2023.01.28
兵庫県明石市は、明石海峡育ちのブランド魚介「明石だこ」の産地として知られており、名物のたこを使って誕生したのが「明石焼」です。
今回は大阪名物の「たこ焼き」との違いや、「明石焼」のおいしさの秘密をクローズアップ!あわせて本場・明石エリアと、神戸の中心街・三宮周辺で「明石焼」が味わえるおすすめ店をご紹介します。
※この記事は2023年1月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
明石焼とは

「明石焼」とは兵庫・明石の郷土料理で、ひと口大の丸い生地の中に名物のたこが入ったものです。一般的に地元では「明石焼」ではなく、「玉子焼」と呼ばれています。
「たこ焼き」との大きな違いは食感と食べ方。どちらも生地に小麦粉と卵、ダシなどを使いますが、その配分が異なります。たこ焼きの材料は卵より小麦粉の割合が多く、焼き上がりは外側がカリッとしています。
一方、「明石焼」は小麦粉より卵の割合が多く、加えて小麦粉のデンプンだけを精製した「じん粉(うき粉)」を使うのもポイント。熱を通しても固くならない「じん粉」の特質から、生地を焼いてもふわっとした食感をキープできるというわけです。
また、「たこ焼き」が鉄鍋を使うのに対して、「明石焼」は熱伝導のいい銅鍋を使用。卵が一層ふんわりと膨らむそうです。半球状のくぼみがある銅鍋に生地を流し込んでからたこのぶつ切りを入れ、それを包み込むように菜箸で数回まわして焼き上げます。できあがったら、お皿代わりの板に銅鍋をひっくり返せば盛り付けも完成!

「たこ焼き」はソースやマヨネーズ、青のり、カツオ節などをかけて味わいますが、「明石焼」はダシ汁に浸して楽しむのが基本。お店によっては、テーブルに塩、ソースなどを用意しているので、まず王道のダシ汁で味わった後、いろいろな食べ方を試してみるのもいいですね。
※店舗紹介での商品名は、「玉子焼」「明石焼」など各店舗での呼称にあわせています
明石焼・玉子焼 ふなまち(明石市)


明石市内外を問わず常連客が多いという、庶民的でアットホームなお店。ここでは昔ながらの冷たいダシ汁と一緒に「玉子焼(明石焼)」を提供します。玉子焼の中は熱々なので、ダシに浸して少し冷ますと、食べるときにちょうどいいのだそう。表面はしっかりと焼かれていて、箸でつまんでも崩れませんが、口に運ぶとふわっふわ!その後にとろとろ感が押し寄せます。たこのぶつ切りは少し大きめで、新鮮さゆえのコリコリッとした食感が楽しめます。
最初はダシに浸して味わい、途中からテーブルに置かれたカツオ節や青のり、ソースなどを使って味の変化を楽しむのもおすすめです。
平日も行列必至なので、時間がない人はテイクアウトが便利。1週間前からネットで予約を受け付け、来店時間にあわせて焼き上げてくれます。家で温め直しても、柔らかいと評判です。
[TEL]078-912-3508
[住所]兵庫県明石市材木町5-12
[営業時間]10時30分~18時(LO17時45分頃)
[定休日]木・金 ※大型連休前後は変更の可能性あり
[アクセス]【電車】JR明石駅より徒歩10分
[駐車場]あり(5台)※駐車場が少ないため、近隣のコインパーキング利用を推奨
「明石焼・玉子焼 ふなまち」の詳細はこちら
玉子焼専門店 松竹(明石市)


1958(昭和33)年の創業から三代続く、明石の玉子焼専門店。創業当初からつきあいのある「明石だこ」専門の水産会社からたこを仕入れ、外はカリッ、中はふわとろという焼き方は昔から変わりません。一方で、生地に使う材料のクオリティアップは惜しまず、ダシには上質な羅臼昆布にこだわるなど、味は今も進化を続けています。
できあがった玉子焼はこんがりときつね色で、香ばしい匂いが鼻をくすぐります。このお店ではごま油を使って表面にちょっと焼き目をつけることで、最初に少しカリッとした食感が楽しめ、香ばしさが味のアクセントになっています。さらに、薬味の三つ葉はおかわり自由なのが嬉しいですね。
定番の玉子焼のほか、オプションの特別玉子焼(15個850円)は、タコのぶつ切りを2切れ、卵を2倍に増量した豪華版。定番よりも生地は少し固めで、卵の風味をしっかりと楽しめます。
[TEL]078-912-0091
[住所]兵庫県明石市大明石町1-6-1 パピオスあかし1階
[営業時間]11時~19時30分(LO19時)
[定休日]水・第3木(祝日の場合は営業、翌日休み)
[アクセス]【電車】JR明石駅より徒歩2分
[駐車場]なし※パピオスあかしに有料駐車場あり
「玉子焼専門店 松竹」の詳細はこちら
たこ磯 本店(明石市)

明石の台所として約400年の歴史を持つ、魚の棚(うおんたな)商店街の東端に位置するお店。隣の鮮魚店から鮮度抜群の明石産の活だこを仕入れています。生地の表面はこんがりと焼き、中はとろとろに。そこに活だこならではのプリッとした食感と甘みがマッチ!温かいダシ汁につけて味わいます。

この店のもう1つの名物が、たこの代わりに明石名物でもある穴子が入った玉子焼。まるで茶碗蒸しのような優しい味わいが楽しめます。明石だこも穴子もどちらも食べてみたい人には、1個の玉子焼に両方の具が入った豪華な「ミックス」がおすすめです。

