファミリーでも気軽に立ち寄れるのが嬉しいお店です。
鰻に使用するのは200年継ぎ足しのタレで、ちょっと濃いめながらあと味はさらり。ふんわり焼き上げた鰻がご飯を覆い、一緒に口に運べば絶妙に調和します。
鰻以外にも天ぷらや刺身、蕎麦などのメニューにも定評があり、特に脂ののった鯉を煮込んだ「鯉こく」(800円)や刺身の「鯉の洗い」(900円)は、看板メニューになっています。
老舗らしい店構えの玄関をくぐると、入口近くにはテーブル席。奥は少人数向け個室や80名まで対応可能な広々とした座敷になっています。鰻が苦手な人と一緒なら、メニュー豊富なこの店がおすすめです。
050-5492-4418
千葉県成田市仲町384
10時~17時
水
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩10分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「鰻・天ぷら 近江屋」の詳細はこちら
「鰻・天ぷら 近江屋」のクチコミ・周辺情報はこちら
【総門から徒歩3分】川豊本店
漁師、養魚、卸問屋がルーツ。新鮮さにこだわりあり
平日でも行列の絶えない店です。店頭でさばき、蒸し、焼き上げているので、思わず見入ってしまいます。
鰻・鯉をはじめとする川魚を専門的に取り扱う「漁師」「養魚」「卸問屋」をルーツとしているため、1910(明治43)年の創業以来、鰻の目利きには絶対の自信あり。その時期に最も美味しい鰻を厳選して仕入れ、井戸水で生かした新鮮な鰻をさばきたて、蒸したて、焼きたてで提供しています。
創業以来継ぎ足しのタレは薄甘口で、箸ですっと切れるほど柔らかくふっくらした鰻本来の風味を引き立てています。
昔なつかしい雰囲気が漂う木造3階建ての建物は、1911(明治44)年の建築。太い柱や梁、大黒柱や欄間などに職人の技を見ることができます。名建築の中で、こだわりの鰻を味わいましょう。
公式HPではリアルタイムに待ち状況がわかるようになっているので参考にするといいですね。
0476-22-2711
千葉県成田市仲町386
10時~LO17時※7月8月の土・日・祝は〜18時(LO)
なし
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩10分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「川豊本店」の詳細はこちら
「川豊本店」のクチコミ・周辺情報はこちら
【総門から徒歩4分】國之家
氷砂糖を使うタレは上品な甘さが秀逸
都内の料亭やホテルで修業した父子が営む、鰻料理と天ぷらが人気のお店です。肉厚な鰻が一尾のった「うな重」のほか、リーズナブルな「うな丼(半身・きも吸い付き2000円)」もあります。
氷砂糖を使用し2時間以上かけてじっくりと煮詰めた照りのある上品な甘めのタレが特徴。丁寧に焼き上げたボリューム感ある鰻が、最後の一口まで飽きることなく味わえます。
店内にはテーブル席や小上がり席のほか、2階には大小の宴会ができる広間も。表参道では珍しく、夜も営業しているので、お酒とともにゆっくり夕食を楽しむこともできます。
胡麻油の香り豊かな揚げたての天ぷらも絶品。天つゆのほか、抹茶や山椒、カレー塩があり、揚げたてを様々な味わいで食べられるのもいいですね。
0476-22-0326
千葉県成田市仲町390
9時~21時30分
不定
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩10分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「國之家」の詳細はこちら
【総門から徒歩4分】鰻福亭
炭火焼きの鰻は、手打ち蕎麦とのセットがおすすめ
鰻のほか、そば・うどん、カレーなども揃えたカジュアルな雰囲気の店です。炭火で白焼きし、臭みを抜いた鰻を老若男女に愛される甘めのタレで外側はパリッと、中はふっくらジューシーに焼き上げています。
厳選したそば粉を使って手打ちするそばにも定評があり、ミニうな重とセットになった「うなそばセット」が人気。そばはうどんに変更することもでき、冷たい「ざる」か温かい「かけ」を選べます。
カラッと揚がった海老や野菜が丼にそびえ立つような「特上天丼」は、板長自慢のメニュー。「お腹いっぱいになって、笑顔で帰っていただきたい」という店主の思いが詰まった多彩でボリューム満点のメニューは、店名の通り“まんぷく”間違いなしです。
0476-22-0027
千葉県成田市仲町394
10時~17時(宴会は〜23時)
月(祝日の場合翌平日、繁忙期は営業)
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩10分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
4台
「鰻福亭」の詳細はこちら
「鰻福亭」のクチコミ・周辺情報はこちら
【総門から徒歩7分】上町菊屋
産地証明付きの鰻を使用。羽釜で炊いたご飯も絶品
江戸時代中期創業の老舗「日本料理 菊屋」が2022年6月に表参道にオープンした新店です。菊屋で使う鰻はすべて産地証明付きで、その時期に美味しい鰻を各地から仕入れ、日本料理の修業を積んだ熟練の板前が一尾ずつ丁寧に手焼きしています。
鰻の持ち味を活かすタレは上品な甘さ。追いタレも提供してくれるので好みの味加減にできるのも嬉しいですね。羽釜で炊く地元産のコシヒカリはふっくらつややかで、手が止まらぬ美味しさです。
外観は表参道の景観にマッチした趣ある佇まい。入り口のバーカウンターでは鰻をはじめとした食事はもちろん、アイリッシュコーヒーや美味しい生ビール、ソフトドリンクなど、飲み物だけの利用もできます。1階は開放的な椅子席40席、2階は80席で、椅子席にも座敷席にもできます。個室もあるので、記念日に訪れるのもいいですね。
0476-36-8036
千葉県成田市上町553-1
11時~21時(LO20時)、日は〜18時(LO17時)
水
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩6分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「上町菊屋」の詳細はこちら
【総門から徒歩9分】名取亭
ふわトロ鰻はもちろん、美しい日本庭園にも感激
成田山公園に隣接した静かな川魚料理店です。鰻料理は注文を受けてから調理し始めるので少し時間はかかるものの、待ったかいがある美味しさ。鰻はふっくら柔らかく、トロリと溶けるような食感で、少し甘めのタレが絶妙な塩梅です。
鰻と野菜の天ぷらをのせた「鰻天丼」もおすすめ。揚げることで旨みを閉じ込めた鰻は、蒲焼きとは違った美味しさを発見できるはずです。
500席あるという大きな店舗の中には座敷や掘りごたつ席、少人数から利用できる個室があり、座敷からは四季折々の自然が感じられる日本庭園を眺めることができます。
鰻以外の「鯉こく」(1800円)などの一品料理も豊富なので、表参道の喧噪を避け、ゆったり食事を楽しみたい方におすすめです。
0476-22-0355
千葉県成田市寺台575
【昼】11時~LO15時【夜】17時〜21時※コースのみ
不定
【電車】JR成田駅・京成線京成成田駅より徒歩20分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
100台
「名取亭」の詳細はこちら
【総門から徒歩11分】天ぷら・うなぎ 三はし
関東では珍しい「地焼き」の鰻が味わえる
創業90年を迎える鰻と天ぷらの店です。鰻は蒸してから焼く関東風ではなく、蒸さずに香ばしく焼く「地焼き」スタイル。余分な脂を落としたパリッとした焼き上がりが特徴で、噛むほどに旨みが口に広がります。
甘めのタレは長年継ぎ足してきたもので、硬めに炊いた茨城県産コシヒカリともよく合います。リピーターが多いというのも納得の味わいです。
大正時代に創業し、現在は5代目の店主が伝統の味と独自の焼きの技を守り続けています。うな重のほか、「うな丼」(1900円)や揚げたての「天ぷら定食」(2500円)などもあります。2019年に建て直した、まだ真新しさが残る店舗で気持ちよく食事が楽しめるのがいいですね。
0476-22-2108
千葉県成田市花崎町532
11時~17時
不定
【電車】JR成田駅より徒歩3分、京成線京成成田駅より徒歩5分【車】東関東道富里ICまたは成田ICより15分
なし
「天ぷら・鰻 三はし」の詳細はこちら
【新勝寺から車で15分】い志ばし
印旛沼の鰻街道にある行列の絶えない店
印旛沼(いんばぬま)の周囲には鰻店が点在し、鰻街道と呼ばれています。その中で特に行列ができるのがこの店。鰻はタレを何度もつけながら丁寧に焼く地焼きスタイルで、カリッと香ばしく、あっさりした焼き上がりです。
タレは甘く濃厚で、程よく締まった鰻とともにご飯がすすむ美味しさ。それが肝吸い付きで2750円は驚き。行列が絶えないのもうなずけます。
車で走っていると見逃しそうな小さな店ですが、創業60年の三代続く鰻専門店。「鰻定食」(2750円)や「白焼定食」(2640円)「肝焼き」(1串220円)もおすすめです。印旛沼のほとりの自然豊かなロケーションで、気取らずに絶品の鰻を味わうことができるのも魅力のひとつ。全16席しかないので早めの時間に訪問するのがおすすめです。
まとめ
印旛沼の漁場に恵まれ、鰻で参詣客をもてなしてきた成田は、鰻を味わうのにおすすめの街。おなじ「うな重」でも、店によって味わいは様々です。参拝ついでとはいわず、絶品鰻を目的に成田を訪ねてみませんか。
※この記事は2022年10月8日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。
※飲酒運転は法律で固く禁じられています。飲酒をする場合は公共交通機関でお出かけください。
中林 貴美子
旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。