また、ぜんざいやおしるこ、アイスクリームなどの甘味メニューも揃うので、散策の休憩に、玉子焼と甘味で一休みするのにもぴったりですね。
[TEL]078-914-5103
[住所]兵庫県明石市本町1-1-11
[営業時間]10時~21時※日により早ければ19時閉店の場合あり
[定休日]なし
[アクセス]【電車】JR明石駅より徒歩10分
[駐車場]なし※魚の棚商店街指定駐車場を利用の場合は商店街での利用1000円ごとに割引券進呈
「たこ磯 本店」の詳細はこちら
明石焼き ゴ(明石市)

「冷めてもおいしい」というこの店の生地の材料は、なんと小麦粉は一切使わず、じん粉と卵、ダシ汁だけ。じん粉の特徴を活かした、ふんわりと柔らかく口当たりなめらかな玉子焼を楽しめます。

中の具は明石だこのほかに、えびやイカ、チーズに明太子など10種類以上から選べます。変わり種では、玉子焼をあんかけにした「玉子焼ごろごろ(あんかけ明石焼き)」もあるので、チェックしてみてください。

また、面白いのが店内の壁に貼られた漢字クイズ。全部で598単語ある漢字の読みを全問正解すると、玉子焼が1年間無料に!正解数によっても料金の割引があるので、ぜひトライしてみてはいかかがでしょうか。
[TEL]078-913-8205
[住所]兵庫県明石市本町2-1-4 熊本ビル1階
[営業時間]11時~21時
[定休日]月(祝日の場合は営業、翌日休み)
[アクセス]【電車】JR明石駅より徒歩5分
[駐車場]なし
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本家 きむらや(明石市)


1924(大正13)年創業の老舗。創業当時から変わらないという、ふわとろの明石焼(玉子焼)は、温かいダシに浸けて味わうほか、兵庫県の赤穂塩だけで味わうのも卵の優しい風味が際立っておすすめ。
中に入っているたこは、毎朝、明石の市場で仕入れたもので、鮮度は抜群。甘みがあり、プリプリの食感を楽しめます。

たこのおいしさを堪能したい人は、サイドメニューのおでんのたこもぜひ味わってみてください。たこの足を1本そのまま煮込んであり、食べ応えもたっぷりです。新鮮なたこに、ゆっくりと火を通すことで柔らかく煮上がるそうです。
[TEL]078-911-8320
[住所]兵庫県明石市鍛冶屋町5-23
[営業時間]10時~17時頃※仕込み分がなくなり次第終了
[定休日]月、月1回火曜(不定)
[アクセス]【電車】JR明石駅より徒歩10分
[駐車場]なし
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菊兆(神戸市)


JR三ノ宮駅西口から徒歩3分、北野坂にある「明石焼」と「麦とろろ御飯」のお店。オーナー自身、明石焼が大好きで、昔はよく明石まで食べに通っていたそう。神戸に明石焼を食べられる店が少なかったことから、自分の納得のいく味を研究して1969(昭和44)年にこの店をオープンしました。明石近海の甘みのある上質なたこを使い、卵たっぷりの生地にカツオと昆布のダシ汁、企業秘密の隠し味を加えて独自の工夫を重ねた菊兆オリジナルの明石焼です。醤油ベースの香ばしいダシもこの店ならでは。深夜24時まで開いているので、飲んだ後の〆に立ち寄るのもいいですね。
ちなみに、この店のもう1つの名物「麦とろろ御飯」は、兵庫県の篠山地方の粘りと甘みが強い稀少な丸芋を使用。麦とろろ御飯のファンも多いそうです。
[TEL]078-331-9813
[住所]兵庫県神戸市中央区中山手通1-10-5中一東ビル
[営業時間]18時~24時(金・土~翌1時)
[定休日]日、月曜不定
[アクセス]【電車】JR三ノ宮駅・阪急神戸三宮駅より徒歩3分
[駐車場]なし
「菊兆」の詳細はこちら
北野たこ平(神戸市)


神戸北野異人館街にある小さなたこ焼き店「北野たこ平」では、「明石焼」と「たこ焼き」の両方を味わえます。名物は関西風のダシを使ったうどんに、トッピングのように明石焼が4個入った「たこ焼きうどん」。生地はしっかりめの焼き上がりで、ダシの中でも形が崩れません。箸で生地に穴をあけ、明石焼にダシをたっぷりとふくませて味わうのがおすすめです。
また、この店の「たこ焼き」は、卵を多めに使ったふわふわ食感。たこ焼きと明石焼の中間のようなイメージです。生地にあらかじめ醤油味が付いていて、ソースをつけて味わうたこ焼きよりもさっぱりとしたおいしさを楽しめます。醤油味のほか、梅しそ味、カレー味、ピザ味と、オリジナルなたこ焼きが揃っています。
[TEL]078-231-2555
[住所]兵庫県神戸市中央区北野町3-8-2
[営業時間]10時30分~18時30分(LO18時)
[定休日]火
[アクセス]【電車】JR三ノ宮駅・阪急神戸三宮駅より徒歩15分
[駐車場]なし
「北野たこ平」の詳細はこちら
まとめ
兵庫県明石市には明石焼の店が約70店もあるそうです。店によって材料の配合やダシの味が違い、おいしさは様々。神戸三宮では、アレンジした明石焼も楽しめます。気になるお店を食べ歩きするのもいいですね♪
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CLIP(土井真由美、小林佐知子)
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